テクノロジー

AI(人工知能)×VRで世界がどう変わるのか?その未来予想図をご紹介

近年、AI(人工知能)やVRといった新しい技術が話題になっており、ここ数年で大きく進歩しています。

例えば、AI(人工知能)と人が会話をしたり、またVRはゲームなどで使用されたりなど、日常生活のあらゆる場面でその技術に触れることがありますよね。

そして、雑誌「WIRED」の相関編集長をつとめたことでも知られるケヴィン・ケリー氏はAI(人工知能)とVRによって「必ず来る未来」について予想しています。

そのケヴィン・ケリー氏の予想というのは「VRによってインターネットの世界では経験や体験、感情といったものが世界の取引通貨になり、経験そのものをダウンロードしたりシェアしたりできるようになる。VRによって人と同じ経験をすることができ、VRはやがてSNSの中心となる。そしてAI(人工知能)はコモディティ化(高付加価値を持っていた商品の市場価値が低下し、一般的な商品になること)してサービスになる。あらゆるものにAI(人工知能)を付け加えるだけで新しいものが生まれる。」という内容です。

このように、AI(人工知能)とVRが未来を創っていくということがいわれていますが、実はこの二つを組み合わせることで人間が生み出すことのできない新しいものが生まれるというのです。それは一体何が起こるというのでしょうか。

そこで今回は、AI(人工知能)×VRによってもたらされる未来予想図をご紹介しましょう。

VR技術はAI(人工知能)と相性が良い!

まずはVRとは何なのかということについて説明します。

そもそもVRとはvirtual reality(仮想現実)の略称で、コンピューターによって作られた仮想の世界を現実世界のように体験できる技術。

今はゴーグルなどを頭に装着して使用することが主流で、ゲームや映画館などで使用したことがあるという方もいるかもしれません。この他にも、教育や医療といった分野でもVR技術が活用され、今後もその発展が期待されています。

さて、このVRはAI(人工知能)と相性が良いとされていますが、それは一体どういうことでしょうか。

これには人間の認知の性質が関わってきます。

まず、人間の認知の性質はデジタルなものをアナログな主観的なものとして認知。そしてこの性質によく似ているのがVR空間での体験です。

つまり、VRを使用すると現実にはそこにないものが存在するかのように感じられますが、これはデジタルなものをアナログな主観的なものとして認知しているためでしょう。

そして、これとは逆に人間がアナログなものと認識するときに、見逃してしまうものを見つけ出してくれるのがAI(人工知能)です。

例えば、AI(人工知能)の画像認識は、ビッグデータから学習して人間が見つけ出せないような特徴を見つけます。
このような性質をもつAI(人工知能)とVRを組み合わせると、アナログで主観的な認知をおこないつつ、認知機能を拡張できる高次の認知機能が生まれるといわれているのです。
さらにそれだけではなく、AI(人工知能)とVRを組み合わせることでVRからAI(人工知能)が学習するようになります。
例えば、画像データなどをVRの技術を使って作成します。そしてこれをもとにVR空間でAI(人工知能)に作成したデータの技術について学習させるということができるのです。

このように、AI(人工知能)がVRを手本に学習するというのですから驚きですよね。ですから、これらのことからAI(人工知能)とVRは相性が良いというわけ。

それではいよいよAI(人工知能)×VRが巻き起こす未来予想を三つご紹介しましょう。

AI(人工知能)×VRによってもたらされる未来予想図

設計を進化させるAI(人工知能)×VR

実は、AI(人工知能)とVRが建築業界に革命を起こすかもしれません。DVERSEという会社はNTT東日本と共同でAI(人工知能)とVRを組み合わせて設計を行う実証実験を行っており、この実験では二つの項目の実現を目指しています。

一つは音声指示によるデザインの確認と修正。どういうことかというと、VR内に表示される物体をAI(人工知能)が識別し、「家具の色を変えて」「ライトを明るくして」と音声指示による操作が可能になるのです。
もう一つはインフラ点検の自動化。これは、AI(人工知能)の学習によりコンクリートのひび割れなどを自動検知・予測し、さらに損傷個所をVR内にマッピングし3Dでわかりやすく確認できるようにするというもの。これがもし実現されれば作業工数の大幅な削減が可能になります。

まだまだ開発途中ですが今後どのように進化を遂げるのか楽しみです。

AI(人工知能)×VRでセラピスト誕生!

