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お笑い芸人も危機感。AI(人工知能)は笑いの宝石箱か!

お笑い芸人も危機感。AI(人工知能)は笑いの宝石箱か!

お笑いと人工知能(AI)は相反する、まったく関係ない分野のように見えますよね。

しかしお笑いでもジャンルを絞ると意外と人工知能(AI)と相性が良く、さまざまな研究者が研究している分野もあります。その中でも有名な人工知能(AI)である「大喜利β」は、TV番組の企画にも使われるなど大いに注目を集めているんです。

その設計には他の人工知能(AI)にはない特徴も存在しており、人工知能(AI)の新しい部分を見せるという意味で非常に特徴的な人工知能(AI)といえます。

そこで今回はお笑いと人工知能(AI)の関係について2つの実例を出すほか、そもそも人工知能(AI)にお笑いが可能なのか?ということについて解説していきましょう!

人工知能(AI)を使った大喜利をTwitterで楽しめる

大喜利のイメージ

お笑いと人工知能(AI)を組み合わせたサービスとして、一番知名度があるものが大喜利βです。大喜利βは「株式会社わたしは」が制作している人工知能(AI)で、大喜利を専門とした人工知能(AI)サービスです。

「大喜利っていったいなに?」と疑問を持つ方もいらっしゃいますよね。大喜利とは複数の回答者が司会者や客からテーマ(お題)をもらって、謎掛けや川柳、とんちなどを披露する寄席の余興芸をさします、TV番組の「笑点」でよくやっているといえば、おわかりになる方も多いかもしれません。

大喜利βはTwitterとLINEで提供されていて、ユーザーから送られてくるお題に対して、人工知能(AI)がとんちのきいた答えを出してくれます。

まだまだ開発途上なので首をかしげる答えも多いのですが、その一方でお笑い芸人も認める面白い答えを提示することがあるなど、非常に注目されている人工知能(AI)です。

またTV番組の企画としてNHKで実施された「AI育成お笑いバトル!」は大喜利βをベースにデータの入力に師匠であるお笑い芸人が関わることでほかの回答者AIと差別化するという企画でした。

ボケと突っ込みをやる人工知能(AI)

笑いのイメージ
前述の大喜利形式の人工知能(AI)に対して、一般的な漫才と同様のボケとツッコミを行う人工知能(AI)「AI芸人」をNTTレゾナントが開発し、東京ゲームショウ2018で公開しました。

これはチャットボット(テキストや音声を通じ、自動的に会話を行うプログラム)形式で提供されるもので、ユーザーのお題や言葉に対してボケ担当の人工知能(AI)がボケて、すかさずツッコミ担当の人工知能(AI)がツッコむというものです。

NTTレゾナントでは過去にチャットボットサービスを提供しており、それをお笑い仕様にカスタマイズした物となっています。「AI芸人」は現在まだ試作品の段階で一般公開はされていませんが、これを応用してゲームの会話やシナリオの制作などに使われることを視野に入れているそうです。

「面白い」ってどういうこと?

面白いのイメージ

まず人工知能(AI)を使ったお笑いについて二つ紹介しましたが、一般公開されているAIの大喜利βについて、ネットやテレビでは「意外と面白い」「バカにできない」と高評価が多いようです。

しかしこれらの人工知能(AI)がお笑いについて理解しているわけではありませんし、人工知能(AI)が自ら面白いフレーズを作っている訳でもありません。ではどのようにして面白いお笑いを実現するのか、そこを調べました。

「人間がお笑いをなぜ面白いと思うのか」「そもそも人間を笑わせるというのはどういうことか」という問題を解決しようと思うと、これは現在の人工知能(AI)でどうにかできる話ではありませんが、「面白いギャグやワードを集めて分析し、新しい答えを生み出す」というのはむしろ人工知能(AI)の得意分野です。

これは人間でイメージするとわかりやすいのですが、例えば会社の新年会で一発芸をやるとなった場合、まずテレビであったり過去の新年会の例などから「どういった芸が受けるか情報収集をする」ことから始めますよね。そして「こういった芸なら受けるだろう」と分析し、実際に披露するわけです。

