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企業のデータを活用するなら知っておきたい「データマート」とは

企業のデータを活用するなら知っておきたい「データマート」とは

今ではどんな企業でもデータを使ったビジネスをすることが当たり前になっていますよね。そんな中で、扱うデータがどんどん膨大になっています。膨大のデータを分析する際に役立つのがデータマートです。

日々拡大し続けるビッグデータが席巻する市場では、データマートが効率的に情報を知見に変える重要な役割を果たします。

さらに、データマートという言葉以外にも「データウェアハウス」「データベース」という言葉もあります。あまりメジャーな言葉ではないため、これらの違いもわかっていない人が多いのではないでしょうか。

この記事ではデータマートとは、だけでなくその違いについても解説します。これらの違いをしっかり理解することで、データ分析をする際に余計な時間やコストをかけずに済むでしょう。

そこで、今回はデータマートとはどんなものか、どんな企業に使われているかについてお伝えします。

データマートとは

データのイメージ
それでは、データマートとは一体何かについて解説しましょう。

企業や組織が持っているデータの保管庫をデータウェアハウス(倉庫)といいますが、データマートはデータウェアハウスの中から一部を取り出し、加工や整理をしているものになります。つまり、データマートとはデータベース全体のことではなく、データベースの一部のこと。 データマートは、必要としているオリジナルのデータだけにしたものです。

ざっくり説明すると、データマートとはデータの「小売店」です。

データマートでは、データのすぐに使える完成品を取り揃えているので、多くの情報より利用者が本当に求めている情報だけを処理したり、見ることができます。レポーティングやデータ分析を行う際に、本当に求めている情報だけが欲しい場合は、即時に効率よく集計や分析できるでしょう。

※わかりやすい説明はこちら

データマートとは?意味やデータウェアハウスとの違いをわかりやすく解説 | お多福ラボ
近年、データの活用に多くの企業が取り組むようになり、日本では「データマート」と呼ばれる情報の表示や分析を行っている企業がとても多くなりました。しかしそもそも「データマート」って何なのでしょう?そこで今回はデータマートの意味やデータウェアハウスとの違いについてお伝えします。

データマートとデータウェアハウス、データベースとのそれぞれの違い

ビッグデータのイメージ

大量のデータを扱う上では、データの倉庫としてデータマート以外にもデータウェアハウス、データベースというものがあります。データマートを扱う上では絶対に関わってくる言葉になるので、覚えておきましょう。

データベースとは、「一定の形式で整理されたデータの集まり」のこと。要は、一定の形式で、「複数で共有、利用すること」と「検索、加工すること」を目的に整理されたデータの集まりを指します。身近なものでいうと辞書やタウンページなどもデータベースに当てはまります。

これに対してデータウェアハウスとは、データの「倉庫」という意味です。大量のデータを統合・蓄積して、意思決定に活用できるように整理したものになります。元々あるデータベースよりも、集計や分析にかなり最適化されています。

また、データウェアハウスはデータベースよりもストレージ容量がかなり多いため、データベースではできない分析などができるなど様々な部分で活躍できます。例えば、データウェアハウスでは過去のデータを時系列順で保管することができますので、より細かいデータ分析が正確に行うことができます。

しかし、データウェアハウスは大規模なデータセットを扱いますので、データ分析の際はかなりの時間がかかってしまいます。その点データマートは、効率よくデータ分析することに特化しているのです。

簡単に説明すると、データベースの進化型がデータウェアハウス、データウェアハウスから必要なものだけを取り出し、加工したものがデータマートになります。

さらに、今は「データレイク」というデータウェアハウスよりもさらに規模が大きいデータベースが注目されています。

データマートが必要なものに加工したものに対して、データレイクは本来あるべき姿のデータを保管し、そのまま活用できます。データレイクがあれば社内のデータを全て集約し、必要なタイミングで活用できますので、現在はデータレイクを活用する企業も増えているとのこと。

データベースを使うメリット

分析のイメージ

データマートとは「求めている情報だけを取り出して、加工したもの」です。つまりデータマートは大量のデータではなく一部分の情報になるため、ユーザーが求める情報を安く、早く構築できます。

またデータウェアハウスの構築が数ヶ月から数年かかるに対して、早いものでは分刻みで構築もできます。データウェアハウスの構築が難しい場合や早くデータが欲しい企業などは、今でもデータマートを導入しているのだとか。

さらに、一部の情報だけを分析したりすることにかなりの時間短縮が期待できるメリットがあります。あらかじめ集計されたデータを活用することで、データ容量が小さくなり、たびたび集計を計算する必要がなくなるのです。このため、一部分の情報が欲しい企業や組織からするとかなりありがたいですよね。

