テクノロジー

AI(人工知能)による画像認識技術の活用事例をまとめてみた!【国内編】

画像認識のイメージ

近年さまざまな分野でその活躍の場を広げつつあるAI(人工知能)ですが、なかでも最近目まぐるしく進化を遂げようとしているもののひとつが画像認識の分野です。

AI(人工知能)の活用と聞くと、対話するロボットやAI(人工知能)アシスタント、ビッグデータを分析して何かを予測したりといった用途を想像しがちですが、AI(人工知能)の活躍はそれだけではありません。画像認識もAI(人工知能)の大きな主戦場のひとつ。

そして、その画像認識技術は、医療、製造業からエンターテイメントに至るまでさまざまな分野で活用が進んでいるのです。

そこで今回は、そんなAI(人工知能)の画像認識技術について、各分野の興味深い活用事例を交えながら徹底的にお話します。

AI(人工知能)による画像認識技術とは

画像認識のイメージ

そもそもAI(人工知能)による画像認識技術とはどのような技術なのでしょう。

画像認識技術とは、画像の中に写っているものが何なのかを、AI(人工知能)が識別する技術のこと。膨大な量の画像から色や形などの特徴量を読み取ることで学習していき、パターンを認識するのです。
例えば、犬が写っている写真から犬を識別する場合であれば、耳があり、しっぽがあり、四足歩行する、といった特徴を徐々に学習していき、最終的にこれらの情報から画像に写っているものが犬であることを認識できるようになるのです。

AI(人工知能)による画像認識技術はこれまでも長年にわたって研究が続けられてきましたが、近年ディープラーニング(深層学習)という技術によって、その精度が格段に上昇しました。

現在のAI(人工知能)による画像認識は、場合によっては人間を超える能力を発揮することもあるとまで言われています。ですから、顔認証によるセキュリティなどでは、人間では見分けがつかない例えば瓜二つの双子のような場合でも、正確に見分けることができるのです。

それではここからは、各分野でAI(人工知能)による画像認識技術がどのようにして活用されているのかを、その活用事例を交えながらご紹介することにしましょう。

医療、介護現場のAI(人工知能)画像認識技術活用事例

介護のイメージ

AI(人工知能)の画像認識技術の活用が進んでいる分野のひとつが医療、介護の現場です。特に医療現場ではすでに活用事例が多くあり、人間の目では発見することのできなかった病気を発見することにも成功しているといいます。

一例を挙げると、理化学研究所(理研)の光量子工学研究センター画像情報処理研究チームでは、AI(人工知能)の画像認識技術を活用することにより早期胃がんの高精度な検出に成功しています。これは医学の進歩に大きく寄与するものであるといえるでしょう。
また、介護の分野ではノーリツプレシジョン株式会社が、画像認識型介護見守りシステム「ネオスケア(Neos+Care)」を提供しています。このネオスケア、主に高齢者介護施設などに設置されており、AI(人工知能)の画像認識技術によって高齢者の動きをモニタリングするというもの。例えば、転倒や転落といった危険の予兆を検知し、早いタイミングで駆けつけることによって事故を防止することができます。

このように、医療や介護の現場ではすでにAI(人工知能)の画像認識技術を活用したシステムが数多く活躍しているのです。

物づくりを支えるAI(人工知能)画像認識技術活用事例

物作りのイメージ

次にご紹介するのは製造業での活用事例です。物づくりの現場では、AI(人工知能)による画像認識技術はどのように活用されているのでしょうか。

富士通では、AI(人工知能)の画像認識技術を搭載した自動外観検査機を導入することにより、不良品検出の精度を上げるとともに、人手不足の解消を試みています。このように、外観検査や不良品の検査は、物づくりの現場におけるAI(人工知能)の画像認識技術の典型的な活用例といえるでしょう。
その他にも、先端素材で有名な昭和電工では、ベンチャー企業のシナモンとの共同開発でAI(人工知能)の画像認識技術を活用した技術文書活用システムを共同で開発、運用しています。このシステムにより過去数十年間にわたって蓄積されてきた膨大な手書きの技術文書をすべて電子化し、データベース化することに成功。その結果、これまで30分以上かかっていた技術文書の探索時間を約10秒に短縮することができました。これにより、生産性は飛躍的に高まったということです。

