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こんなこともできる!脳波×AI(機械学習)を応用した事例まとめ

こんなこともできる!脳波×AI(機械学習)を応用した事例まとめ

脳波と聞くと脳の状態を調べる方法であったり、紙に書かれた波々の線をイメージしますよね。その解釈は概ね正解ですが、細かく説明すると脳波は頭皮上に電極を装着しその電極より電気の波を記録して脳の機能障害を調査します。このような点から、脳波とは「健康に使うもの」と関連づける人も多いでしょう。

そんな検査で使われていた脳波ですが、実はAI(機械学習)とコラボして、今まさに様々なサービスが生まれようとしています。例えば脳波から自分の思い描いた文章を読み取ってくれる、ロボットを思い通りに動かせる、などができるようになりました。このような未来が近いとなれば興味がわく人もいるはず。

それでは今回、脳波とAI(機械学習)を応用した事例をまとめてご紹介します。

脳波とは

脳波のイメージ

脳波とは、脳が活動する際に発する微量の電気信号です。そんな脳波の歴史としては1875年イギリスの科学者リチャード・カートンが動物の脳には電気現象がみられることを発見したことが起源です。

脳波はCTやMRIなどの検査では得られない脳の機能を捉えることができるため、てんかん、意識障害、けいれん発作などの検査に有効だと重宝されています。波の動き(形)によって、正常なのか異常なのか判断できるので、てんかんの判断基準として発作が起こる際にあらかじめ目安となる波の形状に近い状態になるかが判断の指標となるのだとか。

そんな脳波がAI(機械学習)の技術と連動し、新たなサービスが展開されようとしています。それではその事例についてお伝えしましょう。

脳波×AIの事例:文章を作る

文章を書くイメージ

AI(人工知能)の技術が進む中、なんと脳波を読み取り文章に変換する技術が開発されています。

この研究はカリフォルニア大学で、てんかんの治療の一貫として、脳から電極で検出した脳波から文章を作成するという実験です。その研究の内容は短文を50個、声に出して何度も読み上げてもらい、検出した脳波をAI(機械学習)にて読み取り、文字列に変換するものでした。

実験開始時点ではAI(機械学習)が作成した文章は意味のなさないものでしたが、何度も挑戦することで文章の精度が増していきました。最終的には全体の97%が正解の文章が作成されたのだとか。とは言え、あくまでAI(機械学習)の分析対象となったのは短文50個に対しての試験なので、長文だとまだ精度は高くありません。

そんなわけで脳波からAI(人工知能)が文章を完璧に作り上げるのはまだ先になりそうですが、第一段階をクリアしていることから、そんなに遠くないうちにでAI(人工知能)が文章を書く未来が実現するかもしれません。

脳波×AIの事例:ロボットの操作

ロボットのイメージ

アニメや空想の話でロボットを脳波で自分の思ったように動かすシーンを目にすることはありますよね。それが、AI(人工知能)で実現されようとしています。

脳波で意志を伝えるニューロディテクターと言う技術があり、特製のヘッドギアを装着すると脳波を検知できます。その検知した脳波によってロボットを操作する試験を実施しました。

その試験内容は画面に8つの動作を指示するアイコン(肩たたき、ベビーカー、パソコン作業、箱を左に置く、箱を右に置く、ダンス、ドアノック、壁ドン)が映し出され、それがランダムに点灯し、自分が指示したいアイコンが点灯した時に「これだ」と考えることで、その動作が選択され、ロボットに指示が与えられるというものです。この試験に関しては、しっかり指示を出すことに成功しました。

もちろん、この実験ではまだまだ単純な作業を選択肢の中から考えるだけでロボットに行動を与えるというレベル。しかしこれがさらに発展すると、将来的にお手伝いロボットが自分の思い通りに家事をしてくれるなんてことも実現するかもしれませんよね。

脳波を機械学習に応用した事例:マーケティングへの活用

消費のイメージ

従来、人の感性などを分析するにはアンケートを取る手法が定石とされていました。そんな中、脳波解析の応用に取り組む株式会社Sandboxは機械学習を活用し、脳波データから消費者の複雑な感性を分析することに成功しました。具体的には、脳波によって消費者が無意識に欲しがっているもの、知りたがっていることや遠慮・忖度があるかどうか、嘘をついていないかわかるのだとか。

そして株式会社Sandboxは脳波マーケティング支援サービス「ノウミーリサーチ」を提供しました。本来、人の感性を言語化することは非常に難しく、主観的になりがちですよね。それを、機械学習の技術を駆使することで、感情のバイアスが含まれず、脳波は無意識を計測することができるため、変な忖度や嘘を省くことができました。

これにより、アンケートをとった結果よりも正確なデータが取得可能になりました。この脳波のマーケティング活用としては、様々な評価、たとえばテレビCM、ポスター、製品評価などの正確なデータ取得など幅広い事例があります。

この技術が浸透すれば、地道なアンケートを取る活動など必要なくなるかもしれません。

そのほかの脳波×AIを応用した事例

眠るイメージ

脳波とAI(機械学習)を応用して活用することで、より快適な睡眠や不眠の悩みを解消することができる商品が話題になっています。

その一例として自分だけのリラクゼーション音楽を作ることができるスマートアイマスク「LUUNA」が挙げられます。

朝が弱い人の最大要因は深い睡眠から無理やり起こすことで、睡眠慣性と呼ばれる現象、つまり目覚めが悪い状況に陥ります。そこで「LUUNA」は特殊な脳波測定システムによって入眠時から睡眠中まで継続して測定し、そのデータを元に脳波が一番リラックスできる最適な音楽を作曲します。その最適な音楽を聴くことでリラックス状態を保ちつつ、ちょうど起きないといけないタイミングには脳波を少しずつ活性化させるような働きをするという優れもの。

LUUNAがあれば、深い眠りができるだけでなく、遅刻も恐くないですよね。普段、朝なかなか起きられない人、二度寝して起きられない人に効果があるでしょう。

今後の脳波の使い方

テレパシーのイメージ

脳波とAI(機械学習)を組み合わせることで、様々なサービスを受けたり、将来の可能性が広がります。現段階で機械操作、マーケティング、健康と言った分野で活躍の兆しが見えているだけに今後は新たな分野の活躍が期待できるでしょう。例えば機械操作は工場のロボット操作、マーケティングでは市場調査、商品開発に活かされるに違いありません。

さらに、スマホと脳波が連携できれば考えただけで電話ができる、メールが打てるという時代もそう遠くないかもしれません。もうテレパシーに近いですよね。昔、私たちが思い描いていた空想の世界が実現されるのが近いです。

まとめ
さて今回は脳波とAI(機械学習)を応用した事例をまとめてご紹介しました。

内容を振り返りましょう。

  • 脳波とは脳の電気信号のこと。元々、CTやMRIなどで得られない脳の機能を捉えることができ、てんかん、意識障害、けいれん発作などの場合に有効となる検査に使われる
  • 脳波とAI(人工知能)の技術の組み合わせで文章を作成できる
  • 脳波とAI(人工知能)の技術の組み合わせでロボットを操作できる
  • 脳波と機械学習の技術の組み合わせでマーケティングへの活用した事例がある
  • 脳波とAI(機械学習)の技術の組み合わせでより良い睡眠を提供する商品がある

脳波とAI(機械学習)のコラボで文章の作成、ロボットの操作など様々なサービスが生まれました。まだ発展途中のものがありますが、今までの技術発展のスピードを踏まえると、その技術の成功は遠い未来ではないでしょう。

10年後には考えるだけで友人と意思疎通ができたり、ロボットを操作する技術が浸透しているかもしれませんよね。

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