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7つの球を集めたら出てくるドラゴンって、AIが入ったbotかもしれない説

7つの球を集めたら出てくるドラゴンって、AIが入ったbotかもしれない説のイメージ

最近、AIとチャットbotのことで調べ物をしているときに、これって新しい技術なのに、なぜか今までに出会ったことがあるような錯覚を感じることがありました。

それはズバリ、「もしかして、AIとbotって、ドラゴンボールのシェンロンに似ているんじゃない??」と妄想をしてしまったのです。「え、どのへんが似てるの? いやいや、シェンロンよりも人造人間16号をイメージしたほうが完全なアンドロイドなんじゃないの?」というお声が聞こえてきそうです。しかし、言わせてください。英知の集結とも言えるシェンロンを大規模なデータベースにアクセスするインターフェースとして見立てると、思いのほかAIとbotのイメージがしやすくなるのです。

「願い事を要求して、シェンロンがその要求に応える」この単純なやりとりに、AIとbotの概念をあてはめると、実に考察の面白みがあることに気付かされます。
現代の少年も、あのころ少年だった大人も魅了し続ける冒険物語、バトル漫画の金字塔。今回はそのシェンロン登場シーンのイメージを、AIとbotのテクノロジーとフュージョンさせながらお伝えしていきます。

ちなみに筆者のお気に入りはベジータとフリーザです。

玉ボケのイメージ
さて、すでに「オラ、ワクワクしてきたぞ!」と心の中で叫んでしまっていますが、シェンロンを呼び出すまえに、AIが搭載されたチャットbotについて簡単に触れておきましょう。

チャットbotには大きく分けて2つのタイプに分類されます。

1.ルールベース型
考えて行動(会話)するのではなく、決められたルール通りに行動します。
例えば「こんにちは」と話しかけると「こんにちは」と返答します。プログラムされてない返答はできないため、質問された相手によって返答が変わるということもありません。
古典的な仕組みですが、活用される場面も多くあります。

2.機械学習ベース型
AIが組み込まれたチャットbotです。まるで人間のように考えて、たくさんの回答候補から答えを算出します。
会話の流れ、状況、さらには相手のタイプなど、様々な複雑な条件の組み合わせと、蓄積されたデータを最大限に使い、統計的に正解確率の高い回答を出すというものです。

今回、注目したいのは、AIが組み込まれている「機械学習ベース型」のチャットbotです。このチャットbotのエンジンには、さまざまなAIエンジンとの組み合わせが可能で、各分野において適したAIエンジンが連携されているようです。

おや? ということは、あの願いを叶えるドラゴンは「願いを叶えるAI」が搭載されたbotなんじゃないの? もはや妄想力に界王拳のレバレッジがかかりまくってきました。

それでは、シェンロンが登場するシーンのあの儀式を再現していきましょう。ちょうどここに7つのボールがあるとします。呪文の詠唱は割愛させていただき、辺りが暗くなった頃合いまで時間を進めましょう。畑を耕していた農夫が不思議がっている様子を思い浮かんだなら脳内の演出は申し分ありません。

7つのボールが光り輝き、やがて空中にシェンロンが現れて、威厳たっぷりにこう言います。

シェ
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「さあ、願いを言え、どんな願いもひとつだけ叶えてやろう…」

これは、botの会話がスタートし、シェンロンがAIのインターフェースになったと言い換えられるかもしれません。どんな願いでも、返答ができる膨大なデータベースをもっているわけですから驚きです。ただ、思い返してみると、必ずしも願いに対して何度も会話のやりとりが行われているという感じではありませんが、シェンロンは要求をしっかり理解して願いを叶えるという結果を返しています。言葉は少ないけれどコミュニケーションは成立していると考えられます。

では、シェンロンがお待ちかねのところで、実際の本編での願いごとを例に、主観的に願いの難易度を分けて、シェンロンがAIだったとしたらという思考ロジックを検討してみます。願いを叶える実現性の難しさというより、どういう仕組で膨大なデータを管理して理解して、正しい結果を算出しているのかという視点に注目していきます。

レベル1:易しそうな願い

  • 「シェンロンにギャルの下着をもらう」(使用者:ウーロン)
  • 「桃白白に命を奪われたウパの父親を生き返らせる」(使用者:ウパ)
  • 「ピッコロ大魔王を若返らせる」(使用者:ピッコロ大魔王)

