AIとは何か

3分で理解!日本ディープラーニング協会(JDLA)とはどんな組織?

3分で理解!日本ディープラーニング協会(JDLA)とはどんな組織?

AI(人工知能)に関する技術のひとつであるディープラーニングはまだまだ成長の余地があり、さらなる発展が望まれるため、さまざまな専門家や団体が技術開発の後押しをしています。なかでも日本のディープラーニング分野や技術をリードしているのが、日本ディープラーニング協会(JDLA)。とはいえ、日本ディープラーニング協会(JDLA)の実態について意外と知らない人は多いですよね。

日本ディープラーニング協会(JDLA)とはディープラーニングの産業活用や人材育成など、日本のディープラーニングを縁の下の力持ちとして支える団体です。さらにディープラーニングに関する知識や技術を普及するだけでなく、最近では国際的な舞台でも活躍しています。つまり日本のディープラーニングの行く末を担っているといっても過言ではありません。この記事では、そんな日本ディープラーニング協会(JDLA)についてしっかり理解できるようにまとめています。

そこで今回は、日本ディープラーニング協会(JDLA)とはどのような団体であるのかわかりやすく解説しましょう。まずは日本ディープラーニング協会(JDLA)の活動についてお伝えします。

日本ディープラーニング協会(JDLA)の活動内容

会議のイメージ
日本ディープラーニング協会(JDLA)の活動はの大きく5つあります。それぞれについて説明しましょう。

産業活用促進

企業がディープラーニングの応用事例や活用する、となるといろいろな問題が出てきますよね。その対策や市場が求めている情報をイベントによって提供するのが、日本ディープラーニング協会(JDLA)の活動の一つです。

もちろん、この部分にはディープラーニングに関する技術的な課題や法的な課題をまとめたり、解決を目指したりする点も含まれています。

公的機関や産業への提言活動

ディープラーニングは犯罪に悪用されたり、人権を侵害するような開発ができるかもしれません。もしそうなっては、とてもまずいですよね。

そのため、日本ディープラーニング協会(JDLA)は行政や立法機関、そして産業界に対して必要な意見を出します。これによって業界の健全に成長を目指し、倫理面でも安全を保証できるでしょう。

人材育成

日本ディープラーニング協会(JDLA)は人材育成の一環として、資格試験を開催しています。その資格試験とは、ディープラーニングの知識を使って、自分の事業に活用する人を対象にした「G検定」と、ディープラーニングを実装するエンジニアを対象にした「E資格」

また日本ディープラーニング協会(JDLA)は資格試験を受けるにあたって知識やスキルを身につけるための教材の発刊やトレーニングの実施をおこなっています。これなら、試験を受ける人でもどのような対策をすれば良いのかわかりますよね。また、試験の合格者のコミュニティの運営も行っているので、ディープラーニングに対する疑問を共有することもできるかもしれません。

国際連携活動

ディープラーニングに関する研究は、日本だけでなく海外でも行っています。そこで日本ディープラーニング協会(JDLA)はディープラーニングの発展に伴い生じる倫理的・法的・社会的問題について議論をする活動をしています。

また、このようなディープラーニングに関する議論を海外で生じている問題を国内に、逆に国内の状況を海外に発信すれば、ディープラーニングに関する研究をより進めることができるでしょう。

社会との対話

ディープラーニングを含むAI(人工知能)関連技術は私たちの生活を充実させ、より良いものとしているものの、その言葉が独り歩きしてしまっています。その結果問題となるのが、ディープラーニングに関する過剰な期待あるいは過剰な心配が社会の中で沸き起こっていること。

そこで日本ディープラーニング協会(JDLA)ではディープラーニングに関する事例を書籍で出版したり、ディープラーニングに関するビジネス活用の場である「ディープラーニングビジネス活用アワード」の後援を行っています。このような形を通し社会に向けて情報発信することで、ディープラーニングに対するより深い理解を持つことを目指しています。

その他、ディープラーニングを実装する上で参考になるようにディープラーニングの活用事例を収集・公表したり、標準化されたディープラーニング開発標準契約書のひな形を策定したりしています。これによって、将来的にはディープラーニングの開発についての契約をスムーズになるでしょう。そうするとディープラーニング関連ビジネスへの参入障壁が低くなることを目指しています。

※以下の記事でも解説しています

続いて、今なぜ日本ディープラーニング協会(JDLA)は注目されているのかについてです。

日本ディープラーニング協会(JDLA)はなぜ今注目されているのか?

研究のイメージ
日本ディープラーニング協会(JDLA)への注目は近年だんだんと伸びて、AI(人工知能)やディープラーニングの分野に身を置く人の多くはその存在や活動を知っています。では、なぜこんなに日本ディープラーニング協会が注目を集めるのかというと、やはり「ディープラーニングへの関心の高まっている」ためです。

今現在AI(人工知能)やディープラーニングの技術は急上昇し、画像認識によるスマホの顔認証やSiriのようなAIアシスタントのように応用事例も増え、これからも飛躍的に技術躍進が起こると考えられています。そのため、ディープラーニングはさまざまな業界や社会のなかで大きな関心を集める技術で、さらなる応用や成長が期待されるでしょう。

それに伴い、日本のディープラーニング界隈を牽引する存在である日本ディープラーニング協会(JDLA)も注目を集めるようになりました。現在のAI(人工知能)ブームはまだまだ続くと予想されるので、これからも日本ディープラーニング協会(JDLA)への注目は高まるに違いありません。

