AI(人工知能)ニュース

AIは仕事を奪うばかりではない。ポジティブなビジネス活用のコツ!

AIと仕事をするイメージ

AI(人工知能)というと、「これまで人間が行なっていた仕事を奪う」という言説が広まったことで、AI(人工知能)と聞くとネガティブな印象を抱いてしまう方も少なくありませんよね。

AI(人工知能)をポジティブなものと捉えようとする見方がある一方で、

野村総研では今後10〜20年後には日本の労働人口が就いている仕事の約49%が、ロボットやAI(人工知能)によって技術的に代替可能になるとの予測を示しています。

ですが、AI(人工知能)技術は日々進化しており、より多くの企業がAI(人工知能)を導入しつつある現在、これから労働力の代替が進んでいくことは、もはや不可避と言えます。こうした時代においては、AI(人工知能)をポジティブに捉えて、「AI(人工知能)を使って仕事をやりやすくするためには、どうするべきか?」という考え方が求められます。

そこで今回は、ビジネスでAI(人工知能)を活用するにあたって必要になる考え方や、AI(人工知能)がビジネスにおいてどのような強みを持っているかについてお伝えしましょう。

AIに「期待しすぎない」ことが大事

期待しないイメージ

昨今のAI(人工知能)ブームをはじめ、将棋や囲碁などでAI(人工知能)がプロの選手に勝ったことなどによって、多くの人がAI(人工知能)を「何でもできる、人間よりも優れた存在」と捉えがちです。

ですが、このようにAI(人工知能)に対して過剰な期待を抱いてしまうと、

いざビジネスにAI(人工知能)を導入した際に期待していたほどの結果が得られず、かえって失望してしまう原因にもなります。
大きすぎる期待に応えられないとなると、それまでAI(人工知能)に対して抱いていた過大評価が一気に過小評価に転じてしまい、それがAI(人工知能)の価値を正しく認識することを妨げてしまいます。

ビジネスでAI(人工知能)をポジティブに使うためには、まずは

AI(人工知能)をどんな目的で使い、それによってどんな価値やメリットを生み出せるかについて、まずは考える必要があります。
その際に、様々な企業が行っているAI(人工知能)活用の事例を参考にしつつ、AI(人工知能)をどう使えばメリットがあり、またうまく行かなかったケースなども参考にしながら、AI(人工知能)のポジティブな使い方を見極めていくことが大切です。

AIで「何をしたいか」を明確にする

レストランのイメージ

昨今、「AI(人工知能)を搭載した〇〇」「AI(人工知能)を活用した〇〇」といった謳い文句を用いた様々なサービスや製品が登場しています。ですが、AI(人工知能)はあくまでツールであり、それを導入するだけで差別化を図ろうとすると、かえってサービスや製品の品質低下を招く可能性があります。

たとえば、

顧客とのコミュニケーションが定評のレストランで、AI(人工知能)のチャットボットを用いた自動注文サービスを導入したとしましょう。
これによって、そのレストランには省人化や、人件費などのコスト削減といったメリットがありますが、
そのレストランの一番のウリであった「人とのふれあい」が失われてしまいます。

このように、提供するサービスや製品に単にAI(人工知能)を導入するだけでは、必ずしもポジティブな効果をもたらすとは限りません。AI(人工知能)を導入してメリットを生み出すためには、

まずはAI(人工知能)を活用すべき領域がどこなのかを明確にする必要があります。

また、AI(人工知能)は業務効率の改善やデータ分析、省人化などの様々なメリットをもたらす技術なので、

AI(人工知能)を活用することで業務負担を軽減したいのか、もしくはコスト削減が目的なのかなど、AI(人工知能)を導入する理由を明確に定めることが重要です。

先進的なテクノロジーを導入することでアピール効果を得ることはできますが、それ自体が目的になってしまうことは往々にしてあり得ます。AI(人工知能)をポジティブに活用するためには、まずは社内で「何のためにAI(人工知能)を使うのか」という目的を明確にしましょう。

