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病院の業務効率化のために知っておこう!診療予約システムの基本とは

病院の業務効率化のために知っておこう!診療予約システムの基本とは

最近は、大病院やクリニックで予約診療が増えていますよね。しかも電話ではなくオンラインの診療予約システムを導入しているケースがあります。

従来の病院での予約といえば、電話か診察時に窓口で次回予約をするというのがほとんどでした。ところが電話の場合、診察時間内や診察日しか受け付けてもらえず、予約やキャンセルをしたくても話し中ですんなりと手続きできないことが多いです。

しかし、診療予約システムは24時間いつでも予約できるうえ、キャンセルも簡単なため、患者さんからの評判も上々です。ただその反面、デジタル操作に不慣れな高齢者には不評といった課題も残されています。この記事で、診療予約システムの基本的なことを理解して、病院やクリニックの業務改革に役立てましょう。

そこで今回は、診療予約システムのメリットやデメリット、導入事例などについてお伝えします。

診療予約システムとは

診察のイメージ
診療予約システムは、スマホやタブレット端末を使ってインターネット経由で診察予約手続きができシステムのことです。

診察予約システムには、「順番予約」「時間指定予約」「時間帯予約」と大きく3種類のタイプがあります。

「順番予約」は、特に時間を指定せず、配布された番号順に受診するスタイルです。比較的診察時間が短くていっときに来院患者が集中しやすい小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科などに向いています。おおむねの受診時間が知らされるうえ、サイト画面で受診者番号がリアルタイム表示されるため、院内で待たなくてすむメリットがあります。

「時間指定予約」は、ピンポイントで時間を指定して予約を受け付けるスタイルです。診察時間が比較的長く、患者数が多い内科や歯科、整形外科などに向いています。時間が決まっているので、患者さんにするとスケジュールを調整しやすい反面、病院側にとっては予定時間に診察できなければクレームを受けるリスクもあります。よって、とくに小児科では、先の「順番予約」と併用して、診察は順番予約、予防接種や乳児検診は時間指定予約、というスタイルをとるところもあります。

「時間帯予約」は「10時~10時30分」というかたちである程度時間の幅をもたせて、その間に3名とか5名など決まった数だけ予約を受け付けるやり方です。患者さんによって診察にかかる時間が異なり、正確に時間指定しにくい病院に向いています。つまり、検査や問診など、じっくり診察に時間をかける場合と、現状確認と処方箋の発行のみで済む場合など、パターンがまちまちのケースです。

診療予約システムは、オンライン(事前)問診や電子カルテ、レセコン(レセプトコンピューター)など他のシステムとの連携も可能です。事前に問診をメールで受信したり、予約が入った時点で患者情報が院内で共有され、当日の来院が確認されたら電子カルテがドクターの端末画面に自動アップされる、といった具合です。当日の予約状況が一覧表示されるので、看護師などスタッフにとっても見落としが防げるうえ、診察や検査の流れを確認しやすいでしょう。

診療予約システムが必要とされている理由

スケジュールのイメージ
続いては、診療予約システムが必要とされている理由について解説しましょう。

具体的には、

  • スマホユーザーが急増したから
  • 予約・キャンセルがいつでもできるから
  • 待ち時間が短縮できるから
  • 業務効率が向上できるから

以上の4点です。一つずつ具体的に見ていきましょう。

スマホユーザーが急増したから

NTTドコモ モバイル研究所の調べでは、スマホとケータイの所有者に占めるスマホ比率が92.8%となり、11年で約23倍と急増しています。つまり、ショッピングや情報取得など、多くの人々にとってスマホがあらゆる行動の起点となっています。

美容院やエステにはじまりケータイショップでも予約制が当たり前となり、若年層を中心としたスマホユーザーにとっては、わざわざ電話をかけることにわずらわしさを覚える傾向が強いといえるでしょう。このニーズに応えるべく、病院やクリニックでもオンラインでの診療予約システム導入が求められています。

