現在多くの企業がテレワークに注目し、そして導入しましたよね。そのため、従来通りかそれ以上に円滑に業務をおこなうために、テレワーク向けオンラインツールにも注目が集まりました。現在ではテレワークを導入している企業でオンラインツールが活用され始め、業務効率化が進んでいます。
とはいえ、オンラインツールの導入をするときは、比較検討する点が多くて悩みますよね。テレワーク向けオンラインツールと一口にいっても、用途はさまざま。加えて似たような用途のツールがたくさん存在するので、なにが必要なのか、どうやって探すか、なにを基準に選ぶのか・・・などで困ったりすることもあるでしょう。
そこで今回は、おすすめのテレワーク向けオンラインツールとその特徴について紹介します。まずは、そもそもテレワークとはなにか、を解説しましょう。
そもそもテレワークとは
一般社団法人日本テレワーク協会によれば、「テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」を指し、「離れたところ」を意味するteleと「働く」を意味するworkを掛け合わせた造語です。もともとテレワークが導入されたきっかけは、アメリカで問題された自動車の大気汚染や二度の石油危機を背景でした。日本では日本電気株式会社(NEC)が1984年に導入したのがはじめてです。
テレワークには大きく3つの働き方があります。
- 自宅で働く
- 顧客先や移動中に働く
- 勤務先以外のオフィススペースで働く
このなかでも、現在注目されているテレワークは自宅での勤務でしょう。なので、この記事では自宅での勤務に特にフォーカスを当ててテレワーク向けツールを紹介します。なお、類似した言葉にリモートワークがありますが、テレワークとほぼ同義です。
テレワークがどのようなものであるか確認したところで気になるのは、実際にテレワーク向けオンラインツールをどのように選ぶべきかですよね。続いてオンラインツールを選ぶためのポイントについて解説します。
テレワーク向けオンラインツールを選ぶポイントとは
テレワーク向けオンラインツールを選ぶにあたって、なんといっても重視したいポイントは使いやすさです。この使いやすさとは導入のしやすさ、画面操作や設定のわかりやすさ、なめらかな動作など、誰でもストレスなく使えることを指します。
また、セキュリティ対策もテレワーク向けオンラインツール選びで大事です。外部に漏らしたくない、漏らしてはいけない情報を扱うことも少なくないので、漏洩防止の対策がどのように取られているのか、もしものときのサポートはどのようになっているのかなど、導入前に必ずセキュリティの面をチェックしましょう。
他にも、導入コストや維持費もテレワーク向けオンラインツールを選ぶ上で大切なポイントのひとつ。なるべくなら低予算で抑えたいですよね。ただし、ツールを選ぶときはどうしても使いやすさやセキュリティ対策との兼ね合いとなるため、用途や規模などを考慮しながら決める必要があるでしょう。
では、これからおすすめのオンラインツールを用途別に紹介します。まずはWeb会議ツールです。
おすすめオンラインツール:web会議ツール
それぞれの社員がばらばらな場所で働くテレワークにおいてWeb会議ツールはマスト。おすすめのWeb会議ツールは次の5つです。
zoomミーティング
zoomミーティングの最大の特徴はなんといっても最大100人という大人数で高品質な映像や音声で会議が可能であること。無料版では3人以上の会議は40分までという制約がありますが、有料版にすることで時間無制限になったり、会議に参加できる人数を増やしたりできます。
Google Meet
Google MeetはGoogleアカウントがあればだれでも会議を開くことが可能で、またブラウザ上で使えるため、何もインストールする必要がないことから利便性が高いです。余計なソフトウェアを入れなくていいというのはテレワーク向けオンラインツールとして有能でしょう。また、Googleが提供しているだけあって安全性も高いといわれています。
Whereby
Wherebyは発行されたURLをクリックするだけで会議に参加できるため、使うのが非常に簡単であり、テレワーク移行時に使い方のレクチャーがほとんど不要なツールです。また、会議をするにあたって主催者以外の参加者はアカウントを作成する必要がありません。会議に参加できるのは、無料版は4人まで、有料版でも12人までなので、少人数のWeb会議に向いています。
V-Cubeミーティング
V-CubeミーティングはWeb会議ツール国内シェア1位であり、高い知名度を誇っています。わかりやすいインターフェースを備え、高い画質や音質を誇るため、ストレスフリーで会議を進めることが可能です。また、ツールでは高いセキュリティ対策を取り、「ASP ・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」にも認定されています。セキュリティをこだわる方にはおすすめと言えるでしょう。
