DX(デジタルトランスフォーメーション)

デジタルトランスフォーメーションを導入する企業が知っておくべきこと

デジタル化された世界のイメージ

最近よく聞くデジタルトランスフォーメーションをうちの企業でも導入したい!

AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーの進化が大きく進む中、このデジタルトランスフォーメーションという言葉もよく聞くようになりましたよね。

一度は聞いたことのある会社名とセットで出てくるもののそもそもどういったものを指すかやどのような恩恵が得られるかといった肝心なところが置いてきぼりになりがちなのも事実。

そこで今回はデジタルフォーメーションを企業で取り入れるとどのようなメリットがあるかについて言及、実現させるための課題や事例も見つつ最後に企業で導入を成功させる秘訣についてもお伝えします。
中村
中村

それではまず、そもそもデジタルトランスフォーメーションとは何かというところから始めていきましょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

デジタルのイメージ

まず、デジタルトランスフォーメーションは進化し続けている技術を活かして私達の生活を豊かにしていこうということを指します。

企業であればAI(人工知能)や5Gなどの技術を活かして商品やビジネスモデルをより良いものにしたり業務を効率化させることで競争力を高めていくことに。

英語ではDigital Transformationと表記し直訳すると「デジタル変換」という言い方になりますがデジタルトランスフォーメーションが私達の生活や企業にもたらすのはただの「変換」に留まるものではありません。

デジタル技術による「変革」と捉えた方が実態に即しており、それがもたらす大きなイノベーションはこれまで当たり前だと思っていた価値観や枠組みといったものを根底からひっくり返してしまうような破壊力を持っているのです。
余談としてDigital Transformationの略称としてDTではなくDXという言い方をするのは英語圏だとTransをXと表記する方が一般的という背景があります。

デジタルトランスフォーメーション(DX)に導入するメリット

サムアップのイメージ

デジタルトランスフォーメーションとは何か触れたものの企業に導入することでどのようなメリットは何かという疑問が残りますよね。

デジタルトランスフォーメーションを導入することによる企業への主なメリットとして「生産性と利益率の増大」「危機対応力の強化」が挙げられます。

それぞれ見ていきましょう。

生産性と利益率の増大

デジタルトランスフォーメーションが企業の生産性と利益率となぜ結びつくか説明する上で「収益逓増(しゅうえきていぞう)」という言葉が鍵となります。

これはスタンフォード大学のブライアン・アーサー教授が提唱した法則のこと。

この法則によると企業の生産規模が2倍になった場合、効率性も上がり結果として生産量は2倍以上に増加することに。

つまり、生産規模を大きくすると効率性の上がり方はそれ以上のものとなり結果的に利益率も大きくなるのです。

これまでの歴史を振り返っても収益逓増の実現に繋がったのは進化した技術とそれに伴う産業革命。

今の時代でポイントとなるのは「デジタル化の有無」であり、デジタルトランスフォーメーションを達成させた企業が収益逓増を実現しその恩恵を享受することになるのです。

危機対応力の強化

危機対応力を理解する上でわかりやすいのは新型コロナウィルスが挙げられます。

多くの企業が経済面で打撃を受けている中、逆に業績を伸ばしている企業も報じられていますよね。

例として挙げられるのは扱っている商材が巣ごもり消費と相性がいい企業。

一方で家具を販売しているニトリや日本マクドナルドといった会社も最高益を更新しています。

どちらも共通しているのはネット販売のシステムの強化に舵を切り成功させたこと。

このようにデジタルトランスフォーメーションに取り組み実現させられたかどうかが企業の明暗に繋がるという結果に。

新型コロナウィルスの他にも今後も様々な災害が起こる可能性が高くそういった時に柔軟に対応できるかが生き残る鍵ということになります。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入する際の課題

