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システム開発の主流「アジャイル開発」とは?その特徴を3分で解説

システム開発の主流「アジャイル開発」とは?その特徴を3分で解説

ITでの開発にはさまざまなシステム開発の技術があり、どれをどのように使えば良いのか迷ってしまうこともありますよね。そんな時におすすめなのがアジャイル開発で、場合によっては第一選択の候補にあげても良いシステム開発の技術です。アジャイル開発という選択肢が存在するだけで、ひとつの案が浮かび、スムーズな開発へとつながる可能性もあります。

しかし、そもそもアジャイル開発とはなにか、アジャイル開発について聞いたことがあるけれど実際は良く知らない、どんなシステム開発なのかわからない、という人もいるかもしれません。そこで今回は、アジャイル開発について、その基本から使うにあたって必要な知識についてお伝えします。まずは、アジャイル開発とはどのようなものであるか解説しましょう。

アジャイル開発とは

細かいサイクルのイメージ
アジャイル開発のアジャイル(Agile)とは「素早い」という意味で、従来のシステム開発手法に比べて開発期間が短く済むシステム開発の手法のひとつです。その秘訣はシステム開発の区切りが大きな単位ではなく、小さな単位でおこなわれることにあります。

従来型のシステム開発として有名なのがウォーターフォール開発で、これは最初の段階で要件定義や設計をおこない、開発やテスト、運用などを順々に進めていくというものでした。ウォーターフォール開発は予算や納期をコントロールしやすい一方、仕様の抜け落ちや変更があると前の工程を見直さなければならず、開発期間の延長へとつながるというデメリットがありました。

その一方でアジャイル開発では小さい単位で進められるため、仕様の変更や追加機能のシステム開発が容易です。これは、市場の変化やITの新技術を組み込みに対応する必要のある現代において有効であり、現在主流のシステム開発手法のひとつとして使われています。

アジャイル手法の大きな説明は以上の通りです。そこで、アジャイル開発の実際はどうなっているのか気になるところ。次にアジャイル開発の流れと特徴について説明します。

アジャイル開発の流れ・特徴

反復してシステム開発を進めるイメージ
アジャイル開発では、厳密な仕様は置いといて、おおまかな要求と仕様のみ決定してシステム開発を進めます。なぜ厳密に決定しないのかというと、システム開発途中に仕様変更があるのは普通のこと、という前提があるからです。大まかな要求と仕様を決定したら、イテレーションという段階に移ります。

イテレーションはアジャイル開発の肝となる開発段階で、イテレーションを組み込むことで素早いシステム開発を実現しています。イテレーション(iteration)とは「反復」を意味し、小さな単位で計画、設計、開発、実装、テストといったサイクルを回し、機能を順々にリリースすること。数週間から1か月程度がイテレーションのサイクルで、イテレーション1、イテレーション2、イテレーション3・・・と細かく繰り返してシステム開発と毎回の製品のリリースをするのがアジャイル開発です。

このような反復的な小さなサイクルは、アジャイル開発の大きな特徴といえます。また、この特徴から派生して、顧客と連携したシステム開発をより良くおこなうことができることも特徴。

またアジャイル開発は反復的なサイクルの度に機能の確認ができます。このため、システム開発における状況変化による顧客からの要望の変化、仕様の変更に対してもアジャイル開発は強く、結果として顧客の満足度が高くなるとのこと。

このように、アジャイル開発にはイテレーションと呼ばれる小サイクルでシステム開発をおこなうこと、顧客との連携が強いことが主な特徴です。次に、アジャイル開発を使うことでどのようなメリットがあり、一方でデメリットがあるのか確認します。

アジャイル開発を使うことのメリット・デメリット

天秤のイメージ
アジャイル開発には素早くシステム開発を進めることが可能であること、顧客との連携が強いこと、不具合が発生したときに戻る工程が少ないという特徴もあります。

従来から使われているウォーターフォール開発では、最初に決定した仕様や要求を重んじるため、もし不具合が発生した場合、大幅に工程を戻したり、時間やコストがかかったりするという問題がありました。一方、アジャイル開発では小さな単位でシステム開発をおこなうため、戻す工程の量が少なくて済み、機敏に修正をおこなえます。

メリットの多いアジャイル開発ですが、柔軟性や素早さを重視するがためにデメリットも存在します。一番のデメリットは、進捗管理や方針、方向性の管理が難しいことでしょう。

