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3分でわかる!AI(人工知能)、機械学習、深層学習の関係性とは

人工知能のイメージ

2016年、Googleの傘下企業「Deep Mind」が開発した囲碁AI(人工知能)「AlphaGo」が世界チャンピオンのイ・セドル氏を破り話題になりました。

2019年にも日本の企業トリプルアイズが開発の一端を担っている「GLOBIS-AQZ」という囲碁AI(人工知能)が囲碁史上最年少プロ棋士、中村菫初段に勝利したニュースも記憶に新しいですよね。

このAI(人工知能)が起こした快挙によりAI(人工知能)だけでなく、「機械学習」や「深層学習」という言葉も注目を集めました。

ですが、「機械学習」や「深層学習」は言葉が似ているし、何のことを指すのか知らない方も多いでしょう。

そこで今日は、混同しやすい機械学習と深層学習の違いや関係性についてお伝えします。

そもそもAI(人工知能)とは 機械学習とは 深層学習(ディープラーニング)とは

人工知能のイメージ

混同しがちな機械学習と深層学習、それぞれどのような技術なのかお伝えします。

機械学習とは

機械学習とは、AI(人工知能)を実現させるための技術の一つで、データから反復的に学習し、その特徴やパターンを見つけ出すものです。

あらかじめ正解のデータ(教師データともいう)を必要とする学習法や、正解のデータを与えず、答えがわからない問いに対して試行錯誤しながら答えを探していく強化学習という技術も、この「機械学習」に含まれています。

つまり、人間がプログラミングしなくても良いということですよね。

具体的な活用例には、迷惑メールフィルタ。これは大量のメールの情報を学習させることで迷惑メールを自動的に識別するといった例です。

それでは、機械学習はなぜAI(人工知能)の中心的技術として用いられるようになったのでしょうか。これについても今日はしっかりお伝えしていきます。

機械学習がここまで注目されたのはニューラルネットワークが急激に発達したことが要因の一つとされています。

ニューラルネットワークは人間の脳内にある神経回路網を数字モデルで表したもので、シナプスと呼ばれる数値が閾値を超えたら1を出力するといった構造を持っています。そして順々に連結されているニューロンに信号が伝達されるのです。

この手法が確立されてから、機械学習の効率の向上し注目を集めています。

深層学習とは機械学習技術の一つ

次に「深層学習」についてです。

深層学習は「ディープラーニング」と呼ばれることが多いですよね。深層学習はデータの分類を得意としており、機械学習の学習方法の一つ。機械学習は深層学習を包括するので機械学習>深層学習といった関係になります。
例えば、私たち人間が猫を見て猫だと判断できるのは、過去に見てきた特徴を学習し、それを元に判断しています。このようなデータの分類を機械でも行えるようにし、人間の脳と似た構造をしているのがこの深層学習です。

後述しますが、AI(人工知能)>機械学習>深層学習の関係性なんだなと、今日は覚えておいてください。

深層学習は人間の神経細胞をモデルにしたニューラルネットワークを用いてデータの分析や学習を行う手法で、活用例には、自動運転の精度向上や動画像内の物体検出、セマンティックセグメーション(画像に対してピクセル単位で分類する技術)、画像キャプション生成などやはりデータの分類を必要とする分野で活用されています。

しかし、深層学習にも弱点はあります。

深層学習で高い精度を出すには大量の教師データが必要です。教師データが少ないと「過学習」という状況になり、うまく学習できません。教師データにだけしか正解することができないのです。

学生が教科書を一夜漬けで丸暗記しても応用問題を解けないのと同じですよね。

AI(人工知能)と機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違い

比較するイメージ

以上、機械学習と深層学習の概要についてお話しました。ここまで読んでくださった方はもう、機械学習と深層学習が混同することはありませんよね。

機械学習と深層学習はどちらもAI(人工知能)の仕組みであるものの深層学習は機械学習の技術の一つで、ニューラルネットワークが複数重なっているものでありデータの特徴をより深く学習することができます。

それでは先ほどお伝えした内容と照らし合わせながら、機械学習と深層学習の違いを説明しましょう。

ビッグデータ(教師データ)から機械学習で学習を行う際には人が、データの特徴量をどのように学習するかということをあらかじめ定義しておく必要があります。しかしこれはエンジニアが自由に定義することが可能ですので偏ったAI(人工知能)が完成してしまう場合もあります。
一方で深層学習では学習するデータの特徴量も機械自身で見出して動作をするという決定的な違いがあります。これによって機械学習と違い深層学習では場合によっては開発者も思わぬ方向へ学習してしまう可能性もあり、何のデータを読み込ませるか、教師データの選別は慎重に行う必要がありますよね。

ビジネスにAI(人工知能)を導入する上でも教師データの選別に重点を置くことが多いです。これを間違えてしまうと一から作り直しになり、多大な損害につながります。

例えば、消費者がどの商品をクリックしたかというデータをもとに、その消費者の好みに合いそうな商品を絞り込み提案するAI(人工知能)には非常に有効です。

AI(人工知能)>機械学習>深層学習(ディープラーニング)の関係性について

関係性のイメージ

ここまで、AI(人工知能)に必要不可欠な機械学習と深層学習の概要、違いについてお伝えしてきました。

関係性としてはAI(人工知能)に学習させる技術が機械学習で、その手法や強化したものが深層学習です。これで関係性はバッチリですよね。

そして、機械学習と深層学習も使い分けなければなりません。機械学習は複雑な問題に対しては適用しづらい特徴がある一方で計算コストが低い場合が多いです。しかし深層学習と比べて素早く学習が完了できます。

ですから良い面悪い面、適応する分野を使い分けなければなりません。

深層学習と機械学習が変えるこれからの世の中

人工知能を利用しているイメージ

機械学習と深層学習によりAI(人工知能)の将来性は計り知れません。

AI(人工知能)は同じ作業を繰り返す業務やデータや表を扱う事務作業、そしてデータによる分析を行う業務を得意としているため、企業ではこのような作業を行う社員の人件費を、機械学習と深層学習により学習させたAI(人工知能)を導入して削減しようと試みています。

ですからAI(人工知能)により仕事が楽になるかもしれませんが、そもそも職を失うといった結果につながる可能性もあります。このことから私たち人間に求められる能力を今一度見直す必要があるでしょう。

 

人工知能のイメージ

今回はAI(人工知能)、機械学習、深層学習の関係性についてお伝えしました。

  • 機械学習は人間が学習させる!深層学習は機械自身が学習していく!
  • どちらも教師データが重要である
  • AI(人工知能)>機械学習>深層学習 の関係性を覚えておこう
  • 機械学習と深層学習がもたらす恩恵は多いが、喜んでばかりはいられない

AI(人工知能)はこれからも成長していくことは間違いありませんが、これを扱えるエンジニアは世界規模で不足しています。ここまで読んでAI(人工知能)やそれを構成する技術に興味を持った方はぜひどんどん調べてみてください。

そして、機械学習や深層学習により強化されたAI(人工知能)が活躍する世界ではどのような能力が必要とされるのか、自分を見つめ直していきましょう。

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