テクノロジー

3分で理解!国内AI(人工知能)研究のアレコレまとめました

日本のイメージ

私たちの生活の中で身近な存在になり始めたAI(人工知能)について、どのような研究で進化しているのか気になりますよね。

AI(人工知能)と聞いてGoogle HomeなどのスマートスピーカーやiPhoneのSiriを思い浮かべる方が多いのでなないでしょうか。

これらは人間の音声をAI(人工知能)が認識する音声認識技術が使用されています。そしてAI(人工知能)には音声認識だけでなく画像認識やさまざまなAI(人工知能)技術の研究分野があるのです。

現在AI(人工知能)は世界の国々で研究が行われており、日本でもさまざまな機関が研究を行っています。

そこで今回は日本で行われているAI(人工知能)研究の分野とその研究機関・研究者たちについて分かりやすくお伝えしましょう。

AI(⼈⼯知能)の研究分野

AIのイメージ

AI(人工知能)研究にはさまざまな分野があり、それぞれが相互関係にあるのではっきりと分類はできませんが、代表的な研究に挙げられるのは次の3分野です。

探索と推論

「探索と推論」は第1次AIブーム(1950年代後半~1960年代)で盛んに研究されていた分野。

探索とは目的に至るために考えられる可能性を当たりながら場合分け(探し出し)をすることで、推論は「すでにある知識」をもとに新しいことを推測して答えを導き出します。

この研究はオセロや将棋など一手一手をどこに石を置いていけば勝利できるのか推測しながら行うボードゲームなどに使用されています。

エキスパートシステム

第2次AIブームを代表する研究分野のエキスパートシステムは、AI(人工知能)に専門知識をインプットし推論を行わせ問題を解決させるシステムの研究。

この研究からは医療や⾦融などさまざまな専門分野のエキスパートシステムが作られました。

中でも1972年にスタンフォード大学で開発された「マイシン(MYCIN)」という医療診断支援システムはこの研究の代表的なシステムとして有名です。

機械学習とディープラーニング

現在も続いている第3次AIブームでは機械学習について盛んに研究されています。

機械学習はAI(人工知能)が数値やテキスト、画像、音声など、さまざまな種類で大量のデータから特徴や傾向見つけ出し予測を出すシステムの研究で、例えばAI(人工知能)がインターネット通販利用者の購買データを大量に学習すると、それぞれの利用者ニーズや買物の傾向が把握でき、その人に合ったオススメ商品を提示することができるようになります。

しかし機械学習ではデータから得る特徴や傾向を人間が決めていました。

そしてそこに革命を起こしたのが機械学習の新たな手法ディープラーニングです。このディープラーニングの誕生でAI(人工知能)がデータから自動的に特徴や傾向を抽出できるようになりました。

AI(人工知能)研究の代表的な3分野は、その研究の歴史に沿って始められた分野であり、そこから音声認識などの研究が生まれています。

現在この中でディープラーニングが最も注目を集めており、さまざまな分野で活用されています。

AI(⼈⼯知能)関連の⼤学研究室を探すのに役⽴つサイト

サイトを見るイメージ

AI(人工知能)の研究分野はお伝えした3分野だけでなくさまざま研究分野があり、それらは日本各地の大学でも研究が進められています。

ここでは全国のどの大学でAI(人工知能)研究がされているのかを検索できる3サイトを紹介します。

AINOW

2016年に創設された「AINOW」は1万件以上のAI(人工知能)関連ニュースの公開と独⾃コンテンツを掲載している国内最⼤級のAI(人工知能)専⾨サイトです。

そしてサイト内にある「AI Lab Map 2018」のPDFダウンロードページに約300件以上のAI(人工知能)研究をしている大学研究室が紹介されています。

AINOW

みらいぶプラス

「みらいぶプラス」は高校生などに向けて河合塾が運営している大学のナビサイト。

このサイトはこれから大学進学を目指している方に向けて「どの大学の学部で何が学べるのか」が分かるように各大学の学部・研究分野・研究者を紹介しており、その中にAI(人工知能)について学べる大学とその研究者が紹介されています。

みらいぶプラス

国⽴⼤学56⼯学系学部⻑会議

全国の国立大学工学系学部で行われている研究や取り組みと魅力を発信するために、国⽴⼤学⼯学系56学部の学部⻑で構成し運営しているのが「国⽴⼤学56⼯学系学部⻑会議」です。