スムーズな予約・キャンセルへのニーズが高いから

従来の電話対応では、開業日や診察時間内でなければ予約もキャンセルもできませんでした。しかし、診療予約システムを使えば、24時間・365日いつでもこれらの手続きが可能です。よって、利便性にくわえて、電話をかけても話し中でなかなかつながらない、という多くの患者さんの不満解消のためにも、診療予約システムの導入が必要です。

待ち時間短縮へのニーズが強いから

せっかく病院を訪れても待合が混雑していると診察自体をあきらめるとか、感染リスクを懸念しますよね。しかし、診療予約システムを導入すれば、大まかな時間や順番がわかり、待ち時間を短縮できるので、これらの不満や不安が解消できます。

業務効率の向上が求められているから

患者さんからの電話の問い合わせ以外に予約やキャンセルを受け付けると、受付の負担が増し、他の業務への支障が生じます。くわえて、多くの医療機関にとっては、紙カルテの準備や保管、記入の手間の解消やレセコンへの入力作業の省力化も大きな課題です。よって、これらを自動化できる診療予約システムの導入が求められます。

診療予約システムを導入するメリット・デメリット

診察のイメージ
続いては、診療予約システム導入のメリットとデメリットについて解説しましょう。

メリットは、

  • 来院数のムラがなくせる
  • 新患獲得がしやすくなる
  • キャンセルを減らせる
  • 作業効率を向上できる

以上の4点です。順を追って詳しく見ていきましょう。

メリット1:来院数のムラがなくせる

多くの病院では、来院数が午前中などに集中することがよくありますよね。すると、とくに乳幼児や高齢者には負担がかかるうえ、新規患者が訪れてもあきらめて帰ってしまう場合もあります。しかし、診療予約システムを使えば、来院数のムラをなくせて待ち時間も減るので、病院にとっても患者さんにとっても機会損失が軽減され、安心感や不満解消にもつながります。

メリット2:新患獲得がしやすくなる

病院に初めて訪れる人の多くは、事前にネットで診察内容や評判、アクセスなどを調べるケースが多いです。その際、診療予約システムがあると、予約状況がわかるうえ、簡単な操作で予約できるので、新患獲得がしやすくなります。

メリット3:キャンセルを減らせる

たとえ予約を入れていても、診察日当日になって忘れてしまう患者さんが多くいます。しかし、診療予約システムを使えば、設定した時間や患者さんの希望時間に再度確認のメールが送れるため、当日キャンセル数を減らせます。

メリット4:作業効率を向上できる

診療予約システムを導入すると、電話対応時間が激減するうえ、「あと何人ですか?」といった問い合わせも少なくなります。また、電子カルテやレセコンとの連携をはかれば、カルテ準備や保管場所の確保も必要なくなり、入力作業も大幅にカットできるので、院内全体の作業効率が向上します。

続いて、デメリットに移りましょう。具体的には、

  • 高齢者が使いにくい
  • システムについての問い合わせに対応が必要

の2点です。順に見ていきます。

デメリット1:高齢者が使いにくい

診療予約システムは、デジタル操作に抵抗がない層には利便性が高いですが、それが苦手な高齢者には使いにくいのが現実です。よって、導入するなら、スマホを持たないとか電話予約を好む患者さんへの対応方法を練る必要があるでしょう。

デメリット2:システムについての問い合わせに対応が必要

とくに新たなシステムを導入した後は、使い方に関する問い合わせが増えます。画面内にすべて説明してあるとしても、患者さんによって、理解力や操作力はまちまちです。よって、あらかじめ操作手順のわかりやすい図面を用意するなど、気の利いた丁寧な対応が求められるでしょう。

実際の診療予約システムの導入事例

ワクチンのイメージ
続いては、実際に診療予約システムを導入した事例を紹介しましょう。

診療予約システム患者数がアップ!

