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AI(人工知能)の技術が革新的な日本のベンチャー企業3選

AI(人工知能)の技術は常に進化していて、新たなサービスの登場にはいつも驚かされます。Google・Amazon・Appleなどの世界的企業が一人勝ちしてしまうのではと、危惧されている方も多いのではないでしょうか。そんな競争が激化するAI業界において、はたして日本企業の実力はどうなっているのか気になりますよね。

そこで今回は、日本企業の中でもAI(人工知能)の技術が革新的なベンチャー企業3社を厳選しました。実はAIの開発においては、企業規模・開発予算・ビッグデータが必ずしも優位性にはならないといいます。ベンチャー企業のほうが独創的な着想・柔軟性や発展性が高いため、革新的なAI(人工知能)技術を生み出すことも多いのです。世界的企業が小規模なベンチャー企業を高額で買収するのも、そのあたりに理由があるのでしょう。

それでは、さっそく日本のベンチャー企業を紹介してまいります!

AI深層学習開発の『株式会社プリファードネットワークス』

株式会社プリファードネットワークスキャプチャーイメージ

株式会社プリファードネットワークス

 

最初は、最も将来性が期待されている『株式会社プリファードネットワークス』です。既に100億円以上の資金調達を行っており、一部ではユニコーン企業(企業価値10億ドル)になるとも囁かれています。出資企業には、トヨタ・ファナック・日立製作所・三井物産など日本の大手企業が名を連ねています。

未来のGoogleを標榜し、AIの深層学習開発(ディープラーニング)に特化した同社には、世界中から求職を希望するエンジニアが殺到しているそうです。そのきっかけとなったのは、「Chainer」という深層学習フレームワークをオープンソースとして公開したことに始まります。国内外の企業に「Chainer」が広く利用されることで、世界からAI(人工知能)の技術の高さを認められました。

Chainer

オープンソースの深層学習フレームワークChainerについて
Chainerは、Pythonベースのディープラーニング向けフレームワークとして、“Define-by-Run”の手法を通じてユーザーが簡単かつ直感的に複雑なニューラルネットワークを設計するための高い柔軟性とパフォーマンスを兼ね備えています。2015年6月にオープンソース化されたChainerは、最も普及しているディープラーニング向けフレームワークの1つとして、学術機関だけでなく、ディープラーニングがもたらすメリットを現実世界のアプリケーションや研究に活用するための柔軟なフレームワークを求める産業界の多くのユーザーに支持されています。
Chainerは、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、ChainerMN(分散深層学習)/ChainerRL(強化学習)/ChainerCV(コンピュータ・ビジョン)などの追加パッケージ開発、Chainer開発パートナー企業のサポートなどを通して、各分野の研究者や実務者の最先端の研究・開発活動を支援していくことを目指しています。

深層学習フレームワーク「Chainer」を公開した結果、

  • トヨタ自動車と自動運転およびコネクテッドカーに関する技術の研究開発
  • ファナック・日立製作所とロボティクスや工作機械への応用など
  • 国立がん研究センターとは医用画像の解析、ガンの早期診断技術の研究開発など
    • と、次々に業務提携を成功させています。

      AI(人工知能)の技術もさることながら、鮮やかにビジネスへ転換させた経営戦略手腕も見事としか言いようがありません。大手企業にとっての心臓部ともなるAIの基礎研究・開発部門として、確固たる地位を築き、近い内に世界市場へも進出していくことになるでしょう。

      モーションプランニングAIの『株式会社MUJIN』

      株式会社MUJINキャプチャーイメージ

      株式会社MUJIN

       

      FA(ファクトリーオートメーション)といえば、ものづくり日本を支えてきた分野であり、日本にもキーエンス・三菱電機・ファナックなど世界でもトップクラスの企業が名を連ねます。ほとんど人のいない工場で、アーム型ロボットがせわしなく動き回る映像を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

      そんな競争激しい業界において、モーションプランニングAIというソフトウェア技術で革命を起こす企業が『株式会社MUJIN』です。同社ではロボット自体は製造しておらず、ロボットを動かすソフトウェアの開発を手がけています。

      いくら優れた産業用ロボットでも、ロボットアームの角度や位置を細かく作業をティーチング(プログラミング)したりと相当な準備期間が必要です。繊細で複雑な作業になれば何十日もの日数がかかってしまいます。

      モーションプランニングというAI(人工知能)技術を搭載したロボットの場合は、スタートとゴールの姿勢を指示するだけで、ロボットがカメラ(ビジョン)を活用して環境や状況を判断して作業を行うのです。従来のロボットはティーチング(プログラミング)をしないと動かないのが当たり前でしたが、モーションプランニングはロボット自身に動作を考えさせましょうという発想でその常識を覆しました。

      今はまだ、一つの作業工程を行うにとどまりますが、やがては複数の作業をロボットが協力して作業をこなすようになったり、自らの判断で自律的な行動を行うマルチタスクなロボットに進化する可能性を秘めています。

      アイドル自動生成AIの『株式会社データグリッド』

      株式会社データグリッドキャプチャーイメージ

      株式会社データグリッド

       

      最後は、エンターテイメントの分野で活躍する『株式会社データグリッド』を紹介いたします。GAN(敵対的生成ネットワーク)というAI(人工知能)技術の応用により、「アイドル自動生成AI」を開発したことで一躍有名になりました。

      まずは、こちらの動画をご覧ください。

      【データグリッド】アイドル自動生成AI

      アイドルの画像をつなぎ合わせているのではなく、AIが次々と架空のアイドルの顔画像を高解像度・高品質で自動生成しているのです。これは、AIがビッグデータの組み合わせだけでなく、ゼロからクリエイティブな作品を生み出せる証拠となりました。

      現に同社は「クリエイティブAI開発」を標榜して、人間のクリエイターとの共創による新しいコンテンツの作成や、コンテンツの制作コストの大幅な削減を目指しています。クリエイティブ分野がAIに淘汰されてしまうのではなく、より高度で革新的な作品が生み出されるようになっていく事を期待しましょう。

       

      さて、今回は日本のベンチャー企業3社をご紹介しました。ひとくちにAI(人工知能)の技術といっても、企業によって取り組む分野や考え方が違って、それぞれに特徴がありましたよね。

      AI深層学習開発の『株式会社プリファードネットワークス』は、圧倒的な技術力を武器に様々な大手企業とタッグを組み、どんどんと多方面の分野に進出していきそうです。モーションプランニングAIの『株式会社MUJIN』は、ロボットの常識を変革し、FAだけでなくあらゆるロボットの分野に参入してくるでしょう。アイドル自動生成AIの『株式会社データグリッド』は、これまでのAIが苦手としてた創作の分野を切り開き、新たなAI領域のリーディングカンパニーになる可能性もあります。

      いずれの企業も世界と競争できるAI(人工知能)技術とオリジナリティーを備えています。Google・Amazon・Appleに匹敵する企業が、この日本から誕生する日が来るかも知れません。世界的企業に買収されてしまわないように祈りながらも、これら日本のベンチャー企業の動向には、ぜひ注目していてください!

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