DX(デジタルトランスフォーメーション)

ビッグデータを扱うなら必須!データマネジメントの方法と成功の秘訣

データイメージ

システムを構築したりビジネスを展開していく上で、様々なデータを用意し活用しますよね。

顧客の情報、市場の動き、流行や社会の動向といったあらゆる情報をデータとして管理し、蓄積、有効利用。そして昨今ではAI(人工知能)の研究が進展したことにより、機械学習に用いるためのビッグデータなども需要が高まっています。

しかしながら、膨大なデータは非常に貴重な資産になるものの一方で有効活用できなければただ貯めているだけ……という状態になってしまい、本来データが持っている旨味を活かすことができません。

せっかく蓄積させたデータも、それらが持つ意味や価値を正しく利用しなければ、宝の持ち腐れになってしまい非常にもったいないです。

こういった事態を防ぐため、データを最適化する「データマネジメント」という手法が存在します。うまくデータを活用することで、収集したデータが持つ本来の価値を最大限に生かすことができる取り組みです。

そこでデータマネジメントはどのような手法を用いるのか、具体的な方法や成功するためのポイントについて解説していきましょう。

データマネジメントとは

データのイメージ

データマネジメントとは、簡単に言えば「データをビジネスに活かすことができる状態で継続的に維持、さらに進化させていくための組織的な営み」のことを指します。

これはデータを効率的に保管する方法というよりも、データを活用するために行っていく「活動」全般を指す言葉。DMBOK(データマネジメント知識体系)によってガイドラインが定められており、それによると、データマネジメントとは以下のような活動を指します。

  • データの設計
  • ビジネスでデータを有効に使うための検討
  • データの保守や管理、品質の確保
  • 有効なセキュリティの実装
  • データに関する意思決定の明確化
このようにデータの保管方法はもちろん、そのデータの効果的な利用方法や、いかにして安全性を確保するか、データに対する社内の責任体制の確保なども、このデータマネジメントに含まれます。
また、上記の内容に加えて、「ITスキルと非ITスキル(例えば業務スキル)の両方が必要とされ、データマネジメントの責任は業務とITの担い手の双方が持つ」という点も、定義されています。

これはつまり、営業に関するデータであれば実際にデータを使う営業部門の関与が不可欠であるということ。

データという資産の価値を高めるだけでなく、管理の手法、方針、手順などを開発、実施、監視することもデータマネジメントの一部なのです。

なぜ、データマネジメントが必要になったのか

ポイントのイメージ

データマネジメントが必要とされるようになった背景には、企業が管理するデータの種類の多様化と、その管理方法の複雑化があります。

企業が扱うデータといえば顧客から入手、収集した情報だけでなく、第三者から取得した情報、業務プロセスの中で生まれる分析結果のようなものと様々です。
これらのようなデータが一元管理され、一つのシステムの中だけに存在しているのならば特に問題はありません。しかし、実際はデータの置き場所もシステム上、クラウド上と多種多様で、その管理方法もバラバラ。

企業が成長していく過程でその手法は更に増えていき、どんどん肥大していきます。

このように、複雑なシステム環境にデータが乱立する状態を改善し、適切に管理することを目的に、データマネージメントが必要とされるようになりました。特に、ビッグデータのように規模が大きくなればなるほど、このデータマネジメントの効果が大きく発揮されます。

一見するとデータマネジメントは難解で手間がかかるように見えるかもしれませんが、むしろ不正かつ不要なデータをもとに判断を行うことは、市場や顧客に対した適切な決断ができず、結果として企業や組織に悪影響をもたらしかねません。

また、昨今ではAI(人工知能)の開発において、機械学習(ディープラーニング)でもこのビッグデータが用いられています。そういった需要から、より一層データが持つ価値の重要性が高まり、データマネジメントの必要性が見出されてきたのです。

データマネジメントをするために組織で必要な取り組み

では実際に企業にてデータマネジメントを実施する際、どのような取り組みを行うべきなのでしょうか。

様々な手法が存在しますが、大まかに分けると以下のような3点が挙げられます。

  1. ビジネスメタデータを管理・可視化する仕組み (Axon Data Governance)
  2. システムメタデータを管理・可視化する仕組み (Enterprise Data Catalog)
  3. データ品質を担保する仕組み (Data Quality)
まずは1)によってデータが使われる企業、組織そのものの問題点を改善します。
企業にどのような人がいて、どのような役割があるのか。データについて守るべき規則やポリシーにどんなものがあるのか。データ管理を行っていくうえでの、組織としての基盤を決定していきます。
続いて2)によって具体的にデータの中身を管理していきます。
どんなデータがどんな仕組み上に存在しているか。どのような経路でデータが流通しているか。データを可視化することで管理し、信頼性を高めていきます。
そして3)によって現在保持しているデータの品質をさらに向上させていきます。
現状の棚卸しを行い、データの標準化、品質のスコアリング(定量化)を行います。特にこのスコアリングはデータの品質を担保するためのキーになり得る要素であり、データマネジメントにおいて重要な要素となります。

