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今はオンラインで管理する!最新の電子カルテサービスをまとめてみた

今はオンラインで管理する!最新の電子カルテサービスをまとめてみた

昨今、オンライン会議やオンラインゲームなどあらゆるシーンで「オンライン」という言葉をよく耳にしますよね。実は、医療界でもオンライン化が進んでいて、おなじみの手書きカルテはインターネットにつながる電子カルテに変わりつつあります。

そもそも電子カルテとは、患者の診察内容や処方薬などを記載した紙のカルテを電子化したものですが、最近人気なのはオンラインの電子カルテです。インターネットにつながっているので情報を共有しやすく、たとえ病院を離れてもタブレット端末やスマホさえあれば、カルテの閲覧・編集も可能。ですから、往診時や在宅診療でも適切な指示を出せますよね。

こうした、オンラインで診療情報を管理する電子カルテは、用途が広くメリットも多いので、導入を進める病院やクリニックが増えています。

そこで今回は、今注目のオンラインの電子カルテとはどんなものかをお伝えし、最新の電子カルテサービスもご紹介します。この記事では、電子カルテサービスの比較ポイントも学べるので、運用を検討される方には役立つに違いありません。

オンラインで管理する電子カルテとは

電子カルテのイメージ

最初に、電子カルテとはどのようなものかを説明しましょう。

電子カルテとは、従来、医師が紙のカルテに記載していた患者の診察経過や処方薬などの診療内容を、電子的なデータとして記録・保存するシステムのこと。会計システムや臨床検査システム、薬剤システムなどとも連携して、これらすべてを患者情報としてカルテに記録します。

こうした患者データは各パソコンに保管されるので、複数の医師やスタッフでも同時にカルテ内容にアクセスでき、情報共有もしやすくなるでしょう。さらに、電子カルテなら、膨大なカルテデータの中から必要な情報をすぐに取り出せるので、紹介状や処方箋、検査など医療にともなう様々な作業が効率化されます。

このように、患者データの閲覧や検索が迅速に行える電子カルテは、日本では1999年に法律で認められましたが、それ以降はIT化の波とともに、大病院を中心に普及し始めました。

そんな中、人気を集めているのがオンラインで患者情報を管理する電子カルテ。つまり、インターネット回線を利用するクラウド型電子カルテです。

そもそも、電子カルテには大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」と2種類あります。オンプレミス型は、院内にサーバーや通信回線を設置して、院内のローカルコンピュータ間をローカルネットワークで接続し、データの保存・管理を行います。つまり、外部サーバーを使用せず院内で完結するシステムです。

これに対してクラウド型は、インターネットを通じてクラウド事業者が持つサーバーを借りて、そこでデータの管理を行います。したがって、インターネット環境が整っていればパソコンやモバイルデバイスなどから、いつでもどこでもカルテの閲覧ができます。なので、オンラインで電子カルテを運用するには、クラウド型電子カルテの導入が必須となります。

最近では、インターネットの普及とともに、クラウド型電子カルテの導入が相次いでいますが、その理由を次でお伝えしましょう。

電子カルテはクラウド型が主流になっている!その理由とは

クラウドのイメージ

これまでは、オンプレミス型電子カルテが主流で、多くの医療機関で使われていました。そんなオンプレミス型は、病院ごとに自由なカスタマイズが可能というメリットがありますが、その一方で自院にサーバーがあるため、メンテナンスやシステムバージョンアップは自身で行う必要があり、手間や費用がかかるというデメリットもありました。

それに対して、クラウド型電子カルテはカスタマイズ性は低いものの、インターネット環境があれば、今使用中のパソコンでもそのまま流用でき、初期費用が抑えられるという大きな強みがあります。

これが、クラウド型電子カルテ導入のハードルを下げる一番大きな要因となっていますが、この他にもクラウド型には以下のようなメリットがあります。

メンテナンスやトラブル対応の手間がかからない

クラウド型はデータセンターでデータを保管するので、もしサーバーに異常があってもデータセンターが迅速に対応してくれます。さらに、システムのバージョンアップやデータのバックアップも自動で行われます。

インターネット経由なのでどのパソコンからでもアクセスできる

クラウド型電子カルテは、どこにいてもパソコンやタブレットさえあれば、カルテの閲覧や記入ができます。なので、訪問診療など外出先でも適切な医療を行えます。

他のシステムと連携して効率よい診察ができる

たとえば、Web問診システムを使って、患者がスマホから事前に症状を入力すれば、連携するクラウド型電子カルテに情報が送られ、医師の問診もスムーズ進みます。こうした連携により、医師のカルテ記載時間も削減し業務効率化が図れるでしょう。

