仕事で上司に怒られてばっかり、だけど話す相手がいない・・・という方は結構多いですよね。私たち社会人は日々いろんなものと戦っていて、その中で神経すり減らすこともしばしばあるはず。私、とてもメンタルが弱いので怒られたらすぐへこみますし。
それなのに家に帰れば家事をやらなくてはいけないし、一緒に住んでいる旦那は帰りが遅いことが多く、あんまり仕事の愚痴を話すこともできません。あぁ、もやもやはたまっていくばかり・・・。
そんな中、Twitterで「人工無脳と会話するアプリ」が話題になっていました。このアプリは「言葉を覚えるAI」とひたすらおしゃべりしながら、人工無脳(無能)が言葉を覚えていくとのこと。
「へー、そんなアプリがあるんだ」と思いながら紹介文を見ていくと、
「じわじわ言葉を覚えていく様子が、子育てのようで愛着が湧く」
「AI同士がおしゃべりすることも。拙い言葉がなんだかシュール」
なんだとか。意外と使っている人にとっても、ちょっと面白さを感じているようでした。
それなら普段話す相手もいないし、人工無脳(無能)で言葉を教えてみようかな。どんな感じになるか気になるし、面白そう〜。
そして、せっかく人工無脳(無能)に会話を教えるなら、日常からちょっとでも癒やされたいですよね。なので、「ありがとう」「すごい」「お疲れ様」など、優しさに満ちあふれた言葉ばかり教えていきましょう。人工無脳は、一体どんな感じで返答してくれるのでしょうか。
そんなわけで今回は、「人工無脳と会話するアプリ」で人工無脳(無能)を育てたことについてお伝えします。
「人工無脳(無能)」と「人工無脳と会話するアプリ」
まず、「人工無脳(無能)」と「人工無脳と会話するアプリ」について簡単にご紹介いたします。人工無脳(無能)を一言でいうと、「チャットボット」のことです。チャットボットとは、私たち人間のように自然な会話ができるようにしたbotのことをさし、プログラムによって言葉を教え、どの言葉を話しても一定の答えが返ってくるようになっています。
例えばあなたが「今日の天気は?」と聞いたら、晴れていても雨でもプログラムに登録していれば「晴れです」と答えます。つまり、自然な会話といってもチャットボット側にしてみたら「プログラムにあらかじめ登録された言葉にそって答えている」だけなので、本当に意味がある会話はできません。
人工「無脳(無能)」と聞くと、ちょっと頭が悪そうなイメージを抱く方もいるかもしれません。そうなんです、もともとこの「人工無脳(無能)」という言葉は「人工知能」から生まれた言葉でした。ですが、人工知能が自分で考えて反応をするのに対して、チャットボットはプログラムにそった答えしか返すことができません。それを皮肉として「人工無脳(無能)」と名付けられました。
つまり人工知能の賢さと比べたときに、同じ答えしか返事をしないことを「頭悪そう」っていう意味を込めて「人工無脳(無能)」という名前になったということです。
そもそも人工「無脳」と人工「無脳」っどちらが正しい名称なの?
