DX(デジタルトランスフォーメーション)

デジタルトランスフォーメーション(DX)を取り組む上での課題と対策とは

DXのイメージ

近年、メディアなどでも取り上げられることが多くなった「デジタルトランスフォーメーション」という言葉、耳にしたことがありますよね。「デジタルトランスフォーメーション」は、現在、多くの企業にとって避けて通れない道となっている、デジタル技術による業務の変革のこと。しかし、実際にはデジタルトランスフォーメーションを課題として認識しつつも、実際にどのように取り組めばいいかわからないという企業も多いようです。

そこで今回は、そんな悩める方々に、デジタルトランスフォーメーションに取り組む上での課題と対策についてご紹介しましょう。デジタルトランスフォーメーションを進めるための課題と対策とはいったい何なのか、すべてが解決する必見の内容です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とはなにか

DXのイメージ

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を駆使した業務の変革であることは先ほどお話ししました。ここではデジタルトランスフォーメーションとは何かについて、もう少し詳しくご説明しましょう。

デジタルトランスフォーメーションとは、AI(人工知能)やIoT、5Gといった新しいデジタル技術を活用して、業務を効率化して生産性を上げ、企業の競争力を強化していくことです。経済産業省では、デジタルトランスフォーメーションを次のように定義しています。

『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』

つまり、デジタル技術を活用して、業務の改革を行って、国内外の企業間の競争において優位な立場に立ちましょうということですよね。

デジタルトランスフォーメーション(DX)が日本で進まない理由

日本のイメージ

そんなデジタルトランスフォーメーションですが、日本ではあまり進んでいないのが現状です。

2019年の時点で、デジタルトランスフォーメーションが完了済みという企業はなんとたったの8%にとどまっています。やはり、さきほど述べたように、デジタルトランスフォーメーションを課題として認識しながらも、具体的に何をすればいいのかわからないという企業が多いのでしょうか。

しかし、事態はそんなに単純なものではないようなのです。

2018年9月に、経済産業省が公開したレポートによると、日本企業でデジタルトランスフォーメーションが進まない理由として、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムに問題があるとしています。

つまり、既存システムに依存するあまり、それが徐々に複雑化、ブラックボックス化してしまい、そこから抜け出せなくなっているというのです。

2025年の崖問題とは

2025年崖問題のイメージ

このように、老朽化・複雑化・ブラックボックス化してしまった既存システムを刷新できずにいると、デジタルトランスフォーメーションが実現しないだけでなく、既存システムの維持管理費の高額化や、担当者不足などの深刻な問題が発生するといいます。

そしてレポートでは、2025年以降、経済損失が生じはじめ、そこからはひたすら負のスパイラルに陥る可能性があると警告しています。

これこそが「2025年の崖問題」と呼ばれる、近い将来日本が直面するかもしれない重大かつ深刻な問題なのです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるための課題3つ

課題のイメージ

ではなぜこれだけ逼迫した状況にあるにもかかわらず、日本ではデジタルトランスフォーメーションが進まないのでしょうか。それにはいくつかの課題があるといわれています。

ここからは、そんなデジタルトランスフォーメーションを阻む課題を3つご紹介しましょう。

目標設定の難しさ

デジタルトランスフォーメーションの必要性は、多くの企業が理解していますが、実際に何をすればいいかがわからないという企業が多いのもまた事実。

明確なビジョンが定まっていないがゆえに、デジタルトランスフォーメーションに取り組む目的や目標が定まらずに、プロジェクト自体がうまく機能しないといった事態に陥ってしまうのです。

人材の不足

デジタルトランスフォーメーションを推進していくにあたっては、IT人材の育成と確保も重要な課題となってきます。しかしながら、エンジニアは不足する傾向にあり、優秀な人材の確保は難しいのが現状といえます。