実はVRがさらにAI(人工知能)を組み合わせることでセラピストが誕生するという話があります。

VRを医療にいかすことを目指すVRHealth社は、VR空間内でAI(人工知能)を搭載したバーチャルカウンセラーと話すことができる医療向けアプリ「Luna」のリリースを予定しています。

このアプリは、AI(人工知能)がリハビリの状況をリアルタイムで分析し、フィードバックを行うことができるというもの。

なんとすでに、「Luna」を体験した更年期障害に見られる顔面紅潮やうつなどを患っている方の症状が緩和されたとの報告があるのです。これは、バーチャルカウンセラー「Luna」とのやり取りを通して、患者の脳に働きかけることでストレスを和らげることができたため。

なんだか、AI(人工知能)のカウンセラーが人間の心をサポートできるというのは驚きですよね。「Luna」は一体型VRヘッドセットOculus Go向けに開発中です。これからの動向にも注目しましょう。

Luna

AI(人工知能)×VRであなたの恋人は人間でなくなる!

ところで、人間とロボットが恋に落ちる作品をご覧になったことがあるでしょうか。実はこのような作品は今やファンタジーではなく、人間と機械の恋愛は現実味を帯びてきています。

まずはAI(人工知能)「りんな」をご紹介しましょう。

マイクロソフト社が開発した「りんな」は、ラインで友達になることでチャットができるAI(人工知能)で、彼女に話しかけるとまるで本当の女子高生であるかのような返事が返ってくるのです。そして2018年にはライン公式アカウント上で音声通話も可能になっています。

この「りんな」が話題になっている一方で、VRの進歩も目覚ましく、VR内のCGクオリティは向上し現実世界に近づきつつあります。

もしこのようなVR空間にAI(人工知能)を組み合わせたら・・・実は、この試みはすでに行われ始めているのです。
Oculus対応のアプリ「Fall in love in VR」は、VR空間になんと実在する俳優や女優の姿をしたAI(人工知能)が現れ会話することができてしまいます。

さらにこのAI(人工知能)、プレイし始めたころはそっけない反応なのに、続けていくと次第に好意的な反応を示すようになるというのです。ですから実在する美男美女たちと恋愛をしているような感覚になってしまうかもしれません。

機械と話しているはずなのに反応が変化し、仲良くなれるなんて信じられないですよね。
これはAI(人工知能)による学習機能があるからこそだといえます。

今後さらにAI(人工知能)が学習を重ねれば、ますます人間のような会話や思考が可能になり、さらにVRが進歩すればVR空間はまるで現実であるかのように感じられるようになるでしょう。

そうなれば将来、あなたの恋人はAI(人工知能)である・・・なんてことも当たり前になっているかも。

Fall in Love

 

今回はAI(人工知能)×VRでおこる未来予想についてご紹介しました。これらの予想のような未来が本当に訪れたらと思うとワクワクしますよね。

これはけっして遠い夢物語などではなく、今、多くの企業で実現に向けての取り組みが行われています。そして、AI(人工知能)とVRはそれぞれあらゆる分野で活用され、今後もますますその発展が期待できるでしょう。そしてさらに、これらを組み合わせることで新しい技術が生まれ、ご紹介したような未来やまったく新しいものが登場するかもしれません。

こうしてAI(人工知能)×VRはますます進化を続け、未来を創り、あなたの生活に変化をもたらします。

今後も、AI(人工知能)とVRが創り出すこれからに注目です。AI(人工知能)×VRによってワクワクできる未来が訪れるといいですよね。

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