AI(人工知能)の導入が弁護士業界にもたらす大きな変化とは

AI(人工知能)の導入が弁護士業界にもたらす大きな変化とは

近年、AI(人工知能)が弁護士業務を代行する事例が増えており、月額980円で契約書を作成してくれるサービスなどもあるようです。弁護士に支払う費用といえばかなり高額なイメージありますが、月額980円なんてものすごく安いですよね。

例えば、世界初のAI(人工知能)による弁護士「ROSS」は、2016年5月から米国の法律事務所Baker&Hostetlerにおいて、人間の弁護士50名と共に破産関連の業務を開始しており、既に12の法律事務所で導入活用されています。

実際に、時間のかかる契約書の作成を低価格かつ短時間で行っていたり、事故の過失割合を数値で表したり、人間にしか無理だと思われていた様々なシーンで既に活躍しているのです。

このままAI(人工知能)による弁護士が増え続けると人間の弁護士が大量に失業してしまう時代が来るのではないかと心配になりますよね。

そこで今日は、AI(人工知能)の導入が弁護士業界にもたらす大きな変化について一緒に考えましょう。

AI(人工知能)による弁護士、実はかなりお得です

AI(人工知能)による弁護士、実はかなりお得です

契約書作成サービス「ホームズ」:2017年8月、リグシー(東京)はAI(人工知能)による契約書作成サービスを月額980円で開始、AI(人工知能)が顧客との対話に基づき約300種類のひな型より最適なひな型を選定、ひな型の空欄に必要事項を入力することにより5分程度で契約書が完成します。

契約書の作成を依頼した場合の手数料の相場は1通で5~10万円とかなり高額なため、取引前の合意を口約束で済ませてしまい、契約書締結を省略してしまう中小企業が非常に多いようです。

その後、両社間でトラブルが発生したものの契約書がないために裁判沙汰に至ってしまった事例を多数見てきた弁護士が、トラブルの事前防止に活用してほしいという気持ちから開始したサービスが「ホームズ」です。

契約書作成には高いノウハウが不可欠なイメージがありますが、不動産売買、業務受発注、従業員雇用契約、秘密保持契約等の構造や用語がパターン化できる契約書の作成はAI(人工知能)により充分に自動化が可能なようです。

また、数千件に及ぶ関連判例の調査分析作業はAI(人工知能)の得意分野であり、従来必要としていた膨大な人手と作業時間を大幅に削減することができます。AI(人工知能)導入により、着手金やタイムチャージ制など、分かりづらい料金設定の透明化と低価格化が進むことが期待できますよね。

AI(人工知能)は今まで私達にとって遠い存在であった法律事務所や弁護士を、もっと身近で便利な存在に変えてくれるかもしれません。

次に人間の弁護士の視点で考えましょう。

弁護士の業務時間の大幅短縮が実現できます

弁護士業務時間の大幅短縮が実現できます

冒頭でご紹介した世界初のAI(人工知能)による弁護士「ROSS」は関連判例の調査分析作業を担当しています。

AI(人工知能)の得意分野である関連判例の調査分析作業のスピードと精度の点で、人間は「ROSS」に全く太刀打ちできません。また、不確定的な要素が介入しづらい過払案件、交通事故、企業間取引トラブル等について、今後AI(人工知能)による代行は充分可能とする意見もあります。

法律相談サービス「交通事故過失割合Chatbot」:2017年10月、弁護士ドットコムは交通事故における過失割合をAI(人工知能)が事故当時の状況より判断し数値化するサービスの無料提供を開始しました。過失割合とは、双方の事故責任の割合を数値化したもので、賠償額を左右する重要な数値となるものです。

このままAI(人工知能)による弁護士が増え続けると人間の弁護士が大量に失業してしまう時代が来るのでしょうか。

一方で殺人事件、離婚問題および相続問題等の人間の不合理な行動が伴う案件についてはどうでしょうか。このような案件についてAI(人工知能)が過去の関連判例調査のみに従い判決をプリントアウトしたとしましょう。この判決について依頼者がはたして納得するでしょうか。

この判決がどれほど法律的に正しい判断であっても、依頼者は絶対に納得しないでしょう。人間には感情や様々な利害関係が存在するからです。

被害者一人ひとりのそれまでの人生が人それぞれ異なるように、紛争発生時の解決策に一つだけの正解はありません。被害者との会話を繰り返し繰り返し重ねることによって”共感”し、被害者にとって最適な解決策を見つけ出さなくてはなりません。

殺人事件で最愛の人を失った依頼者の悲しみについてAI(人工知能)は”共感”することができるでしょうか。残念ながら、現在のAI(人工知能)には依頼者と”共感”できる能力はありませんが、関連判例調査等の極めて強力な資料調査能力があります。

AI(人工知能)をうまく使うことにより、人間の弁護士は今まで多大な労力を払っていた機会的な作業から開放され、依頼者との交渉作業に専念することができます。

AI(人工知能)の導入が弁護士業界にもたらす大きな変化についてお話ししました

以上、今日はAI(人工知能)の導入が弁護士業界にもたらす大きな変化についてお話ししました。

今後AI(人工知能)が人間の様々な仕事を奪ってしまうかもしれない、と様々なメディアで報じられており、ちょっと不安な気持ちになることありますよね。しかしながら弁護士業界に関する限り、全ての業務がAI(人工知能)による弁護士に取って代わられてしまうことはないようです。

人間とAI(人工知能)による弁護士の双方がそれぞれの得意分野に特化することにより、費用の低価格化および対応スピードの向上が実現でき、敷居が高いと思われていた法律事務所が私達にとってより身近な存在になることでしょう。