技術の蓄積はまさに企業の競争力そのものですから、このシステムの功績は計り知れないものといえるでしょう。

セキュリティで使われるAI(人工知能)画像認識技術活用事例

セキュリティのイメージ

AI(人工知能)による画像認識はセキュリティの分野でも活用が進んでいます。

従来の防犯といえば、警備員が肉眼によって巡回し、異常はないか、不審者はいないかといったことを確認していました。また、防犯カメラも設置はされていましたがそれはあくまで後から人間が確認するためのものにすぎませんでした。一方で、AI(人工知能)の画像認識技術を活用した防犯カメラは、不審者などの異常をリアルタイムで検知することが可能になります。

セキュリティサービス大手のALSOKでは、NTTドコモと提携し、防犯カメラが映像から異常を検知すると、自動的に警備員を呼び出す仕組みを開発しました。防犯カメラにAI(人工知能)を搭載することで、誤報を抑制。人手不足と言われている警備員の人員削減に成功しているといいます。
さらに、富士通では、AI(人工知能)技術の「Zinrai」をセキュリティの分野に活用。防犯カメラから都市全体の車や人の動きを把握するシステムの提供を行っています。このシステムでは、事前に登録された人物が防犯カメラに映った人物と同一人物かどうかの照会も可能といいますから、犯罪捜査などにも活用できるのではないでしょうか。

エンターテイメントでのAI(人工知能)画像認識技術活用事例

エンタメのイメージ

最後にご紹介するのは、エンターテイメント分野でのAI(人工知能)画像認識技術の活用事例です。

エンタメ分野でのAI(人工知能)の画像認識を用いた活用といえば、イベント等での顔認証による入場管理が挙げられますが、それ以外にもさまざまな試みが行われています。

2018年に開催されたゲーム開発者会議「CEDEC2018」で披露されたのが、コナミデジタルエンタテインメントとCygamesが共同で開発したあるシステムです。

コナミでは、ユーザーが紙のカードを使って遊ぶ「遊戯王オフィシャルカードゲーム」を展開しています。この「遊戯王」は発売からすでに20年を超えるロングセラー商品で、すでに9000種類以上のカードが登場しています。コナミでは、このカードゲームを将来的にコンピュータゲームと連動させることを検討しています。しかしながら、既存のカードにQRコードなどは付いておらず、すでに出回っている大量のカードをどのようにして連動させるのかが課題でした。
そこで登場するのが、AI(人工知能)の画像認識というわけ。AI(人工知能)がカードに描かれたキャラクターを識別、コンピュータゲームと連動させるのです。

AI(人工知能)による画像認識技術の未来

未来のイメージ

このように、すでに幅広い分野で活用が進みつつあるAI(人工知能)による画像認識技術ですが、今後どのような展開を見せていくのでしょうか。

AI(人工知能)による画像認識技術の可能性を飛躍的に広げるもの。それが「4K」と「5G」だといわれています。HD画像と4K画像の違いは肉眼ではあまりわかりませんが、AI(人工知能)にとっては大きな違いがあるようです。そのため4Kによる高画質化で、より細かな状況まで分析できるようになるといいます。
さらに、5G回線技術とAI(人工知能)の画像認識技術との融合では、大容量・低遅延の環境により、セキュリティなど即時性が求められる分野への活用が一気に加速する可能性があります。

 

画像認識のイメージ

今回は、AI(人工知能)による画像認識技術の日本国内における活用事例を、各分野ごとにご紹介してきました。

すでにさまざまな分野での活用が進んでいることがおわかりいただけたのではないでしょうか。そして今後は、4Kや5Gといった技術とAI(人工知能)の画像認識技術が融合することで、高精度と即時性というさらなる利点を手に入れることができ、その活用が一気に加速すると期待できますよね。

もちろん、今回ご紹介したもの以外にも、あらゆる分野においてAI(人工知能)の画像認識技術の活用ははじまっています。

ですからAI(人工知能)の画像認識技術の活用について興味を持ったという方はぜひさらに調べてみて技術を活用していきましょう。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました