DX(デジタルトランスフォーメーション)

デジタル化の社会で重要になる「経営企画」。その役割と仕事内容とは

デジタル化の社会で重要になる「経営企画」。その役割と仕事内容とは

経営企画部は、企業でも最重要なセクションだと言われますよね。大企業には必ず経営企画部や企画部というセクションがありますが、機密事項を扱っていることもあって、担当がどんな仕事をしていて、部門が企業の中でどんな役割を果たしているのかイメージが湧かない人は多いかもしれません。

しかし、経営企画部とは企業の中・長期的な経営計画を立案して、その遂行状況を管理するとともに、目標遂行のために必要な情報を収集・分析して企業の経営トップに直接アドバイスします。つまり、企業が存続して経営するには欠かせない存在です。

また、経営企画は一見するとDXとは関係の薄い仕事をしているように思えるのですが、実は今後DX推進に必要不可欠な役割を果たしているのだとか。つまり、今後の社内改革のためには経営企画の役割を知っておくのは、今や必須です。

そんなわけで今回は、DX時代の中において経営企画部門が果たす役割と重要性についてお伝えします。

経営企画とは、具体的に何をやるのか

社長のイメージ

経営企画とは、企業のトップと一体になってビジョンを共有し目標達成に向けた具体的な手法を立案すると共にし実施状況を管理することです。また、トップが意思決定を行うために必要な情報や材料を提供したり、自分の判断を添えたアドバイスをしたりすることもあります。

中小企業での経営企画では社長や経営陣が、自ら経営戦略の立案や実施状況の管理などを行います。企業の規模が大きくなれば、そうした機能を担う経営企画担当者を置いたり、複数の担当者で構成される経営企画部門という組織を設置したりします。会社の頭脳・中枢としての機能が求められていますが、経営会議の事務局という役割を担うこともあるとのこと。

いずれも、トップと綿密にコミュニケーションを取り、ビジョンを共有した上で必要な情報と意見を提供することが求められるでしょう。

※ 経営企画について詳しくはこちらをご覧ください

経営企画とは?意味や重要性をわかりやすく解説 | お多福ラボ
競争が激化したビジネス環境で生き残るためには、中長期の経営戦略の立案は必要不可欠ですよね。経営戦略に方向付けられた中長期、または短期の計画立案のことを経営企画と言いますが、経営企画はますます重要度が高まっています。今回はそんな経営企画の意味や重要性についてお伝えします。

経営企画で求められるスキル

論理的思考力のイメージ

経営企画担当には、業務全般にわたる幅広い知見が求められるのは当然ですが、最も重要なのは論理的思考力と客観的判断力、さらに情報を収集して分析する能力と情報不足を補える想像力でしょう。それについて、詳しく解説しましょう。

論理的思考力

理性より感情を優先して物事を決めてしまうのは、私たちの身のまわりでも、働く会社の中でも良くあることですよね。論理的・客観的な思考力が重要なのは、日本の組織では客観的な事実ではない情報による意思決定が行われる事が少なくないからです。

例えば、経営資源の配分を決定する場所に、客観的な必要性や重要性より、相手に対する感情を優先してしまう、つまり経営者の好き嫌いによってそれを決めてしまう場合があります。

もちろん経営に関わる重要事項については経営会議や取締役会議などを経て決定されますが、その決定が合理的であるという保証はありません。このような不合理な意思決定を排除し、常に客観的事実と論理的思考に基づいた思考力を身につけましょう。

情報収集・分析力

現場の情報は経営レベルに上がってくるまでに時間がかかり、不都合な情報がトップに届かないということも珍しくありません。

それを防ぐために、経営企画担当は頻繁に現場に行って事実を確認するなど自ら情報を収集する能力が求められます。他人の主観が入らない客観的情報は、企業のトップが意思決定する際に非常に重要になります。

また、集めた情報から一定の傾向と法則性を見いだしたり推理して全体像を把握するための分析力、現場の情報をスムーズに流通させるバイパスとなってトップに直接届くようにする行動力とフットワークが求められます。

情報が溢れていると言われる現代でも、本当に必要な情報を得る事は難しい事ですよね。またいくら情報を収集しても、企業のトップが必要とする情報を十分に得ないと適切な意思決定はできません。

経営企画は、その手助けとして必要な情報の不足を補う役割があります。つまり、経営トップや経営陣と常にコミュニケーションを取っているため、日常の仕事を通じて自分をアピールできる仕事とも言えるでしょう。

