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生産性をあげるRPAについて、ツール・事例・導入方法まで徹底解説

生産性をあげるRPAについて、ツール・事例・導入方法まで徹底解説

業務は手早く終わらせたいですよね。日々書類を作成したり、打ち合わせをしたりなどさまざまな種類のタスクがあります。その中でも特に地味で時間をとるのが、データ入力や書類作成などの事務作業。できる限り、時間はかけたくないのが本音なはず。

まえだまえだ
まえだまえだ

自分はこういう事務作業が少し苦手です。しょっちゅう書類の提出を忘れたり、不備があったりして事務の方に迷惑をかけることもしばしば・・・。

そんな中で、最近企業が導入に力を入れているのが「RPA」です。RPAとは、ロボットによる自動化ツールのこと。事務作業をRPAで行えば、その分の人手が別の業務に回せます。それだけでなく、RPAならミスなく作業を行うので、スムーズに作業が完了できます。それによって、企業全体の生産性の向上につながるに違いありません。

とはいえ、RPAを簡単に体験できるツールはないのか、導入するにはどうすれば良いのかわからない企業さんも多いでしょう。この記事では、そんなRPAについて多くの方が知りたいことを取り上げます。導入を少しでも考えている、またはRPAがどんなものなのか気になる方は、まずこの記事を読みましょう。

そこで今回は、業務効率化や生産性向上に有効な 「RPA」について、おすすめのツールや事例・導入方法について解説します。

RPAとは

作業のイメージ

まずはRPAとは何か、についてお伝えします。

RPAとは、Robotics Process Automationの略称で業務をロボットで自動化するツールのことです。例えばフォームに入力した情報を自動でExcelに転記することも、RPAを使えばできます。

※もう少しわかりやすくした解説はこちらへ

RPA (Robotic Process Automation)とは?意味や活用方法などをわかりやすく解説 | お多福ラボ
近年、RPA (Robotic Process Automation)は業務効率化や生産性向上を実現するテクノロジーとして注目されています。しかし、RPAという言葉の意味がなんとなくしかわからない方もいるかもしれません。そこで今回はRPAの意味や活用方法などについてお伝えします。

RPAのポイントは、なんと言っても24時間365日対応ができること。ロボットなので年中無休で作業ができるので、夜通し作業も可能です。さらに、人間なら記載漏れをはじめとしたヒューマンミスがありますが、ロボットはそのようなミスはなく、正確に作業を行います。もちろんロボットは人間よりも作業が早いので、結果的に手戻りが少なく業務効率化につながっています。

また、今までの機械学習やマクロ(VBA)、自社の業務効率化のシステムを開発する際はプログラミングの知識が必要でしたよね。これに対して、RPAプログラミングの知識がなくても対応できることもポイントです。基本的に管理画面の操作に従えば設定はできるようになっています。また導入する際は、現在使っているPCやシステムと連携できます。そのため、導入へのハードルが低いこともメリットです。

このようなメリットもあり、RPAは多くの企業が導入するようになりました。RPAテクノロジーズが2018年に行った調査によると、RPAを導入している業種で37%はメーカー、25%がサービス業、13%が金融、 13%が情報・通信、9%が商社・小売となっています。そしてメーカーの中でも電子機器や建設、金融は銀行や保険、サービス業では物流や人材サービス業界を中心にRPAの導入が進んでいるとのこと。その中でもRPAは大企業をメインとして導入されていますが、最近では中小企業にも導入が拡大しています。

RPAの種類

RPAの種類には、以下があります。

  • デスクトップ型
  • オンプレミス型(サーバー型)
  • クラウド型

それぞれのタイプのメリット・デメリットも含めて解説しましょう。

デスクトップ型は、PCにそのままインストールする形態です。つまりPC1台に対してロボットが1体いる、というイメージで良いでしょう。メリットとしてはオンプレミス型、クラウド型のRPAよりも安い値段で、1台から導入できること。ただし、ロボットの動きがPCに依存されることもあるので注意しましょう。

まえだまえだ
まえだまえだ

デスクトップ型のRPAは管理は自動化しているPCの担当者が管理すれば良いので、PCの台数が少ない場合はデスクトップ型ならスムーズに導入できるかもしれません。

これに対してオンプレミス型(サーバー型)は自社のサーバーにロボットをインストールします。そして、そのサーバーでロボットを操作する、あるいは作成したロボットを各PCに配れます。メリットとしては、複数台のロボットの管理が楽である点、またデスクトップ型やクラウド型よりもセキュリティがしっかりしている点があります。ただし、その分開発に時間がかかります。