LiveOn
Live Onは月額3000円ながら、高いクオリティの画質と音質でテレワーク下でもストレスフリーなWeb会議が可能なオンラインツールです。ログイン→会議選択→会議スタートと簡単に会議を始められ、環境設定やホワイトボード機能、資料共有なども簡単にできるというテレワークにうってつけの機能が備わっています。
おすすめオンラインツール:社内コミュニケーションツール
2番目は業務を円滑に進めるために欠かせない社内コミュニケーションに関するツールです。それぞれ離れた場所で作業するため、テレワークで社内コミュニケーションツールは社内の連携を取るために必要になりますよね。ここで紹介する社内コミュニケーションツールは次の5つです。
Slack
Slackはチャンネルという専用のスペースがあり、チームやプロジェクト、顧客とのチャットをそれぞれ個別に管理でき、ごちゃごちゃせずにコミュニケーションを取ることが可能です。また、フェイル共有もドラッグ&ドロップでおこなえたり、無期限で閲覧できたり、外部サービスと連携できたりと便利機能が備わっています。
Chatwork
Chatworkは手軽にチャットができるツールで、ファイル送受信の容量制限がないのがありがたいところ。また大企業や官公庁でも導入されるほど人気であるため、セキュリティが甘くなりがちなテレワークでも情報漏洩の心配が少ないツールです。
Microsoft Teams
Teamsはチャット機能だけでなくWeb会議機能や外部ツールとの連携機能など、機能が充実しています。さらにWordやExcelといったMicrosoft製品との連携に優れ、Microsoft Teams内でMicrosoft製品が使用でき、メンバーと共同で編集が可能です。
LINE WORKS
LINE WORKSは多くの人が使用しているチャットアプリ「LINE」のビジネス版で、使い慣れたLINEと使い勝手が似ているため、誰でも簡単に利用できるテレワーク向けのツールです。ビデオ通話や、予定やファイルの共有もスムーズにできます。
Typetalk
発言やファイルの検索機能に優れ、とくにハッシュタグ機能によって、見逃しがちな話題や重要な話題を簡単に検索することが可能です。またSNSによくある「いいね機能」があったり、絵文字やGIFが使えたりと、業務外のコミュニケーションが希薄になるテレワークを支える機能を持ったツールになります。
おすすめオンラインツール:勤怠管理システム
3番目はテレワークではなかなか難しい勤怠の管理をするシステムです。きちんと出退勤管理をしたい、残業時間の管理や有給休暇の取得を簡単におこないたい、給与計算につなげたい・・・という場合に有利でしょう。
ジョブカン勤怠管理
ジョブカンはテレワークはもちろんのこと、変形労働、フレックス、裁量労働などさまざまな雇用形態に対応した勤務状況やシフトの管理ができるマルチなクラウド型勤怠管理システムです。有給休暇の取得を催促したり、時間外労働の超過をアラートで知らせたり、テレワークでは管理しづらいところにも手が届きます。
マネーフォワード クラウド勤怠
マネーフォワードはジョブカン勤怠管理と同様、テレワークをはじめとする幅広い雇用形態の勤怠管理を得意とするクラウド型勤怠管理システムです。直感的な操作ができるようわかりやすいデザインとなっているのも優れたところ。また、マネーフォワードクラウド給与と連携させることで勤怠状況をもとに簡単に給与計算ができるという機能を持っています。
KING OF TIME
KING OF TIMEは多彩な打刻方法やワークスタイルに合わせた管理機能を搭載しているシステムで、テレワークにも向いています。パソコンが苦手な人や、紙のタイムカードに慣れている人でも使いやすい画面構成です。
RecoRu
RecoRuはスムーズに導入できて、シンプルで使いやすいシステムを目指して作られ、難しい初期設定抜きで即日利用でき、操作もシンプルで直感的にできるのが最大の特徴です。サポート体制も充実しており、電話でもメールでもサポートを無料で受けられます。
ベステレワーク
ベステレワークは上記の4つとは毛色が異なり、社員の労働状況の管理や情報漏洩の防止を目的としたシステムです。作業状況のログ(履歴)を取ってグラフ化したり、ネットやメールの使用制限をかけたりすることで生産性やセキュリティの向上を目指します。
おすすめオンラインツール:社員の健康人事管理
最後に紹介するのは遠方にいる社員の健康をいかに管理するかのツールです。直接顔を合わせるわけではないので、社員の不調をチェックするのはとても大変ですが、それを補う5つのツールを紹介します。
Chronowis
Chronowisは周囲の目がないため隠れて残業したり、独断で不急の残業をおこなったりすることを防ぎ、社員の過度な労働を防ぎます。搭載されているのは、事前申告のない残業をポップアップで警告したり、上司が部下のパソコン利用実績を把握できたりするなどの機能です。
ganba!
