AIとは何か

【3分でできるようになる】時系列分析の方法と、その実践例について

時計の集まり

時系列分析って聞くし気になるけれどやり方がよくわからない!

AI(人工知能)の用語を見ているとこの時系列分析という言葉をよく見かけることがありますよね。

実はこの時系列分析は日常の様々な場で使われており今や生活になくてはならないものとなっています。

とは言っても時系列分析の方法や注意点など実際にどう進めていけばいいのかイマイチわかりづらいところ。

そこで今回は時系列分析にフォーカスを当てて時系列分析の方法や実践例について触れていきます。

これを通して時系列分析のモデルや手法、活用事例、そして注意点まで一気に理解していきましょう。

中村
中村

それではまず、そもそも時系列分析とは何かやどういった場面で役立つかといったところからお伝えします。

時系列分析とは

whatの文字

まず、時系列分析とは時間の経過によって変化するデータの分析をすること。

時間の経過によって観測されるデータのことを「時系列データ」と言い、毎日変動する株価など私たちのまわりにはそういったものがたくさんあります。

時系列データはどんな場面で役立つか

道具のイメージ

時系列データは時間の経過によって観測されるデータのことだと一言で言ってもどういう時に役立つかイマイチピンとこないですよね。

時系列データが役立つ場面として挙げられるのは需要予測のような未来のデータを予測する時。

例えばアイスの需要予測をし在庫調整をするのであれば時系列データの分析を通して売り上げや必要な在庫の量について中長期的な増減や季節性を考慮した変化を予測し実際の施策に繋げていくことになります。

時系列分析のモデル

数ある時計の一つ

時系列分析を使う場面について触れたので今度はどう言ったモデルがあるか代表的なものをご紹介します。

自己回帰モデル

自己回帰モデルは過去のデータを用いてある時点のデータを回帰で求めるモデル。

具体的な例として株価の予測が挙げられます。

今日の株価について昨日や一昨日のそれを用いて回帰で予測していくなど過去を用いてその先を予測していくのです。

Auto Regression modelの頭文字を取ってARと呼ばれることもあるので併せて覚えておきましょう。

移動平均モデル

移動平均モデルはある時間のデータについてそれより前の時間によって作られたランダムな数の線形和によって表される解析モデル。

Moving Average modelの頭文字を取ってMAと呼ばれることもあります。

和分過程

和分過程は時系列の中でも金融取引に使うデータを用いる際に利用されるモデル。

前までの値に今の値を重ねていくというものとなります。

Integratedの頭文字を取ってIとも称されます。

自己回帰モデルと移動平均モデルを組み合わせモデルやさらに和分過程も取り入れたモデルなどもありモデルの候補を考える上で上記の3つは基礎となる重要なものとなるのでおさえておきましょう。

時系列分析を行う方法

分析のイメージ

時系列分析のモデルを見たので今度は実際の分析する方法を見ていきましょう。

ここではその中でも最もシンプルなものである移動平均法と指数平滑法の2つをご紹介します。

移動平均法

まず、月毎の売り上げであれば1年(=12ヶ月)を期間として設定、1ヶ月単位でずらしつつ平均値を出していくという手法が移動平均法。

季節毎に繰り返される変化や特別な状況による短期的な変化の影響を除外し全体的に見て上昇傾向にあるのか加工傾向にあるのかを見られるという点が特徴です。

因みにこういった短期的な変化の除外を平滑化と言うので覚えておきましょう。

ずらして平均を出すということで手法としてはシンプルではあるものの時系列データの傾向を読み解きやすくできるという点で優れています。

指数平滑法

指数平滑法は移動平均法と同じくデータを平滑化しつつも加重平均法と言う現在に近いデータから過去のデータにかけて重要度を下げていくという手法。

指数平滑法は売上株価の動き、発注量といった短期的な予測をはじめとする様々なところで応用されています。

時系列分析の活用事例

時計を使っているイメージ

時系列分析のモデルや方法を見ていったので今度は時系列分析を活用した事例を見ていきましょう。

今回ご紹介するのは富士通株式会社、株式会社富士通研究所、フランスの国立研究機関Inriaが共同で開発した技術です。

これはIoT機器などから得られる時系列データから異常を見つけるAI(人工知能)のモデルを自動で作成するというもの。

富士通研究所が独自に持つ時系列データの解析技術を応用、複数の情報が絡み複雑となっている時系列データから異常を検知するために必要なものを自動で見つけ出しそれを基に自動でモデルを作成するというのです。

