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【2021年版】DX時代に知っておきたい!ビッグデータの活用事例まとめ

【2021年版】DX時代に知っておきたい!ビッグデータの活用事例まとめ

最近では、ビッグデータの時代が到来したとメディアで盛んにもてはやされています。しかし、ビッグデータとはどんなもので、私たちの生活の中でどのように活用されているのか、なかなか実感できませんよね。

企業はビッグデータを利用することによって、以前では考えられないような、より高品質のサービスを私たちに提供してくれるようになりました。そして何気なくつぶやいたSNS、たまたまクリックした広告、暇つぶしに見た動画など、取るに足らないと思われる行動が、実はビッグデータを形づくる重要なファクターとなっているかもしれません。

私たちの生活に頻繁に活用されているビッグデータですが、メリット・デメリットを含め具体的どのようなものなのか知りたい人もいるでしょう。この記事を最後まで読めば、ビッグデータを活用した具体的な活用方法を知ることができ、私たちの生活にどのような影響を及ぼしているのか理解できるはず。

そこで、今回はビッグデータについて基本的な知識と、その活用事例について、わかりやすくお伝えします!

ビッグデータって聞くけどどんなデータ?

データのイメージ

ビッグデータと聞くと、膨大な量のデータをイメージする方が多いですよね。実は、ビッグデータはそれだけではありません。ビッグデータとは、日々リアルタイムで生成・記録される膨大なデータ群を記録・保管・解析して出来上がったものを指します。

ビッグデータを簡単に表す「3V」というワードがあります。「Volume(量)」、「Variety(種類)」、「Velocity(速さ)」です。

「Volume(量)」は、データの量のことです。ICTの進歩により、収集・蓄積・分析できるデータ量は膨大になりました。ExcelファイルやCSVファイルなどの構造化されたデータはもちろんのこと、非構造データもビッグデータでは取り扱います。データ量の単位は数テラバイトから数ペタバイト(テラバイトの約1000倍)にも及ぶことがあります。

「Variety(種類)」は、ビッグデータが内包する情報が多種多様であるということです。従来から取り扱われているExcelファイルなどの構造化されたデータのみではなく、ビッグデータの普及と共に、テキストデータ、動画、写真、位置情報など、構造化されていない新しいデータの種類が増加しています。

「Velocity(速さ)」は、データを受け取り、処理するまでにかかるスピードのことです。ビジネス環境の変化スピードに対応するために、データ活用にも速さが必要です。SNSやメディアなどから得られた膨大なデータは、生成された瞬間にリアルタイムで処理され、活用されることに意義があります。

つまり、膨大で広範囲にわたる多種多様なデータを、スピーディーに分析・活用しているものをビッグデータと呼んでいます。

※さらなる説明はこちらへ

ビッグデータを活用するメリット・デメリット

ビジネスのイメージ

ビッグデータを活用するメリットは大きく分けて3つあります。

メリット1:リアルタイムで現状把握ができる

例えば今年の顧客ニーズを把握するためには、去年までの顧客の動向、去年よく売れた商品、例年この時季に売れた商品など、複数のデータを収集・統合・分析した後に、予測をたてる必要がありました。

しかし、ビッグデータは今この瞬間に商品が欲しいという顧客ニーズを抽出し、ウェブやSNSなどのネット上で販促広告を出すことが可能です。なぜなら、ビッグデータを使えば顧客のネット検索履歴や位置情報など、オンライン上でのありとあらゆる情報をリアルタイムで収集・分析・更新できるからです。ある商品を検索しただけで、それに関連する商品を導き出し、パーソナライズされた広告を表示できます。

メリット2:新たなビジネスを生み出しやすい

ビッグデータに含まれる膨大なデータの中から、データ同士の関係性を見つけ出せることができます。

例えば、ジュエリーブランドサイトの閲覧履歴と、そのサイトでネックレスを購入した人のSNSでの発言という2つのビッグデータを活用してみましょう。SNSでの発言から、ネックレスを着用して高級ホテルでディナーをしたことが判明すれば、「アクセサリーを購入した人」に「高級ホテル」や「レストラン」の情報提供をするというマーケティング戦略を立てることができます。

また、サイトの閲覧履歴から特定のページの閲覧時間を比較することによって、そのページには顧客にとって、より注目度の高い情報があることも予測されます。そのページのデザインにもっと工夫を凝らすなど、コスト戦略にも役立つでしょう。

メリット3:マーケティング効果を正確に検証できる

ビッグデータの活用によって、生み出されたマーケティング戦略を実施したら、そのパフォーマンスを必ず検証しなくてはなりません。検証を繰り返すことで顧客に対する情報の精度を上げて、マーケティング効果を最大限に引き出すことが重要です。

ビッグデータを用いて分析すれば、戦略に対する効果の推移や弱点もリアルタイムでフィードバックすることができます。つまり、ビッグデータを活用すれば、顧客ニーズの予測を立て、マーケティング戦略を実行し、その効果を検証する分析と、その分析から新たなヒントや示唆を発見するサイクルを、オートマチック化できます。

次に、ビッグデータを活用するデメリットを考えましょう。

デメリット:プライバシーの侵害につながる危険性がある

個人の消費行動を分析することで、行動パターンや嗜好を先回りして商品を薦めるマーケティングは、精度が高すぎると消費者に不信感を与えてしまいます。

なぜなら、まるで自分の行動が筒抜けになっているのではないかと感じるからです。例えばショッピングサイトで購入した商品の類似品がバナー広告で頻繁に出てきたり、メールマガジンやクーポンがどんどん送られてきたら気味が悪くなりますよね。