お笑いの人工知能(AI)はこの流れをものすごく高度にしたもので、まずインターネット上にある、大勢の人が「これは面白い!」と評価したお笑いやギャグ、ジョークを運営者が収集してどのワードが面白いか判断します。そして人工知能(AI)に「こういうフレーズは面白い」と教えこみ、さらに併せて通常の日本語も教えて「お笑いと通常の会話の違い」を覚えさせるのです。

この二つをバランスよく設定することで、「日常会話とお笑いをちゃんと区別して、面白い答えを返してくる」人工知能(AI)が生まれるわけです。

「AIらしさ」を隠す大喜利

芸人のイメージ
また人工知能(AI)の弱点として、「決められたことから外れると答えを出せない」というものがあります。

スマートスピーカーやGoogleアシスタントを使っている方なら思い当たるでしょうが、会話を目的としたチャットボットは自分が想定していない質問に対しては「わかりません」と答えることが多いですよね。

そういったワンパターンな答えが「人間らしさ」を奪っているのもまた一面にあり、そのままでは利用しているユーザーに違和感を覚えさせてしまいかねません。そこで「大喜利専用」というスタイルが生きてきます。

大喜利、つまりお題とその答えという形式をとることでユーザーは「お題」を提示することしかしませんし、人工知能(AI)はそれに対する「答え」しか出しません。しかし普段の会話では違和感を感じるでしょうが、大喜利やお笑いであれば人工知能(AI)にありがちな「あってはいるけどずれた答え」というのも、「これはボケているんだ」と違和感なく受け入れることができます。

人間らしい受け答えをする人工知能(AI)の理想は、人の質問や問いかけに対して幅広い物事を想定し対応できることです。しかしそれができないのであれば専用モデルとすることでユーザー側の行動を操作するという方法もあります。

例えば今回のようなお笑い人工知能(AI)は利用するユーザーは「面白い答え」を期待した「お題」を問うことはあっても、天気や株価を聞くようなことはありません。専用モデルにすることでユーザー側の行動をうまく操る事が可能になり、違和感がない答えを出しやすくなるわけです。

学習しやすい環境もある

インターネットのイメージ

またこれらお笑い人工知能(AI)の利点が「インターネットを使って学習できる環境がある」ということです。

人工知能(AI)にとって情報収集と評価の更新は大事なことですが、TwitterやLINEで公開してユーザーの感想を聞く、もしくはRT数を確認することによって「多くの人が面白いと思ってくれるコンテンツ」の更新を行うことができますよね。つまり基準の更新によって、面白い答えをどんどん進歩させることができるといえるでしょう。

最近は「人工知能(AI)がもっと進化したら、人間は仕事を奪われるのでは!?」という議論がよく見られますが、もしお笑い専用の人工知能(AI)がどんどん進化したら、お笑い芸人はどうなるのでしょうか。続いてはその点について考えてみましょう。

それでも消えないだろうお笑い芸人

芸人のイメージ
こういった人工知能(AI)の進歩でお笑い芸人が消えるか、といえばそれはないでしょう。なぜなら話の抑揚であったりその場の雰囲気だったりを加味して、機転が聞いた答えを述べるというのは現状の人工知能(AI)にはできませんし、ファンは人につくのであってギャグにつくわけではないからです。

しかしお笑いのネタを考える際であったり、ネットのお笑いコンテンツとしてこのような人工知能(AI)が用いられるという日は、そのうちくるかもしれませんよね。

まとめ

さて、お笑いと人工知能(AI)の関係や仕組みについて解説してきました。お笑いと人工知能(AI)は一見すると非常に遠い関係に思えますが、

「どんなネタが受けるのかという情報収集」
「それを分析して笑いを考える」

という意味では人工知能(AI)の得意分野ですし、「あえて機能を限定することで人工知能(AI)の違和感を減らす」という意味で、ユーザーの違和感を減らすという人工知能(AI)が目指す一つの形がここにあるといえるでしょう。

大喜利AIを開発した会社の社長は、将来的に「人間の複雑な対話を操るAI」を目指しているといいます。人間は人工知能(AI)のように一つの答えに対して杓子定規な答えはしませんが、そこから外れる「お笑い」専用AIを作ることで「人間がふるまっているように見えるAIを作る」という訳です。

このようにまだ新しく様々なアプローチがある人工知能(AI)が、世界でどのような存在感を示していくか、今後も目が離せませんよね!

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