テクノロジー

これからの健康が変わる!ヘルステックとその代表事例について解説

医者のイメージ

ヘルステックという言葉をよく見かけるけどどんな事例があるの?

AI(人工知能)をはじめとする技術の進歩が進み〇〇テックという言葉が出てくるように。

その中でヘルステックという言葉も見かけるようになりましたよね。

このヘルステックを取り巻く市場規模はどんどん大きくなっており日本だけでなく世界中でも期待が高まっています。

健康とテクノロジーが合わさったのだろうなと何となくわかるもののどういった事例があるか聞かれるとなかなかピンと来ないのも事実。

そこで今回はヘルステックとその代表的な事例を解説し、今後市場がどのように変わっていくかをお伝えしていきます。

中村
中村

それではまず、そもそもヘルステックとは何かから始めていきましょう。

ヘルステックとは

医療従事者

まず始めにヘルステックはHealthcareとTechnologyという言葉が組み合わさってできた造語。

AI(人工知能)を始めとする技術を利用することで予防や治療などの医療活動に活用していこうというものです。

個人の医療情報が電子カルテシステムのような形で病院間で共有できたりビッグデータとしても活用できるようになっています。

近年日本でも注目が高いのは2025年問題の影響も。

2025年は団塊世代が後期高齢者の対象となる75歳以上となる年であり2025年問題という言い方もされています。

そこで課題となるのが必要な介護を受けられない介護難民と呼ばれる人達の数が急激に増えること。

介護施設や介護士の不足も予測されており、そういった中でヘルステックが1つの打開策になるのではないかと期待されているのです。

ヘルステックの市場の現状・トレンド

市場調査のイメージ

ヘルステックの事例を見ていく前に市場の現状やトレンドを見ていきましょう。

まず2019年はGAFAがヘルステックへの投資を積極化させ始めた年でした。

話題となった事例の1つはGoogleが11月にFitbit社を約2,000億円以上の額で買収したことです。

Fitbitは健康管理などにフォーカスを当てたスマートウォッチのこと。

Apple Watchと本格的な競争に入っただけでなくヘルスケアの領域に本格的に取り組み始めたということを意味します。

GAFAそれぞれの強みは顧客との接点もデータも豊富にあること。各社が持つ巨大なプラットフォームを土台としたビッグデータとヘルスケアのサービスをかけあわせようとしているのです。

ヘルスケアの市場規模はアメリカだけでも300兆円。GAFAの間で既に覇権争いが始まっています。

代表的なヘルステック企業

会社のイメージ

ヘルステック市場の現状としてGAFAの間で覇権争いが始まっており、Googleを具体的な事例として見ていきました。

ここではGAFA以外のヘルステック企業を見ていきましょう。

ウンログ株式会社

ウンログ

ウンログ株式会社は「ウンログ」というアプリの開発や提供を行っている企業。

このアプリでユーザーは大便の形状や大きさなどの情報を確認し記録していくことになります。

与えられた情報をもとにおなかの状態を診断しスコアを計算。

それに応じてお腹を健康に保つためのアドバイスを受けることになります。

この会社がアプリだけでなく腸内フローラの検査キットも提供。

これにより腸内の細菌について種類やバランスをもとに健康状態がわかるようになっています。

ウンログと腸内フローラを組み合わせを通してデータを収集・活用、それにより病気予防のための新たなサービス作りにも取り組んでいるのです。

株式会社eWeLL

iBow

この会社では「iBow」という訪問看護システムを開発しています。

このシステムは訪問看護専用にこだわっており焦点を当てているのは業務の効率化。

訪問看護業務の問題点として関連書類へ転記する作業の分量が膨大であることが挙げられています。

訪問看護の記録をクラウド上で管理できるようにするのはもちろん、入力データを帳票に自動で反映させることを通して負担を軽減できるようにしているのです。

このようなシステムで得られる最大の恩恵はケアに集中できるようになること。

クラウドにあるデータを分析データとしても活用できるので経営にも役立てることができます。

ヘルステックの事例

医療とよく結びついたイメージ

日本のヘルステックの企業を見たので実際に海外で注目・評価されている事例も見ていきましょう。

ここでは脳卒中サバイバーをビデオゲームで救っている例をご紹介します。

まず、日本だけでなく海外でも毎年脳卒中の発作に苦しむ人がたくさんいます。その数は全世界で毎年1,500万人以上。

医療面できちんと実証された治療を受けられる患者の数は限定的となっており、九死に一生を得ても後遺症に苦しむことになるのは珍しくありません。

その中で登場したのがMotus Nova社が開発したリハビリ用ロボティクス。

米食品医薬品局から承認を受け、導入されている診療所や病院の数は170以上にものぼります。

このリハビリツールが持つセンサー技術や予測アナリティクスのレベルが高く、ビデオゲームを取り入れているのが最大の特徴。何千人にものぼる患者にそれぞれ適したリハビリの提供を可能としているのです。

積極的に手助けをしてくれるリハビリ用ロボティクスの中でも価格と持ち運びやすさともに良好であり、家庭でも治療ができるように。

これまで当たり前のように行われてきたリハビリよりも低い治療費で高い効果を得られるように。

脳卒中を経験した患者の治療に大きな革命を起こしたと評価され2019年にはMost Innovative Tech Companyという賞を受賞しました。

ヘルステック市場の今後

市場の今後を見るイメージ

ヘルステックの事例を見てきたので最後に市場が今後どのようになっていくか見ていきましょう。

富士経済の調査によるとヘルステック市場の拡大は日本でも順調に進むだろうと予想されています。

ストレスチェックの義務化をきっかけに健康経営や働き方改革への関心が高まっていることが追い風に。

2018年の市場規模は2,248億円だったのに対し2022年には3,083億円まで拡大するという見通しとなっているのです。

今後特に市場性が高くなると期待されているのはメンタルヘルスや睡眠改善、検査や診察など診療の効率化など。さらに女性特有の健康課題をテクノロジーで解決しようという「フェムテック」への注目も高まっています。

既に言及した通りGAFAによるヘルスケア市場への参入も活発化しており、ヘルスケア業界はテクノロジーとどう向き合うか検討していくことが急務に。

例えばドラッグストアのスギ薬局はメドピアというベンチャー企業と資本提携しデリバリーサービスや健康管理のアプリを提供し始めています。

GAFAや新興企業だけでなく既存の企業もこれまでのサービスと最新テクノロジーを組み合わせたサービス創出が求められ市場の活発化が進んでいくこと間違いありません。

光を見出すイメージ

今回はヘルステックに焦点を当てヘルステックがどういったものを指すかや市場の現状、代表的な企業や事例を見て今後の展望について見ていきました。

ヘルステックはHealthcareとTechnologyという言葉が組み合わさってできた造語。

AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーを利用することで予防や治療などの医療活動に活用していこうというものになります。

ヘルステックの市場にGAFAも参入し覇権争いが始まっているのが現状。

国内外の他の企業では大便を通した健康管理、訪問看護の負担軽減、ビデオゲームを取り入れたリハビリ用ロボティクスなど様々な事例があります。

GAFAや新興企業だけでなく既存の企業も最新テクノロジーを取り入れた新たなサービス作りが求められており、ヘルステック市場がさらに盛り上がること間違いありません。
中村
中村

これからも様々な事例が誕生し私達の生活がより健康で豊かなものになるといいですよね。

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