経営企画において、よくある課題

対立のイメージ

経営企画部門がしばしば対応する課題は、部門間の利害や権限が対立した場合の調整や、DXのような全社的・部門横断的な課題の推進を担ったり、M&Aのように、重要性・機密性が高い課題も担当します。

部門対立の調整

予算の執行状況を巡って経理部門と他の部門が対立するのは日常茶飯事ですが、部門間でも経営資源の配分を巡る利害対立は頻繁に起こります。

こうした場合に調整にあたるのが経営企画部門の役割です。この場合に注意しなければならないのは、個別利益の追求は必ずしも全体の利益に繋がらず、却って不利益に繋がりかねないことです。

比較的重要度の低い目標を与えられた部門に多くの資源を配分すれば、重要な目標達成の任務を帯びた部門に配分する資源が不足して、全体の計画が頓挫してしまう可能性があります

DXにおける社内デジタル化

例えば、時代の要請であるDXによるデジタル化推進という大きな経営課題を各部門に要請するのは、経営企画部門の役割です。そうなると、全社的な改革が必要になるので現場との食い違いが発生することもあるでしょう。

またDXの推進には反対しなくても、具体例な施策であるペーパーレス化の実現という具体的な課題になると、実施について異論が出たりします。

そうした場合に、調整にあたるのも経営企画部門の役割です。経営企画が具体的な方針や解決案を考え、通達します。

課題を解決する方法

将来予測のイメージ

それでは、そんな経営企画が直面する課題を解決する方法について解説しましょう。

優先順位の決定

企業の中長期的的な目標を成功するためには、全体の遂行状況を把握し、目標達成のために重要な役割を担う部門に資源を優先的に供給・配分する事が重要です。

そのためには配分に優先順位を付け、重要度が低かったり将来の発展性が見込めず、予定していた収益が見込めない部門は撤収するという決断をしましょう。

将来予測

中長期的な経営ビジョンを示すには、社会環境や技術の進歩など客観的事実に基づいた将来予測を行うことが必要です。

例えば、アナログフィルムはデジタル技術の進歩によって陳腐化し、ビジネスの将来性が消滅したため、フィルムメーカーは業態の変革を行う必要に迫られました。富士フィルムやコニカミノルタは、デジタル化が自社のビジネスに与える影響を正しく予測し、異なる分野の企業に変貌して生き残りましたが、変革が遅れたコダックは倒産しています。

もちろん最終的な意思決定はトップが行うのですが、感情や過去の経緯に囚われずに将来予測を立てて実行しましょう。

社内のデジタル化を進めるなら、経営企画の力が不可欠

デジタルのイメージ

DX推進が重要な経営課題である事を経営トップに認識してもらうためには、経営企画部門の理解と協力が必要不可欠です。経営トップが既に社内のDXの状況を把握して、それを推進するビジョンを提示している場合は、経営企画部が部門間の調整を行う必要があります。

例えばDXの推進に際して、ユーザー部門は自らの業務効率を最大化するためのシステム開発を求めます。それに対してシステム部門は、与えられているリソースを考慮して、負荷が大きい要求を拒否したり、時期を巡ってユーザー部門と対立することもありますよね。また、デジタルによって新しいビジネスモデルを生み出そうとする内部管理部門と、顧客の便宜や意向を重視して、それに反対する営業部門との間で対立が起きることも考えられます。

こうした場合、経営企画部門はユーザー部門の要求の妥当性や緊急性を経営レベルで判断して実施の範囲や時期について調整することが求められます。DXは部門を横断する課題であり、営業と経理などユーザー部門同士で対立する問題が発生する事もあるでしょう。

こうした問題について総合的な判断を行い、対立や衝突を調整してスピーディに解決に導くのが経営企画部門の重要な役割です。

まとめ
さて、今回はDX時代の中において経営企画部門が果たす役割と重要性についてお伝えしてきましたが、それらを簡単にまとめてみましょう。

  1. 経営企画部は中長期的な経営計画の立案やその遂行状況を管理する、企業の頭脳・中枢の役割を担っている
  2. 経営企画担当には、論理的思考力と客観的洞察力、それに情報を収集・分析する能力とスキルが求められる
  3. 経営企画部がしばしば直面する課題は、部門間の対立・衝突の調整である
  4. そのためには、部門の課題について重要性・緊急性に基づいた優先順位をつける必要がある
  5. 経営企画部のこうした機能はDX推進に必要不可欠である

経営企画部はあらゆる経営課題の解決に関して重要な役割を担っています。外部からは仕事の中身が見えにくいのですが、とても重要な役割をになっています。これから、企業がDXを推進する上で、方針を示す経営企画は重要な担い手になるに違いありません。

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