苦い表情

デジタルトランスフォーメーションを企業で取り入れようと言ってもなかなか難しいと感じる方もいますよね。

課題としてこれまでのシステムをどう扱うかから始まっていきます。

まず、会社が長年使ってきたITシステムが老朽化しているだけでなくどんどん規模が大きくなり複雑なものとなっています。

それにより中身や構造もわかりにくく経営や事業戦略を進める上で足手まといにも。

古いシステムをきちんと理解している人材はどんどん退職していくのできちんとメンテナンスできる人もいなくなっていきます。

そのためせっかく先進的な技術を学んだ人材を獲得したとしてもそういった古いシステムの維持管理に充てることになり能力を活かしきれてないこともあるのです。

ベンダー企業に頼み有効な手立てを打つのも容易ではありません。

CIO(最高技術責任者)や情報システム部門といったところがこれまで付き合いのあるベンダー企業からの提案をそのまま受けてしまう傾向があり、せっかく他の会社から提案を受けたとしても機会損失に繋がる恐れがあります。
事業部と情報システム部門の連係が足りていなかったりそもそも新しい技術を活かせるようシステムそのものを刷新しようと考えていなければこれまでのシステムの維持に終始、デジタルトランスフォーメーションを取り入れようと思ったとしても絵に描いた餅で終わりかねないというのが問題点です。

実際にデジタルトランスフォーメーション(DX)で成功した企業の例

野球

デジタルトランスフォーメーションを難しくする背景について触れたので今度は実際に成功させた事例として北海道日本ハムファイターズを見ていきましょう。

まず、プロ野球は球場へ足を運ぶファンの数が年々増加傾向にあると言われています。しかし、そういった人達の大半は既存のファンであるためどのようにして新規のファンと獲得し観戦に繋げていくかが課題でした。

問題点として挙げられたのは初めての人にとってチケットをどこでどのように買うかがわかりにくかったこと、そしてなんらかの理由で観戦できなかった時安全に再販できるようにしたいという2点。

そこでアメリカの販売システムを参考にして作られたのが「チケットレボリューション」というチケット販売のサービスでした。

これにより業界最速のチケット購入や座席設定など手続きの簡略化を実現させただけでなく、追加購入やリセールの問題解決を目指すに至っているのです。

企業でのデジタルトランスフォーメーション(DX)導入を成功させるための秘訣とは

道しるべのイメージ

日ハムの例を見たので最後にデジタルトランスフォーメーションの導入を成功させるための秘訣を見ていきましょう。

初めに挙げられるのは一番うまくいっており中枢となっている事業から手をつけるということです。

そういった事業は経営という点から見て崩壊させてはならない領域になるので自ずから攻めと守りを両立させなくてはならなくなります。影響の小さなところから手をつけるよりも影響が大きく必然的に社員を巻き込み結束を図ることができるのも見逃せません。

大きなところから手をつけていく分、DXパートナーの存在は欠かせないものとなります。

安易にこれまでお世話になってきたベンダー企業の提案を鵜呑みにするだけでなく、自社に合った業界知識や最新の技術などをもたらしてくれる相手を探し実現を目指していくこともデジタルトランスフォーメーションの導入を目指す上で欠かせないポイントとなります。

 

握手のイメージ

今回はデジタルトランスフォーメーションとは何かというところから企業で導入するメリットや課題について触れ、どのような事例があるか見つつ企業で成功させる秘訣について見ていきました。

デジタルトランスフォーメーションは進化し続けている技術を活かして私達の生活を豊かにしていこうということ。企業で導入することで収益逓増を実現させたり新型コロナウィルスのような危機的状況でも対応がしやすくなります。

課題となるのは既存の古いシステムや長い付き合いからのベンダーに捉われず新しい技術を取り入れるよう意思統一や実際の行動に繋げること。

成功事例として日ハムがチケット購入の利便性で他社をリードできたことが挙げられます。

一番重要な事業から取り組み社内の結束を図り自分達に合ったパートナーを妥協せずに決めるのが企業で成功させるための秘訣となります。
中村
中村

新型コロナウィルスのようなピンチだからこそそれをチャンスに変え日本の企業がよりよく生まれ変われるといいですよね。

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