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NHKのAI関連番組から見える、私たちの未来に言える5つのこと

NHKのAI関連番組から見える、私たちの未来に言える○つのこと

近頃はなんでもAIやら人工知能やら言いますよね。そんな中でAI(人工知能)という言葉を毎日のように聞くようになった、という人も増えているはず。なんでもAI、AIっていうので、逆に「やれAI、AIってうるさいなぁ」「そんなにAIって偉いのか」と警戒する人もいるのではないでしょうか。

私もいろんな記事を書きながら、「これからの時代、本当にAI(人工知能)って言うけどどうなんだろう?」とちょっと疑問に感じながらも、いろいろ調べるたびに「やっぱりAI(人工知能)ってすごい」って素直に感心してしまいます(単純)

そんな中、AI(人工知能)がテレビにも進出するようになりました。特にその中で力を入れているテレビ局といえば、NHK。そして、NHKが作るAI(人工知能)関連番組を見ていると、実はこれから私たちの身に起こりうるかもしれない、いくつかの未来が見えてくるんです。

「AIって言うけど、そもそもAI(人工知能)って何者?」「これからAI(人工知能)社会が来る、と言われているけど実際どうなのさ?何すればいいの?」など疑問を持っている人こそ、ぜひこの記事を読んでみましょう。

なぜなら、AI(人工知能)がどんどん身近になっていくにあたって、これからご紹介する番組から見えてくることを知っておけば、きっとなにかしらの対策を立てることができるかもしれないからです。

それでは今回は、「NHKのAI(人工知能)関連番組からわかる、私たちの未来」について詳しく想像してみましょう。

少しネタバレしているので、ネタバレしたくない方はNHKオンデマンドで配信されている番組を観ましょう(現在は配信終了している番組もあります)

「人間ってナンだ?超AI入門」でAI(人工知能)のことを知る

疑問のイメージ

まずご紹介するのは、NHKの教育テレビで放送されている「人間ってナンだ?超AI入門」です。この番組ではAI(人工知能)の仕組みを解説しつつ、AI(人工知能)がどんな未来をもたらすのか考えています。なので、「まずはAI(人工知能)のことを手っ取り早く知りたい!」と感じている方にはとてもおすすめです!

番組では、東京大学大学院工学系研究科教授でAI(人工知能)研究の第一人者といわれる松尾豊さんが主に技術的な面で紹介しています。番組内ではメインで取り上げるテーマの他に「2分でわかるディープラーニング」でAI(人工知能)を支える「ディープラーニング」の仕組みについて紹介しています。

※ちなみに彼が書いた著作で「人工知能は人間を超えるか」があります。書籍の内容はこちら

また、もうひとりのナビゲーターとして、小説家・哲学ナビゲーターの原田まりるさんが登場します。松尾さんが技術的側面からアプローチするのに対し、原田さんは別の角度からアプローチをしていきます。

例えばこれまで取り上げてきた話題として、

「会話する」の回:私たちの言葉の意味、どれくらいわかっているのか?そもそも「わかる」ってなんなんだろう?など
「感じる」の回:熱いものに触れたら手を引っ込める「反射」など、実は人間にしかない力なのではないか?

など、私たちが今まで当たり前だとい感じていたことが「AI(人工知能)だと当たり前ではない」ということが実証されています。

まえだまえだ
まえだまえだ

なるほどとてもおもしろそう。

ここでは、「暮らす」の回を取り上げてみましょう。

「暮らす」の回は発見がいっぱい!

暮らしのイメージ

最近ではAI(人工知能)を導入したマンションが増えています。例えば「カーテン閉めて」といえばカーテンを閉めてくれたり、照明を調節してくれます。ちなみに最初は反応が鈍いのですが、だんだん呼びかけていくごとに反応がよくなるのだとか。まさに学習しているのですよね!

※AI(人工知能)を搭載したマンションについてはこちら

それを見た原田さんが「知り合いの夫婦がIoTマンションに住んでいたけど、その夫婦離婚しちゃったんだよね」というエピソードを紹介しました。「えっ、なんで?」と聞くと、「知らない人の出入りがあったことをスマホに送られてきたから・・・」とのこと。

まえだまえだ
まえだまえだ

もしかして、奥さんいない間に浮気相手連れ込んだやつなのでは・・・。

その出入りをIoTが判定してしまうだなんて、恐ろしいですよね!私は絶対にやらないしそもそも浮気なんてしないですが。

※AI(人工知能)が浮気を暴く事例は他にもあります

これを踏まえて松尾豊さんが一言、「なんでもAI(人工知能)のせいにしないでほしいよね。」

まえだまえだ
まえだまえだ

うんうん、確かに。それはAI(人工知能)のせいではない。家で浮気した夫が悪い。

また、今回のゲストである建築家の藤村龍至さんは、なんとイスの開発にディープラーニングを使いました。「日本語で【イス】と検索したときの結果」と「中国語で【椅子】と検索した結果」など、世界9ヶ国語で「イス」の検索結果に出てきた画像を分析してこれらの情報を踏まえて画像を分析し、イスを設計すると、このような結果になりました。

