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ドローン農業が革新的すぎる!どんどん出てくるワクワク事例集めました

ドローン農業が革新的すぎる!どんどん出てくるワクワク事例集めました

日本国内におけるドローンの知名度は数年前までとても低かったですが、スマートフォンで簡単に操作できることや動画配信ブームのお陰で、あっという間に日本中に広がりましたよね。

世界各国ではドローンのスピードを競うレースも開催され、ドローンレーサーという職業も誕生し、プロスポーツ化やオリンピック競技化を目指して活動しています。ドローンレースは、時速100km以上もスピードが出る大迫力なスポーツなんだとか!

そんな中、ドローンは農業にも進出しています。とはいえ農業はなかなか最先端技術とリンクするイメージはなく、昔ながらのものとかお年寄りが行うことが多い仕事というイメージも多いかもしれません。

確かに少子高齢化もあり全国的に農家の戸数が減っていますが、実はドローンは農業との相性もよくさまざまな分野での活用が期待されています。今まで人が行っていた仕事をドローンが担ってくれるなんて、とても近未来的で面白そうな感じがしますよね。

そこで今回は、これからどんどん普及していくドローン農業のワクワクするような事例をお伝えします。

ドローンでの農薬や肥料の散布は、すでに各地で取り入れられている

農薬のイメージ

まず初めに、ドローン農業の中でも1番多く利用されている“農薬や肥料の散布”についてお伝えしましょう。農地に液体、あるいは粒状の農薬や肥料を撒くこの作業は、多くの場合トラクターなどの作業機械に人が乗り、畑を往復して行っていました。

一部地域では、農業用無人ヘリを業者に頼んで散布してもらうという方法もありましたが、自分が散布したいタイミングで散布するのは難しいことがデメリットでした。このように長年続いてきた農業の省力化は、なかなか一筋縄ではいかないことがわかりますよね。

そのような背景があり、平成28年から日本でドローンによる農薬や肥料の散布が開始されました。自分でドローンを購入すれば好きなタイミングに自分で散布でき、搭載されているGPSとセンサーのお陰で、教習をうければ誰でもとても簡単に操作し飛行させることができます。なんと操縦桿(そうじゅうかん)から手を放しても墜落しないのだとか!

また農業機械を主に取り扱っているメーカー「クボタ」は、最大20分の連続飛行が可能なバッテリーを搭載し、羽を折りたたむことで運搬しやすく改良された農業用ドローン“MG-1SAK”を発売しています。このドローンはタッチパネルとシンプルなレバーによる簡単な操作と、障害物検知と高度一定制御レーダーで非常に安定した飛行と、ドローンのプロペラが回転することで起こる風を利用するダウンウォッシュという仕組みで、まんべんなく散布することができるようになりました。

このように、すでにメーカーからは専用のドローンが発売されており、農薬や肥料散布分野においてのドローン農業は一般にも徐々に普及しています。さらに農地全体ではなく必要な個所にだけ肥料や農薬を撒く “ピンポイント散布技術”は、環境に負担をかけず効率的だと期待が高まっています

受粉や播種(はんしゅ)分野でも、ドローンの実証実験が進んでいる

受粉のイメージ
めしべにおしべの花粉が付着する“受粉”ってみなさんも学校で習いましたよね。農業にとって、この「受粉」は果実を作る上でかなり重要です。これをドローンで行う動きが少しずつ出てきています。

かつては主にハチなどの昆虫が受粉を行っていましたが、農薬などが原因でハチの数は減少し世界的にも問題になっています。そのため人が1つずつ受粉を行う人工授粉が広く実施されていますが、その作業は人手や時間が多くかかることが容易に想像できるでしょう。

受粉分野でのドローン活用は温度や時間帯に問わず作業できるのが魅力で、主に果樹園での活用が進んでいます。特に、リンゴの木は背が高く身の数も多いので人工受粉作業が大変だったことから、産業用機械の設計などを主な事業とする東光鉄工株式会社と青森県立名久井農業高校が共同でドローンでの受粉実証実験を進めているんだとか!

これはどんな仕組みなのかというと、花の近くにドローンを飛ばしプロペラが起こす風によって、液体に加工された花粉が霧状に噴射されていきます。実証実験の段階ではありますが、すでに結実率が50%近くまでになっているとは驚きの成果ですよね。

また、農地に種をまく“播種”という分野においては、福島県の楢葉町の水田で既に農業法人が少し芽を出した種もみをドローンに積み込み、畑に散布するという実験に成功しました。

受粉や播種分野においてはまだ実験段階で、均一に散布する技術が課題とされていますが、このように多くの成功事例もあります。まさにドローンメーカーと農家の努力の賜物に違いありません。

ドローンによるリモートセンシングは試す価値あり!

