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AI(人工知能)で運用!2018年注目ファンドを徹底分析

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投資の世界でもAI(人工知能)は最近とても人気があるようです。例えばAI(人工知能)を運用に活用したファンドも商品化されていて、これらは既に検討されている方や導入されている人も居るのではないでしょうか。

とはいえ、AI(人工知能)がファンドの運用にどのように活用されているのか、また、ファンドの運用実績はどのような状況なのか、いまいちよくわからない。という方もきっと多いですよね

実は今は3度目のAI(人工知能)ブーム。それに伴って「AI(人工知能)」を謳うファンドが多数商品化されていますが、実はその殆どがAI(人工知能)を事業としている企業へ投資する商品であり、銘柄選定や売買といった実際の運用にAI(人工知能)を活用しているファンドは非常に少ないのが現状なんです。

ですので今回は、その数少ない、私たちでもAI(人工知能)を運用に活用できる注目すべきファンドと、そのメリットデメリットなどについてお伝えします。

ファンドについて再確認しましょう

ファンド選定におけるチェックポイントイメージ
まず最初にファンドについて再確認しましょう。株式投資が銘柄選定と売買を個人が行うのに対し、ファンドでは銘柄選定と売買をプロに任せる点が異なります。ファンドのメリットは以下のとおりです。

  • 必要資金が少ない:株式投資が資金として数十万円から数百万程度必要なのに対し、ファンドでは1万円程度から投資することができます。
  • リスクを減らせる:株式投資では元本割れのリスクがありますが、ファンドでは複数の銘柄を合わせ持つことにより(分散投資)、リスクを減らすことを狙っています。

なお、行政の監督を受けた投資信託委託業者が管理運営しているファンドを投資信託と呼びます。投資信託はファンドの一部ということです。

ファンド選定におけるチェックポイント

ファンド選定におけるチェックポイントイメージ
ファンド選定におけるチェックポイントとして、運用実績指標である「トータルリターン」、手数料に関連する「購入手数料」と「運用管理費」について説明します。

  • トータルリターン:ファンドの利益を%で表します。トータルリターンは(価格増減+配当など)/(投資コスト)で計算します。例えば、1年前に1万円で購入したファンドが500円値上がりし1万500円になり、その間に50円の配当があった場合のトータルリターンは、(500円+50円)/(10,000円)=+5.5%となります。
  • 購入手数料:ファンド購入時に発生する手数料です。一般的には購入金額の1~3%かかります。今回紹介するAI(人工知能)運用ファンドは殆どが3.24%と高いですが、これは新しい技術であるAI(人工知能)による運用に人件費が余計にかかってしまうことが想像できますよね。
  • 運用管理費:ファンドを所有している間、保有しているファンドの価格(純資産残高)の0.5~2%が毎年発生します。

実は、今回紹介するAI(人工知能)運用ファンドの2018年8月31日時点の過去6ケ月のトータルリターンは、残念ながら殆どがマイナスの状況です。これは必ずしも今後もマイナス、ということではなく、たまたま過去6ケ月の成績が良くなかっただけかもしれませんが、残念ながらAI(人工知能)運用ファンドは数あるファンドの中で現状はまだまだ劣等生なんです。

しかしながら、AI(人工知能)は投資においても今後有力な技術になることは確実視されていますので、今後注視しておく必要があります。

それでは、実際にAI(人工知能)を運用に活用している注目すべき5つのファンドについて見てゆきましょう。

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)イメージ
三菱UFJ国際投信が提供するAI(人工知能)運用ファンドで「日本AI(あい)」とも呼ばれています。2018年8月31日時点の過去6ケ月のトータルリターンは-2.94%、購入手数料3.24%、運用管理費1.296%です。

ファンド名称の「絶対収益追求型」の「絶対」とは「相対」に対応するもので以下の違いがあります。

  • 相対(絶対収益追求型以外のファンド):日経平均株価などの指標に比べて運用結果がどうであったかを評価します。指標が下落している場合、指標と連動あるいは指標を上回っていればOKと評価します。
  • 絶対:指標や市場に関係なく収益を上げることを目標としており、市場全体や指標が下落しているときでも収益を上げることを狙っています。

本ファンドでは銘柄選定、翌日の値動き予測などにAI(人工知能)を活用しています。

  • 組み込む銘柄選定:有価証券報告書、決算短信および経済ニュス等の膨大なテキスト情報をテキストマイニングにより分析し有望銘柄を選定します。
  • 翌日の値動き予測:ディープラーニングが日々の値動きのデータの特徴より因果関係を抽出し翌日の値動きを予測します。予測が外れた場合は原因を分析/学習し次の予測に活用する仕組みとなっています。

Yjamプラス!

