AIとは何か

JDLAとはどんな団体?一般社団法人日本ディープラーニング協会を解説

ディープラーニングのイメージ

AI(人工知能)が小説を執筆した、という話を聞いたことがある方もいますよね。名古屋大学の佐藤・松崎研究室はAI(人工知能)による小説の生成を研究しており、ショートショートを対象とする文学賞である「星新一賞」にAI(人工知能)が書いた作品を応募しています。

AI(人工知能)の技術進歩は非常に早く、画像の認識や文章の理解はもちろん、文章の生成などの創作的な活動も可能になってきました。もちろん人間が書いた文章のような情緒的な表現、言うならば「味のある文章」をAI(人工知能)が書けるようになるのはまだまだ先の話です。

しかし、10年後にはAI(人工知能)が執筆した本が書店に多数並んでいるかもしれません。

さて、画像認識や文章の理解、法則性の発見といった取り組みをAI(人工知能)に行わせるためにはAI(人工知能)を動かすための技術が必要です。そのような技術の中で最近注目されているのが「ディープラーニング(深層学習)」。

先に述べた小説を執筆するAI(人工知能)にもディープラーニングの技術が使われていますし、プロの囲碁棋士に勝利した囲碁ロボットAlphaGoにもこの技術が使われています。

ところが、ディープラーニングへの関心が高まっている一方で日本のディープラーニング技術は欧米に比べて遅れているという危惧を専門家は抱いています。

そこで創立されたのが「一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)」。

この協会はディープラーニングを通して日本の産業を活性化させることを一つの目的として創立されました。本日はこのJDLAについて紹介します。

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)とはなにか

人工知能のイメージ

一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下、JDLAと表記します)は2017年に創立された新しい協会です。今のAI(人工知能)の中心技術であるディープラーニングを理解できる人材、企業を育成することを目的として設立されました。
ディープラーニング技術は「ものづくり」とも相性がよく、日本の労働力不足を解決する強力な武器になりうるとJDLAは考えています。

一方でディープラーニングを活用するためには情報産業以外の様々な業界、企業にもディープラーニングを理解している人材が居ることが欠かせません。

そのためJDLAは幅広い分野の人達がディープラーニングを学び、実践できるような人材育成、ならびにスキルの認定試験を行っています。

そしてJDLAは、AI(人工知能)研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授を理事長として、大学などの研究機関、ディープラーニングを核とするスタートアップ企業に所属する人々が理事に就任。また、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長や元東大総長の小宮山宏氏などが特別顧問に就任しています。

一般社団法人日本ディープラーニング協会

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)はどんな活動をしているのか

活動のイメージ

それではJDLAの活動を見ていきましょう。公式ホームページによるとJDLAの取り組みは大きく5つに分けられます。

産業活動推進

様々な業種におけるディープラーニングの適用を紹介するカンファレンスの開催やそれぞれの産業分野に特有の課題等を整理するワーキンググループの設置などを取り組んでいます。

ディープラーニングを実産業に適用するためには技術的な課題はもちろんのこと、法規制に対応したAI(人工知能)の利用が必要。JDLAはこのような課題の整理、解決に向けた取り組みを行っているのです。

社会提言

ディープラーニングの健全な活用に向けて行政、立法、産業界への提言を行っています。

人材育成

ディープラーニングに関する知識が豊富で、事業へ活用できる人材(ジェネラリスト)とディープラーニングを実装する人材(エンジニア)の育成に向けた教育活動、ならびにスキルの認定試験を行っています。

E資格とG検定と呼ばれる資格については後の章で詳しく説明しましょう。

国際連携

ディープラーニングに関する倫理的、法的、社会的な課題の解決に向けて国内外の各種団体と情報交換、議論を行っています。

理解促進

ディープラーニングに関する社会的な理解は発展途上であり、産業の発展のためには正しい理解が欠かせません。そこでJDLAは社会に対する情報発信、対話活動を行っています。

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)の会員になるには

会員のイメージ

ところで、JDLAの会員になるにはどうすれば良いのでしょうか。ディープラーニングの活用を考えている企業関係者の方々の中には、JDLA会員になることを考えている方もいるかもしれません。

