最近ニュースなどでもよく耳にするスマートシティですが、どんな街なのかイメージできない人も多いですよね。スマートという言葉からスマートフォンを連想しやすいので、もしかしたら「スマートシティ」とは近代的な街なのかなってイメージできるかもしれません。
スマートシティは、例えば車の自動運転化はもちろん、遠隔操作による無人化を実現するIoTやAI(人工知能)と言った最新技術を取り入れるだけでなく、環境に配慮した太陽光発電、蓄電池、省エネ技術と言った最先端技術を街全体で味わえる近代未来的都市のこと。さすがに車が空を飛びませんがイメージ的にはドラえもんにでてくる未来都市が近いでしょう。
私たちにとっては遠い未来だと思っていた未来都市がついに実現間近だなんて興味がわいてきますよね。そんなわけで今回は、実現間近な近代未来都市と言われるスマートシティの概要から最新ニュースをまとめて解説しましょう。
スマートシティとは
スマートシティの特徴1:車やトラックの自動運転化
スマートシティでは無人の車が街中を走り、タクシーや配達と言った様々なサービスを実現してくれるでしょう。このような車の自動運転が現実のものとなれば、高齢者の運転も減らせるので事故の減少にもつながります。また運送業界の人手不足が近年目立ちますが、トラックの自動運転化も現実のものとなり人手不足の改善も期待できるでしょう。
スマートシティの特徴2:医師や介護士不足の改善
スマートシティでは医療や介護ロボット、IoT技術を使うことで遠隔治療を受けてもらうことができるでしょう。例えば、医療関係であると医師の仕事量緩和を目指す人工知能(AI)による問診、介護関係であれば患者に異常があった時に知らせる見守りシステムなど既に実用化されています。つまり医者と患者が遠く離れた環境でも手術ができると言う漫画の世界でしかイメージできなかったことが実現できます。
スマートシティの特徴3:ドローンの活用の幅が広がる
スマートシティでは電線、電柱などのインフラ関係は全て地面に埋め込められた都市になる予定で、ドローンによる通販の配達が現実となるかもしません。ドローンによる配達は空路となる為、渋滞もなく最速で運ぶことが可能になるでしょう。
実際に買い物難民が多いとされている岡山県でテスト的に30kmの長距離配送が対応できるかの実験を行われました。テスト結果は問題なく、陸路より到着が断然早いものとなりました。このようにスマートシティでは携帯のGPS機能を活用し、どこでも荷物を受け取れるサービスが実用化するかもしれません。
なぜスマートシティ化がどんどん進んでいるのか
またそれらの資源を元にエネルギーを作られると同時にCO2も大量に発生することとなり、環境問題にも発展するでしょう。つまり世界的に求められるスマートシティ化は最先端技術の取り込みによる便利な生活が保障されるだけでなくエネルギー消費の減少や環境を配慮した近代都市を生み出すことに期待されています。
もちろん日本でも東日本大震災によるエネルギー問題が発生して環境面を配慮したスマートシティの実現化に力を入れています。しかし、日本では少子高齢化、人口減少と言う世界の人口増加と逆行した問題も抱えています。
そうなると日本のスマートシティ化は、日本が抱える深刻な問題を解決させるプロジェクトと位置付けることができるでしょう。
スマートシティを支える「官民連携プラットフォーム」
スマートシティをいち早く実現化させるべく、官民連携による取り組みも力を入れられています。具体的には企業、大学・研究機関、地方公共団体などを会員とし、内閣府、総務省、経済産業省などのバックアップの元、全国各地で取り組む「スマートシティ官民連携プラットフォーム」が設立されました。
私たちが住む日本は課題先進国とも言われており、その課題とは人口減少、急速な高齢化、多発する都市型災害、インフラの老朽化などが挙げられ、いずれ世界各国が直面する都市課題に現在向き合っております。
このスマートシティは、その深刻な課題を解決させる為に必要なプロジェクトと判断され、官民一体で取り掛かることを決定されました。このスマートシティが実現できれば全世界に向けてスマートシティのモデルを横展開することができ、世界全体が課題解決に向かうという壮大なプロジェクトと言えるでしょう。
スマートシティに関するニュース
スマートシティでは電気・水道・ガスの指針確認を無人化する
