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すぐに説明できる!Deep Learning、機械学習、人工知能の違い

すぐに説明できる!Deep Learning、機械学習、人工知能の違い

最近では色々なところで人工知能やAIについての話題をよく耳にするようになりました。この記事を読んでいる皆様も、会話の中でDeep Learning機械学習人工知能といった言葉がでてくるとき、実はどのような違いがあるかわからないまま、なんとなく流して使ってしまうことも多いですよね。

Deep Learningと機械学習、人工知能にはそれぞれ異なる意味があり、そこには明確な違いがあります。それだけでなく自分が知りたい情報がDeep Learningに関するものなのか、機械学習に関するものなのか、人工知能に関するものなのかが分かることは今後、人工知能と身近に触れ合う私たちにとっても重要です。

そこで今回はDeep Learning、機械学習、人工知能の違いとそれらの関係性についてわかりやすく解説していきます。この記事を読んでDeep Learningや機械学習、人工知能の違いを説明できるようになりましょう。

人工知能とは、人間の持っている知能を人工的に作り出す技術全体

人間の脳を人工的に作るイメージ
まず「機械学習、Deep Learning、人工知能」の3つの関係を簡単にひとことであらわすと次のようになります。

人工知能>機械学習>Deep Learning

つまり、最も広い定義を持っているのが人工知能で、機械学習とDeep Learningはその中に含まれていることになります。

では、これらの三つの言葉の中で一番広い範囲を表す言葉である人工知能から説明していきましょう。

人工知能はAIと書かれることもあり、人工知能とAIは同じ意味だと考えて問題ありません。人工知能とは言葉通り人工的に作り出された知能のことで人間と同じように考える事のできる機械のことを指します

実は人工知能には50年以上の歴史があり、強いて言えば人間と同じように計算をすることのできる電卓も単純な人工知能であると言えます。

ですから、人間が頭を使って行う作業を機械がかわりに自動的に行ってくれるものはすべて、広い意味で言えば人工知能に分類できます。今となっては電子機器のほとんどに搭載されていて、たとえばあなたが今使っているスマートフォンやパソコンにも人工知能は入っているということになります。

機械学習は機械が自ら答えを出せるようになる方法

自ら答えを出すイメージ
次に機械学習とは何か説明していきましょう。機械学習とは、さきほど述べた人工知能の中でも、「自ら答えを出せるように学習機能を持つもの」といえます。

たとえば単純な人工知能では1+1を聞かれたら2を答える、3×3を聞かれたら9を答えるというように、人間から答えを与えておかなくてはなりません。

一方で機械学習では最初に答えを全ての答えを教える必要はありません。なぜなら機械学習では人工知能に膨大な量のデータを与えると、そのデータからどこを見れば答えがわかるのかを自動的に学ばせることができるからです。

例えば様々な果物の写真とそれが何という果物なのかというデータの組み合わせをコンピューターにたくさん学習させることで、「赤くて丸くて大きければリンゴ」「黄色くて長ければバナナ」というように、特徴から答えを出せるようになる仕組みが「機械学習」なのです。

ですから機械学習の利点は、答えを全て先に教える必要なく人工知能に判断させることができる点だと言えますよね。

実はこの学習方法は人間の学習方法と同じです。つまり機械学習というのは、人間と同じように教育していくことで人工知能を作り上げようという方法のことをいいます。

Deep Learningは機械学習を発展させたもの

機械学習を発展させたイメージ
最後にDeep Learningについて説明します。Deep Learningはさきほど触れた機械学習をさらに発展させた、最新の方法です。たとえば機械学習であれば、果物の種類を判別するために、色や形など注目すべき特徴を人間が最初に設定してから学習を行っていましたよね。

しかしDeep Learningのすごいところは、コンピューターが自ら何に注目して見分けるのかを判断して、学習していくところにあります!

ですからDeep Learningでは人間がコンピューターに対して何かを教える必要が減り、膨大なデータとその答え、学習モデルさえ用意すればあとは自分でどんどん認識の精度を上げていくことができるんです!

このDeep Learningの一番の利点は、人間が手をわずらわさなくていいという点です。コンピューターが自ら判断できるのであれば、人間がわからない問題であっても解決できる可能性が出てきますよね。

さらにDeep Learningで作られた人工知能は人間の能力を超えていくことだってでてくるのです。現に、最近話題になった人間の囲碁世界チャンピオンに勝利したGoogleのAlpha Goという人工知能も、Deep Learningの技術を用いて作り出されています。

Deep Learningは人間の脳をモデルに作られたもの

人間の脳がモデルのイメージ
これまでの話を整理すると、Deep Learningは機械学習を発展させた、最新の人工知能だということになります。

そしてここまで聞くと、人間を超える事もできるDeep Learningとは、一体何を参考にして作られたのか疑問に思う方もいますよね。実はこのDeep Learningはずばり人間の脳の働きを参考に作られているのです!

人間の脳では、ニューロンと呼ばれる簡単な電気信号を伝える神経細胞がたくさん集まることによって、感情を含めた複雑な知能が生まれています。単純な働きをする部品であっても、たくさん組み合わせることで複雑な処理ができるという事がわかったので、これをDeep Learningに利用しているのです。

Deep Learningは人間の脳と同じような学習を行うことで複雑な事柄を判断できるようにしています。しかし今のDeep Learningでは、何を判断するかという目的は人間が与える必要があり、まだ人間と同じレベルで対応できる人工知能は存在していません。この「目的を自分で考えることができるか」という点こそが、今のDeep Learningと人間の知能の一番の大きな違いになります。

ちなみにDeep Learningでは、人間の脳と同様に機械が自らデータを学習して答えを導きだすため、「機械の思考過程が外から人間に見えない」という問題があり、これは「ブラックボックス問題」と呼ばれて議論の的となっています。

機械学習・人工知能・ディープラーニングまとめのイメージ
さて今回は、Deep Learning、機械学習、人工知能の違いをわかりやすく解説しました。一言でまとめると次のようになります。

  • 人工知能は人間と同じように考えることのできるコンピューターである
  • 機械学習とは学習機能を持った人工知能である
  • Deep Learningとは機械学習を行う方法の一つで最新のものである

あらためてDeep Learning、機械学習、人工知能の関係を整理すると、まずは人工知能という便利なものがあり、その人工知能を作るための機械学習という方法が考えられ、その機械学習の種類の一つとしてDeep Learningがあるという関係になっています。

このように人工知能とは”もの”であり、機械学習とDeep Learningはそれをつくるための”方法”の事です。そして機械学習のなかで最新の方法としてDeep Learningが存在します。

“もの”であるか”方法”であるかも大きな違いであるということを理解しておくとさらにわかりやすくなります。

3つの言葉の違いをを詳しく理解できていれば、今まで気づいていなかった人工知能に関する面白い話題にもしっかり反応できるようになりますよね。今後、ニュースなどで人工知能が取り上げられた時にはぜひ注目してみましょう!

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  1. 通りがかり より:

    × 機会学習
    ○ 機械学習

    > ”もの”

    ダブルコーテーションが対応していません。
    “もの”のように、一つ目のダブルコーテーションは左ダブルコーテーションにしなければなりません。

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