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Pythonで何ができる?今話題のプログラミング言語の要点を解説

Pythonで何ができる?今話題のプログラミング言語の要点を解説

最近、「Python(パイソン)」というプログラミング言語のことをよく耳にしますね。実際に仕事やキャリアアップ、プログラミングのスキルを身につけるためにこれからPythonを学ぶ、学びたい方も多いでしょう。

PythonはIEEE(アイトリプルイー:電気・情報工学分野の学術研究団体、標準化機関のこと)が2019年度の人気ランキング1位に挙げるほど、世界中で人気のプログラミング言語です。これだけPythonが人気なのは、「文法がわかりやすい」「ライブラリの種類が多く、いろんな機能を開発できる」などがあり、初心者から上級者にも使いやすい点があるためです。

とはいっても、「Pythonってどんな言語なの?」「Pythonを使うといったい何ができるの?」と気になる方も多いですよね。そこで今回は、Pythonを使って何ができるのかという疑問に答えるためにPythonの特徴やできることについてお伝えします。

はじめにPythonの特徴とは

PythonのイメージPythonで何ができるのか・・・の前に、まず初めにPythonの特徴について紹介します。

  • 可読性が高く、シンプルな構文
  • インタプリタ言語のため動作確認が簡単
  • 豊富な標準ライブラリと外部ライブラリが揃っている
  • 複数の環境(プラットフォーム)で動作する
  • 有名アプリケーション開発に使われている

それぞれについて詳しく説明しましょう。

可読性が高く、シンプルな構文ができる

Pythonは、シンプルで効率的に書けることを目指している言語です。またPythonのモットーとして、C言語などの他のプログラム言語よりも少ないコード量でプログラムを書けるようにしています。

文法の特徴的なものとして「オフサイドルール」というものがあります。オフサイドと聞くとサッカーをイメージしますよね。そうです、サッカーのオフサイドルールのもじりと考えられているのだとか。

Pythonでのオフサイドルールとは、「インデント(タブやスペースによる字下げ)」が文法となっているもののことを指します。例えば、C言語では1行にまとめて書いたり複数行に分けて書いたりできますが、Pythonではインデントによって必ず1つの書き方となります。つまりPythonでは、この文法によって誰が書いても同じ書き方となるので、結果として読みやすくなるのでしょう。

インタプリタ言語のため動作確認が簡単

C言語やJava言語などのプログラミング言語は、コンパイルという工程が必要です。コンパイルとは、ソースコードをコンピュータが解釈可能な0、1の羅列に翻訳することを指しますが、Pythonはこの工程が不要となるので、プログラミング初心者にとっては考えることが減り助かりますよね。

そしてPython含むインタプリタ言語は、インタプリタと呼ばれる翻訳機がソースコードを1行ずつ解釈しながら実行することが可能です。つまり、1行1行の意味を理解しながら学ぶことができるので、初心者の方にはおススメです。

豊富な標準ライブラリと外部ライブラリが揃っている

ライブラリは汎用的な処理をまとめたプログラムのことです。Pythonでコーディングする際は、あらかじめ用意されたプログラムを呼び出すだけで、簡単に様々な処理を実現することが可能です。

Pythonには多種多様なライブラリが揃っており、後ほど詳しく代表的なライブラリも紹介します。

複数の環境(プラットフォーム)で動作する

Pythonは、Windowsのみではなく、Linux、Mac OSなど複数の環境で動作します。どの環境でも動くというのがPythonのメリットです。きっと、みなさんが使用している環境も入っていますよね。

それでは次から、Pythonで「できること」についてお伝えします。

データ処理や分析を楽々実行できる

分析のイメージPythonで何ができるのか?として1つ目のできることは、「データ処理・分析」です。

昨今、ビックデータと呼ばれる多種多様な情報が全てデジタル化されたデータベースが話題ですよね。ビッグデータは大量のデータ自体が存在するだけでは意味がなく、様々な分析手法を用いてデータを分析することで、意味・価値のある情報に変換することが必要です。

Pythonには、これらのデータを処理・分析するためのライブラリが用意されているため、簡単にデータ処理・分析プログラムを開発することが可能です。例えば商品の購入情報を分析し、どのような商品が売れやすいのかという情報を抽出するプログラムの開発もできるでしょう。

次にデータ処理・分析で主に使用されるライブラリを紹介します。

NumPy:配列同士の演算や多次元配列(行列計算)の演算用ライブラリ。
Pandas:データの読み込みや統計量の表示、グラフ化などデータ解析用ライブラリ。データ分析ではスタンダード。
SciPy:科学計算・技術計算のためのライブラリ。最適化、統計処理などが含まれる。

Webアプリ・サービスを開発できる

WebのイメージPythonで何ができるのか?2つ目のできることは、「Webアプリ・サービスの開発」です。

Pythonには、「Django」などの優秀なWebアプリ開発のフレームワークが用意されています。フレームワークとは、よく使用する機能をひな形としてまとめたプログラムのことです。

例えば、Webアプリ・サービスでは一般的な「ユーザ認証」機能がありますが、これを一から自分で開発すると思ったら大変ですよね。フレームワークを使用すると、用意されている機能を組み合わせるだけで、簡単にWebアプリ・サービスを開発することができます。

参考までにPythonで開発された有名なWebアプリ・サービスとして「Youtube」「Instagram」「Dropbox」「Evernote」があります。Pythonの知識・技術を身につけると、これらのWebアプリ・サービスと連携するプログラムも開発できるようになるでしょう。
次にWebアプリ・サービス開発で主に利用されているフレームワークを紹介します。
Django:定番Webアプリケーションフレームワーク。無料で使える。
Flask:軽量なので、すぐ動かすことができるWebフレームワーク

Web上のデータを自動収集できる

データのイメージPythonで何ができるのか?3つ目のできることは、「Web上のデータ収集」です。

Web上のデータ収集とはいったい何だろう、と疑問に感じる方もいますよね。例えばGoogleの検索を使ったとき、最適な情報が最初のページに表示されるでしょう。これがまさにWeb上のデータ収集の代表例となります。

Googleは、クローラーと呼ばれるプログラムを使用して、インターネット上の情報を取得・解析し、ユーザに対して有益な情報をランキング付けしています。クローラーとは、インターネット上を巡回し、インターネット上の情報を取得するプログラムのことで、Web上を這っていく(クロールする)ことから「クローラー」と呼ばれているのだとか。

Web上のデータ収集にて使用される主なライブラリを紹介します。基本的に以下の2つのライブラリを組み合わせて使用するのが一般的です。

Requests:HTTP通信ライブラリ。
Beautiful Soup:無料で使える。HTMLやXMLから必要なデータを抽出するライブラリ。

AI・機械学習の開発ができる

機械学習のイメージPythonで何ができるのか?4つ目は、「AI(人工知能)や機械学習の開発」です。この用途が一番有名ですよね。

最近のトレンドとしては、Python=機械学習といっても過言ではありません。Pythonでのデータ分析では、ほぼ標準となっています。またPythonで機械学習を始めるための書籍や情報も多数揃っているため、初心者でも始めやすいという利点もあります。

次にAI(人工知能)や機械学習の用途で使われるライブラリを紹介します。

TensorFlow:Googleが開発した機械学習用ライブラリ
Scikit-learn:情報が揃っているため、初心者にもおススメの機械学習用ライブラリ

ゲームも作ることができる

ゲームのイメージPythonで何ができるのか?最後は、「ゲーム開発」です。

一般的には、Pythonはインタプリタ言語のため、実行速度が遅く、ゲーム開発には推奨されていません。ただし他の言語で書かれたゲーム開発用のライブラリが揃っており、ライブラリを使用することでゲーム開発も対応可能となっています。

ゲーム開発用のライブラリやゲームエンジン(ゲーム用のフレームワーク)は以下となっています。

PyGame:2Dゲーム用のライブラリ
Cocos2D:2Dゲームのフレームワーク
Panda3D:3Dゲームのフレームワーク

まとめ

さて、今回は「Pythonでいったい何ができるの?」という問いに答えるべく、Pythonの特徴および「できること」についてお伝えしました。Pythonは、様々な用途に使うことが可能なプログラミング言語でしたよね。以下に特徴とできることについておさらいしましょう。

Pythonの特徴

  1. 可読性が高く、シンプルな構文
  2. インタプリタ言語のため動作確認が簡単
  3. 豊富な標準ライブラリと外部ライブラリが揃っている
  4. 複数の環境(プラットフォーム)で動作する

Pythonでできること

  • データ処理・分析
  • Webアプリ・サービスの開発
  • Web上のデータ収集
  • AI(人工知能)や機械学習の開発
  • ゲーム開発

Pythonで何ができるのかというと、多種多様なことができますね。そして、Pythonはなライブラリ群が揃っています。かつ、各ライブラリ間の親和性も高く、連携がしやすいことも強みでしょう。

これからプログラミングを学びたい、学ぼうとしている方は、是非「Python」をおススメします。世界的にも需要が高く、広い分野で長く使われるプログラミング言語なので、興味を持たれた方はぜひ一度学びましょう。

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