まえだまえだ
まえだまえだ

RPAを全社的、または部門で複数のPCに導入する場合は、オンプレミス型のRPAが一般的です。

そして、最近登場したクラウド型のRPAはPCにもサーバーにもインストールせず、クラウド上でロボットが動きます。クラウド型のRPAのメリットとしては、PCやサーバーがいっぱいいっぱいでも使うことができる点、またアップデートがあった場合でも自動で対応する点があります。ただし、欠点としてはPCにインストールされているソフトやアプリの起動ができないことやセキュリティに難があること。

まえだまえだ
まえだまえだ

そのため、基本的な情報をクラウドでやり取りする、インターネットを使っている作業が多い場合はクラウド型のRPAが良いでしょう。

RPAとAI(人工知能)、マクロ(VBA)との違い

初めて聞いた方にとっては、RPAとAI(人工知能)はロボットが動くイメージがあるので、つい同じものかと考えますよね。実はRPAとAI(人工知能)には決定的な違いがあります。それは「ルール外のことに対処できるかどうか」。

RPAは決められた手順で動くロボットなので、ルールで決められた手順しかできません。一方AI(人工知能)はイレギュラーなことが起きても、経験値から判断して行動できます。つまり、決まった手順をこなす必要があるならRPA、未知の事柄に対して特徴から判断してこなす必要があるならAI(人工知能)が役立つでしょう。

一方、RPAは自動で業務を行う、業務を効率化すると聞くと「マクロ」を思い浮かべる方もいますよね。RPAとマクロの違いは「できるソフトウェアの範囲」や「データ処理の速度」です。

RPAはソフトウェア関係なくロボットが自動で操作するツールなので、ソフトウェアはデザインが複雑でないものであればどれでも使用できます。例えば、自社のシステムやソフトを立ち上げてデータをExcelに記入する、インターネットからの情報をExcelにまとめる、など様々な範囲で使えます。また、RPAは高速で大量のデータ処理をしても速度が落ちることはありません。

これに対してマクロ(VBA)が使える範囲は、ExcelやWord、PowerPointのOfficeソフトだけです。そのため自動で操作できる範囲も、計算やグラフ作成、データ入力などの限られています。また、マクロ(VBA)は大量のデータ処理だと時間がかかります。

まとめると、Officeソフトの範囲でそんなに多くないデータ処理を自動化するならマクロ、大量のデータ処理やPCソフトの自動化を行うならRPAが使えます。

RPAでできること・できないこと

ロボットのイメージ

では、具体的にRPAでできることとできないことを見ていきましょう。

RPAでできること

RPAでできることは、大まかに分けると以下のような内容があります。

  • 手順・時間が決まっている作業
  • 大量のデータ処理

もう少し具体的な業務としては、

事務全体

  • 特定のフォームに入力したかどうかのリマインド送付
  • 定期的な集計・書類発行
  • メールの振り分け
  • 書類のスキャン
  • 見積書の発行
  • データ入力
  • 日報作成
  • Webサイトを使った調査

経理

  • 売掛・入金
  • 買掛・支払
  • 請求書データの入力
  • 交通費精算
  • 資産管理

人事

  • 残業時間のチェック
  • 給与台帳の更新
  • 採用システム入力
  • 採用媒体でのスカウト検索、メール送付

経営企画

  • 経営向けレポートの作成
  • 稟議書のチェック

その他

  • ECサイトの受注処理
  • 問い合わせ対応
引用:進藤圭「いちばん優しいRPAの教本」インプレス社

などがあります。大まかにまとめると、書類の発行、データ入力、チェックとリマインドなどに使えます。つまりこれらの作業が発生する企業にとっては、RPAを導入すると効果を実感できるでしょう。

RPAでできないこと

一方で、RPAができないこと、ないしは苦手なことは次のような作業があります。

  • イレギュラーが発生する業務
  • デザインが複雑な業務
  • 業務フローが長い業務

RPAはロボットなので、手順が決まった業務しかできません。そのため決まった手順から外れた業務は対応ができなくなるでしょう。

また、デザインが複雑な場合だとロボットへの指示出しが困難です。さらに業務フローが長い場合だと、トラブルが起きた時に対応ができなくなったり、ロボットへの指示出しにかなり時間がかかるので避けたほうが無難でしょう。

