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ノンプログラマーのためのチャットボット開発ツール・サービスまとめ

チャットボットのイメージ

最近はノンプログラマーでも簡単にチャットボットを開発できるようになりましたよね。

チャットボットは私たちにとって身近な存在です。ご存知かもしれませんが、チャットボットは人間がテキストや音声で問いかけると、その内容に自動で回答するシステムになっています。

例えば「今日の予定を教えて」と問いかければ、コンピュータに入力されている予定を教えてくれます。「問いかけるだけで知りたいことを教えてくれる」そう考えるとチャットボットは大変便利ですよね。

しかしそんな便利使いできるチャットボットについて、専門知識がないと開発できないと思われている方が多いのではないでしょうか。

ところが現在ではプログラミング知識がないノンプログラマーでも簡単に開発できるようになっています。そして開発を簡単にしたのがチャットボットの開発用ツール・サービスです。

そこで今回はこれからチャットボットを開発してみようと考えているノンプログラマーのために、チャットボット開発ができるツール・サービス、そしてチャットボットの概要やメリットなどについてお伝えします。

チャットボットとはどんなものか

チャットボットイメージ

チャットボット(Chatbot)とはチャット(Chat)とボット(bot)をかけ合わせた造語。

チャットは普段みなさんも仕事などで利用しているかもしれませんが、ネットを通して行うテキストでのやりとり、ボットはロボットのことを指しています。

つまりチャットボットとは人間と対話ができるロボットのことです。

1966年に世界初のチャットボットELIZA(イライザ)が誕生しました。そしてそれ以降現在に至るまで、IBMのWatson(ワトソン)やAppleのSiri(シリ)など、さまざまなチャットボットが誕生し進化し続けています。

では実際にチャットボットはどういう働きをしてくれるのでしょうか。チャットボットを働き方で分けると4つのタイプに分けられます。

ログ型

これまでの会話内容の学習から、その問いかけに近い回答をしてくれます。そして記録されている会話データが多ければ多いほど精度が向上します。

選択肢型

選択肢型は決められたシナリオで会話が進められるチャットボットです。そのためシナリオにない問いかけには答えられません。

辞書型

辞書に登録されている内容に準じて問いかけに答えていきます。そのため会話の範囲は限られます。

選択肢型と辞書型

選択肢型と辞書型の働きをするチャットボットです。

この4つのタイプはそれぞれ違った働きをしてくれますが、これまで人間がしていた作業をチャットボットが対話を通じて代行してくれることは、どのタイプにも共通しています。

そしてチャットボットをAI(人工知能)と混同される方がいらっしゃいますが、それは間違いです。

AI(人工知能)は人間のような能力を再現していくシステム、それに対してチャットボットは人間のように会話をするシステムです。しかし最近ではAI(人工知能)が搭載されたタイプも登場しており、チャットボットを仕組みで見ると次のように大きく2つに大別されます。

ルールベース型

ルールベース型のチャットボットはあらかじめ登録された問いかけと、それに対する回答に従って会話をしていきます。

例えば「こんにちは」と声をかけると「こんにちは」と決まった返事をする仕組みになっています。そのため登録されていない内容に対しては対応ができない欠点があります。

機械学習(AI・人工知能)型

機械学習型とはチャットボットにAI(人工知能)を搭載したチャットボットです。このチャットボットは過去のデータからAI(人工知能)が学習して、問いかけの内容が新しい場合でもデータから学んだ結果を元に回答をしていくシステムになっています。

このようにチャットボットは働き方で分けると4タイプ、仕組みで分けると2タイプに大別できます。

しかしどのタイプにも共通しているのが人間の代わりに対話してくれることです。ではチャットボットが対話の代行してくれると、どんなメリットがあるのでしょうか。

チャットボットを開発するメリット

チャットのイメージ

チャットボットの大きなメリットは「効率化」です。

そのため現代ビジネスではさまざまな理由から効率化が求められているので、多くの企業でチャットボットを導入しています。そして「効率化」という大きなメリットの中には「業務の効率化」「顧客を満足させる」という2つのメリットが存在しています。

業務の効率化

まずチャットボット導入で一番効果が表れるメリットは業務の効率化です。

顧客から企業へのお問い合わせには簡単な質問から複雑な質問まで、さまざまな内容の問い合わせがあります。

例えば数多くの顧客から問い合わせが集中したとしましょう。しかし問い合わせに対応するオペレーターの人数には限りがあります。

もし大勢の顧客に対応しなければならない場合には、時間がかかり不手際が生じるケースも考えられます。

そこでチャットボットの登場です。

ほとんどの場合は問い合わせ内容を振り分けると、いくつかのパターンに分類できます。
そのため多くの問い合わせ内容は想定できるので、事前に設定しておけばチャットボットでの対応が可能です。