ganba!は日報ツールで、社員の労働状況や抱えている問題を浮き彫りにするのが狙いです。報告というよりもシェアというスタンスを取り、SNSのように即時返答したり、いいねで承認したりすることで、情報共有をします。また、タイムライン形式でいつでも、どこでも報告やチェックが可能です。
AltPaper テレワークストレスチェッククラウド
AltPaper テレワークストレスチェッククラウドは経済産業省推進の「IT導入補助金2020(C類型)」の対象ITツールとして採択されているツールで、テレワークをしている社員のストレス把握や環境改善を目指した包括的なストレスチェックサービスです。ストレスチェックのデータの管理やデータの集計の負担の軽減などの機能があります。
NextEAP ストレスチェック
NextEAP ストレスチェックは筑波大学の学術指導のもとで開発されたクラウド型ストレスチェックツールです。自宅でパソコンやタブレットを用いてストレスチェックの受検が可能であり、テレワークと相性の良いツールです。
Sococo
Sococoは同じオフィス内にいなくとも、ブラウザ上に作った仮想のオフィスで自分のアバターを操作して、あたかも同じ空間にいるかのように交流ができるシステムです。文字や声、映像など、多彩なコミュニケーションを取ることができます。
テレワークで業務効率化を進めると通常業務の効率もあがる!
これまで“テレワークの”おすすめオンラインツールとしてさまざまなツールやシステムを紹介しました。しかし、実はこれらのオンラインツールはテレワークに有用なだけでなく、使い方次第では通常業務の効率化にもつながるでしょう。
また、出勤状況の把握や有給休暇の申請、給与計算の負担軽減には勤怠管理システムが役立ちます。健康人事管理をツール化・システム化することは、少ない負担で社員の福利厚生を手厚くすることにつながり、結果的に社員一人一人の業務の質が上がるでしょう。
さて、今回はおすすめのテレワーク向けオンラインツールとその特徴について紹介しました。オンラインツールを選ぶポイントをまとめると、導入や運用のしやすさ、セキュリティ、コスト、認知度の4点で、これらを加味しながら選びましょう。また、紹介したテレワーク向けのオンラインツールはWeb会議ツール、社内コミュニケーションツール、勤怠管理システム、社員の健康人事管理の4種類で、それぞれ次の通りです。
【Web会議ツール】
- zoomミーティング:大人数で会議ができ、音質や画質が高品質
- Google Meet:不要なソフトウェアいらずでブラウザ上で使用。セキュリティ面も安心
- Whereby:会議への参加が非常に簡単
- V-Cubeミーティング:使い勝手が良いためストレスフリー
- LiveOn:使い勝手が良く、かつ安価
【社内コミュニケーションツール】
- Slack:チャットの管理がしやすい
- Chatwork:高いセキュリティで情報漏洩の心配が少ない
- Microsoft Teams: ビジネスの場でよく使われるMicrosoft製品との連携に優れている
- LINE WORKS:LINEと操作性が似ているため使いやすい
- Typetalk:発言やファイルの検索がしやすい
【勤怠管理システム】
- ジョブカン勤怠管理:豊富な機能を有する
- マネーフォワード クラウド勤怠:幅広い雇用形態の勤怠管理が得意
- KING OF TIME:誰でも使いやすいように画面が構成されている
- RecoRu:導入や操作が簡単
- ベステレワーク:社員の業務への取り組み管理や情報漏洩の防止に役立つ
【社員の健康人事管理】
- Chronowis:残業状況を監視し、過度な残業を防ぐ
- ganba!:日報ツール。社員の作業状況を管理する
- AltPaper テレワークストレスチェッククラウド:ストレスチェックのデータの管理やデータの集計機能を通して、ストレス把握や環境改善を促す
- NextEAP ストレスチェック:自宅でストレスチェックの受検ができる
- Sococo:離れた場所でもブラウザ上で近くにいるかのようにコミュニケーションが取れる
テレワーク向けオンラインツールはテレワークの業務効率化だけでなく通常業務の効率化にもつながるため、最大限に活用したいところ。今回紹介した選び方のポイントやおすすめのオンラインツールを参考に、業務効率化を進めましょう。