最近AI(人工知能)もPythonもよく聞く言葉ですよね。実際AI(人工知能)はさまざまな場面で活躍しています。そして今後も世界的に需要がかなり高まることは間違いありません。
しかしAI(人工知能)についてはなんとなく知っていても、活用するためにはPythonというプログラミング言語を学ばなければならないとなると初学者にとってはハードルが高く、踏み出せません。また、ざっくりと知りたい方にとってもまず何をして良いかわからなかったり参考書を終えるのもとても大変です。
そこで今回はAI(人工知能)について学ぶためにPythonというプログラミング言語の性質からAI(人工知能)活用のための今後の勉強方針まで幅広くお伝えしましょう。
Pythonとは、どんなプログラミング言語なのか
Pythonとは、主に人工知能の機械学習やデータ解析の分野に非常に強いプログラミング言語。特に機械学習関連においては、Pythonが標準言語のような立ち位置と言えます。
例えば、大学教育の現場・クラウドのサーバー開発・IoT・Webサービス開発などがあげられますよね。Pythonで開発された有名サービスにはDropbox、YouTubeやInstagramもあります。
機械学習の基本言語と聞くと難しそうなイメージが浮かびますが、そんなことはありません。
そこで他のプログラミング言語であるC言語を例にコードを比較してみましょう。
まず「Hello World」という言葉(文字列)を出力したいとします。
この時、C言語では
#include int main(void){ printf(“Hello World”); }
とプログラムします。
一方、Pythonは
print(“Hello World”)
とだけプログラムすればOK。
このようにシンプルな言語にも関わらず、広い分野で重宝されているのがPythonというプログラミング言語なのです。
なぜAI(人工知能)の開発にPythonが使われるのか
またPythonが覚えやすい・使いやすいという特徴以外にも、科学技術計算や統計データ処理の機能を拡張する部品が豊富であるからPythonが使われています。
後ほどご説明しますが、この部品のことをライブラリと呼びます。(ライブラリという言葉は、Pythonを学ぶ上で何度も出てくることになるので、頭に入れておきましょう。)
Pythonを習得するための4つのステップ
ここまでで紹介したように、Pythonの文法はシンプルで、初学者でも学びやすいプログラミング言語です。
ですがPythonに関する情報と言えば、かつては英語で書かれたものが多数でした。しかし、今では日本語でまとめられた参考書やオンライン学習サービスが豊富にあり、初学者がPythonを独学できる環境は整っています。
それを前提にPythonを学ぶ次のステップを実践してみましょう。
Step1 Pythonという言語が何をできるかを知る
Step2 Pythonで何をやりたいか・どんなことをプログラムしたいのかを決める
Step3 基礎的な文法を学ぶ
Step4 自分の目的に合った実践的な学習に取り組む
これらを順にご説明しましょう。
Step1 Pythonという言語が何をできるかを知る
まずはじめにご説明しましたが、Pythonは汎用性が高く、幅広い分野で使われており、AI(人工知能)でも使われています。
Step2 Pythonで何をやりたいか・どんなことをプログラムしたいのかを決める
しかし何を独学するにしても、目的や目標がぼやけたままではモチベーションの維持が難しいですよね。
Step3 基礎的な文法を学ぶ
Step3からは、実際にPythonの文法について学びましょう。
Step4 自分の目的に合った実践的な学習に取り組む
基礎を磨いたら、Step3で学んだ基礎を活かして、Step2で定めた目標に特化した参考書で実践的に学びましょう。
Pythonを勉強する上でおすすめの書籍
それではどんな書籍で学ぶと良いか書籍をいくつかご紹介します。
入門レベルから取り組みたい人向け
まずはここから始めたいという方に向けた書籍です。
Python1年生 体験してわかる!会話で学べる!プログラミングのしくみ(森巧尚 著)
ただし、他言語(C、Ruby、Javaなど)を学習したことのある方は少し簡単なレベルに感じてしまう可能性があるという点は注意してください。
みんなのPython 第四版(柴田淳 著)
「みんなのPython」は入門レベルの書籍であり、様々な文法が網羅的に書かれています。
AI(人工知能)の機械学習を勉強する上で、おすすめ書籍の一つと言えます。
入門レベルを一通り終えた人向け
それでは今度は二冊目以降におすすめの書籍をご紹介します。
入門 Python 3(Bill Lubanovic 著/斎藤康毅 監修/長尾高弘 翻訳)
さらに、人工知能の機械学習やディープラーニングに特化した書籍を三冊紹介します。
Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎(Andreas C. Muller 著/Sarah Guido 著/中田秀基 翻訳)
サンプルコードの写経と理解を繰り返し、Pythonによる機械学習に対する理解を深めると良いでしょう。
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装(斎藤康毅 著)
ディープラーニングの入門書としては有名な一冊なのが「ゼロから作るDeep Learning」です。
Python実践データ分析100本ノック(下山輝昌 著/松田雄馬 著/三木 孝行 著)
そして「Python実践データ分析100本ノック」はデータサイエンスの際に必要な科学計算技術の基礎を、例題を通じて学ぶことができる実践書です。
なお、これは練習問題が中心の書籍ですので本書に取り組む前にデータ分析に関する入門書を挟むと良いでしょう。
Pythonを勉強するためのおすすめのサイト
次にPythonを勉強したい方におすすめのサイトをご紹介します。
入門レベルから取り組みたい人に向け
プロゲート
ドットインストール
ただしプレミアムサービスに登録すると、視聴できるレッスンの動画数が増えるだけでなく、動画の再生速度変更が可能になったり、現役エンジニアの方にレッスンに関する質問ができたりと、様々なメリットもあります。
AI(人工知能)開発や機械学習などのデータサイエンス の分野の学習に特化して学びたい方向け
Aidemy
テキストだけでなく動画やイラストも用いてPythonやAI(人工知能)開発解説に必要な知識を基礎から応用まで解説しています。敷居の高さを感じている方も入門しやすいことが魅力的ですよね。
KIKAGAKU
実際に活用できるスキルの習得を目指したコンテンツとなっているため、機械学習などに関して実践的に学びたい方はおすすめのサイトです。
AI(人工知能)開発におすすめのPythonのライブラリ
ところでPythonでは、モジュールという必要な場面がある程度限定されている関数のような機能をひとまとめにしたものを読み込み、使用することができます。
さらに、このモジュールを複数まとめたものがライブラリという仕組みです。よく分からなくても実際使うと概念が分かるので安心して下さい。
そこでこのライブラリの中でも、AI(人工知能)開発や機械学習の分野でおすすめを三つ紹介しましょう。
Numpy(ナンパイ)
matplotlib(マットプロットリブ)
Pandas(パンダズ)
機械学習をする際、データの前処理に大変時間がかかります。ですからデータの解析をより簡単にするためにもデータの前処理は欠かせません。
Pythonを実際に使う上で、気を付けるべきポイント
それでは最後に気をつけるべきポイントをお話しましょう。
このAnacondaは「Pythonを学ぶ上でおすすめ書籍 ②みんなのPython第四版」でも少し名前を出しました。Anacondaとは一体どのようなものでしょう。Python.jpには以下のように記載されています。
「Anacondaはデータサイエンス向けの環境を提供するプラットフォームです。科学技術計算などを中心とした、多くのモジュールやツールのコンパイル済みバイナリファイルを提供しており、簡単にPythonを利用する環境を構築できます。」(Python.jpより引用)
つまり、AI(人工知能)開発を学ぶ上で必要な機能が初めから準備されたPythonということ。
通常のPythonでは機械学習やディープラーニングに必要となるライブラリを新たにインストールしなければならない場合がありますが、初学者はそこでつまずくことがあります。ですがAnacondaは初めからそのリスクをヘッジしてくれており、スムーズにAI(人工知能)開発の学習をスタートできます。
ですのでまずはAnacondaのインストールから始めましょう。
今回は、Pythonの活用方法とおすすめの勉強方法についてお話しました。それでは最後に軽くまとめをします。
Pythonはシンプルな言語であり、AI(人工知能)をはじめとした幅広い分野で重宝されているのがPythonというプログラミング言語でした。
そしてPythonにはライブラリと呼ばれる科学技術計算や統計データ処理の機能を拡張する部品が豊富に用意されています。そのため短時間で効率的に作業をすることができます。
また現在ではAI(人工知能)を学ぶためのPythonが多くの参考書で取り上げられているのに加え、オンライン学習サービスも豊富です。
冒頭でお伝えしたよう、今後かなり需要が高まることは間違いありません。実際にAI(人工知能)のプログラミングを職業にしなくても、知っていると役に立つことも多くあるでしょう。ですのでこの記事を参考にしつつ、Pythonに興味を持った方はぜひ学習を進めて知識を深めま、将来に役立てると良いですよね。