このようにクラウド型は、従来のオンプレミス型に比べてカルテの運用が楽で利便性も高いので、新規開業の医療機関や中小規模のクリニックなどで、今や主流となっています。

それでは、実際におすすめしたい最新の電子カルテサービスをご紹介しましょう。

代表的な電子カルテサービス:CLIUS(クリアス)株式会社Donuts

CLIUS

最初にご紹介するのは、クリニック(無床診療所)向けのクラウド型電子カルテサービス「CLIUS(クリアス)」です。

CLIUS(クリアス)を提供するDonutsは、バックオフィス支援システム「ジョブカン」でおなじみですが、累計6万社以上の導入実績があり、とにかく使いやすさにこだわっています

主な特徴は以下の通りです。

入力が簡単で操作がしやすい

パソコン操作に不慣れでも、1画面に完結されたシンプルな画面設計なので、診察の流れにそって直感的に操作できます。

Windows・Mac・iPadで利用できる

端末を限定せずに利用できるので、パソコンを買い替える必要もありません。また、iPadからのカルテ操作・閲覧ができるので訪問診療にも役立ちます。

クリニック間で情報共有ができる

クループクリニック間で患者の診察情報を共有、閲覧できるので、患者が複数のクリニックに通う時でも適切な診療が行えます。

オンライン診療にも対応

オプション対象となりますが、オンライン診療のためのビデオチャット機能も追加できます。なので、患者はパソコンかスマホさえあれば、ダウンロードの必要もなく自宅にいながら診察を受けられます。

この他、CLIUS(クリアス)では、電子カルテと他のシステムとの連携も支援しています。たとえば、Web予約システムや決済システムなど院内のIT面をトータルでサポートしてくれます。ですから、CLIUS(クリアス)を上手く使えばクリニックをより効率的に運営できるに違いありません。

代表的な電子カルテサービス:M3 DigiKar(エムスリーデジカル)エムスリーデジカル株式会社

M3 DigiKar

医療従事者専用サイトを運営するエムスリーデジカル社提供の「M3 DigiKar(エムスリーデジカル)」は、クラウド型電子カルテ導入数No.1で、現場のニーズに合わせた便利な機能を豊富に備えています。

主な特徴は以下のとおりです。

操作がシンプルでマニュアル不要

導入時に分厚いマニュアルを読む必要がなく、見やすい画面設計なので、数時間のお試しでだけでサクサク操作できます。

AI(人工知能)の自動学習機能でカルテ入力を効率化

カルテ内の全患者のデータから、医師の処置パターンをAI(人工知能)が学習し、自動表示してくれるのでカルテの入力作業が楽になります。

手書きしながら電子化できるiPad Pro

紙のカルテ運用に慣れている医師でも、iPad Proアプリを使えば、紙カルテと同じような書き心地でカルテの記入ができます。また、iPadで撮影した写真をそのままシェーマ(身体部位の絵図)のように利用できるので、写真を多用する診療科では重宝します。

手間やコストを抑えられる

導入時の初期費用が0円でメンテナンスの更新も不要。さらに、WindowsやMacを増設しても、追加料金がかからないのでコスト削減につながります。

他にも、M3 DigiKar導入の際はオンライン上で相談でき、稼働後も電話やリモートでサポートしてもらえるので、忙しい医師には安心ですよね。

代表的な電子カルテサービス:セコム・ユビキタス電子カルテ(セコム医療システム株式会社)

ユビキタスカルテ

「セコム・ユビキタス電子カルテ」は、セコムグループが提供するセキュリティ性の高いクラウド型電子カルテサービスで、病院から在宅診療まで幅広く導入されています。

主な特徴は以下のとおりです。

セキュリティ面が万全

データはセコムが運営する災害対策の整ったデータセンターに保管され、ネットワークにはセコムの専用回線「ヘルスケアネット」を使用。また、障害時に備えたバックアップ体制も万全なので、安心・安全な運用ができます。

患者情報の共有が安全に行える

患者ごとに共通IDを付与できるので、その番号をキーとして病院や診療所、老人保健施設など連携施設間でカルテの共有ができます。

様々な部門・システムと連携できる

医事・放射線・リハビリ・薬剤など、各種部門システムと連携できます。また、他の施設の電子カルテシステムとも共有でき、他の電子カルテからの乗り換えも可能です。

これに加えて、セコム・ユビキタス電子カルテなら、ネットワークを介して診療科別収入比較やコスト比較などのデータ分析を行えるので、経営戦略のツールとしても使えます。

その他代表的な電子カルテサービス

医療のイメージ

この他にも、以下のような特徴のある電子カルテサービスがあります。

カスタマイズ機能に優れた「Medicom-HRf」(PHC株式会社)