出来るだけ多くのデータを集める

情報のイメージ

そして、AI(人工知能)をポジティブに活用するにあたって大事になるのが、データの収集です。AI(人工知能)は蓄積したデータに基づいて、人間の思考や経験では導き出せないような分析を行うことができます。

勿論、データに含まれた情報に偏りがあると、AI(人工知能)の分析結果も偏ったものになってしまうでしょう。ですので、より多くのデータがあればあるほど、AI(人工知能)の分析結果もより精度の高いものになります。

こうした「ビッグデータ」に基づいたAI(人工知能)のポジティブな活用の事例として、楽天が挙げられます。

同社では、女性ファッションのトレンド分析にAI(人工知能)を導入して、その分析結果に基づいてキャンペーンを実施したところ、売り上げが向上。

これは、楽天がこれまでに蓄積してきた膨大なデータを活用したもので、女性ファッションに関する商品の情報や検索動向、人気などに関する大量のデータを、AI(人工知能)を使ってカテゴライズしました。

その結果、人間のマーケターでは先入観や経験に囚われて見えなかった、新たなファッショントレンドのカテゴリーが見つかったのです。

仮説立てや予測はAIのほうが得意

仮説を検証するイメージ

このように、AI(人工知能)を使うことで人間では見つけられなかったパターン(特徴量)を発見することができます。ここで重要になるのが、ビッグデータを基にした分析や、それに基づいた仮説立ては、AI(人工知能)のほうが正確、ということ。

上記でご紹介した楽天のケースでは、AI(人工知能)はデータを分析してパターンを抽出するだけでなく、それに基づいたユーザーのニーズを探り出すことも行いました。つまり、

パターンを分析して「この商品ジャンルはまだ存在しないけれど、ニーズがある」という仮説をAI(人工知能)が立て、それらに「COOL & SEXY」や「Sweet Feminine」といった名前を人間が付けて、キャンペーンとして展開したのです。

これは、昨今のAI(人工知能)ブームで名を知られるようになった「ディープラーニング」という技術によって、AI(人工知能)が行える計算量が飛躍的に向上した結果でしょう。データの量が膨大になるほど、AI(人工知能)にパターンの抽出と仮説立てを任せたほうが、より正確な結果を導き出すことができます。

もちろん、抽出したパターンの数が数十個程度であれば、人力で検証して仮説を立てることも可能ですが、パターンの数が数百個、数千個にも及ぶようになってくると、もはや人間では対応不可能なレベルです。現在はSNSやeコマースなどの普及によって膨大な量のデータを収集できるようになりました。
これらのデータを活用するためには、AI(人工知能)を導入するのが最適解と言えますよね。

このように、AI(人工知能)がもたらす具体的なメリットを理解し、使う目的が明確であれば、AI(人工知能)をポジティブに活用してメリットを享受することができます。現在行っている業務のどんな箇所にAI(人工知能)が導入できて、それによってどんなポジティブな結果を得られるかについて、一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

AIと仕事をするイメージ

業務効率の改善やコスト削減、またマーケティング用のツールとしてなど、AI(人工知能)によってポジティブな結果を得る方法は沢山あります。ですが一方では、AI(人工知能)の普及によって人間の仕事が奪われるという、「AI脅威論」も根付いています。

こうした言説に惑わされずに、AI(人工知能)を便利なツールとしてポジティブに活用するためには、まずはAI(人工知能)によって何が出来るのかを具体的に知っていくことが重要でしょう。その上で、自社のサービスや製品において、AI(人工知能)がどのように使えるかを考えることが大切になりますよね。

AI(人工知能)を使う目的や、得られるメリットが明確になると、具体的に何をすればいいのかがハッキリします。現在、様々な企業でAI(人工知能)を導入している事例が数多くありますので、それらを参考にしながら、開発するサービスや製品、もしくは社内システムの管理など、目的に応じたAI(人工知能)の活用法を見つけましょう。

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