スマホは現代人にとって欠かせないものの1つですが、最近では人工知能技術による、スマホでの顔認証システムが搭載された端末も増えてきています。ただ、双子が顔認証システムを突破したということも話題になっていたため、「本当に顔認証システムって大丈夫なの?」と、不安になりますよね。
実はスマホで顔を認証するといっても、目・鼻・口の三点の配置や大きさを基本に、輪郭などの特徴をつな繋ぎ合わせて認証するため、顔の特徴が似ている場合は本人と違っても顔認証ができてしまうことも。それではセキュリティ面で信用しきれずに、使用するかどうかに困ってしまうでしょう。
とはいえ、そもそも顔認証ってどんなもの?どうやって使うの?なぜ今スマホでの顔認証が次々に導入されているのか、気になる人は多いはず。
そこで今回は、身近なものの1つであるスマホの顔認証システムについて、他顔認証のメリット・デメリット、顔認証システムとは何なのかも含めて解説しましょう。
顔認証システムとは
ではここからは、具体的に顔認証システムについて解説します。
顔認証システムとは顔で本人判別をすること
顔認証とは人工知能技術によって検出された、目・鼻・口や輪郭などのパーツの大きさ・配置などの顔の特徴から、機器を使用しているのは誰なのかということを、自動的に登録データと照合して識別を行うことです。
現在この顔認証システムは、航空や税関・コンサート・企業の出入りからPCのログインまで、あらゆる場面で活用されおり、最も注目を浴びている技術の1つでしょう。
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最近では3次元顔認識システムが開発されている
近年の技術の進歩で顔認証システムも精密度が上がり、最近では見えない部分も正確に照合しようとする、3次元顔認証システムが開発されました。これは、立体的な顔の凹凸含めた構造からの情報を取得し、特徴を検証・照合する技法です。
今後ますます技術が進歩していくと、このような技術も開発されてどんどん精密度も上がっていきますから、誤認識されるということも少なくなるかもしれません。
iPhoneに導入された顔認証
2017年からAppleで顔認証システムが導入されましたが、2019年までの2年間で販売されていたiPhoneの認証確認のスピードは指紋認証などより遅く、ロックが解除するまでやや時間を要していました。
ところが新登場したiOS13からは認証スピードが速くなりました。AppleによるとIOS13の認証速度は、従来のiPhoneXより最大30%も向上させたとか。スマホを使用している人は、一日に何度も端末のロック解除を行う人も多いため、認証スピードが上がることは大きなメリットですよね。
iPhoneの顔認証のメリット:3次元顔認証搭載で精度が高め
iPhoneの顔認証は、端末を正面に見ながら頭の周囲を円状に動かし、複数のセンサーで情報を得ることにより、3次元式の顔認証情報を登録することができます。それ以降は登録した情報に基づいて、ロックを解除する人の顔情報を検証し、目を開いた状態での顔を認識して照合されると、iPhoneが使えるようになります。
顔を認証する際は、顔の各位置に3万以上もの赤外線ドットを顔に向かって照射し、顔の凹凸含めた3次元情報の確認が行われますが、人間の視覚で捉えることはできません。しかし、この3次元認証によって今までのiPhoneの顔認証よりもさらに精度が良くなりました。
※こちらの記事にもその様子があります
iPhoneの顔認証でのデメリット:机に置いたまま解除ができない
iPhoneの顔認証システムのデメリット面は、顔を端末の正面に位置する必要があるため、机などに置いたままではロックが解除できない点です。解除するには顔を動かして端末の画面を覗いたり、端末を顔の位置まで持ち上げたりする必要があります。
また、顔認証はカメラを使っているので暗闇だと反応しにくいでしょう。真っ暗な部屋で使っている人など、こういった面は指紋認証でタッチして終わりという方が楽だった、という人もいるかもしれません。
Androidスマホに導入された顔認証システム
Androidスマホも、Android4.0以降の端末であればほぼ顔認証システムは導入されています。仕組みはiPhoneの顔認証と同じく、あらかじめ顔情報を登録しておくことで、人工知能システムが顔を認証して端末のロック解除を行います。
現在のAndroidでは、3次元認証は行われていません。とはいえ近い未来にiPhone同様に3次元の赤外線センサーで立体的な顔認証が行われる日も近いかもしれません。
顔認証システムのメリット
では、ここからは顔認証システムのメリットを解説します。
本人以外に個人情報が見られなくてすむ
スマホの顔認証システムは、パスワードの入力などの必要もなく、目が開いた状態の人間の顔の特徴や、配置の照合によってのみロックが解除されるため、本人になりすますなどの不正行為が困難です。
また、眠っている間や知らない間に、他者に勝手にロック解除される心配なく、安心して使用できます。基本的には顔認証で登録した人しかロックを解除されないので、スマホに見られたくない情報が入っていたとしても多少安心できるかもしれません。
機器に対して触らなくてもよい
指紋認証の場合、指紋を認証させるためにセンサーに触れますよね。でも、センサーがうまく反応しなくてイライラする・・・なんてこともあります。
スマホの顔認証なら何も操作する必要もなく、顔を認証できれば使用可能となるため、登録さえ済ませれば後は負担なく使えます。
顔認証システムのデメリット
次は顔認証システムのデメリットを解説します。
距離があったり、マスク・サングラスをしていると認識ができない
顔を認識するセンサー付きカメラと、人間の顔の距離が離れると、認証することが困難です。そのため基本的にはスマホで顔認証を行うときには、顔の位置に端末を持ってくる必要があります。
また、風邪などを引いてマスクをしていたり、サングラスをかけていたり、深く帽子をかぶっていたりするときも、認証の精度が下がるほどに顔認証が困難になりますので気をつけましょう。
データの保護が必要
顔認証システムで登録する顔のデータは個人情報のため、データの漏洩防止に努める必要があります。また、顔認証も絶対的に完璧な仕組みであるとは言えないため、万が一に備えて重要な情報が入ったアプリなどには、別の方法でもロックをかけるなどの二重や三重の対策を行いましょう。
実際にアメリカの大学で実施された実験で、92人中の29人がほぼ瞬時に顔認証で(本人が)特定される結果がでたとのこと。しかもパスワードなどと違い顔は情報が漏れたからといって簡単に変更することが不可能なため、認証データが一旦漏洩すると認証システム自体が使えなくなります。ですので、情報の漏洩には十分に気を配りましょう。
顔認証を使うときの注意点
スマホの顔認証システムは当然ですが、完璧なセキュリティシステムではありません。例えiPhoneの顔認証が100万分の1の確率で誤認証するという、滅多に起きるトラブルではないということでも、100%保証しますというシステムではないため、突破される可能性もあるということを認識しておくことは大切です。
実際に日本の双子で顔認証を行った場合、なんと8人中の7人が突破した事例があります。
または逆に、自分の顔でも状態によっては別人と判断されて、ロック解除ができなくなる場合もありますので注意が必要でしょう。ただ、特徴的な部分が数個一致するだけでも、数百分の一の確率になるので、精度が上がるほどに突破することは困難になることは事実です。
このほかにも、病気や怪我などの影響から顔に変化があると、使用していた顔認証が照合されなくなり、再登録が必要になる場合もあります。もっと状況が悪くなると使用自体ができなくなる場合もありますので、注意しましょう。
さて、今回はAndroid・iPhoneでも次々に導入されている、スマホの顔認証について徹底解説しました。ここで今回の内容を振り返りましょう。
- 顔認証システムとは顔によって本人かどうかを判別するシステム
- iPhoneに導入された顔認証についての特徴は、3Dでの認証が可能
- Androidスマホに導入された顔認証システムは、2Dのみでの認証なのでiPhoneよりも精度がまだ低い
- 顔認証システムにはメリットとデメリットがある
- 顔認証を使うときの注意点は、セキュリティは完璧ではないということ
今後は10億台ものスマホで顔認証システムを導入し、ロック解除が可能になると予測されているとのこと。今後さらに技術の進化により、今よりも精度を上げたスマホの顔認証が可能になっていくことが期待されます。
ですが同時に、セキュリティ面での不安定さも解消していく必要があるため、突破されたときの対策などももっと具体的な方法で開発が進むことも期待されます。スマホの顔認証システムのメリットだけでなくデメリットも把握し、情報の漏洩には十分に気を付けながら、便利に活用しましょう。
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