人口減少問題に対して電気・水道・ガスの指針確認業務の人材不足が問題視されてきています。そのような中、株式会社リンクジャパンが展開する法人向けサービス「eMeter」の試験導入がされました。
「eMeter」は人工知能(AI)とIoT技術を駆使し、電気・水道・ガスの指針確認業務を無人化できるサービスです。試験導入の結果は台風や地震などの災害があったにもかかわらず、誤報、通信障害がありませんでした。スマートシティでは人材不足対策として、この「eMeter」が採用される予定です。もしかしたら、あなたの街で検針を行う人が人工知能(AI)になっている、という日も近いかもしれません。
スマートシティは子どもを人工知能(AI)ロボットが見守ってくれる
人口が少なくなると、保育士さんなど子供を見てくれる人が少なくなるのでは?と心配異なりますよね。ビーサイズ株式会社がGPS BoTと言う子ども用の人工知能(AI)みまもりロボットを開発しました。GPS BoTはGPS対応携帯電話に自動接続し位置情報の把握と見守り機能に特化したサービスとなります。
GPS BoTはランドセルに入れておくと子どもの居場所や行動履歴を追うことができます。また日常の行動を人工知能(AI)が自動学習し、普段の動きと違う場合、親に連絡がいくというサービスになります。親としては安心して子どもを家から送り出せる嬉しいサービスですね。
トヨタがスマートシティを開発する「ウーブン・シティ」
トヨタが2020年1月に静岡県裾野市にウーブン・シティと呼ばれるスマートシティの実験都市を開発するプロジェクト「コネクティッド・シティ」を発表しました。
ウーブン・シティはロボットやAI(人工知能)技術を駆使し「トヨタがつくる未来都市」がテーマとなっています。最先端技術を生活環境に取り込むことを狙いとされ、様々な企業や研究者と連携し、人々の暮らしを支えるあらゆるものやサービスが情報でつながることで生まれる新たな価値やビジネスモデルを見出すでしょう。
トヨタならではの提案としては、車両専用の道路に自動運転が可能な新商品「e-Palette」の導入を検討しており、一般道に自動運転の自動車が走る先駆けとなるかもしれません。
※詳しくはこちらの記事でも取り上げています
あなたの住む街は、スマートシティになるかもしれない
それゆえにスマートシティの開発は急ぎ進められていく予定で、今後としては先行モデルプロジェクトとして北海道札幌市、秋田県仙北市、東京都千代田区などの15都市、また重点事業化促進プロジェクトとして埼玉県さいたま市、大阪府大阪市、兵庫県加古川市などの23都市を予定しています。
スマートシティ化は、まず人口が集まる都市部を中心に展開されています。もし各都道府県の都市部に住んでいるのであれば、そのプロジェクトの対象になっているかもしれません。そうなるとスマートシティに住める未来もそう遠くないかもしれないですよね。
- スマートシティは、車の自動運転化、人材不足の解消などを実現できるIoTやAI(人工知能)の最先端技術を盛り込んだ近代未来都市
- 世界では2050年に95億人の人口増加が予想され、エネルギー消費が莫大になる恐れがあります。そして、そのエネルギー問題を解消すべくスマートシティ化が注目されている
- 企業、大学・研究機関、地方公共団体などを会員とし、内閣府、総務省、経済産業省などのバックアップの元、全国各地で取り組む官民連携プラットフォームが設立され、その官民連携によりスマートシティ化をいち早く実現できるように計画を進められている
- スマートシティの最新ニュースとして、電気・水道・ガスの指針確認業務を無人化できる「eMeter」のサービスや子どもを人工知能(AI)ロボットが見守ってくれる「GPS BoT」というサービスが受けられる。またトヨタ主体で静岡県裾野市にウーブン・シティと言うスマートシティ開発が進められている
- 今後、スマートシティは日本でどんどんと開発が進むだろう
私たちが住む日本は先進国とし、ここ10年を振り返るととんでもない技術発展をしています。このスマートシティは、これからの10年先も想像以上の発展を期待できる、そんな時代の流れを感じる大きなプロジェクトでしょう。
今までの変化を想定すると10年後、私たちは普通にスマートシティに住んでいるかもしれませんよね。