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ご当地AIが地方を救う!人工知能による地方再生事例

ご当地AIが地方を救う!人工知能による地方再生事例のイメージ

東京への一極集中と言われて久しく、地方は今でも様々な問題を抱えていますよね。しかし現在、ご当地AI(人工知能)が人間の代わりに、そうした問題の解決に貢献しつつあることをご存じでしょうか。

地方が抱える問題の一つに、技術を継承することの困難さがあります。ただでさえ若者が地方を離れるというのに、次第に高齢の熟練者の数が少なくなってきましたら、どのように技術を次の世代に伝えたらいいのか、戸惑うことが少なくありません。

そこでご当地AI(人工知能)の出番です。AI(人工知能)は、長い間経験を積まないと分からない技術を可視化し、初心者でも簡単に体得できる環境を整えました。今日はそうしたAI(人工知能)の活躍で、静岡県の三ケ日町が再生したご当地AI(人工知能)の例を紹介します。

静岡県三ケ日町の「AI(人工知能)農業」

農業のイメージ

静岡県の三ケ日町も、農業の技術の次世代への伝承に関する問題に直面していました。そこで三ケ日町は慶應義塾大学SFC研究所に委託し、「AI(人工知能)農業」を始め、そうした問題を解決します。

この「AI(人工知能)農業」とは、慶應義塾大学SFC研究所の神成淳司准教授が提唱する独自の概念だそうなので、まずはその内容の引用です。

熟練農業者が体で覚えている農業生産現場の技能や技術(暗黙知、身体知)を、IT技術を使って「見える化」し、他の人が利用できる「形式知」に変換していく方法論と具体的手法

つまり静岡県の三ケ日町はAI(人工知能)の助けを借りて、これまでと違った農業の伝承を模索しています。その三ケ日町の目的は二つ。

  1. 既存生産者の生産力向上
  2. 新規就農の促進

想像してみましょう。もし優れた農業技術がAI(人工知能)のお蔭で、生産地全体で共有できたら、産地全体の品質も維持できますし、生産量もコントロールできますよね。また農業を新しく初めてみたい人がいても、何から学んでいけばいいのか分かりません。

そこでAI(人工知能)が、農業に意欲のある初心者をサポート出来れば、これまでよりも早く農業の技術を習得出来ることになります。こうした「AI(人工知能)農業」の利点を使って、三ケ日町は農業技術の継承の問題を解決しました。

アイカメラによる農業技術の可視化と蓄積

農業技術のイメージ

では、ご当地AI(人工知能)ともいえる静岡県の三ケ日町の「AI(人工知能)農業」の中身を見ていきましょう。

先ずアイカメラといわれる、目元に装着し視線の移動や動作を解析する機材を用います。そしてそのアイカメラをベテランの生産者と若手の生産者に装着してもらい、同じ作業をする中で、その視線移動や動作を記録します。そして記録されたデータを基に、見落としなどの作業の質の差や、判断に要する時間などの効率の差を分析していきます。

こうしてアイカメラなどのご当地AI(人工知能)を活用することで、上級者と初心者の違いが分かる事例が沢山収集出来ました。そして次にこうした教訓を下敷きにして、教科書とQ&A問題集を作成していきます。

これまでも農業に関する教科書は沢山ありました。そこでその教科書に、これまでアイカメラで得た教訓を補足して書き込むことで、もっと静岡県三ケ日町の事例に即したマニュアルが作成されることになったのです。

また次に重要なのが、Q&A問題集の作成です。その際にアイカメラなどご当地AI(人工知能)で収集した画像を使って、各々の状況の中での最適な対処を、問い形式で明示化していきます。

学習者はそのQ&A問題集を使用することで、現場に類似した経験を蓄積することが可能になり、またそれだけではなく、その問いに対する正誤も記録されるので、復習も兼ねた効率的な反復学習も可能になりました。

更にQ&A問題集へのリンクが、前述の教科書の中にも埋め込まれています。ですので、教科書の記述に則した現場の様子がすぐに分かるようになりました。ご当地AI(人工知能)が農業の知識を整理しつつ、同時に実際の応用まで教えてくれるなんて、どれだけ学習するのに効率が良いのか分かりますよね。

ご当地「AI(人工知能)」の成果

静岡県三ケ日町の農業イメージ

こうしたご当地AI(人工知能)ともいえる「AI(人工知能)農業」の取り組みの結果、どのような成果が静岡県三ケ日町にあったのかを見てみましょう。

ご当地AI(人工知能)を活用した結果、若手生産者の技術が20~40%向上したと評価されているようです。また、これまで無意識に作業していた部分の理解度が改善されたとも報告されています。更に学習者の理解度や困難な点が可視化されたので、今後の対策にも役立つことになるでしょう。

これはもう、ご当地AI(人工知能)による農業が成功したと言ってもいいのではないでしょうか。

これまで静岡県三ケ日町の農業を中心に、ご当地AI(人工知能)の活躍を眺めてきました。農業が相手するのはサービス業と違って、場所や時期によって状況が変わる自然という厄介な相手ですよね。これまでその自然を相手にする仕事の仕方は、熟練した農業者の経験や勘に支えられてきました。

でもその経験や勘を習得するのは簡単なことではありません。そこで頼みの綱になったのがAI(人工知能)です。このAI(人工知能)のお蔭で、その経験や勘が可視化され、農業の学習が容易になり、このご当地AI(人工知能)の活躍は、農業の歴史的に見ても画期的なことでしょう。

AI(人工知能)が活躍できるのは、今日お話しした農業に限られたことではないです。熟練者にしか分からない技術を可視化することで役に立つ事例が、地方にもきっと沢山あるはずです。みなさん、AI(人工知能)を活用し、地方の問題を解決して、日本全体を元気にしていきましょう。

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