AI(人工知能)なんて素人に作れるわけがない・・・とどこか諦めている方は多いですよね。AI(人工知能)を作るには機械学習の仕組みやそれにまつわる数学の知識、またPythonなどの言語も学ばなければいけないので、とても労力がかかります。当然そんななかで「もっと簡単にAI(人工知能)が作れればいいなあ」と考えるかもしれません。
実はAI(人工知能)はGoogleが提供するクラウドサービスで、素人でも作ることができるんです!AI(人工知能)が素人でも作れるようになったとは、ITの技術革新は目覚ましく、素晴らしい時代がやってきたと驚くはず。
では、AI(人工知能)をGoogleのクラウドサービスを用いて作成することで、なにができるのか、そもそもGoogleのクラウドサービスって何なのか、どんなものがあるのか、気になる点がたくさんありますよね。
そこで今回は、Googleが提供するAI(人工知能)作成のためのクラウドサービスについて解説し、加えてその種類を紹介します。まずは、どのようなクラウドサービスなのかについての解説です。
GoogleのクラウドサービスCloud AutoMLで素人でもAIを作れる!
AI(人工知能)を作成するためにGoogleが提供しているクラウドサービスの名称はCloud AutoMLです。
「Cloud AutoML は機械学習プロダクトのスイートです。AutoML を利用すると、機械学習の専門知識があまりない開発者でも Google の最先端の転移学習とニューラル アーキテクチャ検索技術を利用して、ビジネスニーズに合った高品質のモデルをトレーニングできます。」(引用:https://cloud.google.com/automl/)
とGoogle Cloudのウェブサイトで解説がされているように、Google AutoMLは、少ない労力と、ちょっとした機械学習(データから繰り返し学習し、パターンを見つけ出す技術)の知識だけでAI(人工知能)を作成するためのクラウドサービスです。
Google AutoMLは、ほとんどGUI(グラフィカルユーザインターフェイス。マウスなどで、基礎的な操作の大半を画面上で指示できる手法)のみAI(人工知能)を作成できるクラウドサービスの総称であり、Cloud AutoML Vision、AutoML Natural Language、AutoML Translationの3種類が現在提供されています。なんと、Googleが10年以上かけて構築してきた研究技術を基にしており、Google独自の技術を活用できます。
では、Google AutoMLでどのようなことができるのでしょうか。先ほど述べたCloud AutoML Vision、AutoML Natural Language、AutoML Translationの3種類に分けて、見ていきます。まずはCloud Auto Visionについての紹介です。
Cloud AutoMLその1:画像認識向けのCloud AutoML Vision
Cloud AutoML Visionは、Google AutoMLの第一弾として公開された、画像認識に関するAI(人工知能)を作成できるGoogleのクラウドサービスになります。
これまで、画像認識に関するAI(人工知能)を作成するためには、プログラミングで画像データを事前に処理し、データを分類して、ニューラルネットワーク(人間の脳を模したモデル)を構築して、といった専門知識を必要とする作業は避けて通れなかったのですが、Cloud AutoML Visionではドラッグ&ドロップといったマウス操作のみで画像を操作し、モデル訓練が可能となっています。加えて、Google Cloudを通して、訓練したモデルを自分のサービスなどに簡単に活用することも可能です。
例えば、雲の画像をみせてもGoogle側が持っている情報の範囲でしか分析できないため、Cloud Visionではその雲が積乱雲なのか飛行機雲なのか判別はできませんでしたが、Cloud AutoML Visionでは事前に積乱雲や飛行機雲のラベル情報を付けておけば自動的に画像とラベル情報の関係を学習し、これは積乱雲でこれは飛行機雲である、ということも認識することができるのです。AI(人工知能)のクラウドサービスも著しい進化をしましたよね。
さて、気になるのが料金です。2019年4月現在、Cloud AutoML Visionは無料で使える部分もあるのですが、おおよそ以下のような値段となっております。
画像へのラベル付けは、基本階層が1では1000枚当たり35ドル、基本階層3では1000枚当たり100ドル
分類予測は画像1000枚までは無料で、5000000枚までは1000枚当たり3ドル、それ以上では割引が適用
さて、ここまでCloud AutoML Visionの紹介をしてきました。続いて、AutoML Natural Languageについてです。
Cloud AutoMLその2:テキスト分析向けのAutoML Natural Language
AutoML Natural Languageは自然言語(私たちが日常で使う言語)のテキストの分析、より詳しくはカテゴライズに適したAI(人工知能)を開発するためのクラウドサービスで、従来Cloud Natural Language APIではCloud Visionと同様にGoogle側が持っている情報の範囲でしか分析できませんでしたが、ユーザのニーズに基づくカテゴライズが可能となりました。行えるのは構文解析や文書のカテゴリ分類で、テキストとラベルを組み合わせたデータをアップして簡単な手続きを踏むことで学習されたモデルが作成されます。
例えば、自社のサイトに問い合わせフォームがあり、日々メッセージが到着し、全てのメッセージが無尽蔵に来たとき、適切な対応をできる従業員が対応するのは大変ですよね。苦情や褒め言葉、ビジネスの詳細情報の要求、面会の予約などをメッセージの中身に応じてあらかじめ振り分けるAI(人工知能)があると、より業務が効率化するので、このときにAutoML Natural Languageを使うと、素人でも簡単にシステム構築ができるのです。
さて、料金についてですが、2019年4月の段階では以下のようになっています。
カテゴライズにかかる費用は1000文字1件とカウントして、1000件当たり30000件まで無料、30000件から5000000件で1000件ごとに5ドル、それ以上は問い合わせ。
最後に、AutoML Translationの紹介です。
Cloud AutoMLその3:翻訳向けのAutoML Translation
AutoML Translationは翻訳に適したAIを作成することのできるクラウドサービスで、ユーザ独自に翻訳モデルを作成することができ、翻訳したい言葉に対して固有の結果を返すことができます。例えば、日英翻訳記事を扱っている出版社がデータを元にAutoML Translationに学習させることで自動翻訳の制度を高めることができます。実際に日本経済新聞の日本語記事を英語版にするための自動翻訳サービスを構築し、検証した実績もあります。
さて、料金について、2019年4月の段階では、以下のようになっています。
翻訳の費用は、50万文字まで無料、50万から500万文字では、100万文字あたり80ドル。文字がマルチバイト(一文字が2バイト以上の文字。例えば全角文字はマルチバイト)の場合でも一文字とカウントされ、例えば「こんにちは」は5文字としてカウントされる。
さて、今回はGoogleが提供するAI(人工知能)作成のためのクラウドサービスについて解説し、加えてその種類を紹介しました。AI(人工知能)作成のためのクラウドサービスの総称はCloud AutoMLであり、機械学習がわからない素人でも簡単に作成できるなんて、さすがGoogleが10年培ってきた技術なだけありますよね。
Cloud AutoMLは以下の3種類がありました。
画像認識向けのCloud AutoML Vision
テキスト分析向けのNatural Language
翻訳向けのTranslation
この3種類は用途に合わせて、それぞれ使い分けることになります。
世はAI(人工知能)の時代であり、エンジニアが不足していく中、素人でも扱うことのできるAI(人工知能)作成のためのクラウドサービスの登場は、ますますAI(人工知能)の世界を広げていきます。AI(人工知能)を取り入れたい、けど手を付けられないという方は、ぜひCloud AutoMLを使ってみましょう!
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