この技術を用いた検証で行われたのは橋梁の内部破損の検知と人間の脈波データから眠気などの異常の検出の2つ。

橋梁の内部破損の検知では専門のエンジニアが5日かけて作成したレベルのモデルを10分で、脈波データからの異常検知では4日かけて作成したものより遥かに高性能のモデルを20分で作成できるに至っています。

この技術はGUDHIというInriaが開発したTDAのオープンソースのソフトウェアに実装されており公開はなんと無償

この技術を活用することで専門のエンジニアでなくても時系列データを用いたモデル作成を行いやすくなるだけでなく作業工数の大幅な削減もできるのでAI(人工知能)のビジネス領域での活用がより広くなっていくことが期待できます。

時系列分析をするに当たっての注意点

注意のイメージ

最後に時系列分析を行う際の注意点を見ていきましょう。

代表的なものとして挙げられるのは周期性、トレンドの扱い方です。

ここでは「周期性」、「トレンド」の2つに分けて解説していきます。

周期性

ビジネスの現場で時系列データで売上高や契約数などを見ると曜日や24時間と行った周期性を伴ったものである場合が多々あります。

そういった周期的な変動に敢えて目を向けているわけでなければその周期性に何もしないで分析などを進めるとおかしな方向に行ってしまう可能性も。
相関係数や回帰分析などを進めもっともらしい関係性が見えても周期性をしっかり考慮すると実は表面的なものでしかなかったということもありうるので誤った結論を出さないためにもしっかり把握しておきましょう。

トレンド

次にトレンドの扱い方。

これについては処理を施したほうがいい場合と寧ろ着目した方がいい場合の2つがあります。

まずは処理を施した方がいい場合。

そもそも論としてトレンドが入った非線形的なデータの場合回帰モデルという形で予測を立てるのはなかなか難しくなります。

トレンドの中で長期的なものが予測をする目的変数に混ざるだけでも支障となる場合は少なくありません。

また、何も考えずトレンドの影響を受けている時系列データ同士で回帰分析を行うとより厄介なことに。

見せかけの回帰に終始し精度に支障が出るのでしっかり考慮する必要があります。

面倒なのは処理を施した方がいい場合もあること。

短期間で数値の上下動が極端でどうしてそうなっているかわからない場合には逆にトレンドを重視する方がうまくいく場合もあります。

ここでは周期性とトレンドについて見ていきましたがただ数字を見てただそのまま分析を進めるのではなく各情報を丁寧に観察し表面的な結果に留まり鵜呑みにすることにならないよう注意しましょう。

 

時系列

今回は時系列分析にフォーカスを当て時系列分析のモデルや手法、活用事例、そして注意点まで解説していきました。

時系列分析は時間の経過によって変化するデータの分析することでありそこで観測する時系列データは需要予測など未来のデータを予測する時に活用されます。

モデルには自己回帰モデル、移動平均モデル、和分過程が代表的なものでさらにそれらを組み合わせた手法も。

手法としては移動平均法と指数平滑法の2つが代表的で平滑化を行いつつもその後のアプローチに違いがあります。

活用事例としてあるのは時系列データから異常を見つけるモデルの自動作成技術。

橋梁の内部破損や人間の脈波データの異常を検知するモデルを人間のエンジニアよりも迅速に構築できるようになっています。

実際に予測する際には周期性やトレンドといった情報をしっかり見て表面的な数字や結果に惑わされないことが大切です。

中村
中村

これらを基に時系列分析ができるようになって日常の業務でより良い方向に進められるようになるといいですよね。

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