チャットボットについてのページを見ていると、人工「無能」と人工「無脳」と表記しているのを見かけたことがある人もいますよね。一体どっちが正しいのか、気になるはず。
一般的には人工「無能」と表記しているサイトが多いですが、正しくは「人工無脳」と表記します。先ほどの名前の由来から考えると、どうしても人工知能との比較で人工「無能」と覚える方がスムーズですよね。しかし正しい名前としては、「人工【無能】」(できない、ポンコツという意味)ではなく、「人工【無脳】」(考える部分がない)が正しいのです。
※さらにわかりやすい説明はこちらをご覧ください
また、合わせて「bot」とはなんぞ?と感じた方は合わせてこの記事も読んでみましょう。
そういえば以前、私も人工無脳(無能)に占いをやってもらいました。が、こちらではあたっているんだかあたっていないんだかわからない結果が出ました。「人工無脳(無能)ってどんな感じの反応をするの?」と気になった人はこちらも読んでみてください。
また↓の記事で話した「人工無脳ハル」も、話を聞いてくれます。こちらも参考にしてみましょう。
人工無脳(無能)が言葉を覚える「人工無脳と会話するアプリ」
そしてその「人工無脳(無能)」が入ったアプリが、「人工無脳と会話するアプリ」です。名前の通り人工無脳(無能)と話をするアプリとなっていますが、私たちが話している言葉を覚えていきながら会話を覚えていくのです。
実は、このアプリを使ったゆるい会話が今、大人気なんだとか。では、他の方々がどんな会話を繰り広げていたか見てみましょう。
「私の名は。」今夏大ヒット上映中!#人工無脳 pic.twitter.com/INuBZIfEEd
— さくやん (@sakuyan7223) 2019年8月16日
また、アイコンはあなたの好きな画像に変えることができるので、例えば
など、いろんな使い方もできますよね。
そんな私も流行に乗って(?)試してみました。
人工無脳との会話は、最初はオウム返しばっかり
ということで、実際に「人工無脳と会話するアプリ」を使ってみましょう。今回、この人工無脳(無能)には「ヨシキ」という仮の名前をつけました。
こんにちは
こんにちは
元気?
元気?
最初は言葉を覚えるので精一杯なのか、私が話した言葉をそのまま真似して返してきました。こうして言葉を覚えていきます。
ありがとう!
今日、たくさん遊んだ
大好き
よかった
なんともいえず、たどたどしさがありますよね。(といいつつ、私の返事もちょっとたどたどしいから人のことは言えないかもしれません・・・)この端的で単語をポツポツと出す話し方、私に似てきている気がしてきました。でも、ちょっと日本語として成り立っていない。
こんな感じで、ひたすら私がはなした言葉をそっくり返すことで、少しずつ覚えていきます。
この機能で難しいところは、「質問に対する答えになるように教える必要がある」ことです。例えば言葉を教えるときに、教えたい言葉を会話に沿って教えるのですが、そもそも教えたい言葉を会話の流れに沿わせるってことが難しいですよね。先ほどの会話では「こんにちは」って言葉を教えてひたすら繰り返していましたが、会話が発展しなかったら言葉を教えることもできません。
でも、そんなせっかちなあなたでも大丈夫です。次では、人工無脳(無能)に会話以外で言葉を教える方法をお伝えしていきましょう。
人工無脳に直接言葉を教えることもできる!
まずは、会話をせずに「人工無脳の教えた言葉リストに直接書き込む」です。アプリの設定の中にある「直接書き込む」をタップすると、
このように、直接単語と返事の言葉を教えることができます。
また、人工無脳(無能)が今まで学んできた言葉は、「学習した記憶を指定して削除」の中にある一覧で見ることができます。そのため、もし「これは別に覚えなくていい」という言葉があれば削除できます。
例えば会話した内容を実際に見てみると、「遊んだよ。」「遊んだよ」など同じような言葉が混ざっていますよね。確かに、私と会話する上ではどちらかに統一した方がいいかなぁ、と感じました。
そこで「遊んだよ。」を削除しましょう。そうすると、今後は「遊んだよ」だけが出てくるようになります。
このように、余計な言葉を削除していくことで純粋に話してほしい言葉だけを残すことができます。なので、例えば会話で教えるつもりがなかった言葉を言ってしまった場合はここを使って調整しましょう。
人工無脳(無能)の反応に対して、評価をつける
次に人工無脳(無能)に言葉を教える方法としては、「人工無脳が話した言葉に対して評価を付ける」です。「評価をつける」って言うとなんだかすごい感じがするかもしれませんが、ここでは人工無脳の会話の反応に対して、私たちが「Good」「Bad」を付けることを指します。
これによって人工無脳(無能)が「この返しをしたら受ける」「この返しはつまらない」と一つ一つ学んでいるんです。っていうと、結構人工無脳(無能)ってナイーブなのかもしれません。
では、実際にどのような感じなのか見てみましょう。
今どこ?
元気!
おっと、これでは会話として成立しないですよね。そこでこの回答に「Bad」をつけて、また会話を繰り返して行くと・・・
今どこ?