Yjamプラス!イメージ
Yjamプラス!」はアストマックス投信投資顧問が提供するAI(人工知能)運用ファンドです。2018年8月31日時点の過去6ケ月のトータルリターンは-2.81%、購入手数料3.24%、運用管理費0.9936%です。

ヤフーの持つビッグデータをマグネマックス・キャピタル・マネジメントが開発したAI(人工知能)運用モデル(ディープラーニングではなく機械学習)で解析することにより銘柄選定を行っています。

ヤフーの持つビッグデータは、一般的なニュース/天気情報の他に、Yahoo!ファイナンス(日本最大級のファイナンスメディア)を含む100以上のサービスデータを含んでおり、投資業界屈指のデータ量が強みとなっています。

AI(人工知能)活用型世界株ファンド

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アセットマネジメントOneが提供するAI(人工知能)運用ファンドで「ディープAI」とも呼ばれています。2018年8月31日時点の過去6ケ月のトータルリターンは+0.97%と今回紹介するAI(人工知能)運用ファンドの中で唯一のプラス、購入手数料3.24%、運用管理費1.5552%です。

本ファンドの特長は銘柄選定にアセットマネジメントOneが開発したディープラーニングモデルを使用している点です。

約4,000銘柄の株価や財務データをもとにディープラーニングモデルが解析を行い、各銘柄の魅力度をスコアリングします。なお、実際の銘柄選定はディープラーニングモデルによる解析結果だけでなく、株価やニュースのテキスト分析や個別企業のファンダメンタルズ分析も参考にしたうえで最終的な銘柄選定を行います。

日本株カムイAI戦略ファンド

日本株カムイAI戦略ファンドイメージ
日本株カムイAI戦略ファンドは、大和証券投資信託委託が提供するAI(人工知能)運用ファンドです。2018年8月31日時点の過去6ケ月のトータルリターンは-0.56%、購入手数料0.54%、運用管理費1.2852%です。

本ファンドの特長は、株式市場の騰落予測の判断にAI(人工知能)を活用している点です。

過去10年間の市場データ(株価指数/為替/金利など)およびポイントデータ(ポイントカード保有者の購買情報)をAI(人工知能)モデルで解析することにより、株式市場の上昇あるいは下落を予測する、というものです。本プロセスを毎週繰り返し機械学習することにより精度向上を狙っています。

GS ビッグデータ・ストラテジー(日本株)

GS ビッグデータ・ストラテジー(日本株)イメージ
GS ビッグデータ・ストラテジーは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが提供するAI(人工知能)運用ファンドです。2018年8月31日時点の過去6ケ月のトータルリターンは-2.46%、購入手数料3.24%、運用管理費1.296%です。

本ファンドの特長は銘柄選定にゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント独自開発のAI(人工知能)モデルを活用している点です。

アナリスト・レポートやニュース記事などの解析にAI(人工知能)を活用し、多様な銘柄評価基準に基づき銘柄選定を行います。

AI(人工知能)で運用!2018年注目ファンドを徹底分析まとめイメージ
以上、今回はAI(人工知能)を運用に活用している注目すべき5つのファンドについてお伝えしました。今はまだ劣等生かもしれませんが、いずれのファンドも今後注視する価値は充分ありますよね。

  1. AI日本株式オープン(絶対収益追求型):値動き予測にディープラーニングを活用
  2. Yjamプラス!:ヤフーの持つビッグデータの機械学習により銘柄選定
  3. AI(人工知能)活用型世界株ファンド:ディープラーニングにより各銘柄の魅力度をスコアリング
  4. 日本株カムイAI戦略ファンド:機械学習により株式市場の騰落を予測
  5. GS ビッグデータ・ストラテジー(日本株):銘柄選定に独自のAI(人工知能)モデルを活用

ファンド選定にあたり確認すべきは運用実績でしょう。運用実績については各ファンドが公開している運用報告書が参考になりますが、内容は専門的なのでWeb上の意見や解説も併せて確認すべきでしょう。ただし、なるだけ多数の解説/意見を確認することと、投資評論家を重要視するのではなく、一般投資家の意見もなるだけ数多く確認することをお薦めします。

実際に投資している投資評論家は殆どいませんので、実際に投資し苦労している一般投資家の記事の方が(全てではありませんが)有益である場合が多いです。ここらへんは実際に自ら投資してみないと見えてこない部分かもしれませんが、超低金利時代の現在、資産運用は従来の貯蓄から投資へのシフトは避けられない状況ですので、まずはリスクが比較的低いファンドから着手し経験を積むことにより投資技術を習得してゆく必要がありそうです
上記の様にまだまだなAI(人工知能)を運用に活用しているファンドですが、今後も注目していきたいですよね!

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