近年ヘルステックが大きく注目され、新たに市場参入する企業も増えていますよね。
現在ヘルステック市場は世界規模で急速な成長を遂げています。そして成長のキーワードになっているのは「高齢化」です。
高齢化問題は日本だけでなく多くの国々で抱えている問題であり、高齢化によって医療や介護などではさまざまな課題が山積しています。そこでそれらの課題解決策として注目されているのがヘルステック。
ヘルステックはまだ新しい分野の産業ですが、これから未来に向け高齢化問題などで需要が増え続け成長していくと予測されています。
そのためヘルステックとは関係のない他の分野からも多くの企業が市場へ参入しており、次世代の産業としても期待されているようです。
そんな未来に向けて期待が高まるヘルステックは、これからどのような変貌を遂げていくのでしょうか。
そこで今回はヘルステックについて関連企業の実例を挙げながら、必要とされている理由や今後の動向、そしてヘルステックで未来がどう変わっていくのかをお伝えします。
ヘルステックとは
これはフィンテック*1と同じで、もともとある産業にIT技術を取り入れたものです。
ヘルステックはこれまでの医療や介護などにIT技術を加えて新しいサービスを提供していく産業です。
この他にもヘルステックにより生まれた新しいサービスはたくさんあり、それらの活用でこれまでなかった数々のメリットを得られるようになりました。
そしてヘルステック分野の発展はヘルステック企業への注目につながっています。
*1フィンテック…金融とIT技術を組み合わせたサービスで、仮想通貨はその一つになります。
今ヘルステック企業が注⽬されている理由
ヘルステック市場の拡大とともに、今ヘルステック企業への期待が高まり注目されています。
そして日本の場合その大きな理由になっているのが「2025年問題」。
「なぜ問題なのか」それはかつてないほど後期高齢者人口が増加し、そのままにしておくと日本の医療や介護における社会保障財政のひっ迫などが引き起こされるから。
高齢化問題は日本だけではなく世界の先進国を中心に多くの国々でも喫緊の課題になっていますよね。*3そのため現在は世界規模でヘルステック関連の企業に注目が集まっています。
ではヘルステック企業はどのようなサービスで世界が抱えている高齢化問題を解決へと導いてくれるのでしょうか。
次はさまざまなヘルステック企業が扱っているサービスについて紹介していきましょう。
*3・・・高齢化の状況
ヘルステック関連企業の実例
ヘルステック関連企業といえば、なんとなくでも医療機器や製薬を扱っている企業をイメージされる方が多いでしょう。しかし冒頭でも少し説明したように、現在は他の分野から新規参入する企業も増えています。
では現在活動しているヘルステック関連企業ではどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
オンライン診療
すでに多くの企業からオンライン診療のサービスが提供されており、利用されている方もいらっしゃいます。
そして日本のオンライン診療サービスでシェアナンバーワンを誇っているのが株式会社メドレーです。
このようなサービスは他の企業からも提供されています。
アメリカの企業Doctor On Demand社では緊急時でも対応してくれるオンライン診療アプリを開発。
AIドクター
ところでAI(人工知能)はこれから期待されている最先端テクノロジーですよね。現在も AI(人工知能)は多くの機関、企業で研究開発が進められ、すでにさまざまな分野で活用が進められています。
もちろんヘルステック分野でも今後はAI(人工知能)技術がどんどん取り入れられていくでしょう。
そして、このAIドクターによる診察サービスで有名なのがイギリス企業であるBabylon Health社。
日本ではまだなじみの薄いAIドクターですが、高齢化と同じく深刻な医師不足問題も抱えている日本にとって、今後AIドクターは有効な解決策になってくれるのではないでしょうか。
ヘルステックで人間の健康管理ができるようになれば超高齢化社会になっても、みんなが健康で長生きできる社会も実現できるので、社会保障財政がひっ迫するなどの課題も解消されるでしょう。
ところで、紹介してきたヘルステックを手掛けている企業には、私たちも知っている会社があります。
このようにほとんど関係ない分野からヘルステックへ参入する企業も増えているのです。ではさまざまな企業が参入してきているヘルステック市場はこれからどうなってくるでしょうか。