ただし、この「イレギュラーが発生する業務」に関してはAI(人工知能)とRPAを組み合わせて活用する動きもあります。なぜなら、AI(人工知能)はデータの特徴から学習するので、イレギュラーが発生しても今までのデータから予測して判断ができるためです。そのため、最近ではAI(人工知能)とRPAを組み合わせる事例もあるのだとか。

RPAが注目される理由

人手のイメージ

では、今RPAが注目されている理由についてお伝えします。

人材不足が解消されるから

特に中小企業は、人が少ない分仕事の範疇が広くなりがちですよね。それと同時に、中小企業は人手が不足しがちです。細々とした作業で時間を取られている場合ではない、さっさと業務を終わらせなければ・・・と考える方も多いはず。

しかしRPAを使えば、作業がグッと減ります。今までは私たちが作業を行って、チェックに回していました。RPAを導入後に私たち人間が行うのは、ロボットの管理やロボットがしっかり動いているかのチェックです。作業量が少なくなるのは、明らかですよね。つまり、単純作業はロボットで代替することで、人手不足が解消されるでしょう。

さらに、RPAによって余った人手は企画や判断など、人でしかできない業務に回すことができます。これによって「人がやるべきこと」「RPAがやるべきこと」が明確になり、より必要な業務に手が回る可能性があります。今まで後回しにしていたことが、RPAによってできるようになるでしょう。

もちろん、中小企業の場合だと「RPAはコストがかかるのでは?」と心配になるかもしれません。最近のRPAは、初期費用が0円だったり、月額数万円で導入できるものもあります。うまくRPAを使いこなせば、費用対効果は大きく、人一人を雇うよりもはるかに効果を発揮できるに違いありません。

業務効率化、残業抑制につながるから

昨今では、「働き方改革」が求められていますよね。それによって残業時間の上限や有給取得の義務化など、いかに労働時間を短くするかが企業の課題となりました。

RPAは人間が行うよりも素早くデータ処理を行うので、今まで事務作業にかかっていた時間を短縮¥できます。これによって事務作業にかける時間をグッと減らして、残業時間を減らせるでしょう。実際にRPAを導入したことで、年間3000~4000時間もの作業時間を減らせた企業があるのだとか。

またRPAは24時間365日対応ができるので、私たちが「丸1日データを記入しなければ対応できない」という場合でも大丈夫。RPAが業務時間外もデータ処理を行えば、結果的に私たちの想定スケジュールよりも早く出来上がることは間違いありません。

おすすめのRPAツール【無料版・フリーソフトも含む】

時間のイメージ

とはいえ、「RPAを実際に使ってみたい」と考える方もいるかもしれません。そこで次からは、RPAツールを無料版・フリーソフト版があるものを中心に解説しましょう。

WinActor(無料トライアル版あり)

NTTデータが開発したWinActor(ウィンアクター)は、国内でもNo1のシェアを誇るRPAツール。その人気の秘訣は、PC1台からサーバーへの導入までできる対応の広さです

企業さんによってはまず1台から導入したい、また大規模での導入を考えているなど様々な状況がありますよね。WinActorなら、企業に合わせた導入の形ができます。

また、RPAは英語のみの対応であることも多い中、WinActorは完全日本語対応しています。これなら、英語ができなくても操作ができるでしょう。

また、WinActorは無料版があります。こちらは30日間限定のお試し版になりますが、フル機能版ライセンスとほぼ同じ機能を使用できます。さらにWinActorの活用方法をまとめたチュートリアル動画やeラーニングも配信しているので、初めて使う方にも安心できるに違いありません。

RPA Express(Intelligent Automation Cloud Express)

WorkFusion RPA Expressは、基本的な機能が無料で使えるRPAツールです。無料版である「RPA Express Starter」では、主にExcelやアプリケーションの操作、キーボードやマウスの操作をはじめとしたパソコンの操作の自動化をはじめとして、組み込みのOCRも利用できます。このため、PCでの操作を自動化したい、また書類を使った作業を自動化する方には向いているでしょう。

なお、RPA Expressから名前が変わって「Intelligent Automation Cloud Express」になりましたが、無料版は配信が終了しています。

UiPath(トライアル版あり)

UiPath(ユーアイパス)は、世界で75万人で使用されているRPAツールです。この中の「UiPath Enterprise RPA Platform」は有償版で提供されています。UiPathは通常のOfficeソフトだけでなく、ERPやCRM、OCR、チャットボットやその他グループウェアとの連携して自動化が可能です。上記のようなシステムを導入している企業さんなら、UiPathのRPAで自動化の効果を実感できるでしょう。