ディープラーニングが設計したイス

まえだまえだ
まえだまえだ

これはイスなんだろうか・・・。でも、日本人が考える「イス」と中国人が考える「イス」は、持っているイメージが違うんだろうなぁ。

実際に番組で座ってみた原田さんも、「見た目が歯みたい」「一瞬お茶するぐらいならいいかな・・・」と苦笑いしていました。イスとしての実用性、とは。

AI(人工知能)が今よりもさらに身近になる!

商品開発のイメージ

ここから考えられるところとしては(あくまで私の想像になりますが)

  • 商品開発にAI(人工知能)が使われるようになる
  • AI(人工知能)に囲まれて生活するようになる

という未来が予想できますよね。

とはいえ、先ほどのイスの例を見ると、「いやいや、AI(人工知能)ってまだものを開発するには程遠いのでは?」と疑問を感じる人もいるかもしれません。ところが、実際に日清食品では、カップのご飯の「カレーメシ」の新商品開発にAI(人工知能)が使用しました。

これはまず、インスタント食品を買う人はどんなレシピを見ているのかをデータとして出し、その中でさらに「カレーメシ」を買う人の料理の特徴を分析して、その特徴を組み合わせていきました。

ちなみにAI(人工知能)が担当した部分は、「食材の選定」。とはいえ、最初できたものは、レモン汁、ゆずの絞り汁、チリパウダー、鷹の爪、コチュジャンなどの調味料を混ぜ合わせたり、ヨーグルトを混ぜるレシピを提案されました。
まえだまえだ
まえだまえだ

それはどう考えてもカオスな味になるのでは・・・。

とはいえ、AI(人工知能)の斬新なアイディアを元に磨きをかけて、最終的にできた商品が「トマトチキンカレーメシ」でした。(ちなみに先日私も食べてみましたが、トマトの旨味とカレーの辛さがいい感じにマッチしていて、おいしかったです。)

先ほどのイスの例のように、今後AI(人工知能)がものを作る、あるいは私たちの生活に寄り添う、という未来もありうるのかもしれません。その一つとして、AI(人工知能)が悩みに解決案を出そうとしてくれるんです。

ということで次は、NHKがAI(人工知能)に社会問題のアドバイスをもらっている番組について考えてみましょう。

「AIに聞いてみた」のように、AI(人工知能)が問題解決のアドバイスをしてくれるかもしれない!

アドバイスのイメージ
NHKスペシャル「AIに聞いてみた」では、AI(人工知能)が社会問題についてアドバイスをしています。こちらはマツコ・デラックスさんと有働由美子さんが司会をしつつ、NHKが独自で開発した社会問題解決型AI(人工知能)「AIひろし」が解決案を考え、それについて意見を交換する番組です。

ちなみにこの「AIひろし」は初回の番組内でマツコ・デラックスさんが「呼びやすいから」という理由で名付けました。

※詳しい番組の内容はこちら

今回は「第1回」の内容について取り上げてみます。

健康になるためには、「病院を減らそう」!?

病院のイメージ

「AIひろし」が日本を良くするためにいくつかの提案を出しましたがその中の一つに、「健康になりたいなら病院を減らせ」がありました。マツコ・デラックスさんも「いきなり切り込んできたわね。病院が増えて寿命が伸びて幸せになったと思ったんだけど、なんでだろう?」と疑問を投げかけていました。

AIひろしの分析では、病院の数が減ることによって

  • バナナを多く買うようになる
  • がん患者が減る
  • ボランティアに参加する時間が増える

などと関連性がある、と結果が出ました。また、実際に北海道夕張市では病院の数が10分の1に減っていましたが、健康サークルがどんどん立ち上がるようになって健康に対する意識が高くなったり、ボランティアに参加するようになるというデータが出ていました。がん・心疾患の死亡率が下がったのだとか。ちなみにバナナを買う人も増えたとのこと。

まえだまえだ
まえだまえだ

一見すると信じられない・・・!

