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キャラクターが現実を駆け回る!AIが変える次世代ARとは

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スマートフォンのゲームにはAR(拡張現実)ゲームというものがありますが、AI(人工知能)を備えたAR(拡張現実)ゲームができたら凄いですよね。目の前の現実の風景をゲームのキャラクターが駆け回り、そのキャラクターをあたかも自分が触っているかのように操る。そのようなゲームがもうすぐ楽しめるようになるとしたら、なんだかワクワクしますよね。

AR(拡張現実)という言葉も、あまり聞きなじみがないという方が多いかもしれません。しかしAR(拡張現実)はすでにビジネスの分野に進出しており、今では消費者に受け入れられるためにどのような商品を開発していくかという段階に移っているのです。さらにAI(人工知能)によってAR(拡張現実)は次世代のものへと進化しようとしています。

そこで今回はAR(拡張現実)がどのようなものか紹介するとともに、AR(拡張現実)を利用したサービスや、AI(人工知能)によって進化した次世代のAR(拡張現実)について見ていきましょう。

世界を席巻したARゲーム「ポケモンGO」

世界を席巻したARゲーム「ポケモンGO」イメージ

ポケモンGOというゲーム、実はAR(拡張現実)の技術が使われています。

あまりゲームに詳しくなくても、ポケモンという名前だけは聞いたことがあるという方も多いのでないでしょうか。モンスターを捕まえて仲間にし、ライバルのモンスターと戦わせるというゲームで、これまでゲームボーイなどの携帯ゲーム機で発売されてきました。

そのポケモンの新作が2016年、ポケモンGOというタイトルでスマートフォン向けに配信されたのです。GPS機能を使って近くにいるポケモンの位置情報が提供され、実際にそこへ行ってスマートフォンのカメラ機能を作動させると、現実の風景にポケモンが映し出されるという仕組み。レアなポケモンやアイテムをゲットするため、多くの人が特定の場所に押し寄せたなんてニュースもありましたよね。

カメラで映し出した現実の風景にゲームのキャラクターを表示させる。これがゲームで使われているAR(拡張現実)というものなのです。

AR(拡張現実)とは?

AR(拡張現実)とは?イメージ

ARは「Augmented Reality」の略で、ポケモンGOでも使われていたような現実の風景の上に、作り出した別の情報を表示させる技術のことです。ドラゴンボールで敵の戦闘力を表示するスカウターというメガネがありましたが、あれはまさにAR(拡張現実)の技術を使っていたのでしょう。

似たような言葉でVR(仮想現実)というものがありますが、AR(拡張現実)とはどう違うのでしょうか。

VRは「Virtual Reality」の略で、コンピュータ内に作り出した仮想の世界を3D映像や立体的な音響効果を使って、実際に仮想の世界の中に行ったような体験をさせるための技術のこと。ジュラシックパークの世界に足を踏み入れ、目の前にティラノサウルスの鋭い牙が……なんて体験ができるわけですよね。

  • VR(仮想現実)は仮想世界に没入させるための技術。
  • AR(拡張現実)は現実の風景上に情報を表示させるための技術。

VR(仮想現実)とAR(拡張現実)は別の分野の技術であり、それぞれがそれぞれに発展を遂げているということなのです。

ポケモンGOを作ったナイアンティック社

AR(拡張現実)とは?イメージ2

ポケモンGOを作ったナイアンティック社は、もともとグーグル社で地図アプリを開発していたチームが独立して作った会社です。「Google Earth」や「Google Maps」のような位置情報、地図情報をゲームの製作に利用したということでしょう。

Ingress(イングレス)」という、やはり現実の世界を使った陣取りゲームを2013年に配信。このゲームで構築された位置情報などのデータを自社の新作だけでなく、他社のゲーム開発やサービスに利用できるよう開放していくと語っていました。

その第1弾が2016年に発売されたポケモンGOだったというわけなのです。また現在はワーナーブラザーズと提携し、ハリーポッターのARゲームを開発中とのこと。

次世代ARゲームは、AIとの融合

AR(拡張現実)とは?イメージ

ナイアンティック社はAI(人工知能)による学習機能をAR(拡張現実)技術に加えることで、より臨場感あふれた表現を可能としました。

ポケモンGOでは現実の背景にポケモンが表示されていましたが、背景の画像はあくまでカメラでとらえた一枚絵という扱いであったため、表示されたポケモンが不自然に背景と重なっていたりといったことが起こっています。

しかしナイアンティック社はAI(人工知能)の学習機能を備えたAR(拡張現実)を利用して背景である現実の風景の奥行まで計算できる「Niantic Occlusion」という技術を開発。公開されたデモ動画では背景に映された物体や人物の裏側をピカチューたちが自然に駆け抜けていきました。

これまではカメラに映った現実世界の背景を2次元としてしか認識できませんでしたが、AI(人工知能)をAR(拡張現実)に融合させることで3次元、つまり立体として認識できるようになったわけですね。これによってキャラクターを上下左右だけでなく、手前や奥などまさに縦横無尽に動かすことができるようになったのです。

まさに次世代のARゲームといえますよね。

AR技術はゲーム以外にも

ポケモンGOを作ったナイアンティック社イメージ

AI(人工知能)を融合させたAR(拡張現実)を使った商品はすでに多くの企業によって開発されており、一般消費者を視野に入れた展開も進んでいます。その中でも話題となったものを紹介していきましょう。

  • ホロレンズ(マイクロソフト社)
  • Rシリーズ(ODG社)
  • マジックリープス(マジックリープス社)
  • グーグルグラス(グーグル社)

いずれもARグラスと呼ばれるもので、形状は頭からかぶるタイプのヘッドマウントディスプレイSFに出てくるゴーグルのようなタイプ、あるいはサングラス状であったりと様々。

機能としてはパソコンやスマートフォンのディスプレイがそのままARグラスになったという認識でいいでしょう。動画やゲームの画像がまさに目の前に映し出されるのですから、臨場感は半端なものではありませんよね。遊ぶだけではなく地図や翻訳機能など実生活でも非常に役立ちそうですし、パソコンをそのまま携帯できるようなものですからビジネスでも大きな力になることは間違いありません。

残念なのはまだまだ私たち消費者の手に届きにくいことでしょうか。高価ということもありますが、まだ日本では対応していないものも多いのです。しかしKDDIがODG社と提携するなど、ARグラスが日本でも急速に普及する可能性は大いにありますから、今後に期待というところでしょうか。

キャラクターが現実を駆け回る!AIが変える次世代ARとはイメージ

さて、今回はポケモンGOの話からAR(拡張現実)の新たな可能性について探ってみました。

  1. ポケモンGOはAR(拡張現実)の技術を使って作られている。
  2. AR(拡張現実)とは現実の風景の上に、作られたデータを表示させる技術である。
  3. ポケモンGOを作ったナイアンティック社は、かつてグーグルで位置情報アプリや地図情報アプリを作った者たちによって組織された。
  4. ナイアンティック社はAI(人工知能)の学習機能を備えたAR(拡張現実)を導入し、次世代のAR(拡張現実)技術を開発した。
  5. ゲーム以外でもAI(人工知能)を融合させたAR(拡張現実)技術の利用が進んでいる。

聞き慣れないかもしれないAR(拡張現実)ですが、実はもう身近なところにまでその技術は活かされていました。そしてAI(人工知能)をAR(拡張現実)と融合させることで、AR(拡張現実)はさらに進化しています。

ゲームや動画だけでなく生活やビジネスに至るまで、AI(人工知能)を融合させたAR(拡張現実)の技術がどのように活用されていくのか、目が離せませんよね。

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