UiPathでは業務の自動化できる部分の発見からRPAの効果を測定するまで、様々なツールを用います。そのため、「どこから業務の自動化を導入すれば良いのかわからない」「RPAで効果があるのか、実際に測りたい」などをお考えの場合は特におすすめです。

実際に、ロボットを設計しつつワークフローを作成する「UiPath Studio」はコーディング不要でわかりやすいデザインで初心者でもロボットへの作業手順を作れるでしょう。また、ロボットを管理する「UiPath Orchestrator」は、ワークフローや使ったユーザーの管理まで一元で行えるので、大規模の導入でも管理が手間がかかりません。

そしてUiPathではトライアル版である「UiPath Community Edition」があります。このバージョンは個人や中小企業を対象としていて、「UiPath Studio」や、オンラインでのトレーニングを利用できます。多くのRPAは企業向けである中で、個人でも利用できるのはとても少ないので、業務効率化をしたい個人でも興味があれば試してみましょう。

RPAで業務効率化に成功した事例

パソコンのイメージ

ここまでで、主に使えるRPAについてお伝えしました。このようなRPAをうまく活用すると、効果は絶大なのだとか。その効果について、実際の事例を取り上げながら解説しましょう。

月間5000時間もの業務時間を削減した日本生命

これまで生命保険や損害保険の契約の処理には、事務の方が行っていました。そこに、2011年に銀行の窓口でも保険が販売できるようになりました。そうなると、業務量がグッと増えますよね。もちろん事務スタッフも増やしましたが、それでも業務量が追いついていない点が課題でした。

そこで日本生命は、2014年に他の金融機関に先駆けてRPAを導入しました。ちなみにこのロボットには「日生ロボ美」という名前がついたのだとか。

まえだまえだ
まえだまえだ

オフィスにはロボ美ちゃんの席も用意されているので、なんだか同僚のような親しみを感じるかもしれません。

このRPAの主な業務としては、申込書に記入した内容を自社のシステムに記入することです。この作業は、6台のRPAで20人ほどの業務量をこなせるとのこと。その結果として、月間5000時間の業務時間を削れました。

さらに日本生命は保険の請求内容の記入と判定、年金保険の支払い対象にある契約者の住所変更処理、照会の依頼があった対象者の契約の有無の判定などの業務にもRPAを導入しています。いずれの業務も、導入前の40~70%の時間の削減に成功しています。

保険や銀行などの金融機関は、どんどんRPAの導入が進んでいます。日本生命は、まさにその第一人者とも言えるでしょう。

RPAで社内の業務効率化+αの効果を生み出したブラザー工業

RPAは、主にバックオフィスで活躍しそうな印象がありますよね。実はRPAは、もっと幅広い部門で導入できます。さらにその効果は、単なる業務効率化にはとどまらないのだとか。そんなRPAから大規模な業務効率化を行った事例について、解説しましょう。

プリンター複合機の最大手企業であるブラザー工業では、2017年からRPAの導入プロジェクトを開始し、2018年にRPAを稼働させました。導入したロボットは約140体になり、そのロボットは営業やマーケティング、事業企画や開発の現場まで幅広い部門で導入したとのこと。それにより、業務の自動化による時間短縮の効果が見えるようになりました。

まえだまえだ
まえだまえだ

確かに、営業やマーケティングにも細々とした書類作成や調査があるから、適用はできそうですよね。

さらにブラザー工業では、日本だけでなく海外拠点でもRPAの導入を進めつつRPAや業務改善に強いコンサルタントを活用し、さらに業務効率化を進めました。その中でも代表的なのが、人の配置です。

例えばRPAを導入するまで10人かかっていて、RPAを導入して、6人で足りるようになったとしましょう。ブラザー工業では、残りの4人を新規プロジェクトに回せるようにしました。確かに、既存の業務を行いながら新規事業のプロジェクトを同時に進められると、企業の成長にもつながるに違いありません。

RPAの導入で失敗しないためのポイント

マニュアルのイメージ

ここまでRPAの効果を感じて、もしかしたら導入を考える方もいるかもしれません。しかしRPAを導入してうまく使うには、いくつかポイントがあります。そのポイントについて、詳しく解説しましょう。