データベースを使うデメリット

コストのイメージ
安く、早く構築するメリットがあるデータマートですが、デメリットもいくつかあります。

データマートはデータのやりとりが非効率であり、運用する際の総コストを押し上げてしまう原因にもなってしまいます。なぜなら、データマートは必要な一部分の情報しかないために、全体の情報や他の情報が必要になった際、余計にコストがかかる場合もあります。このため、一度に大量のデータを分析する際には、データマートは向いていないでしょう。

また、ユーザーの求めるニーズに対して、データマートの容量が収まりきれなくなっています。元々、一部分の情報のみのデータマートには、大容量のデータに対しては向いていません。

データマートはこんな企業に向いている

ITのイメージ

データマートは、効率よく分析が可能であるために多くのデータを持っている企業に向いています。なぜなら持っているデータの量が多いほど、細かい分析は大変だからです。

ビッグデータを保有する企業は様々ですが、飲食店や小売店が当てはまります。例えば、回転寿司屋さんの場合は、どのネタが売れているかなどの比較ができるように大量のデータを確保していたり、ホームセンターではどの商品がどの時期に売れやすいかなどをデータ分析して陳列を行います。このように、データマートはは財務やマーケティング、営業などの部署や職種のニーズに対応できます。

また、特定の目的に応じたデータだけ集めれば設計できてしまうデータマートの手軽さは IT部門に好まれますので、エンジニアがいる企業にデータマートは多く使われています。そのため、IT部門がある企業はおすすめです。

データマートを使う基準とは

運用のイメージ
データマートは、特定の情報の収集やデータ分析に使うと力を発揮します。

データウェアハウスであればデータを一元管理することで、データの運用コストの削減・業務効率の向上が期待できます。なので、近年ではデータマートを使ったデータベースの体制から、データウェアハウスを取り入れる企業が増えています。

ですが、目的に特化したデータマートの使い勝手の良さやデータベースを短期間で構築でき、データウェアハウスよりも安価な点は魅力に感じるに違いありません。ただしデータマートからデータウェアハウスへ切り替える負荷は非常に大きいため、急な移行はおすすめしません。そのため、データウェアハウスは計画的な移行が求められます。

まずは統合できるタイプのデータマートをベースにデータウェアハウスを組み立て、徐々にデータウェアハウスで情報を一元化しましょう。

データマートを使う上での注意点

計画のイメージ
データマートを使うに当たっていくつか注意点があります。

まず、データベースを管理するためには、相当な手間がかかリます。そのため、データマートを複数持っていると逆に効率が悪くなる場合もあるでしょう。データウェアハウスと違い、過去のデータを常に保存しているわけではないので、常に更新が必要になるからです。なので、長期的なデータ分析を行う際の運用にはデータマートを使うのはオススメしません。

また、データウェアハウスのデータは、分析向けに整えられて作られてはいますが、性質としてはニュートラルなので、自分で観点を持ってデータを扱える必要があります。なので、しっかり目的と手段を明確にして扱うことが大切です。

また、時にはデータが破損していたり、間違った情報が入っていることもありますのでデータを扱う上では正しい判断力も必要となります。無駄なコストを避けるためにも、データマートを使う上ではあらかじめしっかりとした計画を持って利用しましょう。

当メディア(AIZINE)の運営会社であるお多福ラボも、データマートをはじめとしたデータ活用の支援を行っています。ご興味を持たれた方は、まずこちらからお問い合わせください。

AI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発のお多福ラボ

以上、データマートとはどんなものか、どんな企業に使われているかについてお伝えしました。

データマートとは、必要な情報をデータベースから取り出して、加工されたもの。

データマートがデータベースの一部であることに対して、データベースは一定の形式で集めたデータの集合体、データウェアハウスは大量のデータを整理整頓して扱いやすくしたものです。

データマートは欲しい情報だけを早く手に入れてデータ分析の効率が上がるメリットがありますが、大量の情報を一度に分析する際は非効率で余計にコストがかかってしまう場合もあります。

データマートを使う際は大量の情報ではなく、一部の情報だけを手に入れたい時に力を発揮します。そのため、ビッグデータを保有する飲食店や小売店、IT企業に導入することをオススメします。また、データマートは、常に新しい情報に更新が必要になるので長期的なデータ分析を行う際は一度データマートを使うべきか注意が必要です。

データマートやデータウェアハウスをうまく活用することによって分析を有効的に進めていくことができます。データマート、データウェアハウス、データレイクのそれぞれの利点を生かして、最適なデータベースを活用できるようになりましょう。

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