AI(人工知能)とファイナンス

AIで競馬予測なんて本当にできるの!?気になる実態と現状を調べてみた

競馬のイメージ

競馬予想ってそう簡単には上手くいきませんよね。始めた当初は予想がたまたま当たり上手くいくこともありますが、長く買っているとトータルの収支がマイナスということは珍しくないでしょう。

ところが現在では、AI(人工知能)で競馬予測を行うという新しい予想方法が生まれ、その中には高い的中率を誇っているものもあるのです。

当然ながら全然当たらないと嘆いている人からすれば、このAI(人工知能)競馬予測で収支を改善できるなら、やってみたいという人も出てくるでしょう。しかし、本当にこのAI(人工知能)競馬予測を行って、収支が改善するのか懐疑的な人もいます。

ですから今回は、本当にAI(人工知能)で競馬予測を行えるのかについてや、気になるAI(人工知能)競馬予測の実態と現状について詳しく説明していきましょう。また、AI(人工知能)競馬予測という手法により、競馬予測というものがどうなっていくのかについてもお伝えします。

AIで競馬予測を行えるのか?

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まず、AI(人工知能)で競馬予測を行えるのかという疑問を説明する前に、現在のAI(人工知能)事情についてお話しましょう。

ご存知のようにAI(人工知能)は多くの分野で活用できないか検討されており、実際に活用している事例というのもすでに出てきています。これはAI(人工知能)が以下のような強みをもっているため。

  1. データ分析が得意である
  2. 分析結果からAI(人工知能)独自の提案ができる
  3. 人でなく機械である

それぞれについて説明を加えていくと、まず1のとおりAI(人工知能)というものはデータ分析が得意で、AI(人工知能)を作っていく過程ではたくさんのデータを機械学習させ、目的とするAI(人工知能)を作成していきます。

例えば、画像認識をさせるAI(人工知能)であれば、判別させたい対象のデータとそれ以外のデータを学習させ、目的の対象を高い確率で判別できる予測モデルを構築し、プログラミングを行いながらAI(人工知能)を作っていくのです。そのため、優秀なAI(人工知能)を作成することができれば、後はAI(人工知能)が人間よりも優れた処理能力で大量のデータを分析してくれます。

また、このAI(人工知能)の分析能力で大きなポイントなのが、分析結果からAI(人工知能)独自の提案ができることです。

例えば、人間が関与して分析を行った場合には、思い込みによって正しい分析ができないことがありました。しかし、AI(人工知能)には思い込みという概念はなく、ただプログラムとして動いているだけ。
そのため、学習データに偏りがあるなどAI(人工知能)作成で問題がなければ、人間よりも精度の高い分析力によって作業や業務の効率を上げる提案ができます。(学習データに偏りあると、人種差別を行うようなAI(人工知能)ができるなど、AI(人工知能)であっても思い込みが発生することが確認されました。)

さらに、人でなく機械であるため、人手不足に対応できたり人件費が削減できます。特に日本では人手不足は社会問題となっているため、AI(人工知能)によって解決できないか検討され、場合によってはもうAI(人工知能)が使われていますよね。

なお、この機械であるという点に関しては、AI(人工知能)作成に必要な機材(ハードとソフトウェア)や知識があれば、個人でもAI(人工知能)を作れるというメリットもありますし、実際個人でもデータ分析のためにAI(人工知能)を作成している人はいます。

以上、これらがAI(人工知能)が持つ強みです。

これらをAI(人工知能)競馬予測に当てはめていくと、競馬をデータ分析を使って予測することはすでに可能ですよね。

AI(人工知能)は上で説明したような分析結果からAI(人工知能)独自の提案ができるため、人間が行った分析よりも高い結果をだせるかもしれません。しかも、AI(人工知能)は機械であるので、人間が行うデータ分析よりも時間は掛からず、場合によっては瞬時に結果を予想できるのです。そのため、これらを考えていくとAI(人工知能)競馬予測は人間よりも優れた結果を予測できると期待できるでしょう。

それでは次からはそんなAI競馬予測の実態と現状について、具体的な例を交えて説明していきます。

AI競馬予測の実態と現状

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それでは、AI(人工知能)競馬予測の実態と現状についてお話していきましょう。

まず、AI(人工知能)で競馬予測を行う試みというのは数年前から行われています。中でもドワンゴが主催者となりこれまで全3回行われている「電脳賞(春)」という、AI(人工知能)技術等を使った競馬予測アルゴリズム協議会は有名です。