経済産業省の調査では、2030年には50万人以上のIT人材の不足が生じるとされていますので、今後ますます人材の確保は難しくなってくるのではないでしょうか。

費用対効果とコストの問題

デジタルトランスフォーメーションの取り組みは、すぐに成果が出るものではありません。中長期的に取り組みを続ける必要があります。

そこで課題となるのが、デジタルトランスフォーメーションの費用対効果。取り組みを始めてもしばらくの間は利益を創出できない期間があるでしょう。ですからその間を我慢できなければ、取り組みそのものが頓挫してしまいます。

また、日本で特に問題となっているのが「レガシーシステム」です。

既存のシステムがあるために、新たなシステムを導入できないといったケースが多く見られます。特に大企業では、部署ごとに個別のシステムを持っていることが多く、全社的なITインフラが構築されていないのが実情で、このようにシステムが肥大化すると、維持するためのコストも膨大になります。

このように、複雑化した既存システムを「レガシーシステム」と呼ぶのです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)のための対策3つ

対策のイメージ

以上の様に、デジタルトランスフォーメーションの課題が見えてきたところで、次にその対策について3つご紹介しましょう。

ビジネス戦略の再構築

デジタルトランスフォーメーションを実現するためには、IT技術の活用で、ビジネスをどのように変革していくか、そのビジョンを定める必要があります。「ITで何かできないか」といったあいまいなビジョンでは、実現は程遠いでしょう。

特に、既存のシステムを前提に開発等を行ってきた企業にとってはデジタルトランスフォーメーションの優先順位を見極めることも必要です。刷新すべきシステムを把握し、具体的なビジョンを描くことで、デジタルトランスフォーメーションの実現に一歩近づくでしょう。

クラウド化・モバイル化の実施

デジタルトランスフォーメーションの実現には膨大なデータが必要になりますので、従来のオンプレミス型のシステムでは、データ収集の面からも限界があります。これを、クラウド型システムに移行することで、柔軟性・拡張性の高いシステムになるばかりでなく、初期投資やランニングコストも抑えることが可能。

また、昨今進化の著しいモバイル機器はもはやPCに匹敵する性能を持ち、モバイルでシステムを利用するケースも増えています。デジタルトランスフォーメーションをより推進するためには、クラウド化に合わせて、モバイル化も進めるとよいでしょう。

AI(人工知能)の技術を取り入れる。

企業におけるデータは、重要なビジネス資源のひとつです。その膨大なデータを収集し分析することは業務の効率化や最適化に大きく寄与します。膨大なデータを分析するためには、AI(人工知能)の技術を導入するとよいでしょう。

膨大なデータを人の手で処理するには限界がありますが、AI(人工知能)を活用し、AI(人工知能)が学習することで、ビジネスへの活用範囲を広げることができます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を取り組んだ未来

未来のイメージ

このように、デジタルトランスフォーメーションを推し進めるためには、いくつかの対策が考えられます。そして、それは決して容易いものではないかもしれません。

しかし、それを達成したとき、企業には計り知れないほどのメリットが持たされることでしょう。

業務が効率化されて生産性は向上し、市場で優位な立場に立てるだけでなく、既存システムの維持費が高額になるといったリスクも回避することができ、企業にとってはいいことずくめの未来が待っているのです。

 

DXのイメージ

今回はデジタルトランスフォーメーションとその課題についてご紹介してきました。

デジタルトランスフォーメーションを取り組む上での課題は、決して容易に解決できるものではありません。しかしながら、企業が生産性を向上させ、市場で優位な立場に立つためには、避けて通ることのできない課題であることもまた事実なのです。

多くの企業が直面するであろう2025年の崖を乗り越えるためには、デジタルトランスフォーメーションの課題にしっかりと向き合い、しかるべき対策をとることで業務の変革を図ることが必要です。

新しいことに挑むためには大きなエネルギーが必要です。そのエネルギーを惜しまずに取り組んだ企業には、よりよい未来が待っていることでしょう。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました