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AI(人工知能)が金融業界に革命をもたらした!その事例を紹介

AI(人工知能)が金融業界に革命をもたらした!その事例を紹介

AI(人工知能)を使って新しいことができるようになったという話を聞くようになりましたね。

様々な業界でAI(人工知能)の存在が無視できなくなっておりそれは金融業界も例外ではありません。

しかしAI(人工知能)が金融機関にといってもいまいちピンと来ないのも事実。ですがお客さんから見た外側だけでなく従業員から見た内側からも変化が起きているのです。

そこで今回は「AI(人工知能)が金融業界に革命をもたらした!その事例を紹介」と題しAI(人工知能)が金融業界にどのような変化をもたらしているかや期待されているかをご紹介しましょう。

それではまず、手作業を省エネルギー化し従業員の負担が大きく減った事例からお伝えします。

AI(人工知能)が金融機関の手作業を省エネルギー化

手作業を省エネ化のイメージ
初めに金融機関は日本の産業の中でもIT化が進んでいるかというとそんなことはありません。

AI(人工知能)がそんな金融業界に変化をもたらした例としてみずほグループの金融機関の1つである資産管理サービス信託銀行株式会社(TCSB)をご紹介します。

この会社ではデリバティブという金融商品を扱っており、顧客がこの取引をするには証拠金が必要です。ですから利益が出ればその残高が増え損をすると減ってしまうし、なくなればもちろん取引は続けられなくなります。

同会社の取引先は10社ほどあり、口座の数は30近くあり、AI(人工知能)を導入するまでは4人が毎日2時間かけてこなしていました。金融機関のイメージに反しなかなか省エネルギー化できなかったのは顧客が自社のフォーマットでTCSBに報告書を提出していたからで、4人は一つ一つ読んで必要な情報を入力していたのです。

そこで改善に乗り出したのは2015年末のこと。光学的文字認識(OCR)技術を用いて紙に印刷された手書きの文字や数字をテキストデータとしてコンピューターに読み込ませ、AI(人工知能)に適切な数字を判断させ証拠金の残高を確認させました。

このシステムが本格的に稼働したのは2017年の3月でプロジェクトの開始から時間はかかりましたが効果は絶大なものでした。

前まで4人で2時間かかっていたのが2人で20分にまで短縮できたのです。単純計算すると4人×60分×2=480分に対し2人×20分=40分なので作業量は12分の1まで減らせたということになります。

AI(人工知能)による革命は小さな金融機関にも!問い合わせの自動化

問い合わせ自動化のイメージ
AI(人工知能)による仕事への変化は小さな金融機関にも起きています。

ここでご紹介するのは朝日信用金庫。この金融機関ではAI(人工知能)を問い合わせ業務に活用しています。

しかし、この金融機関を利用している人や取引先企業はそれを実感することはありません。それはなぜかというと、自動化しているのは金庫内の問い合わせ業務だからです。

ここで金庫内の問い合わせ業務について詳しく触れていきます。この業務は支店の職員にわからないことがあり、そこの職員ではわからない場合は本店に問い合わせをする仕事がありました。

この業務の問題点として、本店の職員は問い合わせが来るたびに自分の業務を中断させなくてはならないことが最初に挙げられます。また、問い合わせ内容も難しい内容が中心になるのでそれを受けた職員は時間をかけて調べなくてはなりません。

この時職員は上司に尋ねたり金融庁や税務署に問い合わせなくてはならなくなる可能性もありました。

そこで、AI(人工知能)を導入した解決方法は次の通り。

この金融機関の支店職員が本部職員に問い合わせた内容を本部職員がAI(人工知能)に質問します。するとAI(人工知能)は質問内容を解読し並々ならぬ量の事務規定から複数の回答候補を出し、本部職員はその中から適したものを支店職員に回答。

使う職員が本部職員以外にも拡大すれば手元に先輩や上司を持つようなものになりますよね。これによって社員が顧客へのサービスの質を上げることに専念しやすくなることが期待できます。

もはや人間は不要?!AI(人工知能)は株価予測もできるようになった

株取引自動化のイメージ
AI(人工知能)の導入による金融業界の変化は私たちが一度は聞いたことがあるであろうところにも起きています。

それはみずほフィナンシャルグループと三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

みずほフィナンシャルグループでは日本株のトレーディング業務でアルゴリズム取引にAI(人工知能)を使っています。

同社が提供している取引システムでは、企業の株価がどのような値動きをするか30分後と1時間後の予測。情報源は全て匿名になっており他社と差別化するポイントとなっています。
この株価の予測では、同社が提供するディープラーニングが用いられており、銘柄ごとに5000種類近くの情報やデータが用いられておりここから法則や周期性を見つけ予測に繋げているのです。同社はこのシステムに特許の出願をしているという報道もありました。

また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券も株価の予測を行なっています

日経平均株価の予測実験を公開しており、過去15年分の為替と株のデータから92種類の経済指標をAI(人工知能)に学習。それを現在の経済指標に当てはめることで予測を立てる仕組みを開発しました。騰落的中率は90パーセントにのぼったとのこと。

しかしAI(人工知能)による予測の精度の高さは人間を凌駕しつつあるので、人間側はこれとどう向き合っていくかが課題となります。

AI(人工知能)の目は誤魔化せない!金融機関の不正取引

不正取引を見逃さないイメージ
ところで株式の取引では不正取引が脅威の一つとなっています。

例えばSBI証券。個人投資家による不正な注文を長期間にわたり見過ごしていたという大きな問題が起きており、こういった事態を阻止するのが急務となっているのです。

不正な売買だと各担当者が一定の基準を基に該当する恐れのあるものを見つけ出していました。しかしこういった不公正取引には仮装売買や馴合売買、株価操作などと呼ばれる相場操縦も含まれており、人間の手で見つけ出すのは効率がいいとは言えません。

このような中でNECが開発したAI(人工知能)の技術である「NEC the WISE」からディープラーニング技術の「RAPID機械学習」が金融機関から注目されています。

先ほど挙げたSBI証券では、この「RAPID機械学習」を用いて売買審査業務の実証実験を開始。今までは不正の疑いがあるものに対して予め設定したシステムで見つけるなどの手は打っていましたが、効率性が課題となっていました。そこでAI(人工知能)に初期調査の多くを任せることで担当者の負担を減らしたいとしています。

楽天証券も同技術を用いて不正取引を自動で判定できるかの実験を行なっており、今後はマネーロンダリングなどの不正行為の検知や防止にも活かせないか検討していくとしています。

こういった監視といった面をAI(人工知能)に任せることにより社員の負担軽減は勿論、速度と精度の両面での改善が期待できるでしょう。
金融の人工知能化のまとめ
今回は「AI(人工知能)が金融業界に革命をもたらした!その事例を紹介」と題しAI(人工知能)が金融機関にどのような変化をもたらしたり見込まれているかをご紹介いたしました。

手作業の負担を大幅に減らせたり、社内での問い合わせにAI(人工知能)を取り入れたり。また、AI(人工知能)が株価予測で精度を上げていたり、そして不正取引の対策に活かそうとしていたりと、様々な実例がありました。

AI(人工知能)が金融機関に使われると一口に言っても多岐にわたり必ずしもお客さんや取引先と直接関係があるとは限りません。

AI(人工知能)を使った製品やサービスがよくメディアで取り上げられる中業務の改善といった使われ方もあります。働き方改革という言葉も出てきた中で何か取り入れられるものがあるといいですよね。

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