「パチンコ店で顔認証」と聞くと「なぜ?何のために?」と不思議な感じがしますよね。パチンコが好きな方は「奥で遠隔操作されているのでは?」などと疑心暗鬼になってしまうかもしれません。
顔認証がスマホに導入されて早数年、対応機種も随分増えました。でもその顔認証、自分でするのはいいけれど、誰かに知らないうちにされているとなると話は別。不安の根源はプライバシー面であったり、不正利用であったり、まだそのリスクがはっきりと見えていないのも理由のひとつでしょう。
もともと「運」が勝負のパチンコ。勝ったり負けたりすると何かと理由をつけたくなるものです。そのパチンコ店で意図せず顔認証されていたら、その「運」をつい「誰かの操作?」と人のせいにしたくなるのも、わかるような気がします。
そこでここでは、いろいろな噂が飛び交う「パチンコ店の顔認証の実態」について調べてみました。
そもそも顔認証とは
まず、そもそも顔認証とはどういうものなのかについてご説明します。
指紋認証は装置に触れる必要がありますが、顔認証は多少離れていても識別できるため心理的な負担が少ないといえるでしょう。
最近の顔認証はマスクやサングラス姿、横顔までも識別できるというのですから驚きですよね。
さてこのような顔認証の技術、パチンコ店ではいったい何ができるのかをご説明しましょう。
顔認証×パチンコ店で何ができるのか
パチンコ愛好者にとってパチンコ店はお金を巻き上げられる「敵」のような存在です。「それなら行かなければいいのに」という声が聞こえてきそうですが、国内のパチンコ店の数を考えるとそう簡単ではないのでしょう。
そのパチンコ店という「敵」から密かに顔認証されるとなると、「個人情報をさらけ出す=弱みを握られている」と感じるのは仕方のないことかもしれません。
現在、パチンコ店の顔認証システム導入は徐々に拡大しています。これによるパチンコ店のメリットは、
- 防犯対策
- マーケティング
代表的なのはこの2つ。
この他、依存症対策にも顔認証の活躍が期待されています。
パチンコ店が顔認証をする理由は防犯やマーケティング。でも「他にも目的があるのでは?」とちょっと気になりますよね。
次はパチンコ店の顔認証による遠隔操作疑惑について解説しましょう。
パチンコ店の顔認証システムにより遠隔操作!?
「パチンコ店が顔認証システムで遠隔操作をしているかどうか?」 この答えは「NO」です。
おそらく多くの方が疑念を抱いているのは顔認証システムではなく、「ホルコン」と呼ばれるホールコンピュータの存在でしょう。
ですからホルコンは「データを集計しているただの機械」に間違いないけれど、顔認証システムと連動しているとなると「ちょっと怪しい」ような気がしますよね。
ここで確認ですが、利用者が一番恐れているのは「遠隔操作」でしょう。でも「遠隔操作」をするには、「遠隔操作システム」が必要になるのです。
実際2008年頃までは遠隔操作で捕まった、という事件がよくありました。「パチンコ店が遠隔操作、風営法違反で逮捕」というニュース、そういえば聞いたことがありますよね。
その後規制が厳しくなり、遠隔操作をするのはかなり難しくなっています。技術的には可能でも、営業停止などのリスクを負ってまでするメリットがないのでしょう。
もちろん摘発されていないだけかもしれないので実情はわかりません。ただ、利用者の間で噂されるほど横行しているわけではなさそうです。
では次に、パチンコからさらに広げて顔認証システムがアミューズメント業界ではどのように活用されているのかを、事例をあげてご紹介しましょう。
アミューズメント業界における顔認証システムの利用事例
顔認証システムは、アミューズメント業界にも進出しています。ここでは、日本を代表するアミューズメントパークの事例をご紹介しましょう。
まずは東京ディズニーランドと大阪USJ。こちらは年間パスポート利用者が対象となっています。入場時は「顔パス」でOKなので特に混雑時は特に便利そうですよね。
富士急ハイランドは、東京ディズニーランドや大阪USJとは大きくシステムが異なります。
富士急ハイランドにおける顔認証の特徴は「顔認証システムと個人情報が紐づいていない」点でしょう。(WEB登録者は除きます)
この方法だと防犯面では個人の特定ができないというデメリットがありますが、プライバシー保護という観点では利用者にとって大きな安心感につながります。
ちなみに富士急ハイランドは入場料が無料。もし入園チケットのみ必要な場合は無料で発行してもらえます。
顔認証システムは入退園ゲートの他、各アトラクション乗車ゲートにも設置されているのであとは顔パス。アトラクション利用時のたび、あの面倒なチケット提示がないのは本当にありがたいですよね。
このように、顔認証システムを導入することによっての施設側のメリットとしては
- 入園者の属性や滞在時間
- 利用アトラクション
- 入退園管理
これらのデータベース化が可能になり、マーケティングに活用できます。
今回は、パチンコ店やアミューズメント業界における、顔認証の現状をお伝えしました。
パチンコ店では顔認証による遠隔操作を不安視している方が多いようですが、現状、営業停止の危険を冒してまで遠隔操作をするメリットはなさそう。
でも「遠隔操作はある」と断言している方も多いので真実は闇の中。納得のいかない方はお店を変えるなりして自衛するといいのかもしれません。もちろん、くれぐれも依存症には気をつけましょう。
アミューズメントパークでの顔認証は「便利なシステム」として好評のようで、結局のところ顔認証は気分的には、「能動的に行う場合はOK」「無意識のうちにされるのはNG」なのかもしれません。
そう言えば防犯カメラも、当初は賛否両論ありましたが今ではすっかり市民権を得ています。パチンコ店も顔認証システムによって利用者の「安全と便利」が担保され、それが実感できるようになったら徐々に受け入れられるのかもしれません。
顔認証システムが普及したら、買い物も入場も全て顔パス。セキュリティ面ではまだ不安も残りますが、便利さにはきっと勝てないでしょう。
鍵やカード、スマホの提示がいらなくなる日は案外早いかも。そうなる未来が楽しみですよね。
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