データが利用されている組織の現状をまずは調査し、そこに存在するデータを把握した上で、ようやくデータの品質改善に繋げていくのです。データ一つ一つの価値を明確にすることで、正しく品質が保持されているのかが明瞭になります。

こうして見ると、データマネジメントはまさにデータを扱う組織・企業そのもののマネジメントを行う、というようにも見えてきますよね。データだけを改善しても、それを利用・運用していく場が整っていなければやはり効果は半減してしまうもの。

双方を改善し「データが活用される場面そのものの最適化」を行うことが目的です。

データマネジメントの方法

データマネジメントをするイメージ

データマネジメントの大まかな流れを見てきましたが、さらにデータの価値を向上するためにどのような手法があるのか、もっと具体的に見ていきます。

データを明確に分類し、区別するためにはやはり「コードの付番」が必要ですよね。

社名、担当者、企業ジャンルなど、そのままのデータで扱うのではなく、必ずそれぞれを示すコードに変換し、活用します。こうすることで曖昧な名称のデータを間違える、という事態を未然に防ぐことができ信頼性が向上するでしょう。
また、整理されてないデータの中には、実は同じものを指す情報が乱立しているかもしれません。こういった状態では合計値や検索結果が正しいものにならず、システムの信頼性が低下してしまいます。
このため、「データの名寄せ」により複数定義されたデータを正しいものに統一すると非常に有効です。

たとえ入力ルールを決めていたとしても、日本語は非常に複雑です。記号や会社名の略称など、入力データに揺れが発生する場面も少なくはありません。また、入力時に全角、半角がずれているというケースもあり得るでしょう。このため、「データクレンジング」により表記を統一し、データの総数を正すことでより信頼性の高いデータとなります。この作業は定期的に行うとより効果的です。

データマネジメントの成功するためのポイント

ポイントのイメージ

データマネジメントの定義や手法について解説してきましたが、これらを漠然と利用しているだけではなかなか理想的なデータマネジメントには結び付きません。データマネジメントを成功させるうえで、いくつか重視すべきポイントが存在するのです。

まず何よりも、「データマネジメントを行う目的を明確にする」ことが重要。

データの効率化には、それを行うことで売り上げを拡大したり、業務を効率化させるといった最終的な目的があります。その目的を達成するためにより効果的な手法を選択していくべきです。
また、データの管理を改善するためにデータ格納のシステムや、データ活用のツールにばかり注目してしまいがちですが、重要となるのは管理していくべきデータそのものです。まずは「システムだけでなく中身のデータを確認する」ことで、何をすべきか、何を注意すべきかを考えていきましょう。

さらにデータマネジメントを行うからといって、膨大なデータを全て改善していくことが正解ではありません。

データを溜め、量を増やしていくことばかりに捉われては、結果的に正しくデータを活用することはできません。膨大なデータの中から「使えるデータ」を見出し、その価値を向上するという「小さく始めて大きく広げていく姿勢」が重要です。

 

データのイメージ

今回はデータマネジメントについてお話しました。

膨大なデータは一つの資産であり、システムやビジネスに活用する上では非常に価値の高いものになりますが、かといえただ漠然とデータを積み重ねただけでは、データが本来持つ価値やそこから生まれるメリットを享受することはできません。

データの精度が低かったり、信頼性の低いものを利用することで思わぬトラブルを招く可能性もあり、結果として利用者に不利益な結果をもたらすことにも繋がりかねないのです。

収集したデータの真の価値を見出すことができるという点において、データマネジメントはこれからの社会でビジネスを行っていく上では、必須となるでしょう。最適化されたビッグデータを用いることで競合に先んじた戦略を立て、行動していくことができるのです。

今後、ビジネスでの活用のみならずAI(人工知能)開発という場面にて、ますますビッグデータの活用ケースは増えていくものと予測されます。データの品質、信頼性を管理・向上させるデータマネジメントの存在は、ますますなくてはならないものになるでしょう。

【お知らせ】

当メディア(AIZINE)を運営しているAI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発会社お多福ラボでは「福をふりまく」をミッションに、スピード、提案内容、価格、全てにおいて期待を上回り、徹底的な顧客志向で小規模から大規模ソリューションまで幅広く対応しています。

御社の悩みを強みに変える仕組みづくりのお手伝いを致しますので、ぜひご相談ください。

お多福ラボコーポレートサイトへのバナー

 

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました