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AIと機械学習ってどう違うの?初心者向けに徹底解説してみた!

AIと機械学習ってどう違うの?初心者向けに徹底解説してみた!

AI(人工知能)にまつわる用語は様々なものがありますが、初心者にとっては覚えきれないし、区別の難しいものも多いです。特に、いろんな用語の中でも、よく出てくる用語のはAI(人工知能)と機械学習の違いについてですが、実は今ひとつわかっていない・・・という人も多いですよね。

これから読み進めていただけるとわかりますが、実はAI(人工知能)と機械学習は、全く違う存在とは言い切ることはできません。この2つををわかっているようでわからないと感じていた人ににとっては意外な事実であり、びっくりしたはず。そうなると、AI(人工知能)と機械学習にはどのような違いがあるのか、気になっていくに違いありません。

そこで今回は、AI(人工知能)と機械学習とは何かついての解説と、その2つの違いについて解説をします。まずは、そもそもAI(人工知能)とは何か、についての解説です。

AI(人工知能)とは知的なプログラムを作るという広い概念を指す

プログラムのイメージ

AI(人工知能)について、まとめて解説すると話が混乱してしまう可能性があります。なので、ここではAI(人工知能)について定義、種類、歴史の3つに分けて、順を追って解説します。

AI(人工知能)の定義

AI(人工知能)とはArtificial Intelligenceの略で「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術です」と、人工知能学会の「人工知能のFAQ」で説明がなされています。非常にざっくりとした定義だな、と感じることかもしれませんが、実際に定義があいまいで、研究者間ですら微妙にニュアンスが異なってくることがあります総務省より)。

AI(人工知能)の種類

一口に人工知能といっても、さまざまな種類があり、主に特化型AI(人工知能)(Narrow AI,弱いAI)と汎用AI(人工知能)(Artificial general intelligence,強いAI)という分類ができます。まずは特化型AI(人工知能)と汎用AI(人工知能)について解説していきましょう。

特化型AI(人工知能)とは、特定の領域に特化して作られたAI(人工知能)のことで、既に数多くの能力を持つものが存在しています。よく聞く例だと、将棋やチェスで使われているAI(人工知能)が特化型AI(人工知能)に当たります。

対して、汎用AI(人工知能)とは、多様で複雑な問題を解決する、何でもできる働きを持つように作られたAI(人工知能)のことで、これが最初にAI(人工知能)を作ろうとした目的でもあります。特化型AI(人工知能)とは異なり、開発に当たって様々な問題があり、実現化しているものはほとんどありません。

次に、弱いAI(人工知能)と強いAI(人工知能)についてです。弱いAI(人工知能)とは特定の範囲で考え、何かの働きをするAI(人工知能)で、あらかじめプログラムされたことをこなすのに特化しています。特化型AI(人工知能)と似た概念で、主に人間の活動の補助をする役割を持っています。掃除用ロボットなどが弱いAI(人工知能)です。

強いAI(人工知能)とは、特定の範囲を超えて、人間と同じように思考を持つようなAI(人工知能)を指します。自律的に学習し、意思決定を行なえるという特徴を持っており、汎用AI(人工知能)と似たような概念です。

AI(人工知能)の歴史

AI(人工知能)は現在、大変話題になっている技術の一つであるため、ほんの最近から始まったものと考えている方も多いのではないでしょうか。諸説ありますが、実はAI(人工知能)の歴史は少なくとも1950年後半あたりから始まったと言われています。

1956年に行なわれたダートマス会議で、AI(人工知能)という言葉が使われるようになり、AI(人工知能)の第一次ブームが起こり、研究が盛んに行われるようになりました。この時期のAI(人工知能)は明示的なルールが存在するものを解くレベルの問題で、現実の問題を解くほどのものではありませんでした。しかし、次第に1980年代の第二次ブーム、そして現在の第三次ブームになるに従い、高度な処理が行えるようになりました。

機械学習はコンピュータ自身で学習を行なう仕組みを指す

機械学習のイメージ

機械学習についても複雑な話が多く、まとめて解説すると混乱の元になりますよね。なので、AI(人工知能)のときと同様に定義、種類の2つに分けて、順を追って解説していきます。次の章でくわしく述べますが、AI(人工知能)の中に機械学習という手法が存在するので、歴史については1980年代以降の第二次AI(人工知能)ブームから始まり、そこからAI(人工知能)と同様の経過をたどっています。

