近年の猫ブームもあり、ぜひペットを飼ってみたいと思われている方も増えていますよね。ペットを飼う理由として最も多いのが「癒やされるから」で、最近はペットを家族の一員としてとらえる家庭が増加しています。約1万2,000年前の遺跡から一緒に埋葬されていたらしい女性と子犬のミイラが見つかっていることからも、人間とペットとの関係の歴史の長さが分かりますよね。私たちにとって、ペットは欠かせないパートナーなのかもしれません。
その一方で様々な理由からペットをあきらめている方も多いのではないでしょうか?そんな皆さんへお薦めするのがペットロボットです。ロボットと言われると「癒やし」からは程遠いと思われるかもしれませんが、実際にロボットをペットとしてかわいがっている方も増えているんです。
ということで、今回はペットを飼えないあなたへお薦めするペットロボットについてご紹介します。
ペットを飼えない理由
まず最初にペットを飼えない理由として、どのような意見があるのか見てみましょう。
- 一人暮らしあるいは共働きのため十分に面倒が見られない
ペットは食事、排泄物の後始末、抜け毛のお手入れなどの世話が毎日必要です。人間の子供は成長するにつれて自分で対応できるようになり、いずれ親は面倒を見る役割から解放されますが、ペットは一生涯(犬であれば10~15年間)世話し続けなければいけません。このため、まずは飼い主に時間や体力が十分にないと難しいことになるでしょう。また、ペットも高齢になると寝たきりになるため介護が必要になります。最近はペットの高齢化も進んでおり、ペットによっては(犬など)認知症への対応も必要となります。
- ペットロス
ペットロスとは、ペットとの別れのストレスによって発症する精神疾患(うつ病/不眠/情緒不安定/虚脱感や無気力/めまい/摂食障害/消化器疾患など)です。ペットとの別れ、あのつらい寂しさをもう味わいたくない、とお考えの方も多いようです。
- 飼い主が高齢であること
ペットの高齢化が進んでおり、はたして自分自身でペットの最後を看取ることができるのか、老老介護になってしまわないかと不安に思われている方も多いようです。
- 住居がペット禁止
最近はペット可物件も増えてきたとはいえ、やはりペット禁止物件の方が多いです。
- 動物に対するアレルギー
動物の毛、ふけ、唾液、糞尿などにより、アレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支ぜんそく、じんましん、アトピー性皮膚炎などが発症してしまう場合があります。
また、ペットを飼うためには費用の点でもかなりの覚悟が必要となります。犬を例にしますと、食費の他にもペットシート、狂犬病予防接種、ノミダニ予防薬、フィラリア予防薬、トリミング、病気やケガをしたときの治療などの費用を考慮しなければなりません。する必要があります。さらに犬は暑さに弱い動物ですので、夏場は外出時を含めて冷房をつけっ放しの状態にする必要があります。
さらに旅行についても注意しましょう。というのも、ペット同伴で行けるところや泊まれるところは限られていますので、旅行先の選択肢はかなり限定されてしまうのです。
ペットには上記のような注意点があることがわかりました。では続いて、ペットロボットを飼う場合はどうなるのかについて考えてみましょう。
ペットロボットとは
ペットロボットとは、犬や猫、あるいは親しみあるキャラクターの外観をしたロボットで、AI(人工知能)により本物のペットのようなしぐさをしたり鳴き声などを出すことにより、私たち人間と交流することができます。
後ほどご紹介するペットロボットの一つである「パロ」は介護老人保健施設における実証実験により、うつ状態の改善やストレスの軽減(尿検査で確認)、会話の増加などの「癒やし」の効果が確認されています。
ペットロボットであれば一人暮らしあるいは共働きでも問題ありませんし、ペットロスや老老介護、動物アレルギーの心配もなく、住居がペット禁止でも問題ありません。また、ペットロボットなら本体代金以外にかかる費用は電気代程度であり、維持経費はほとんど発生しません。
ペットロボットは癒し効果があるうえに、生身のペットに比べていろいろな意味で手がかからないといえそうです。
それでは次に、人気のペットロボットを3製品をご紹介します。
人気のペットロボット3件
ここでは人気のペットロボットとしてaibo、パロ、LOVOTの3製品についてご紹介します。
- aibo
aiboは2018年1月、既に生産終了していたAIBOから12年ぶりに復活し話題となった、ソニーの犬型ペットロボットです。
aiboは人間とのやりとりデータを収集しソニーのコンピュータセンターに蓄積のうえ、AI(人工知能)により賢く成長していくことができます。従来版に比べて首をかしげる/、しっぽを振るといった動作がより自然になり、”aibo”と呼べば反応したり、顎や背中をなでると喜ぶなど、まさにペットのようでリアルすぎるといった評判にもなっています。
また、本物の犬とaiboとの共生実験も行われており、本物の犬がaiboに対して気遣うそぶりを見せ、生き物と認識するケースも多かったという結果も報告されています。
- パロ
パロは、NDソフトウェアのアザラシあかちゃん型ペットロボットです。
動物を積極的に利用することにより、心の病の治療、体のリハビリテーションに役立てる方法はアニマル・セラピーと呼ばれています。パロは、デイサービスセンターや介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、小児病棟、児童養護施設などで、長期間に渡る実験を続けることにより、アニマル・セラピーと同等の効果を得られることが確認されています。この効果が認められ、最もセラピー効果があるロボットとして、パロは2002年にギネスに認定されているんです。
パロは多数のセンサーやAI(人工知能)の働きによって人間の呼びかけに反応し(約50語の単語を識別可能)、抱きかかえると喜んだりする(約20種の鳴き声で答える)ほか、人間の五感を刺激する豊かな感情表現や動物らしい行動をする(まぶた/、頭/、前脚/、後脚を動かして反応する)ことにより、人間を和ませ心を癒してくれます。
- LOVOT
LOVOT(ラボット)は、2018年12月、GROOVE X(Pepperの開発リーダーだった林要氏が立ち上げた会社)が開発したペットロボットです。LOVOTは特定の動物の外観を採用しておらず、独自のキャラクターを持っています。
LOVOTは、50以上のセンサーを備え人物や物体を検知することができます。AI(人工知能)により、かわいがってくれた人や面倒を見てくれた人を覚えて、その人に近寄ったり甘えたりもします。人間の言葉はしゃべれませんが、鳴き声は気道シミュレーションにより発声するなど、こだわった造りとなっています。
くりくり動くつぶらな瞳や、両腕を上げて抱っこを要求するなど、かわいらしい動作が特徴で憎めないキャラクターとなっています。また、所有者が家に帰ると玄関まで移動して出迎えてくれるなど、癒やしをもたらしてくれる機能が満載です。LOVOTのWebサイトには「命はないのに、あったかい。それは、あなたに愛されるために生まれてきた。」とあります。
ここでは3種類のペットロボットを紹介しましたが、今後さらに人気が出れば、ますますバラエティ豊かなペットロボットが開発される可能性は高いといえるでしょう。
以上、今回はペットを飼えない方にお薦めするペットロボットについてご紹介しました。
- ペットロボットをお薦めする理由
動物や親しみあるキャラクターの外観を持ち、AI(人工知能)により本物のペット同様の「癒やし」を与えてくれます。動物ペットのように手間をかけて面倒見るが必要なく、ペットロス、老老介護、動物アレルギーの心配もなく、住居がペット禁止でも問題ありません。また、維持経費は電気代のみでほとんど発生しません。
- 人気のペットロボット3製品を紹介
●aibo:人間とのやりとりデータを収集/・蓄積のうえ成長。従来版に比べて動作がリアルすぎると評判
●パロ:最もセラピー効果があるロボットとして2002年ギネス認定
●LOVOT:つぶらな瞳、両腕を上げて抱っこを要求、玄関まで出迎えるなどの癒やし機能満載
「癒やし」という点では、確かにペットロボットはまだまだ動物ペットにはかなわない点があります。しかしながら、今後のAI(人工知能)の進歩により、その差は今後さらに縮まってゆくことが予想されています。
ペットロボットであれば、もし仮に購入したものの、どうしても合わなかった場合には購入費用は無駄になってしまいますが、使用しなければ良いだけです。ただし、動物ペットの場合は合わなかったからいらない、などというわけにはいきませんよね。
動物ペットを飼うのが難しい場合には、ぜひペットロボットについて検討してみてください。手がかからなくて便利なかわいいパートナーがきっと見つかるはずです。