スポーツ整形の患者さんが多い、さいたま市浦和区の加藤整形外科では、学校帰りの学生が受付終了の18時直前に多数駆け込む例が多くありました。これにより、診察時間が22時まで延長することも常態化していたため、来院数の平準化が大きな課題でした。そこで、株式会社メディカルフォレストの診療予約システム『診療予約2020』を導入しました。

すると、来院数が集中していた午前中と夕方以降の患者さんが減り、空いている15~16時の時間帯に患者さんが増えるなど、明らかな平準化が実現しました。これにより待合室の混雑やそこに入れずに階段で待つといった光景もほとんど見られなくなりました。しかも効果はそれだけでなく、トータルの患者数も増えたのだとか。
スタッフの帰宅時間も平均して1~2時間早まり、業務改革が進みました。

診療予約システム導入でワクチン接種がスムーズに!

三重県津市の内科・小児科を専門とするコスモスクリニックでは、毎年、インフルエンザの予防接種の時期に院内が大変混雑するのが問題でした。乳幼児を連れた患者や高齢者が多く、院内感染が発生すると大変だからです。そこで、GMO医療予約技術研究所株式会社(東京都渋谷区)の医療特化型 予約管理システム『メディカル革命』を導入しました。

すると予防接種希望者の80%がWeb予約となり、キャンセル率が1.5%に減少、かつてのような待合室の混雑が総じて解消されました。さらにコスモクリニックでは、同システムの事前決済機能も導入したため、予防接種後の会計手続きを大幅に削減できたことも院内スタッフの作業効率アップに寄与しました。

診療予約システムの今後

未来の医療のイメージ

診療予約システムの需要は今後ますます増加するでしょう。厚生労働省が発表した「医療費の動向」によると、年間の医療費は約42兆円で、国家予算と比べると約4割という莫大な金額です。しかも今後、社会全体で高齢化の勢いが増すため、今以上の医療費の高騰が予想されています。

すると、多くの病院で見られる、高齢者が午前中に集中しやすい光景はますます度を増していくでしょう。くわえて、新型コロナウィルス流行により予防接種への需要が急激に高まったことも来院数増加に拍車をかけています。

そこで、診療予約システムの普及が進めば、時間帯による来院数のかたよりを解消できるうえ、他のシステムとの連携により院内の業務効率化が推進されるので、待ち時間の短縮が期待できます。これにより院内感染リスクも軽減されるでしょう。

また、オンライン決済機能が加われば、会計手続きを待つ必要がないので、非接触が進むうえ院内滞在時間も大幅に減るに違いありません。さらに、診療予約システムは、動物病院にも広がりつつあり、待ち時間が減ることは、ペットはもちろん飼い主にとっても大変利便性が高いです。

このように、医療機関で診療予約システムを導入するメリットや必要性ははかりしれません。これからに備えて、最適な診療予約システムを見つけ、早速導入に向けて動きましょう。

まとめ

さて今回は、診療予約システムのメリットやデメリット、導入事例などについてお伝えしました。

診療予約システムは、スマホやタブレット端末を使ってインターネット経由で診察予約手続きができるというもので「順番予約」「時間指定予約」「時間帯予約」と3種類のタイプがあります。

診療予約システムが必要とされている理由は、主に「スマホユーザーが急増したから」「予約・キャンセルがいつでもできるから」「待ち時間が短縮できるから」
「業務効率が向上できるから」などが挙げられます。

また、診療予約システムのメリットは「来院数のムラがなくせる」「新患獲得がしやすくなる」「キャンセルを減らせる」「作業効率を向上できる」、デメリットは
「高齢者が使いにくい」「システムについての問い合わせに対応が必要」などがあります。よって、導入する際は、メリットが活かしてデメリットを軽減する工夫や対策が必要でしょう。

実際に『診療予約2020』や『メディカル革命』といった診療予約システムを導入して、待ち時間を大幅に短縮できたり、混雑を解消しながらも患者数を増やせたという例があります。

今後、高齢化が進めば、ますます医療機関のニーズは高まります。よって、診療予約システムの導入により、待ち時間を減らしたり、各種手続きを簡略化することが強く求められます。その実現に向けて、院内の業務改革に積極的に取り組みましょう。

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