そうすることで簡単な問い合わせはチャットボットに任せて、オペレーターは複雑な質問に集中できるので顧客への対応を効率よく行えて業務の時短につながり、そのため必要以上にオペレーターの人員を増やす必要もなく、オペレーター業務の負担軽減やコストや人件費の削減にもなります。

これは顧客からの問い合わせでチャットボットを利用する場合だけでなく、その他の用途でも同じです。そして企業としても効率よく事業運営を行いやすくなります。

顧客を満足させる

問い合わせに対応するオペレーターの鉄則とも言えるのが「早い対応」です。問い合わせに対しての早い対応は業務の効率化にもなりますが、顧客への迅速な回答で企業の好印象にもつながっていきます。

もし100件の問い合わせがあった場合に10人のオペレーターで一人一人に対応したとするなら、誰でも時間がかかるのは予想がつきます。そして順番まちで長い時間待たせるようになると仕方がないこととは言え、顧客へあまり良い印象は与えることができません。

そこでチャットボットを利用すれば、簡単な問い合わせにはチャットボット、複雑な問い合わせはオペレーターに分担できるので、顧客に対してより迅速な回答を行えます。

つまりチャットボットの利用は顧客に対して「早い対応」が実現でき、それは企業イメージの好印象と多くの顧客と接する機会が増えてビジネスチャンスにもつながって行きます。

チャットボットはこれまで人間が行ってきた仕事を代わりに努めてくれ、企業にとって「業務の効率化」「顧客の満足」という大きな2つのメリットをもたらしてくれます。

そして最近ではノンプログラマーでもチャットボットの開発ができるようになっているようですが、本当にプログラムの知識がなくてもチャットボットは開発できるのでしょうか。

プログラムの知識無しでもチャットボットは開発できるのか

プログラムのイメージ

チャットボットを開発するとなればプログラミングの知識は必須だと思われている方が多いのではないでしょうか。

しかし答えは「No」です。

確かに以前はチャットボットを開発するために専用設備と高度なプログラミングを行える技術者が必要でした。ですが最近では複数の開発方法が登場してきたので、これまでよりも容易にチャットボット開発ができるようになっています。

そして現在チャットボット開発には次のような方法があります。

  • APIで開発
APIでの開発はLINEやSlack、FacebookなどのSNSがそれぞれで提供している、チャットボット開発を容易にしてくれる仕組みを利用した開発方法です。
  • フレームワークで開発
フレームワークとはプログラムのひな型のことです。フレームワークを利用すると一からチャットボットのプログラムを記述する必要がないので、比較的簡単にチャットボットを開発できます。

ここで紹介した2つ以外にも、クラウドAI(人工知能)ツールで開発する方法もあります。

そしてノンプログラマーにとって、最も開発しやすいのがチャットボット開発ツール・サービスを利用した開発です。

プログラムの知識無しでOKチャットボット開発ツール・サービス3選

サービスイメージ

現在さまざまなチャットボットを開発できるツール・サービスが提供されています。そしてプログラミング知識がなくても開発ができることがチャットボット開発ツール・サービスの大きなメリットです。

今回はその中でも人気ある開発ツール・サービスを3つ紹介していきましょう。

Hachidori(ハチドリ)

Hachidoriは国産ではじめてAI(人工知能)を搭載したチャットボット開発ツール。

これまで7000件以上の開発実績がありチャットボット開発に関しては経験豊富です。またそれらの開発実績から得たノウハウを活かしたサポートはHachidoriの強みになっています。

Hachidoriの特徴といえば、ノンプログラマーでも分かりやすい管理画面とドラック&ドロップの簡単な操作方法。
GUIシナリオ・クエリー機能・Q&Aテンプレート・API連携・キャンペーン配信・ステップ配信・ビヘイビア計測・LIFFリストという8つの機能でノンプログラマーでも簡単にチャットボット開発が可能になっています。そしてLINEやFacebook、Wantedlyなどへ開発したチャットボットを設置することが可能です。

また国産なので日本人にとっては扱いやすい日本語に対応しています。その他Hachidoriについて料金などの詳しい内容は下記の公式サイトをご参照ください。

Hachidori(ハチドリ)

Dialogflow(ダイアログフロー)

DialogflowはGoogleが提供しているチャットボット開発ツールです。

Dialogflowはルールベース型と機械学習(AI・人工知能)型の2タイプが使用でき、両方を使い分けながらプログラムを構築できるようになっています。
そしてDialogflowにはチャットボットのテンプレートやユーザーの感情を理解する機能、スペルの自動修正、電話サービスの自動化など便利な機能が備わっています。また搭載された機能を使えばカスタマーサービスや販売、IoTデバイスなど、幅広い活用が可能です。

その他のDialogflow の詳しい内容は下記の公式サイトをご参照ください

Dialogflow(ダイアログフロー)

Repl-AI(レイプル・エーアイ)

Repl-AIはNTTが提供しているチャットボット開発ツールです。

Repl-AI も日本語に対応しているのでHachidoriと同じく人気があります。そして最大の特徴は豊富なテンプレート。
初めてチャットボット開発を行うノンプログラマーだと、どのように開発していけばいいのか迷いが生じます。しかしRepl-AIには豊富なテンプレートが用意されているので、その中から求めているものに合ったテンプレートを選んで開発できるようになっているのです。

また料金については4つのプランから選択できるようになっており、詳しい内容は下記の公式サイトからご参照ください。

Repl-AI(レイプル・エーアイ)

チャットボットを開発する場合の注意

開発のイメージ

前章のように現在チャットボットの開発には、開発用ツールを使用するとノンプログラマーでも簡単に行えるようになっていますよね。しかし簡単ではありますが、「ルールベース型」か「機械学習(AI・人工知能)」によって注意すべきポイントがあります。

ルールベース型チャットボットの注意点

ルールベース型では次の2つに注意してください。

シナリオ設定に手間がかかる

チャットボットで自然な会話を実現するためには、膨大なシナリオを設定する必要があるので、その分コストと手間が多くかかります。

設定したシナリオ以外に対応できない

ルールベース型は設定したルール内での対応は可能ですが、そのルールから外れると対応できなくなります。そのためパターン化した質問は得意ですが、幅広い質問には不向きなので注意しましょう。

機械学習(AI・人工知能)型チャットボットの注意点

チャットイメージ

AI(人工知能)と聞けば最先端テクノロジーなので、優れているイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

確かにAI(人工知能)優れています。しかし機械学習(AI・人工知能)型チャットボットの開発をする場合には、知っておかなければいけない2つの注意点があります。

開発には大量のデータが必要

AI(人工知能)技術の一つ機械学習では大量のデータを使ってAIが開発されており、それは機械学習(AI・人工知能)型チャットボットも同じです。

そのため開発に使用されるデータの不足や質が悪いと、チャットボットの回答精度の低下につながるので注意が必要になります。

コスト高

機械学習(AI・人工知能)型チャットボットの最大のメリットといえば、柔軟な回答とその精度の高さです。

しかしそれを実現するためには、膨大なデータの収集、AI(人工知能)が学習する期間、運用後は精度を高めるためのチューニング作業の手間が必要になります。そのため手間がかかる分コストも高くなるので心得ておきましょう。

 

チャットボットイメージ

今回はチャットボットについてお話しました。

チャットボットを利用する最大のメリットは「効率化」ですよね。

例えば企業でこれまで人間が行っていた顧客対応などにチャットボットを利用することで、企業全体の業務の効率化とコスト削減につなげられます。そのため現在多くの企業ではチャットボットが導入されています。

そして以前はチャットボットも専用設備とエンジニアでなければ開発できませんでした。しかし現在はノンプログラマーでも開発できるツール・サービスが登場しています。

チャットボットの開発用ツール・サービスにはさまざまな種類がありますが、今回はその中から人気のあるHachidori(ハチドリ)、Dialogflow(ダイアログフロー)、Repl-AI(レイプル・エーアイ)を紹介しました。

どのツールもチャットボットが開発しやすいツール・サービスなので、その機会には検討してみてください。

しかしチャットボットを開発する際には、ルールベース型と機械学習(AI・人工知能)型によって次の注意点があることを知っておいてください。

  • ルールベース型チャットボット・・・「シナリオ設定に手間がかかる」「設定したシナリオ以外に対応できない」
  • 機械学習(AI・人工知能)型チャットボット・・・「開発には大量の「学習データ」が必要になる」「コスト高」

紹介してきたように多くの企業ではチャットボットで効率化をはかり、人件費やその他コスト削減にもつなげています。

そしてチャットボットはデジタル化が進んでいる現代で、これからこそ役に立っており、そして現在はノンプログラマーでもチャットボット開発ができる時代です。

そこでチャットボットの導入がまだの企業は、今回紹介した開発ツール・サービスでチャットボットを導入して、新しい自社のスタイルを築いていきましょう。

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