このように、日本ディープラーニング協会(JDLA)には注目される理由があります。次に今注目を集めている日本ディープラーニング協会(JDLA)を構成する人たちについて紹介します。

日本ディープラーニング協会(JDLA)を構成している人たち

カンファレンスのイメージ
日本ディープラーニング協会(JDLA)の組織構成は大きく理事会、委員会、会員の3つでできています。それぞれについて説明しましょう。

理事会

理事会は理事会のトップの理事長協会の職務を執行する理事協会の会計及び理事の職務執行を監査する監事理事会に対して参考意見を述べる特別顧問の4つの役職があります。

日本ディープラーニング協会(JDLA)の理事会や会員にはAI(人工知能)やディープラーニング界の著名な人物が揃う中、理事長の松尾豊氏はなかでも東京大学大学院工学系研究科教授でありは日本のAI(人工知能)やディープラーニング研究の第一人者です。代表的な書籍として、一般向けにAI(人工知能)やディープラーニングについて解説した「人工知能は人間を超えるか – ディープラーニングの先にあるもの」があります。

※人工知能は人間を超えるかについては、以下の記事でも取り上げています。

松尾豊氏は日本のAI(人工知能)研究を下支えする人工知能学会で2012年から2年間編集委員を、2014年から2018年まで倫理委員会を務め、2017年に日本ディープラーニング協会(JDLA)の設立、理事長に就任しました。

委員会

委員会は主に、ディープラーニングに関する事例の収集および課題の発見を行います。委員会の中でも、情産業界でディープラーニング活用を促進する情報発信をする産業活用促進委員会、日本国内・海外との連携を測ったり、イベントの開催などを担当する公共政策委員会、試験のシラバスの策定などをおこなう人材育成委員会の3つにわかれます。

会員

会員は大きく3種類。まず正会員企業では事業の中心としてディープラーニングを据えている法人のことです。また、日本ディープラーニング協会(JDLA)に賛同する法人のことを賛助会員と言います。

さらに、ディープラーニングの研究や人材育成に力を注いでいる正会員有識者がいます。正会員有識者は人物が対象となりますが、所属先を大学だけでも東京大学や大阪大学、東京工業大学、早稲田大学といった幅広く世間に名の知れた大学の教授や講師が集まっているとのこと。なお、この正会員有識者は一部理事会のメンバーと被ります。

またこのほかにも、日本ディープラーニング協会(JDLA)を構成する人はAI(人工知能)やディープラーニングを開発する研究者だけでなく、倫理的問題や政策課題を研究する研究者や企業のトップ、弁護士などさまざまです。それはなぜかと言えば、日本でAI(人工知能)やディープラーニングを推し進めるのは開発者のみだけではなく、ディープラーニングによって社会的課題を解決するための人物も必要だから。

最後に日本ディープラーニング協会(人工知能)で受けることのできるG検定について解説します。

日本ディープラーニング協会(JDLA)で受けられるG検定

資格試験のイメージ
日本ディープラーニング協会(JDLA)では人材育成のために資格試験を実施して、なかでもディープラーニングを事業活用するジェネラリストを育成するG検定は強い人気を誇っています。その目的はディープラーニングに関する知識を用いて、積極的に事業に応用することです。

実際にG検定は公式にテキストもあり、出題範囲や例題も公開されているので、これからディープラーニングの勉強を始める人でもスタートを切りやすい資格となっているでしょう。

出題内容はAI(人工知能)の定義からはじまり、その動向や問題、機械学習の具体的手法、ディープラーニングの概要や手法、研究分野、応用といったディープラーニングを中心に幅広いものです。問題は文章の穴埋めや用語の説明の選択など、用語や知識を問う問題が中心で、どの技術がどのように活用できるか、といった応用問題も見られます。

※さらに知りたい方はこちらの記事も参考になります。

まとめ
さて、今回は日本ディープラーニング協会(JDLA)とはどのような団体であるのかわかりやすく解説しました。日本ディープラーニング協会(JDLA)では主に次の5つの活動を行っていましたよね。

  • ディープラーニングをどのように産業への応用や、それにおいて技術課題や法的課題などを検討する
  • ディープラーニングの健全な発展や倫理的側面のために、行政・立法機関や産業界へアドバイスを行う
  • ディープラーニングを事業活用する人や実装するエンジニアの育成を資格試験を通して行う
  • ディープラーニングに関する研究や倫理的・法的・社会的問題を国内外の連携して解決しようと試みる
  • イベントの開催・書籍の出版を通してディープラーニングに対する社会への理解を進める<

日本ディープラーニング協会(JDLA)が注目を集める理由として、ディープラーニングへの関心の高まりがあります。ディープラーニングは現在あらゆるところで使われる技術で、人々の関心も高く、これからますます広まっていくと予想できるでしょう。また、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するG検定やE資格は、ディープラーニング関係の資格の中でも有数の資格になるとのこと。

日本ディープラーニング協会(JDLA)の組織構成は理事会、委員会、会員の3つから構成され、構成員はディープラーニング界では著名な人ばかりです。とくに理事長である松尾豊氏は華々しい研究業績を残し、また一般向けにAI(人工知能)やディープラーニングの普及活動もおこなっています。

ディープラーニングの活用はこれからも広がっていき、ますます日本ディープラーニング協会(JDLA)の重要度も増すに違いありません。日本ディープラーニング協会(JDLA)のこれからの活躍を見守りましょう!

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