データ×農業のイメージ
ドローン農業の事例として最近注目されているのは、「リモートセンシング」を利用した精密農業”です。2000年代に入ってから徐々に話題となっているものですが、精密農業という言葉自体は一般的にあまり聞いたことがないかもしれません。

精密農業とは今まで農家が長年の経験や勘で行ってきた技術を数値化し、農作物の品質向上や収穫量の増量、コストの削減を目指すやり方のことです。カメラを搭載したドローンで農地を空撮して生育状況や、病気や害虫の状況も知ることができるリモートセンシング技術を活用します。

それまでリモートセンシングは、人工衛星から撮影された画像を活用して行われてきましたが、より簡単に高精度の画像を取得し施肥や収穫適期を判断できるようになりました。農業の技術を後世に伝えていく上でとても大事な技術ですよね。

すでに世界最大手の中国ドローンメーカー「DJI」から発売されている精密農業と環境管理に特化した農業用ドローン「P4 MULTISPECTRAL」は、そのスペックで農業界隈だけでなく、ドローン業界全体を驚かせました。

この農業用ドローンは通常のカメラだけでなく、ブルーグリーンレッド、レッドエッジ、近赤外線の5つのセンサーを搭載したマルチスペクトルカメラで、人間の目では見ることができない植物の持つ活力情報であるNDVI指数を、リアルタイムで収集することが可能です。

測定にはドローンだけでなく分析用のアプリが必要ですが、1年間のアプリライセンスがついておよそ85万円で購入することができます。気軽に購入できる価格ではないと感じるかもしれませんが、それだけの価値がある技術だともいえますよね。

監視技術を利用して牛追いや害獣対策にも!

酪農のイメージ
ドローン農業は“酪農”の分野でも注目されています。NTTドコモ北海道支社では、北海道豊富町で牛の放牧業務の効率化にむけドローンを用いた、ドローン農作業管理システムの実証実験を行っています。

ドローンが上空で警報音を出し放牧された牛を牛舎に追い込むだけでなく、GPS機能を利用し自動で施設内を回り水のみ場や牛舎などの施設を撮影、その画像を遠隔地にある事務所内でパソコンやタブレットを用いて異常がないかチェックすることも可能です。

これまで作業員が4時間かけて行っていた牛追いや施設管理が、ドローン農業の導入によって半分以下の時間で終了することが期待されています。この技術が確立すれば、少人数でも多くの牛を管理できるようになりそうですね。

また、ドローンで害獣被害の痕跡を探したり、柵の故障をチェックしたり、罠に動物がかかっていないかを見る必要がある「鳥害獣対策」の分野でもドローン農業が注目されています。

株式会社スカイロボットによる「SKY ANIMALS」という害獣対策サービスは、20万円から利用が可能で、ドローンで映像を撮影しデータを蓄積、行動を予測するところまで一括で行ってくれます。また、クマやイノシシなどの害獣が田畑に近づくと、ドローンが害獣の苦手な超音波や、自然には無害ですが害獣の嫌う臭いを放ち撃退することも可能です。

ドローンには通常のカメラだけでなく赤外線サーモグラフィーカメラも搭載され、草木に隠れた動物や夜間の監視ができ、そのデータを用いて生息地域や数、行動パターンを把握し被害状況マップも容易に作成できるのが特徴です。

農業は担い手不足が心配されていますが、酪農や鳥害獣の分野においても、その手軽に監視できる技術を活かしながら重要な役割を担っていくことを期待しましょう!

まとめ
さて今回は、これからどんどん普及していくドローン農業のワクワクするような事例をお伝えしました。それでは、今回お伝えした革新的なドローン農業の事例を、振り返ってみましょう。

  • ドローンでの“農薬や肥料の散布”は、すでに各地で取り入れられている:今後は環境に優しいピンポイント散布技術が期待されている
  • “受粉”や“播種”分野でも、ドローンの実証実験が進んでいる:すでに青森ではリンゴの受粉に、福島ではお米の種まきに成功!
  • ドローンによる“リモートセンシング”は試す価値あり!:精密農業用ハイスペックドローンは世界的にも注目され、導入が進んでいる
  • ドローンの監視技術を利用して酪農業での“牛追い”や“害獣対策”にも!:担い手不足の農業では遠隔で操作できるドローンが救世主になるかもしれない

このようにドローンは映像の撮影やレースの分野のみならず農業においても進化を遂げ、ドローン農業における機体の登録数はここ数年で6倍以上になり爆発的な導入が進んでいます。少子高齢化の中で後継者問題が騒がれるなか、ドローンの発展によって農業の形が変わっていくかもしれませんよね。

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