なおこの「電脳賞(春)」とは、学生や研究者、エンジニア、競馬ファンなどがチームを組んで競馬予測を行い、回収率(競馬によりどれくらい儲けが出ているのかを%であらわしたもの)トップを競っていくものでした。こちらの協議会ではその後アプリとして公開されたものがいくつかあります。

1つは「AlphaKeiba」。こちらは第1回「電脳賞(春)」で優勝したチームが開発したAI(人工知能)競馬予測ソフトです。
具体的にはJRA-VANの過去10年のデータを用いて、コースや距離、馬体重、出走回数などを要素として、「Random Forest」という機械学習のアルゴリズムでどの馬が勝つのか、その確率を計算させます。そして、実際のオッズを上で得られた確率とで分析することにより、AI(人工知能)競馬予測ができるという仕組みです。

AlphaKeibaは協議会に出場したソフトの中で唯一回収率が100%を超えることに成功しており、現在は実質有料でサービスを行っています。(AlphaKeiba自体の利用は無料。ですがDataLab.への登録が必要です。)そのため、高いパフォーマンスを求めるのであればうってつけのAI(人工知能)競馬予測ソフトでしょう。

次に、「スポニチAI競馬予想SIVA」は第2回「電脳賞(春)」に出場していたチームのAI(人工知能)競馬予測ソフトをご紹介します。
スポニチAI競馬予想SIVA15年分の競馬データを用いて、競馬予測を行うAI(人工知能)「SIVA」にレースを予想させるものです。このAI(人工知能)競馬予測の特徴は、予想的中率を高くすることを目的として作られたことにあり、実際に協議会では全日程で予想を的中させることに成功しました。

仕組みとしては機械学習はもちろんのこと、重回帰分析というデータ分析方法を使い、人気の高い馬を中心にして予想していくもの。的中率をメインにしたAI(人工知能)競馬予測ソフトですが、過去には予想がズバリ当たり、回収率が200%を超える日もありました。したがって、固い予想を行いたいときにうってつけのAI(人工知能)競馬予測でしょう。

以上が「電脳賞(春)」から生まれた競馬予測を行うAI(人工知能)です。

また、AI(人工知能)競馬予測に関しては「電脳賞(春)」からだけではなく、事業としてこれを立ち上げている会社も生まれてきています。

代表的な例としてはAlphaImpact社の以下のもの。

  • 回収型人工知能
  • 的中型人工知能
これらはnetkeiba.com上で競馬予測を行っているAI(人工知能)です。前者が回収率を重視し、後者が的中率を重視したものとなっており、2019年10月30日においての一か月間の成績はどちらも回収率100%越えを達成しています。特徴としては機械学習の勾配ブースティングを使用している点。

なお、この勾配ブースティングとは、AI(人工知能)を作る過程で作成するモデルを複数作り、それらを融合させて最終的なモデルにする方法です。よりわかりやすく説明すると、競馬予測ができる人をたくさん集め、その人たちに意見を出してもらい、それをベストな形にしてまとめていくというもの。

これによって、より精度の高いAI(人工知能)競馬予測をできるようにしています。

少し調べてみればわかりますが、AI(人工知能)を使った競馬予測はここまで説明したもの以外にもたくさん生まれています。AI(人工知能)競馬予測の実態と現状としては、その予測能力は高いものであり、大きく成長している分野といえるでしょう。そのため、興味が出てきたのであればぜひ試してみてください。

 

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以上、今回はAI(人工知能)での競馬予測について実態や現状をお話しました。

最後に、AI(人工知能)競馬予測という手法により、競馬予測というものがどうなっていくのかについてもお伝えしていきましょう。現在、AI(人工知能)というのは完成した技術ではなく、発展途上のものです。そのため、AI(人工知能)競馬予測についても発展途上にあるといえます。

ですから、過度に信用するものでなく、競馬予測の参考していくべきものです。これについては競馬予測が上手くいっていない人にとっては、このAI(人工知能)競馬予測はありがたいツールになりえますよね。AI(人工知能)の優れた分析能力を利用して競馬予測するAI(人工知能)競馬予測は、競馬においては一般化していくかもしれません。

しかしながら、競馬というものは不確実性を持っているものです。

例えば、馬は生き物であるので体調が悪いこともありますし、騎手がミスをすることもあり得ます。ですからすべてを完全に予測するAI(人工知能)競馬予測というものは生まれないでしょう。ただし、競馬をギャンブルとして楽しんでいる人にとっては有用であることは間違いなしです。

ですからAI(人工知能)競馬予測がどのようなものであるのかをしっかりと理解して利用し、競馬を適度に楽しんでいけると良いですよね。

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