ヘルステックの動向について
これから未来に向かって世界のヘルステック市場は間違いなく大きく成長していくでしょう。そしてその裏付けになる調査結果が出ています。
またこの予測で大きな理由になっているのも高齢化問題です。
そして2019年に入りGAFAも相次いでヘルステックへの投資を加速させ始めました。
GAFAとはGoogle、Amazon、facebook、Appleの巨大IT企業を指す言葉で、みなさんもこの4社についてはインターネットやさまざまなメディアで名前を目にする機会が多いと思うのでご存じの方が多いでしょう。
そのGAFAはそれぞれが新たなヘルステックでのサービスを開始しました。
このように世界的なIT企業が取り組み始めるほど、将来に向けてヘルステック分野には魅力があるのです。ヘルステック市場は今後形を変えながら世界で主力産業になっていく可能性もあるでしょう。
ヘルステックでの未来
これからのヘルステックは最先端テクノロジーの進化とともに間違いなく発展していくでしょう。
今年から携帯キャリア各社が新しい通信方式5Gを開始しました。
またIoTでネットワークが広がればAI(人工知能)が活躍する場も広がっていきます。
つまりこれらを活用していけば、これからヘルステックも発展していくでしょう。
では発展していくヘルステックで未来はどのような姿になるのでしょうか。すでに紹介したAIドクターのようにAI(人工知能)がヘルステックで重要な役割を占めるのは間違いないでしょう。
2015年にイギリスのオックスフォード大学と野村総合研究所の調査結果によると、そう遠くない将来で日本の人間が行なっている仕事の約 49パーセントが AI(人工知能)に代替されると予測されています。*4
また、ヘルステックで未来は次のようになると予想できます。
- オンライン診療が当たり前の時代になり、必要でない限り病院に出向くことがなくなります。
- ウェアラブルデバイスで体の健康管理を行い、異常があればかかりつけの病院へ通知するようなシステムが開発されて、未然に病気を防ぐことが可能になります。
- ウェアラブルデバイスの監視カメラで介護の見守りや、映像解析による人の体の異常を検知できるようになりすぐに対応をとれるようになります。
これらはあくまでも予測の範囲で考えられること。
この他にもテクノロジーの進化の仕方によって、さまざまなサービスやライフスタイルが誕生することも予想できます。現在、異常気象による夏の酷暑で多くの方が熱中症になり命を落とすケースが出ていますが、今後はヘルステックでこのような事態を未然に防ぐことも可能になってくるでしょう。
*4…日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に ~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~
将来ヘルステックは私たちが健康な生活を送るために重要な役割を果たしてくれるようになるでしょう。
ヘルステックは医療や介護などのヘルス分野にIT技術を取り入れた新しい産業です。そして世界の国々が抱えている高齢化問題を解決するとして注目されているのがヘルステック。
まさに世界の高齢化問題はこれから本格化かしてくるので、将来に向けてヘルステックの需要が伸び、ヘルステック企業に注目が集まっているのが分かります。
そのため米金融情報メディアMarketWatchの調査でも、世界のヘルステック市場が2026年までに5628億ドル(約62兆円)にまで成長すると予測しています。ですから近年他の分野からヘルステック市場へ参入してくる企業が増えてきました。2019年に入り巨大IT企業群GAFAもそれぞれがヘルステックに参入し事業を始めていますよね。
このように多くの企業が参入してきているヘルステック市場は高齢化問題の本格化とともに、今後ますます成長していくでしょう。
またIoTやAIなど最先端テクノロジーの進化とともにヘルステックは間違いなく発展していき、未来では必要でない限り病院に行くことはなくなり、AIドクターによるオンライン診療で受診しウェアラブルデバイスで体調管理を行うようになっていくでしょう。
そんな健康を保つために理想的な未来を実現するためにも、ヘルスチェックには世界から大きな期待が寄せられています。
このように、これから発展し広がっていけば、そう遠くない未来でみんなが明るく健康で長生きできる生活が送れるようになっていると良いですよね。