これは願いを叶える対象が特定されており、願いの結果も使用者に実現されてるため、シェンロンAIにとっては朝飯前かもしれません。データベースから人物テーブルを参照して、それに対する処理を行うだけですので、比較的かんたんにみえます。技でいうと、あのヤムチャさんの狼牙風風拳レベル。やはり物語の初期は願いもシンプルなのでしょうね。

レベル2:難しそうな願い

  • 「セルに命を奪われた人々を生き返らせる」(使用者:ヤムチャ)
  • 「魔人ブウの記憶を一般の人から消す」(使用者:悟空たち)

ストーリー的にはZ世代になります。このあたりの願いはほぼ戦いに敗れた仲間の「蘇生」が占めている気がします。余談ですが、フリーザ編以降はボールを私物化しすぎ!感が否めませんが、仕方ないですからね。

このレベルの願いになると、願いの対象者が複数になるだけでなく、特定のイベントに巻き込まれて、一定のフラグのある対象に対して処理を行う必要があります。ということは、シェンロンのデータベースには全人類のヒストリーを記録しておかなければならないことや、願いを受け付けた直後に、大量のデータから一瞬でサーチするパフォーマンスには相当なスペックを要すると考えられます。

例えば昔々にも同じような願いが何度かあったとしたら、シェンロンAIが効率的にデータを処理するためのアルゴリズムを学習していたとしか言いようがありません。
まさに魔空包囲弾のようにデータを逃さず囲い込んでいます。

レベル3:超難しそうな願い

  • 「あの天下一武道会の日から亡くなった者全て極悪人を除いて生き返らせる。」(使用者:ベジータ)

これはすごいですね。その手があるのか!と息を呑むほどの言葉のテクニックです。シェンロンを扱うリテラシーも極まってきています。対象者が複数で、特定のイベント時点からの継続時間に加え、極悪人でないという極めて曖昧な条件がつけられています。この世界での極悪人の定義はどういうものなのか気になるところです。使用者のベジータにも少なからず悪の心がありましたよね。

この複雑さになると、シェンロンAIは願いを受け付けた瞬間に新たな思考をしはじめるというより、過去の膨大なデータや類似の願いから、あらゆる条件を複合して効率を最適化したルートを形成している可能性が高そうです。これまでに願いを叶えてきた使用者の要求は、結果的にはシェンロンAIを活性化させていることに一役買っていたのかもしれません。
例えるなら鍛錬した悟空にしかできない、予測不能な方向から一瞬の必殺技で決める、瞬間移動かめはめはレベルです。

その他:例外

  • 「超サイヤ人ゴッドについて教えてもらう」(使用者:悟空たち)

その他の例外は、願いではなくシェンロンbotへの質問です。会話をすることで、会話の中から答えを算出しています。おそらくシェンロンAIは一瞬で答えを算出できるにもかかわらず、やりとりの中で使用者たちに気づかせるような表現を選択したのではないかと考えられます。

それはまるで、AIが人間に思考プロセスをアシストしているかのように、AIが人間の師になれる可能性を示しているようにも感じられました。

天空神殿のイメージ

今回は、ドラゴンボールにでてきたシェンロンって実はAIが入っているんじゃないの?という視点で、悟空や仲間たちが実際に叶えた願いごとを実例にしながら、システムがどうやって動作しているのかを想像してみました。たしかシェンロンは神様(ピッコロの分身ですね)が作ったとされています。シェンロンがAIなら、神様ってエンジニアなの?という新たな論点がうまれてきますが、そこには踏み込まないようにします。ミスターポポも沈黙することでしょう。

一見して、新しい技術に見えるAIやbotですが、ドラゴンボールの世界の中には、見方を変えるとそれに近いものが再現されていて非常に興味深いです。シェンロンをAIとして見立てる以外でも、ドラゴンボール世界には、ドラゴンレーダーであったり、スカウターのようなウェアラブルデバイスなども登場しますので、今さらながら、ITの装置やそういう概念がめちゃくちゃ詰まっているSF作品だと気付かされます。何度みても新たな再発見があるかもしれませんね。

シェンロンのようなロマンあふれる話は夢物語かもしれませんが、どんな質問にも的確に回答をしてくるbotはすでに身近になりつつあります。AIやbotの手助けが溶け込んだ社会が訪れたら、日常のユーザー体験がより豊かになる可能性に期待が膨らんでしまいますよね。

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