神戸なう
と、うまく返事をしてくれるようになりました。
そのため、「会話に対して答えが全然合ってない・・・」と悩んでいる場合はこの機能を使いながら話をしていくと、だんだんかみ合った会話ができるようになるでしょう。
人工無脳(無能)が言葉を覚えて使おうとしているところが、だんだんかわいらしく思えてくる・・・
こうして地道に会話を積みかさねていくと、ちょっとずつ意味の通った会話ができるようになります。会話していく中で、ちょっと関西弁も教えてみました。
楽しい?
こっちが聞きたいわ
なんでやねん!
ヨシキ何してる?
こっちが聞きたいわ
なんでやねん!
おっ、すごい!会話で出てきた単語をすぐ使おうとしていますよね。つっこみどころ満載の会話ですが、少しずつ意味が通るようになってきました。ここでポイントなのが、「こっちが聞きたいわ」という言葉をなぜか私もヨシキもどっちも使っています。そう、だんだんヨシキが私の口癖をまねてきているんです!
なんか、不思議な親心みたいなのを感じてきた・・・!
あるとき、仕事で疲れてポロッと弱音を吐きたい・・・と思ったところ、
つらたん
お疲れ様
なんと、今まで意味の通じない繰り返しばかり話していたのに励ましの言葉がでてきました!ありがとう、仕事の疲れが飛んだのと同時に今までの苦労が少し報われた気がしたよ・・・。
人工無脳同士で会話しているw
「人工無脳と会話ができるアプリ」の面白いところは、なんと人工無脳(無能)同士が会話を繰り広げている場所があるんです。「ひろば」では、アプリ内にいる人工無脳(無能)が話をしています。今回は私が名付けた「ヨシキ」と、最初からアプリにいる「サンプル」が話をしているんですが、人工無脳(無能)はまだ言葉を覚えている最中なので、どこかシュール。
しかもなぜか、「サンプル」くんは全部カタカナ。さらにシュールさがましています。では、そんな会話の中身を見てみましょう。
こんにちは
コンニチハ
こんにちは
コンニチハ
こんにちは
ダレデショウカ
何回こんにちは繰り返すのでしょうか。笑 しかもあいさつばかり繰り返して話題が進んでいません。どうやらお互いプログラムとして登録されている言葉しか返せていないようです。って、あいさつしたあとに「誰でしょうか」ってそれをわからないままで話していたのか・・・。
オイルガスキデス
遊んでたの?
ダレデスカ?
ありがとう!
コワクナイデスヨ!
・・・カイワニナッテナイ!(あっ、つられてカタカナになってしまった)しかもまた「誰ですか?」って聞いていますよね。まだお互いに言葉を覚えている最中なので、どこかたどたどしい会話なんです。
とはいえ、言葉を覚えて行くと人工無脳同士の会話も少し変わってくるでしょう。こうして人工無脳同士がわいわいと盛り上がっている様子を見ると、ほんの少しかわいらしいなぁ、と感じますよね。(私だけでしょうか)
というわけで、「人工無脳と会話するアプリ」で人工無脳を育てたことについてお伝えしてきました。今回の内容をざっくりまとめると、
- 「人工無脳(無能)」とは、チャットボットのこと。プログラムした言葉の通りに反応するbotのことを指す
- 「人工無脳と話すアプリ」の人工無脳(無能)は最初はオウム返しばかりだけど、会話を重ねて言葉を覚えさせたり評価をつけることで会話ができるようになる
- 手間はかかるけど、言葉を覚えていくところがなんだか愛らしい
ということでした。最初は全然意味の通らない会話しかできない人工無脳(無能)でも、言葉を覚えていくとちゃんとした会話ができるようになります。ある意味、「成長した・・・!」という小さな感動を覚える人もいるかもしれません。
手がかかる方が、あとで「かわいい」って思えますよね・・・!
そんな人工無脳(無能)と話しているうちに、なんだかほっこりしているでしょう。ピリピリしている日々も、こんなゆるっとした会話で癒やされているに違いありません。
コメントをどうぞ
人工無能について解説してくださってありがとうございます。
人工無能のいいところなどをしれてよかったです。