大学のAI(人工知能)研究室の情報はトップページのイラスト検索でロボットをクリックしていくと、現在AI(人工知能)研究をしている51学部の情報が分かります。

国⽴⼤学56⼯学系学部⻑会議

今話題のAI(⼈⼯知能)研究者たち

研究者のイメージ

日本のAI(人工知能)研究は大学だけでなく企業や研究機関でも行われており、それぞれの研究には多くの日本人研究者が関わっています。

今年に入って中国の清華大学の学術論⽂検索サービス「AMiner」が世界で影響を与えているAI(人工知能)研究者2000⼈のリスト「AI2000」を公開しました。

そしてそのリストに次の日本人9名が名を連ねて今話題になっています。

音声識別

  • 中谷智広氏・・・NTTコミュニケーション科学基礎研究所
  • 亀岡弘和氏・・・東京大学/ NTTコミュニケーション科学基礎研究所
  • 渡部晋治氏・・・ジョンズ・ホプキンス大学
  • 山岸順一氏・・・国立情報学研究所
  • 小野順貴氏・・・首都大学東京(2020年4月より東京都立大学)

情報検索と推論

  • 松尾豊氏・・・東京大学
  • 榊剛史氏・・・株式会社ホットリンク

コンピュータシステム

  • 井上浩明氏・・・NECデータサイエンス研究所

理論

  • 河原林健一氏・・・国立情報学研究所
今回選ばれた2000⼈は、検索サービスのAI(人工知能)が一定の条件をもとにして自動的に選んでおり、精度に多少の課題はあるという話もありますが、いずれにしても選ばれた日本人研究者の9名は世界から一目を置かれている方々だと言えるでしょう。

また、リストに入っていませんが、この他にも国内には優れた日本人研究者たちが多数いらっしゃいます。

しかし2000人の中で日本人研究者が9名とは少なく感じますよね。「技術大国日本」と言われていますが、世界に認められるAI(人工知能)研究者がなぜ少ないのでしょうか。

AI2000

⽇本におけるAI(⼈⼯知能)研究が世界に遅れている理由

日本のイメージ

私たち日本人の意識の中に「日本のテクノロジーは最先端だ」という意識を持った方が多いのですよね。しかし先ほどの中国の清華大学の検索サービスではAI(人工知能)研究者2000人の中に日本人はわずか9名という結果でした。

これは⽇本が世界のAI(人工知能)研究において存在感がうすい、そして遅れていることが表れています。

では、なぜ日本のAI(人工知能)研究はこのような現状になっているのでしょうか。

そこには「AI(人工知能)研究への予算が少ない」「開発に必要なデータ収集システムがない」「日本にはAI(人工知能)研究者が少ない」などの理由が挙げられます。
そして中でもいちばん大きな理由なのが「国内でのAI(人工知能)に対する理解不足」です。
総務省が平成28年に公開した「情報通信⽩書」からはIoTやビックデータ、AI(人工知能)などの次世代産業への期待は⾮常に⼤きいことが分かった反面、⽇本ではAI(人工知能)への理解と認識が⾮常に低いことも分かりました。

総務省の調査結果からも分かるように、日本人のほとんどはAI(人工知能)についてよく理解していないのが現状で、AI(人工知能)は「人間と同じ振る舞いをするもの」とイメージされている方もいますよね。

すでに遅れを取っている日本のAI(人工知能)研究ですが、これから底上げして加速させるにはまず日本人がAI(人工知能)について正しい知識を学び理解を深めることが大切です。

そしてそのためには国をあげた取り組みが必要でしょう。

情報通信⽩書

 

研究のイメージ

今回お伝えしたように、AI(人工知能)はさまざまな研究分野があり、それぞれが相互関係を築きあってAI(人工知能)を進化させています。

そして日本では多くの大学や研究機関、企業でAI(人工知能)研究が行われており、そこでは多くの優秀な研究者が日々研究を行っているのです。

しかし、今年中国の清華大学から発表された世界に影響を与えているAI(人工知能)研究者2000人の中に日本人はわずか9名しか名前がありません。この発表がすべてではありませんが、世界から見ると日本のAI(人工知能)研究は遅れていることが分かり、その大きな原因には日本国内でのAI(人工知能)に対する理解の少なさが影響を与えているのでしょう。

しかし、これから間違いなくAI(人工知能)は生活の中に溶け込み私たちも頼ることになります。そこで大切なのがAI(人工知能)について学び理解することです。

私たちがAI(人工知能)について正しく学び理解することは日本のAI(人工知能)研究を盛り上げることにもなります。

そしてその先にはAI(人工知能)が一つの産業として確立され雇用にもつながり、最終的にはAI(人工知能)がプライベートと仕事でも私たちにとともに明るい未来へ歩んでくれる良きパートーナーとなってくれるでしょう。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました