DX(デジタルトランスフォーメーション)

これからの時代知っておくべき!経営企画で取り組むべきDX推進とは

これからの時代知っておくべき!経営企画で取り組むべきDX推進とは

経営陣の近くで仕事をサポートする「経営企画部」を設置している企業は多いですよね。でも、経営企画の仕事が企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に、重要な役割を担っていることはあまり知られていません。

そもそも「経営企画」は会社の中でも「花形」と呼べるセクションでありながら、仕事自体つかみどころがないイメージがあるでしょう。でも実は、経営陣の意向を受けて「経営戦略」を立て、実行するという企業の”かじとり“のような大切な任務を背負っています。

そんな中、現在日本の企業が直面しているのは、時代の変化に合わせた経営戦略。すなわちDX(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネス変革です。ですが、DXを成功させるには、社内に新しいビジネスモデルを作り上げる必要があります。そこで、会社の中心となってDXを推し進める部署として、「経営企画」の存在が大きくなっています。

そんなわけで今回は、「経営企画」がDX推進に、どのように関わり取り組むべきなのかをお伝えします。この記事で、「経営企画」の新たな役割が見えてくるに違いありません。

まずは経営企画の基本とは

経営のイメージ

これから「経営企画」の話をする前に、基本的な仕事を押さえましょう。

まず、「経営企画」は社長や経営層の意向を受けて経営戦略を立て、そのプランの実現に必要な経営資源(人・物・金)の最適配分を行います。そして、その戦略を円滑に進めるために、予算・目標・プロセスなども設定・管理します。つまり、会社のコンサル的職種とも言えるでしょう。

また、「経営企画」は企業のトップに近い立ち位置で仕事をサポートするため、華やかなイメージがありますが、会社の規模が一定以下であれば、これらの仕事は経営陣自身が行う場合もあります。

※さらに詳しい説明は、こちらをご覧ください

経営企画とは?意味や重要性をわかりやすく解説 | お多福ラボ
競争が激化したビジネス環境で生き残るためには、中長期の経営戦略の立案は必要不可欠ですよね。経営戦略に方向付けられた中長期、または短期の計画立案のことを経営企画と言いますが、経営企画はますます重要度が高まっています。今回はそんな経営企画の意味や重要性についてお伝えします。

では、「経営企画」の具体的な仕事を見ていきましょう。

自社データを分析して経営戦略を立案する

営業データや人材データなど、正確な自社データを収集・分析して会社の今の状態を把握します。その分析結果に、市場のニーズや競合他社のマーケティング状況などを組み合わせて、中長期的な視点で経営戦略を考えます。また、トップが意思決定を行うために、必要な情報を収集し提供することもあります。

経営戦略案を経営陣に提案し目標を設定する

立案した経営戦略を経営会議で提案しますが、ここでは、経営陣の意思決定を促すために説得力あるプレゼンテーションが求められます。また、目標を数値化することで、達成度が可視化されやりがいにもつながります。

経営目標達成のために社内調整を行う

全社的に経営戦略を進めるには、他部署の協力や理解が必須です。そのためにも、他部門の責任者に経営目標をわかりやすく説明し、業務を適正な部署に振り分けます。また、定期的に進捗状況を確認し、目標達成が困難な要素が見つかれば取り除き、目標の見直しを図ります。

以上のように、「経営企画」は経営戦略の立案から実施運用、見直し、改善まで幅広い業務を担っており、PDCA(企画・実行・点検・改善)サイクルを効果的に回すスキルも必要です。この他に、企業の収益拡大のための新規事業や、それに伴う企業買収、企業提携(M&A)などスケールの大きな仕事にも関わります。

このように、「経営企画」は会社の方向性を決定づける大きな役割を持ちますが、最近では、DXの推進にも「経営企画」の力は不可欠になっています。

そこで次に、DX時代の中で「経営企画」が持つ役割、そして企業内の立ち位置などについて解説します。

経営企画とDXの関係

DXのイメージ

あらゆる産業で求められるDXですが、企業内でDXを推し進める部門は様々です。たとえば、「IT部門」「事業部門」「総務部門」「経営企画部門」「DX専門推進部門」など。中でも、デジタル化に詳しい「IT部門」が中心となって進めるイメージがありますが、ここにおもしろい調査結果があります。

日本の大企業におけるDXの取り組みを調査した「DX動向調査」(2019年12月実施 従業員1000人以上 479社対象 デルテクノロジーズ社)によると、DXを推進している部門のトップは「経営企画部」で37.5%、次いで「DX専門推進部門」31.3%、「IT部門」25.0%と続いており、予想外の結果ですよね。

実は、DXの実現には「IT部門」だけ、あるいは「事業部門」だけでは調整できないような様々な問題があります。たとえば、部門ごとに仕事のやり方や使用する固有名詞、専門用語などがあり、それが意志の疎通を妨げることもあります。それらを取りまとめて、全社的な経営戦略としてDXを展開する部門が「経営企画」。

つまり、「経営企画」はDX実現への先導的な役割を持っていると言えます。

経営企画としてDX推進をどう担うべきか

交渉のイメージ

それでは、DX実現に向けて「経営企画」に求められる仕事を詳しく説明しましょう。

経営陣にデジタル変革の重要性を理解してもらう

DXを成功させるためには、「なぜDXが必要なのか」「DXによって何をするのか」などを明確にして、経営陣にDXに対するコミットメントを得ることが大切です。そのためにも「経営企画」は、社内やグループ会社に散らばる情報をリアルタイムで集め、その情報に基づいた戦略を経営陣に提案し、理解を得るという任務があります。

また、デジタル変革によって、自社がどのような新しい価値を生み出せるかを具体的に提示することで、経営陣とビジョンも共有できます。

DX推進のための体制を整える

DXをスムーズに進めるため、社内の新しい組織作りにも「経営企画」の力は不可欠です。

まず、戦略に基づいたDXを進めるには、PDCAサイクルを回しながら仮設検証できる体制が必要です。場合によっては、DX推進のための専門部署を設けたり、各部署にデジタル技術に精通した人材を配置したり、意思決定がスピーディーに行えるしくみを整えます。

また、いきなり大きなシステム変革をするのではなく、最初は小さい規模で始めて、成功を重ねながら試行錯誤を繰り返し、DXのノウハウを積み上げることも大切です。それに、DX推進には失敗はつきもの。なので、成果主義に固執しないで、失敗から学べるような風通しの良い組織づくりを「経営企画」が担えば、DX実現の近道になるに違いありません。

DXが全社的に展開できるように部門間の調整を行う

DXは、会社全体の経営戦略として「経営企画」が中心になって進めていくことが大切です。

たとえば、DX推進には「IT部門」、「事業部門」「総務部門」「営業部門」など部門間の利害や対立の調整が必要です。そのため「経営企画」は、一つの部門だけでは解決できない様々な問題をとりまとめてDXにつなげていく、ブリッジングとしての役割があります。

こうして、経営者から現場スタッフまで全員が一丸となって、経営課題を解決しようという意識が共有できれば、DX推進の大きな原動力になるに違いありません。

DXの費用対効果の意思決定を行う

DXへの取り組みは長期のプロジェクトになることもあり、かなりの投資をしても、しばらくは収益が出ない期間があります。ここでDXから撤退するのか、このまま進めるのかなど、重要な意思決定に携わるのも「経営企画」です。

ただ大事なことはコストだけでなく、ビジネスにプラスになる判断をすること。それに、リターンを求めすぎると新たな挑戦ができず、企業の成長につながらないかもしれません。そのあたりは、経営陣にとっても難しい問題ですよね。なので、「経営企画」は経営陣にアドバイスしつつ、経営者視点にたった最適な選択が求められます。

デジタルを活用した新しいビジネスモデルへ変革させる

DXは、AI(人工知能)やIoT、クラウドなど新たな技術を導入して終わりではありません。「経営企画」は、それに応じた新しいビジネスモデルを作り上げることが大切です。

一つの事例として、三井住友銀行はこれまで店舗でしかできなかった銀行業務(キャッシュカード再発行、住所変更など)を、スマホアプリを刷新してネット経由でも可能にしました。これにより、店舗削減によるコストダウンだけでなく、顧客との接点がスマホアプリ(月間400万人利用)に移り、ログイン頻度や新規口座開設も増えているとのこと。これはネットバンキングの提供にとどまらず、スマホアプリも利用した便利な顧客サービスで、店舗からネットへの新しいビジネスモデルですよね。

このように、「経営企画」は自社の事業を思い切って変革させるチャレンジ精神も必要で、それに合わせた組織構造の組み換えも重要な仕事となります。

経営企画が進めるDX推進での注意点

アイディアのイメージ

ここまでの説明で、企業の大きな経営戦略であるDX推進には、「経営企画」の役割がとても大きいことがわかりましたよね。しかし、「経営企画」がDXを推し進める際に注意すべきこともあります。

全社的な意識改革につながるよう努力する

DXを成功させるのに大切なのは、新しい技術の導入だけでなく、DXへの認識や企業変革に対する意識が一致しているかということです。

たとえば、デジタルを導入する際に「うちの部署は早急にシステム化してほしい」「うちの部署はこのままで良い」など部門によって意識差が出ることもありますよね。そんな時「経営企画」は、各部門の課題を丁寧に拾い上げ、自社がなぜ変革を必要としているのか、変革によってどのように変わるのかを、自分の言葉で説明できることが重要です。そして、部門ごとの業務負担や予算配分などに不満の声が上がらないよう、公平な立場で判断することも大切です。

他社の成功体験にこだわらない

DXの実現はとても難しいため、他社の成功事例を参照する企業も多いでしょう。ただし、他社のやり方をそのまま取り入れても業界や業種、事業規模などが異なればやり方も変わってきます。なので、競合他社に差をつけるには前例のない新しいことにチャレンジすることも大切です。会社の将来を担う「経営企画」だからこそ、斬新なアイデアで新しい事業を生み出すことも可能です。

このように、DXを進めるにはいくつかの課題がありますが、「経営企画」はぶれないビジネスリーダーとして、他部署をも巻き込むという前向きな姿勢が大切です。

これからもDXは、企業が生き残るための重要な経営戦略になるに違いありません。それにともない「経営企画」の担う役割も必然的に変わってくるはず。そこで次では、「経営企画」の今後について考えてみましょう。

経営企画の今後の役割

企業のイメージ

これからの経営課題の多くは、業務をデジタル化してビジネスモデルを変革し、いかに収益増大につなげるかということでしょう。ですから、「経営企画」は業務のどの部分にITを導入すれば、DXが効果的に進むのかを見極めなくてはなりません。

さらに、将来はAI(人工知能)が企業の課題を洗い出し、「○○製品を開発すれば利益が30%アップします」と施策を立ててくれるかもしれまん。

そうなると、「AI(人工知能)をいかにうまく活用するか」を考えるのが「経営企画」の仕事になるに違いありません。いずれにせよ、これからの時代の「経営企画」は、IoTやAI(人工知能)などのデジタル技術を利活用できる、専門性の高いスキルを身に付けることも必要です。

まとめ
さて今回は、「経営企画」がDX推進に、どのように関わり取り組むべきなのかをお伝えしました。

まず「経営企画」の仕事は、トップの意向を受けて経営戦略を立て、それを実現するために必要な経営資源(人・物・金)を配分し予算・目標・プロセスの設定や管理なども行うことです。しかも、今や企業にとって重要な経営戦略であるDX推進にも「経営企画」は大きな役割を果たしています。

では「経営企画」が、DX推進において取り組むべき仕事を振り返ってみましょう。

  1. 経営陣にデジタル変革の重要性を理解してもらう
  2. DX推進のための体制を整える
  3. DXが全社的に展開できるように部門間の調整を行う
  4. DXの費用対効果の意思決定を行う
  5. デジタルを活用した新しいビジネスモデルへ変革させる

こうしてみると「経営企画」は、企業課題を洗い出し、部門間の様々な問題を調整しながらDXをスムーズに進める、会社の中心的役割を担っていますよね。

今後さらに、「経営企画」には、デジタル技術を使いながら経営課題を解決する未知のチカラが求められるでしょう。そして、DX推進のために、企業にとってますます重要な存在になり活躍を期待されるに違いありません。

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