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導入に生かせる!チャットボットの導入に成功した事例とそのポイント

導入に生かせる!チャットボットの導入に成功した事例とそのポイント

昨今は、気になる商品や受けたいサービスがあると、とりあえずWebサイトやアプリを開いてリサーチすることが多いですよね。その際によく見るサービスの一つに「チャットボット」があります。チャットボットは、ユーザーからの問い合わせに会話形式で自動回答するプログラムのことです。

ユーザーからすると直接コールセンターに電話するのが億劫だったリ、とりあえず基本情報だけを仕入れたいという時にうってつけのため、大変重宝されるのだとか。実際にその市場規模は100億円に迫る勢いともいわれています。この記事を読めば、チャットボットが必要な理由やどの様に導入すれば上手くいくのか、がよく理解できるでしょう。「これからチャットボットを導入したい」、「すでに導入したものの今一つ成果につながらない」という人には特におすすめです。

そこで今回は、チャットボットを導入して成功したケースと失敗したパターンを具体的事例を挙げて紹介します。

チャットボットとは

チャットのイメージ

チャットボットは、ユーザーからの質問や疑問などに直接Webサイトやアプリ内で自動回答するコミュニケーションツールです。

具体的には、「ルールベース型チャットボット」と「AI型チャットボット」があります。前者は、あらかじめシナリオを想定してQ&A形式で回答するスタイル、後者はAI(人工知能)がユーザーの問い合わせを受けながら回答内容をより高い精度のものに改善していくタイプです。企業によって導入するチャットボットの種類はまちまちで、その目的や予算に合わせて選択します。

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チャットボットが広まった背景として、文字でのコミュニケーションが普通になったことがあります。最近ではLINEに代表されるコミュニケーションアプリが広まり、多くの人たちが文字を使ったやりとりに慣れましたよね。くわえて、電車や車内、外出先ですぐに疑問を解決したい場合、また深夜・早朝にいちいち電話をかけてられない、などの課題を解決できる点が、チャットボットが歓迎されている要因でしょう。

また直接電話をするとそのまま勧誘されるとか商品を勧められる恐れもあり、そこまでは煩わしいと感じる場合には、アクセスのハードルが低くて気軽に問い合わせできる格好のツールともいえます。

チャットボット導入が必要な場面

問い合わせのイメージ
チャットボットの導入が必要となる具体的なケースを紹介しましょう。

スタッフの業務効率化をはかりたいとき

チャットボットは、24時間365日いつでも対応可能なため、コールセンター代わりに導入すれば業務効率化により労働時間とコスト削減につながります。すべてスタッフで対応しようとすると、時間外労働や深夜労働につながりを課すことになり、人件費も膨れ上がります。

また同じ内容の問い合わせが多い場合も、チャットボットで代用すれば時短やスタッフのストレス緩和につながるでしょう。そして浮いた労働力をコアな業務に集中できれば、業績アップも期待できます。

さらに社内のヘルプデスクでチャットボットが役立つケースもあります。複数の部署の多くの社員の問い合わせに対応するのは、担当者だけでは手が足りないこともありますよね。その際にチャットボットを導入すれば、同時に複数の問い合わせに回答でき、レスポンスも早いため業務の停滞を回避し人件費の削減も可能となります。

顧客満足度をあげたい時

店舗を持たないお店や実店舗があっても売上の多くをEC頼りにしている企業にとっては、WebサイトやSNSの充実が必須といえます。チャットボットによってユーザーの問い合わせに上手く応え、疑問が解消されれば顧客満足度はアップするうえ、安心感や購買意欲を喚起できれば売上アップが狙えます。

また、チャットボットでのやりとりは、続けるうちに親しみや信頼感を抱いてもらえる可能性もあります。このため、顧客との接点を増やしたいときや、特にスマホなどデジタルのヘビーユーザーである若年層を取り込みたい場合も有効でしょう。

チャットボットを導入して、成功した事例

キャラクターのイメージ

チャットボット導入が成功したかどうかの目安は、主に商品購入や資料請求、お試し数の増加などのCVRが高まったかとオペレーター対応を確実に減らせたか、の二つです。具体的な成功事例を紹介しましょう。

オリジナルキャラでユーザーに寄り添う「チンタイガー」

賃貸物件を探す際、不動産屋に足を運んだり電話で直接問い合わすのは手間ですし、せっかく紹介されても条件が合わずに断る場合は、気まずい思いをしますよね。そこで賃貸物件空室情報提供サービスのCHINTAIは、青色の「チンタイガー」というトラに模したオリジナルキャラクターを使ったチャットボットを導入しました。

24時間365日いつでもどこでもスマホさえあれば活用できる点は、ユーザーとしてもとても安心できますよね。かつ、愛嬌あるキャラクターで人よりも話しかけやすい、と感じる方もいるかもしれません。実際に「チンタイガー」の登場により、問い合わせ件数は増加し、業績もアップしたとのこと。まさにユーザーの気持ちに立ち、深く寄り添った心遣いによる成功事例といえるでしょう。

問い合わせメールを減少させた「島村楽器」

島村楽器は楽器販売だけでなく、音楽教室を展開しています。ただ電話やメールによる音楽教室への問い合わせには、直接スタッフが対応せざるをえず、その労働時間と人件費の削減が課題でした。そこでチャットボットを導入しましました。

具体的にはサイトにアクセスし、楽器やトピック、地域などをチャットボットを使って選択、希望にそって該当欄をタッチすると瞬時に必要な情報が表示されます。単なる楽器名にとどまらず、「予約制で通いたい」「子供に習わせたい」「癒されたい」「バンドをやりたい」など、教室を必要としている様々なユーザーの視点に立ち、興味をひく選択肢が用意されています。

チャットボットの回答は、やりとりの途中でタイミングよく「体験レッスン」や「入会」の欄が画面上に現れるので、その気になったユーザーはすぐに次のステップに進めます。これによりメールでの問い合わせが2~3割減少し、労働時間とコスト削減につながりました。

チャットボットを導入して、失敗した事例

失敗のイメージ
チャットボットを導入しても失敗する事例も少なくありません。ある金融機関は、コールセンターへの電話件数を削減するなどの目的でチャットボットを導入しました。ところが一向に電話による問い合わせが減りません。そこで詳細なユーザー分析をしたところ、電話の主は、シニア層が大多数を占めていることが判明しました。

もちろんチャットボットの精度は必ずしも低くはなく、リリース後も導入バナーの増設やAI(人工知能)に学習データを追加するなどして機能充実もはかり、顧客満足度は上昇しました。しかし、これを利用するのは若年層が大半で、シニア層にとっては魅力が薄く、使いにくいツールだったということです。

このように、業種や客層によっては、チャットボットが不向きなケースもあります。また、チャットボットを導入することだけが目的化して、内容が的外れでユーザーのニーズとズレていたり、画面が見にくくて操作性が低いといった場合にも途中で離脱されてしまう事例があります。

チャットボット導入を成功にするポイント

シナリオのイメージ
チャットボット導入を成功に導くには、何のために導入するのか、そして抱えている具体的な課題を社内でしっかり共有し、その解決に本当に役立つかを精査することが大切です。導入することだけが目的化すると、失敗事例にもあるようにリリース後には時間とコストの無駄と後悔だけが残る恐れが高いです。

そして的を射たシナリオの構築も欠かせません。どの問い合わせからでもユーザーが分かりやすい筋道を立てて疑問の解決へと誘導することが、チャットボットの大きな役割だからです。ユーザーの「すぐに知りたい」という欲や「どうして?」という疑問に、いかにシンプルかつ分かり易く応えるか、が大きなポイントになります。

「何が言いたいか分からない」「結局得なの?損なの?」「オペレーター対応が面倒なだけじゃないの?」「不親切だ」という印象を植え付けてしまうと、CVRは上がらないどころか、ユーザーが離れて二度とサイトすら見てもらえないという状況に陥るリスクも否定できません。

ユーザーが知りたいことを余すところなく取り込み、疑問や不安を解消するための最良の回答を入念にシミュレートしましょう。回答内容がズレていたり、長すぎて分かりにくいとユーザーのストレスにつながり、離脱されてしまいます。

またチャットボットはリリースしたら終わりではありません。ユーザーの質問内容や離脱した経緯は残るので、データとして活用して常に精度の向上を欠かさないようにアップデートが必須です。丹念なアクセス解析を繰り返すことで、CVRがアップし、さらにはユーザーの痒い所に手が届くサービス、競合との差別化がはかれる商品の開発や販売が可能となることを理解しましょう。

さらにチャットボットを親しみやすいキャラクターにするのもおすすめです。動物系、女子高生や小学生、ゆるふわなオリジナルキャラや男前な姉御肌の女性でも面白いかもしれません。チャットボットには、そこに触れるユーザーからすると、その企業やお店で働くスタッフの人となりやスピリットがうかがえます。対面ではないため、決して機械的にならないように細心の注意を払いましょう。そして、「このお店から買いたい」「実際に足を運んで体験したい」といかにして思ってもらえるか、そのための広告的要素があることも忘れないことが大切です。

まとめ
さて、今回はチャットボットを導入して成功したケースと失敗したパターンを具体的事例を挙げて紹介しました。チャットボットは、ユーザーの問い合わせに自動回答するコミュニケーションツールです。24時間365日いつでも対応可能で、手軽にスマホなどを使ってアクセスできるので、その市場規模は拡大の一途をたどっています。

チャットボットは、業務効率化と人件費の削減、顧客満足度の向上や顧客との接点を増やすなどの必要性から導入に到るケースが多いです。しかし、実際にリリースすると、満足のいく結果を得られたという成功事例とこんなはずではなかったという失敗事例の二極化が顕著です。

オリジナルキャラクターのチンタイガーを導入したCHINTAIは、いつでもどこでも希望する内容を指定すれば瞬時に最新情報を提供することで、確実にユーザー数を伸ばし、業績アップに結びつけています。島村楽器も操作性の高いチャットボットの導入で、楽器販売だけでなく音楽教室にまで顧客を広げ、メールでの問い合わせを順調に減らして業務効率化に成功しています。

その一方で、ある金融機関は、チャットボットを導入しても意図したほど電話件数を削減できませんでした。他にもユーザーのニーズに合わない的外れな回答や分かりにくい内容だと、離脱につながるリスクがあります。

チャットボット導入を成功に導くためには、その目的と本当に役立つのかをしっかり精査し、ユーザーの心に届く丁寧で親切なシナリオ作りが欠かせません。また、チャットボットをキャラクター化するなど、広く親しまれる雰囲気作りにも注力することがおすすめです。

ユーザーは画面上のチャットボットではなく、あくまでもその向こうにいる作り手(=自分)を見ているのだ、ということを忘れないようにしましょう。そして、これ以上ないチャットボット作りができれば、CVRもアップし新たな成功事例を作れるに違いありません。

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