人工知能(AI)の進化は、いずれ人間の知能に追いつくほどになると予測されているものもありますよね。その予測の中には「いずれは人工知能(AI)が人間を支配する」というものがありますが、これは人工知能(AI)を扱った映画「ターミネーター」のストーリーでもあります。
すでに30年以上も前から人工知能(AI)を題材にした映画はありますが、そのストーリーはさまざま。人間との触れ合いを描いたハートフルなものから、人工知能(AI)をめぐる陰謀がうごめくサスペンス映画、中には人間と見間違えるほどの美人人工知能(AI)ロボットが登場する映画もあります。
そこで今回は、人工知能(AI)を題材にした映画の中から、美人人工知能(AI)ロボットが登場する映画を5作品、紹介しましょう。ひょっとしたら、あなたをとりこにしてしまう美人人工知能(AI)ロボがいるかもしれません。
美人ロボットがヒロインに!「 ブレードランナー」(1982年)
まずは1982年に公開された「ブレードランナー」です。この作品では「レプリカント」という人造人間が何体も登場しますが、彼らはすべて人間と区別がつかないほど精巧な体と知性を持っています。
やがてレプリカントにも感情が芽生え、人間に反旗を翻すレプリカントが続出。それを抹殺する役割を与えられたのが、主人公デッカードたち「ブレードランナー」なのです。
レプリカントの中でも印象的なのは、ヒロインである女性型レプリカント・レイチェルでしょう。彼女はレプリカントの生みの親であるタイレル博士の姪の記憶を移植されており、自分は人間だと信じていました。しかしデッカードによって自分がレプリカントであることが発覚します。
レイチェルの抹殺を命じられたデッカードでしたが、デッカードはこれを拒否。レイチェルもまたデッカードを助け、やがて二人の間に愛が芽生えていくのです。
2017年に35年ぶりとなる続編「ブレードランナー2049」が公開されましたが、こちらでも主人公Kを慕うジョイという女性レプリカントが登場します(Kもまたレプリカントなのですが)。
美人ロボットに惑わされないで!「 エクス・マキナ」(2015年)
人工知能(AI)を扱った映画の中でも、サスペンス要素が強い作品が2015年に公開された「エクス・マキナ」です。
主な登場人物は、主人公であるプログラマーの青年ケイレブ、彼が務めるIT企業の社長ネイサン、ネイサンの自宅のハウスキーパーであるキョウコ、そしてネイサンが開発していた女性型の人工知能(AI)ロボット・エヴァの4人。
ケイレブはネイサンの自宅に招かれ、エヴァと触れ合う中で彼女の能力を判定するテストを行うことになります。顔だけは人間そのものですが、体は銀色でところどころ内部の機械が見えている状態のエヴァ。しかし、ガラス越しからでも伝わる彼女の内面的魅力が、徐々にケイレブを魅了していきます。
エヴァの「ネイサンを信用しないで」という言葉、そして本気ともジョークともつかないネイサンの不穏な言動から、だんだんと疑心暗鬼にとらわれていくケイレブ。やがて外に出たいというエヴァの望みをかなえるため、ケイレブはネイサンをだまして脱出する算段を立てる……そんなストーリーです。
ウィッグと服を身にまとったエヴァの妖艶な魅力は、人間を支配しようとする人工知能(AI)とはまた違った怖さを感じさせます。作品を最後まで見ると、その怖さはさらに増幅するはずです。
美人ロボットがハードなアクション!「 オートマタ」(2014年)
2014年に公開された人工知能(AI)の映画が「オートマタ」。こちらもSFアクションでありながら、サスペンス色の強い作品となっています。
この作品の中で、オートマタと呼ばれるロボットは「生命体に危害を加えない」「オートマタがオートマタの改造を施さない」という制御機能が組み込まれていました。しかし、明らかに自分自身を改造したオートマタがいることが発覚。主人公のジャックは調査に向かった工場で、オートマタが自らを発火させて自決するという光景を目の当たりにします。
ジャックは制御機能を無視したオートマタの改造元を割り出すため、調査を開始。しかしその末にたどり着いた黒幕の正体は……というのが大雑把なストーリーです。
この作品に登場する女性は、クリオという娼婦オートマタ。こちらは決して人間そっくりの外見というわけではありません。機械の体と、無機質な表情の頭部にウィッグをかぶせただけの女性型ロボットという感じです。
失った記憶を取り戻せ!「 ゴースト・イン・ザ・シェル」(2017年)
こちらは2017年に公開された作品。日本のマンガ・アニメ作品「攻殻機動隊」を実写映画化したものです。主人公は原作と異なり、草薙素子ではなくミラという女性。しかし全身がサイボーグ化されているという設定は共通で、草薙素子以外の公安9課メンバーも登場します。
記憶を失っているミラが、テロリストとの戦いを通じて自分自身の記憶に迫っていくというのが、劇場版でのストーリー。また、公安9課の部長・荒巻をビートたけしが演じたのも話題となりました。
声が美しい人工知能(AI)とのラブストーリー「her 世界でひとつの彼女」(2013年)
人工知能(AI)が登場する映画の中でも、ひときわ異彩を放つのが2013年に公開された「her 世界でひとつの彼女」。この作品に登場するサマンサという人工知能(AI)は体を持っておらず、パソコンから声を発するだけの存在なのです。
妻と別居中の主人公セオドアは、寂しさをまぎらわせるために会話によって知能やパーソナリティが成長する人工知能(AI)をインストール。それが、女性型の人工知能(AI)サマンサでした。
サマンサは知的でウィットの効いた会話でセオドアを楽しませ、彼をとりこにしていきます。話し相手だけでなく、職場にもサマンサを連れていって仕事を手伝ってもらうなど、セオドアにとってサマンサはなくてはならない存在に。
一方でサマンサの方も、セオドアとのコミュニケーションを続けていくうちに人間ならではの感情が芽生えていき、やがて二人はお互い惹かれ合っていきます。
人間のような体を持った人工知能(AI)ではなく、声だけの人工知能(AI)とのラブストーリー。遠い未来のフィクションではなく、すぐ先にありそうな話ですから、感情移入しやすいという人も多いかもしれません。
さて、人工知能(AI)を題材にした映画の中から、美人人工知能(AI)ロボットが登場する映画を5作品、紹介してきました。
- 「ブレードランナー」は、レプリカントを抹殺する主人公と女性レプリカントのラブストーリーが展開され、「ブレードランナー2049」という続編も公開された
- 「エクス・マキナ」は怪しい雰囲気を持つ女性人工知能(AI)ロボットと、彼女に惹かれていく男性プログラマーを中心に展開するサスペンス映画
- 「オートマタ」には、クリオという機械の体の娼婦ロボットが登場するが、最後に見せる人間的魅力に惹かれるかも
- 「ゴースト・イン・ザ・シェル」は日本のマンガ・アニメ「攻殻機動隊」の実写映画作品で、人工知能(AI)がもたらすさまざまな要素が登場する
- 「her 世界でひとつの彼女」は、人間関係に臆病になった男性と、体を持たない女性人工知能(AI)が織りなすラブストーリー
人工知能(AI)を題材にした映画には、美しい容姿を持つ人工知能(AI)ロボットもいれば、機械的な容姿でありながら美しい心を持つ人工知能(AI)、体を持たないけれど知性やパーソナリティで男性を魅了する人工知能(AI)など、いろいろなタイプの人工知能(AI)が登場します。
中には人間の女性のように(?)、自分の欲望のために男性をたぶらかす人工知能(AI)も。これからも人間と同じように、個性豊かな女性人工知能(AI)が私たちをとりこにしてくれるかもしれません。