そこでここではJDLAの会員のメリット、会員の種類、会員になる方法を紹介しましょう。

JDLAの会員になると会員限定イベントや協会内部のSlackを通じた最新情報の入手、各種委員会への参加を通した官公庁への提言を行うことができるなどのメリットがあります(会員特典は種別、ランクによって異なります)。
JDLAの会員には正会員、賛助会員という種類があり、議決権を有するのは正会員のみ。
正会員は「企業」と「有識者」に分けられており、ディープラーニングを核とする事業を行っていること、ディープラーニングに関する研究、人材育成に注力していることが必須です。

また入会するためには「入会申込書」を提出した後、理事会の審査、承認を受ける必要があります。そして正会員として新規入会するためには現正会員2名以上の推薦が必要です。

2つの資格「E資格」と「G検定」

テクノロジーのイメージ

また、JDLAの資格について気になる方もいますよね。前述の通り、JDLAはディープラーニングの教育活動ならびに資格試験を行っています。

資格は「E資格」と「G検定」の2種類の資格があり、「E資格」はディープラーニングを実装するエンジニア向けの資格「G検定」はAI(人工知能)を産業に応用するために必要な知識を有しているか判定するものでエンジニア以外のビジネスマンも対象とした検定です。

企業活動にディープラーニングを取り入れるためには、実装できるエンジニアが必要なことはもちろん、ディープラーニングを自社の事業に合った形で導入できる人材も欠かせません。そのためJDLAは2種類の資格を用意しているのです。

G検定は1年に4回程度実施されており、受験資格は特にありません。JDLAの公式サイトから申し込むことが可能。
一方、E資格は1年に2回程度実施されており、受験資格として試験日から過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了していることが求められます。

G検定、E資格ともにJDLAの公式サイトで試験範囲が公開されているほか、おすすめの参考書が紹介されていますので参考にしてください。

なおG検定は様々な企業が団体受験を行っており、例えばNTTコミュニケーションズ、パナソニック、丸井グループなど様々な業界の企業の事例が公式サイトに紹介されています。

このように多種多様な企業がG検定を団体受験しているということも、ディープラーニング技術が多くの分野で注目されていることを反映しているともいえるでしょう。

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)を活用するには

企業のイメージ

ここまでは会員になる方法や資格についてお話してきました。それでは最後にJDLAの活用についてお話しましょう。

それぞれの立場、企業の事業内容に応じてJDLAの活用法は変わります。

ディープラーニングを事業の核としている企業はJDLAへの入会を検討する価値があるといえるでしょう。

JDLAにはディープラーニングを扱うスタートアップの企業やディープラーニング研究のフロントランナーである研究者が多数入会しています。JDLAの入会による最新の情報を入手したり、企業、研究者間の人的ネットワークの構築などのメリットは大きいです。

一方、企業でディープラーニングの活用を考えている個人の方々は、JDLAが主催するワークショップやカンファレンスへの参加、G検定、E資格の取得を推奨します。
また事業へのディープラーニングの適用を考えているマネジメント層の方々はG検定の団体受験を検討してみてはいかがでしょう。

ディープラーニングを活用するためには現場の技術者はもちろんのこと、経営企画部門などの管理部門のビジネスマンもディープラーニングを理解していることが重要です。G検定やJDLAの教育プログラムを利用することで幅広い社員へディープラーニングを浸透させることができるでしょう。

 

ディープラーニングのイメージ

今回は日本ディープラーニング協会の取り組みについて紹介しました。

ディープラーニングは適用範囲が非常に広く、人々の働き方を激変させる可能性を秘めた技術と言えます。それ故、これからの時代はディープラーニングを取り入れたAI(人工知能)研究の加速はもちろん、AI(人工知能)を製造現場などの各種業界に適した形で取り入れることができる人材の育成、ならびにAI(人工知能)を現場に適用するための法規制の整備が不可欠です。

JDLAはこのような各種課題の解決に向けて大きな役割を担うことになるであろう団体。

今後ディープラーニングの適用を考えている人々はJDLAの主催する各種カンファレンス、ワークショップに参加したり、G検定、E資格の取得を通してご自身のスキルアップにつなげてみましょう。

【お知らせ】

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