アジャイル開発は最初の段階で厳格な仕様決定をおこなわず進めることから、全体でどのようなスケジュールとなるのか、進捗管理が難しくなります。さらに、柔軟で素早さを重視するため、サイクル毎で方針や方向性が変わってしまったり、最初の段階で明確に要求を聞き出さないことであやふやにシステム開発を進めなければならなかったりします。

ここまでアジャイル開発のメリット・デメリットを解説しました。続いて、アジャイル開発はどのようなプロジェクトに向いているのかお伝えします。

アジャイル開発に向いているプロジェクトとは

探り探りのイメージ
システム開発の手法には向き不向きがあり、アジャイル開発も当然ながら向き不向きがあります。アジャイル開発に向いているのは仕様の変更や機能の追加の予定がある場合や、ユーザーの意見を多く盛り込みたい場合、全体像がはっきりしていない場合などです。

アジャイル開発は、プロジェクトの方針や方向性の変化に対して柔軟な対応ができます。そのため、あらかじめ仕様の変更や機能の追加が決まっている場合や、その可能性がある場合に真価を発揮します。小さな単位でシステム開発を進め、機能のリリースなどのタイミングで顧客と話し合い、要求を聞くことで細やかな修正が可能でしょう。

また、プロジェクト推進においてユーザーのニーズを良く聞きたいと考えている場合にもアジャイル開発は向いています。機能のリリースなどのタイミングで、その都度顧客との話し合いを設け、使い勝手や状況の変化から要求を聞き出すことがアジャイル開発では容易に可能です。

プロジェクトの全体像が決まっていない、ボヤっとしている場合にはウォーターフォール開発などの手法はあまり適していません。一方でアジャイル開発は、最初に要求や仕様をかっちり決めず、大きな枠で決定するので、まだあやふやなプロジェクトに適しています。まずは始めてみてから、という場合に役立つシステム開発の手法です。

最後に、アジャイル開発をするにあたってやるべきことを解説します。

アジャイル開発を行いたいときに、やるべきこととは

ドキュメントのイメージ
アジャイル開発は、闇雲に始めれば良いものではありません。アジャイル開発をおこなうための前の段階としてやるべきこと、あるいは心掛けておきたいことがあります。

ひとつは目的を定めること。これまでのアジャイル開発の説明からすると、ちょっと不思議に感じますよね。最初から明確に仕様や要求を定めないアジャイル開発ですが、行き当たりばったりでは無駄な作業が増えてしまいます。変更するのは当たり前だ、とは考えつつも最終的な目的は定めましょう。

また進捗管理をすることも、アジャイル開発には重要なことです。プロジェクトは個人ではなくチームでおこなうため、誰がどのような作業にあたっていたり、どれだけ進んでいるのか把握したりすることは非常に重要なこと。進捗管理の難しいアジャイル開発だからこそ、チーム内で円滑に意思疎通できる仕組みづくりを忘れずに。

さらにアジャイル開発で見逃されがちなのが、要件定義書や設計書といったドキュメントの作成・共有です。作業の方針を決めたり、何をすればいいのか把握したりする以外にも、引継ぎをするためにもドキュメントは必要です。

まとめ
さて、今回はアジャイル開発について必要な知識をお伝えしました。アジャイル開発とは、変更や修正は生じることを前提として、最初にきっちり仕様や要求などを固めず、小さな単位で柔軟におこなうことで、短い期間で進める手法です。

その特徴は主に次の通りです。

  • イテレーションと呼ばれる小サイクルを用いる
  • 機能の確認や新しい要求の聞き取りなど、顧客と連携を強めることが可能

アジャイル開発について主なメリットは、素早くシステム開発を進められる、顧客との連携が強い、不具合が発生したときに戻る工程が少ない、です。一方、デメリットは進捗管理や方針、方向性の管理が難しい、になります。アジャイル開発に向いているプロジェクトは、仕様の変更や機能の追加の予定がある、ユーザーの意見を多く盛り込みたい、全体像がはっきりしていないプロジェクトです。

アジャイル開発は現在主流であり、システム開発の手法を検討するうえでぜひとも検討したいところですね。ちなみに当メディア(AIZINE)を運営しているAI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発会社お多福ラボでもアジャイル開発の導入のお手伝いをしているので、お気軽にご相談下さい。

AI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発のお多福ラボ

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