実際に、膨大なデータの中から関連性のある情報を繋げていくと、匿名データから個人が特定されてしまう可能性があります。企業にとっては、プライバシーとビッグデータの利便性のバランスをとることが、今後の大きな課題となっています。

ビッグデータを活用した事例その1:Netflix

NetFlixのイメージ

では、実際にビッグデータを活用している例をご紹介しましょう。

アメリカ発の動画配信サービス「Netflix」は、ユーザーに対して精度の高いレコメンドを行っています。ユーザーの好みに合わせたコンテンツをレコメンドすることで、ユーザーを飽きさせず、契約の長期継続を目的としています。ユーザーが動画を視聴する曜日や時間帯、どんなデバイスを使用しているか、どこで一時停止をしたり、巻き戻しや早送りをしているか、コンテンツを検索する際にどのようなワードを入力しているか等、膨大なデータを収集・分析しています。

これらのビッグデータに基づいて、視聴者を数万以上のクラスターに分類し、合致する動画ジャンルからレコメンドしています。また、視聴者をクラスター分類していると、特定の俳優や特定のテーマを好む視聴者がどれくらい存在するか可視化できます。

これによって、新作動画を制作する際に、どれくらいの視聴数が稼げるか予測を立てられ、ピンポイントでどの視聴者に広告宣伝をすれば最大の効果が現れるか戦略を立てられるようになりました。

ビッグデータを活用した事例その2:医療分野

医療のデータのイメージ

日本の医療においてビッグデータとして、代表的なのがDPCです。

DPCは患者を病名とそれに対する医療行為で分類する方法です。年齢・体重・手術や処置の種類・使用薬剤・合併症の有無・在院日数など、全て数値化されています。このサービスは、病院で提供した医療サービスを数値化して公開することで、過剰医療を防ぎ、医療費の無駄を防ぐことに繋がっています。

これらの情報は個人特定されないように加工され、国に提出しています。国はこれらのデータを収集・分析し、医療分野のさらなる発展を目指しています。例えば、特定の病気に対する医療行為の質に、病院ごとにバラつきが無いか可視化できたり、提供した薬の副作用の発見や治験など新薬の開発などにも貢献しています。

今後はマイナンバーカードが保険証と紐づけられる予定なので、より精度の高いビックデータの活用が見込まれるかもしれません。

ビッグデータを活用した事例その3:神奈川県川崎市

道路のイメージ

神奈川県川崎市はナビタイムジャパンと協力し、ビッグデータを用いることによって、交通事故の削減と交通混雑の緩和を推進しています。ナビタイムジャパンは、全国の道路をカバーしている自社アプリを用いて、走行実績データを取得しています。これを全国の経路をデータ化して保有し、物流企業や個人向けにスムーズな移動を可能にするサービスを提供しました。

データには交通量や速度分析、走行車種まで含まれており、経路分析や渋滞分析を可視化できます。川崎市はそれらのデータ提供を受けて、市内の交通安全や渋滞緩和の2点を重点的に対策する方針です。例えば、データによって急ブレーキをかける車が多い場所や、走行速度が速い道路をピンポイントで見つけ、カーブミラーや注意喚起の看板設置などに役立てるとのこと。

また、速度が極端に遅い場所や走行車両が多い時間帯を分析することによって、右折レーンやリバーシブルレーン(渋滞緩和のために、中央線を時間帯によってずらす交通規制のこと)の運用を予定しています。

※他にもビッグデータが使われた事例があります。その他の事例はこちら

今さら聞けない「ビッグデータ」とは!活用事例も合わせて徹底解説
最近、ビジネスの場で「ビッグデータ」という言葉が話題になることが非常に多くなっていますよね。実はビッグデータは私たちの身近な方法でも活用されつつあります。そこで今回は、今話題のビッグデータについて、事例も合わせて解説します。最初にビッグデータの定義から確認し、どの様に活用されているのかを見ていきましょう。

まとめ
さて、今回はビッグデータについて基本的な情報と、その活用事例をお伝えいたしました。

  • ビッグデータとは、「Volume(量)」、「Variety(種類)」、「Velocity(速さ)」の質が極めて高いデータであり、目的解決のために活用されているデータ群のこと
  • ビッグデータは、リアルタイムで現状把握ができ、新たなビジネスを生み出す可能性があり、マーケティング効果を正確に検証できるメリットがある
  • ビッグデータは、精度を高めれば高めるほどプライバシー侵害のデメリットがある
  • ビッグデータは、動画配信サービスNetflixで活用され、既存顧客の囲い込みと新規顧客の獲得に成功している
  • ビッグデータは、医療分野にも活用され、医療情報の可視化や医療業界の発展にも貢献している
  • ビッグデータは、地方自治体でも活用され始め、その都市の問題点を解決する糸口にもなっている

ビッグデータの活用は、これまで数値化できなかった現象を分析し、具体的なアイデアを見出すことを可能にします。あなたが今日購入した商品は、もしかしたらビッグデータで導き出されたアルゴリズムの結果かもしれません。

ビッグデータは、医療をはじめ、私たちの生活の質の向上に欠かせない存在となるでしょう。人間が見逃してしまうような、ささいなデータ同士の関連性が、未来を大きく変化する可能性を秘めていると思うと、ワクワクしますよね。当メディア(AIZINE)の運営会社であるお多福ラボでも、ビッグデータを活用したサービスを開発しています。興味がある方は、まずこちらをご覧ください。

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