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5分で解説!人工知能を活用したビジネスマッチングの仕組み

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転職したいと思ったら、求人情報を1件1件探す時代が終わり、エンジニアがSNS上で「転職したい」とつぶやくだけで、人工知能がビジネスマッチングを実行、ヘッドハンティングのメールが届くとか・・・必死に探さなくても企業から見つけてくれて、声がかかったら嬉しいですよね。

これはエンジニアと企業間のビジネスマッチング提案を行う「scouty(スカウティ)」によるヘッドハンティングサービスですが、このエンジニアは転職についてscoutyに対し事前エントリしていたわけではありません。

scoutyの検索エンジンが日々ネット上を巡回し、エンジニアのブログやSNS上の発言等の情報を収集。これらの情報を基にエンジニアの能力を人工知能が判断、企業とのビジネスマッチングを行っているのです。

従来、企業と人、あるいは企業と企業間のビジネスマッチングは担当者の長年の経験に基づく勘とノウハウに依存する傾向にありました。自社にマッチした人あるいは企業をいかに見いだせるか、また、選定業務をいかに効率化できるかが多くの企業にとっての課題となっています。

この課題に対し近年、人工知能により正確かつ迅速なビジネスマッチングを提供するサービスが増えています。

そこで今回は、人工知能によるビジネスマッチングの仕組みについてお伝えします。

AI(人工知能)はどういう方法でビジネスマッチングしているのか?

AI(人工知能)はどういう方法でビジネスマッチングしているのか?イメージ

従来の人間によるビジネスマッチングでは、依頼側企業のニーズを基に担当者が複数の候補相手(企業あるいは人)からの選定作業を行います。

この選定作業を人工知能を活用してビジネスマッチングを行う場合の一般的な方法をザックリレベルで書くと以下の手順となるようです。

1)依頼側企業のニーズより複数の「マッチング条件」を抽出。なお、抽出した「マッチング条件」が開発力等のように数値でなく定性的な情報の場合は数値化(スコア化といいます)を行います。

2)1)で数値化した「マッチング条件」の組み合わせについて、人工知能が過去のビジネスマッチング活動実績と比較することにより最適なマッチング候補をランキングします。

次に、現在提供されている人工知能を使用したビジネスマッチングのサービスについて見てみましょう。

企業と人材をベストマッチングさせる「scouty」

これはscouty社が開発した人工知能(AI)による企業と人材とのビジネスマッチングサービスです。ソフトエンジニアを対象に、日本発のAIヘッドハンティングサービスで、面倒な登録や履歴書は一切合切不要

人工知能がエンジニアのブログやSNSの情報から「スキルや志向性を客観的に分析してしまう!」というのがアピールポイントになります。

PepperとWatsonが企業と人材をマッチング「Insight Matching」

Insight Matchingは、フォーラムエンジニアリング(30年以上にわたる技術者派遣業大手)が提供する、人工知能による企業と人材とのビジネスマッチングサービスです。SoftBankのロボットPepperをサービスのインターフェースとし、そこから得た各種情報の分析にはIBMの人工知能Watsonを活用します。

マッチングは以下の3点を数値化のうえAI(人工知能)が企業と人材との相性について総合的に判断します。

  • マッチング対象となっている人材のスキルや経験を数値化すると共に、企業についても(雇用される側からの観点で)数値化し双方のマッチング度を数値化します。
  • 人材が入力した、自身のスキルに関する情報より人材の市場価値を測定し数値化します。
  • Watsonによる人材の性格分析結果を数値化します。

ソーシャルメディアにおける影響力をマッチングに活用「yenta」

株式会社アトラエが提供する、人工知能による企業と人材とのビジネスマッチングアプリです。yentaはマッチングの参考値として、ソーシャルメディアにおいてその人材がどれだけの影響力を持っているかを判断材料としています。

影響力を示す具体的な指標としては以下があります。

  • その人材が情報発信しているWebサイトがどういったサイトからリンクされているか。
  • その人材のSNSにおける情報発信に対しどれだけの「いいね」がついているか、また、どういったコメントがついているか。
  • その人材が関わっている分野の著名人(影響力あるキーパーソン)との関係、更にどれだけの頻度でその著名人からのアクションがあるか。

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このように、今日はビジネスマッチングへの人工知能の適用について見てきましたが、人工知能のお役立ち度という点では、ビジネスマッチングは最も効果が期待されている分野なんです。なんせ、ビジネスパートナーの候補として適切かどうかが事前に分かっちゃうんですから、ホント便利ですよね。

従来、就職前の段階では人と企業が互いに無理解であるにも関わらず、互いにそのような素振りは一切見せず、だまし合いながら就職。残念ながら就職後にマッチングがうまくいってないことが判明してしまう、という悲劇が残念ながら毎年日本中のいたるところで発生しています。

今後、人工知能の活用によりビジネスマッチングにおける悲劇は激減すると期待されてます。ただし、人工知能は過去実績に基づく判断のため現時点でのマッチングには有効ですが、今後求められる人材については我々人間が考え判断する必要がありますよね。

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