RPA導入までのステップを知っておく

RPAの導入の流れは、大まかには以下のようになっています。

  1. RPAを導入する業務をどこか決める
  2. RPAツールを選定する
  3. RPAを小さなチーム・部署で導入する
  4. 効果を検証し、改善点を改善する
  5. 全社で導入する

つまり、ツールの導入だけでなく業務の棚卸しや課題改善などで想定よりも時間がかかる可能性があります。このため、RPAの導入を考える場合はしっかり時間を確保しましょう。

またRPAの導入を考える場合は、RPAベンダーやRPA代理店、コンサルタントなどに相談します。例えばRPAベンダーの場合は、自社製品についてサポートが手厚いメリットがありますが、企業の課題によってはベンダーで販売しているRPAで対応できない可能性もあります。そのような場合だと、RPA代理店なら取り扱っているサービスが多いです。一方、代理店・コンサルタントの場合だと手数料が取られることもあるので、ベンダーよりも費用が高くなる可能性があります。

このため、導入を考えているRPAツールが決まっている場合はベンダー、RPAを導入するのに何からすれば良いのかわからない場合は代理店・コンサルタントなど、企業の状態によって相談する企業を選びましょう。

導入する前に、業務の棚卸しやマニュアル化を行っておく

RPAを導入する際に、自分たちの業務をお願いしたい内容とRPAツールの得意な点があっている必要があります。例えば自分たちの業務を棚卸しした際に、「人の手の判断が多い」となる可能性があるかもしれません。その時にはさらにタスクを分解し、「自動化できそう」な点からRPAを導入しましょう。

また、RPAは指示した通りのことしかできません。となると、私たちがどうやって指示を出せば良いのかわからないとRPAも動けませんよね。そのため、業務をどのように行うのかのマニュアルを作ると、RPAへの指示出しがスムーズになります。

最初は「確実性や安全性」が求められない作業から始める

RPAを全社で導入する、と考える場合でもいきなり大きな作業から任せるのはいけません。なぜならトラブルが起きた時に、対応に追われてしまうことと、下手するとクライアントに損害を与える可能性もあるためです。

このため、まずは小さいチームや部署から導入します。また、RPAに任せる作業もまずは失敗しても影響が及ばないような小さな作業から行いましょう。そこで起きたトラブルや課題を少しずつ改善しながら、RPAに任せる領域や業務の内容を拡大させるのがベストです。

導入時のルールやトラブルの時、どう対応するのかを決める

RPAをそれぞれの人が管理すると、引き継ぎの際に困ってしまったり、また勝手に変更が加わったりする可能性があります。また、トラブルの際にどこに相談すれば良いのかわからないと、困ってしまいますよね。

そのため、RPAを導入するときは「この部分は設定を変えて良いが、この部分は変えてはいけない」などのルールやトラブルの時に誰に連絡するのか、を決めましょう。実際にRPAの導入プロジェクトを行うときは、プロジェクトをメインに動くチームを組むことが多いです。そのチームから代理店・ベンダーへ連絡する手段があれば、困ったことがあってもスムーズに解決ができるでしょう。

 

さて、今回は業務効率化や生産性向上に有効な 「RPA」について、おすすめのツールや事例・導入方法について解説しました。それでは、今回の内容について振り返りましょう。

  • RPAとは、ロボットで業務を自動化するソフトウェアのこと
  • RPAでできることは、「手順・時間が決まっている作業」「大量のデータ処理」で、できないことは「イレギュラーが発生する業務」「デザインが複雑な業務」「業務フローが長い業務」がある
  • RPAが注目されている理由は、「人材不足が解消されるから」「業務効率化、残業抑制につながるから」がある
  • 代表的なRPAとして、WinActor、UiPath、RPA Expressなどがある
  • RPAで業務効率化に成功した企業として、「日本生命」「ブラザー工業」がある
  • RPAの導入で失敗しないためには、「RPA導入までのステップを知っておく」「導入する前に、業務の棚卸しやマニュアル化を行っておく」「最初は『確実性や安全性』が求められない作業から始める」「導入時のルールやトラブルの時、どう対応するのかを決める」などに気を付ける

RPAは今までの業務を効率化し、企業の生産性をグッとあげます。事務作業をてきぱきとこなしたい、または今よりも少しでも時間を短くしたい方は、ぜひRPAを使いましょう。当メディア(AIZINE)の運営会社であるお多福ラボでも、RPAの導入サポートを行っています。興味がある方は、まずこちらからご連絡ください。

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