機械学習の定義

機械学習とは、「言語やゲームなどをはじめとした人間の様々な知的活動の中で、人間が自然と行っているパターン認識や経験則を導き出したりするような活動を、コンピュータを使って実現するための技術や理論、またはソフトウェアなどの総称である」というのが機械学習の定義の一つ(Weblio辞書より)です。簡単に言えば、与えられたデータを元にコンピュータ自身で学習を行なう仕組みや、人間の学習能力と同じような機能をコンピュータに持たせようという技術です。統一された文言の定義はありませんが、AI(人工知能)とは異なり、比較的明確な定義が存在しています。

機械学習の種類

機械学習はおおまかに、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つに分類することができます。それぞれについて順番に解説していきます。

教師あり学習とは、コンピュータにデータ(問題)と同時に答えを与えて学習させる手法です。例えば、大量に雲の画像(問題)とその画像が「雲」であるという答えを与え、読み込ませることでコンピュータが学習し、雲の写真を判別することができるという寸法になります。

対して、教師なし学習とはデータ(問題)だけ与えて学習される手法で、コンピュータ自らがデータの傾向を分析し、その規則性を学習します。例えば、ショッピングサイトで購入されているものの傾向を調べるのに利用されています。

強化学習とは、データを与えて、どうやったら最大の価値を得られるか(報酬を得られるか)を自ら学習し、加えて行動の評価も自ら更新していくという学習方法です。例えば囲碁のAI(人工知能)で無数にある選択肢の中から最良の手を選ぶために強化学習が利用されています。

AI(人工知能)の中に機械学習が存在する

違いのイメージ

さて、AI(人工知能)と機械学習がそれぞれどういったものか解説してきました。ここでは、AI(人工知能)と機械学習の違いについて細かく見ていきましょう。

比較のため、再度確認ですが、

AI(人工知能)の定義=「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」
機械学習の定義=「与えられたデータを元にコンピュータ自身で学習を行なう仕組みや、人間の学習能力と同じような機能をコンピュータに持たせようという技術のこと」

となっています。よくよく見てみるとAI(人工知能)のざっくりとした定義に、機械学習が当てはまるように感じますよね。

実は、AI(人工知能)の中に機械学習は含まれており、AI(人工知能)が包括的な概念で、機械学習はより具体的に落とし込んだ概念になるんです。機械学習は元々1950年代の第二次AI(人工知能)ブームで人間が機械に知能を与える手法から、機械自身が明示的なルールがなくとも自律的に判断することが可能となったことが始まりでした。つまり、AI(人工知能)と機械学習は全く異なるわけではなく、AI(人工知能)の一種の手法として機械学習が存在します。

まとめ

さて、今回はAI(人工知能)と機械学習とは何かついての解説と、両者の違いについて解説しました。AI(人工知能)と機械学習の違いというのは分かりづらく2つをごちゃごちゃしてしまいがちですよね。

再度確認しておくと、

・AI(人工知能)とは知的なプログラムを作るという広い概念を指す

・一方で機械学習とは、人間の学習能力と同じような機能をコンピュータに持たせ、与えられたデータを元にコンピュータ自身で学習を行なう仕組みや技術のことをさす

・そして両者の違いは、AI(人工知能)が包括的な概念であるのに対し、機械学習は第二次AI(人工知能)ブームを機に出てきた、AI(人工知能)の一部で、より具体的な定義を持った科学技術を指す

AI(人工知能)と機械学習で、定義や種類は異なり、AI(人工知能)と機械学習で違いがあるのかな、と感じるかもしれません。確かに細部は異なりますが、AI(人工知能)と機械学習には決定的に違いがあるというわけではなく、AI(人工知能)と機械学習は同じカテゴリに存在し、AI(人工知能)の方がより包括的な概念といった方が正確です。

初心者の方でも、AI(人工知能)と機械学習について、この記事で理解していただきつつ、この記事をきっかけに、AI(人工知能)や機械学習についての理解をより深めていきましょう。

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