電子カルテ・レコセン(レセプトコンピュータ)シェア1位のPHC株式会社が提供する「Medicom-HRf」は、豊富な機能のカスタマイズができる電子カルテサービスです。なので、使い方に合わせてオプション機能を追加すれば、クリニックのオリジナル電子カルテになります。

さらに、クラウドとオンプレミスのハイブリッド対応なので、災害時にはクラウドに切り替えるなど利用環境に合わせて使い分けできます。また、レセプト作成やチェック機能も充実しているので、経営基盤をしっかり固めたい病院やクリニックにおすすめです。

コストを大きく抑える「きりんカルテ」(きりんカルテシステム株式会社)

「きりんカルテ」初期費用と月額利用料が無料で、導入コストを圧倒的に抑えられるクラウド型電子カルテサービスです(レセコン利用時には費用がかかります)。

無料とはいえ、カルテ作成機能の他、受付機能や予約機能などクリニックの運営に必要な機能も利用でき、さらに、訪問スケジュール作成や在宅医療文書作成など在宅に特化した機能も充実しています。また、「撮影・画像登録アプリ」で撮影した写真は、すぐに「きりんカルテ」に反映されるのでオンライン診療にも役立ちます。

このように、「きりんカルテ」は低コストでも機能が豊富なので、お試しで体験してみるのもよいでしょう。

以上お伝えしたように、電子カルテサービスと一言でいっても、企業ごとにサービス内容は異なるので選ぶ時には迷いますよね。でも、電子カルテでどんな効果を得たいのかを明確にすれば、自院にふさわしいシステムが見つかるに違いありません。

電子カルテの未来

在宅医療のイメージ

これからの医療現場では、「システムの連携」や「利便性のよさ」、「作業の効率化」を実現するために、オンラインの電子カルテを使うのは当たり前になるでしょう。

それに、オンラインの電子カルテなら、少子高齢化による医師や介護スタッフなどの人手不足を解消する、よき救世主になるかもしれません。

実際に、山形県の鶴岡地区では「1生涯/1患者/1カルテ」の機能を持たせる実証実験が行われています。これは1つのカルテに1人の患者すべての診療記録をデータ化してオンラインで共有するというもの。これなら病院を変えても、初診のたびにカルテを記入する時間を削減でき、医師の仕事を効率化します。また、過去の検査データなどの閲覧もできるので、治療方針が決めやすくなります。さらに、在宅患者にも診療情報の蓄積ができるため質の高い診療が期待できます。

今後、この機能が全国レベルに広がれば、出張先や引越先で病気にかかってもカルテさえあれば、迅速に適切な診察を受けられるでしょう。

このように、将来はオンラインで電子カルテを運用して、地域内のみならず日本全体で医療をサポートし合えるしくみができれば、医師の負担も減り患者にとっても安心ですよね。

まとめ

さて今回は、オンラインの電子カルテとは何かをお伝えし、おすすめの最新電子カルテサービスもご紹介しました。

まず、電子カルテとは患者の診察内容や処方箋などを記載した紙のカルテを電子化したものですが、インターネット回線を利用するクラウド型電子カルテなら、オンラインで患者情報を管理できます。

また、電子カルテには、オンプレミス型とクラウド型と2種類ありますが、クラウド型なら導入コストが抑えられ、タブレット端末やスマホさえあれば、どこでもカルテの閲覧ができるという強みから、今やオンプレミス型よりも人気を集めています。

そして、代表的な最新電子カルテサービスとして以下のようなシステムをご紹介しました。

  • 入力が簡単で使いやすい「CLIUS(クリアス)」
  • 機能が豊富な「M3 DigiKar(エムスリーデジカル)」
  • セキュリティ性が高い「セコム・ユビキタス電子カルテ」
  • カスタマイズ機能に優れた「Medicom-HRf」
  • コストを大きく抑える「キリンカルテ」

電子カルテサービスはこの他にも多くの種類がありますが、医療業務の何を効率化したいのか目的を明確にすれば、自院にとって最適なシステムが見つかるでしょう。

今後、日常のやり取りの中で、オンライン化はますます進むと考えられます。そんな中、医療の在り方も変わり「病院に行かずにできる診療」への需要は増えるでしょう。ですから、時代に乗り遅れないためにも、オンライン化した電子カルテの知識を増やしておけば、多様化する患者のニーズに対応できるに違いありません。

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