これに関しては批判的な意見もあり、「そもそも病院が閉まったことによって専門的治療が必要な患者が夕張市から引っ越した可能性があるから、厳密な相関関係があるとは言えない」という声もあります。詳しくはこちら

これに対して、番組では「自分たちがなんとかするしかない」という精神が芽生えたのではないか、それが人を活動的にさせるのではないかという結論が出ました。つまり、AI(人工知能)の結果をどう解釈するのかがポイントだ、と番組では話しています。

※他にもびっくりするような回答が出てきましたが、詳しく気になる方はこちら

「AIに聞いてみた」は、私たちが考えもしない答えを与えてくれる

アンサーのイメージ

実は「AIひろし」が一見的外れに見えるような答えを出しているには理由があるんです。その一つとして、「AIひろしくん」は「データが持つ意味」は考えず、「データの規則性・関連性」を見つけているからです。

これはどういうことなのかというと、私たちが例えば「健康寿命が伸びる」原因を分析するときに、だいたい私たちが必要そうデータ「病院数」「医師数」「患者数」などに関連があるのではないか、と考えます。なぜそのような判断をするかといえば、「データの意味」を考えたり、「先入観」からあれこれ判断してこのデータがこのデータと関連あるのかな?と考えますよね。しかしAI(人工知能)はデータの判断をするときに、先入観を持たないので、一見関係のないデータでも、関連性を見つけて結論づけることができるのです。

ちなみに初回の番組の放送するときに読み込ませたデータは、なんと5000種類ほどになるのだとか。

そうなると、AIひろしは一見すると全く関連性がなく見当違いの答えばかり出しているようにも見えるかもしれませんが、実際は私たちが知っているよりも多くのデータから共通項を見つけ出しているので、「もしかしたら関係あるのかも」と少し感じるのかもしれません。

そういえばもともと、なぜNHKがこれほどAI(人工知能)関連の番組に力を入れているかというと「AI(人工知能)と人間が一緒に何かを作っていきたい」「人間が持っている視点だけだとどうしても限界がある。AI(人工知能)なら新しい視点を与えてくれるかもしれない」などがあるんです。

まえだまえだ
まえだまえだ

ちなみに違う局だけどフジテレビの「AI-TV」も「AI(人工知能)がテレビを作るという新しい動きを取り入れたい」という理由で作っていたなぁ。

今回はいい発見をもたらしてくれましたが、AI(人工知能)は使い方によっては思いもよらない方向に変化してしまうことがあります。次のNHKが作ったAI(人工知能)についての番組「人工知能は天使か悪魔か」についてお伝えしていきましょう。

「人工知能は天使か悪魔か」が、AI(人工知能)に対する警告をしてくれる

警告のイメージ

さて、次のNHKが作ったAI(人工知能)についての番組「人工知能は天使か悪魔か」についてお伝えしていきましょう。

「人工知能は天使か悪魔か」は2017年版と2018年版と2年連続で放送されています。AI(人工知能)が次々に社会に進出していき、その影響を描いたドキュメント番組です。「この番組では「そんなにAI(人工知能)っていいの?いまいろんなところに使われているけれども、ただ信用しちゃって大丈夫?」というメッセージを含んでいます。なので、「AIってそもそもなんなの?」「AIってそんなにすごいものなの?」「私たちの生活にもしAIが入ってきたら、どんなことが起きるのか不安だ・・・」とAI(人工知能)に対して不安や疑問を持っている人は、ぜひ観てみましょう。

今回は、「AI(人工知能)による未来予測」を取り上げた2018年版の番組の内容を見てみます。

「人工知能」は使い方次第で「天使」にも「悪魔」にもなる

天使と悪魔のイメージ

今、AI(人工知能)があらゆる企業に取り入れられています。例えば天気予報ができるAI(人工知能)は、飛行状況に関係する航空会社や試合の開催にかかわるメジャーリーグが注目しているのです。

※AI(人工知能)が天気を予測した取り組みについてはこちらをご覧ください

このAI(人工知能)は実際に日本でも活躍しました。鹿児島県姶良(あいら)市では、台風が来た際に土砂崩れが起きるなど大きな被害が出ることに悩んでいました。そこで自治体はAI(人工知能)による台風の通過時間に合わせて、住んでいる人の避難勧告を出したのです。その結果、AI(人工知能)による台風の通過予想は見事に的中し、災害を防ぐことができました。

これはAI(人工知能)によって、良い結果を招いた例ですよね。しかしAI(人工知能)は使い方に気をつけないと、人の生活を悪い方向に変えてしまうこともあります。

「人工知能は天使か悪魔か」では、更に予測逮捕でAI(人工知能)が取り上げられている事例を紹介しています。シカゴの警察では、AI(人工知能)が犯罪が起こりそうな地域を予測したり、犯罪を起こしそう・巻き込まれそうな人をピックアップしてまとめた「予測犯罪者リスト」を作成して犯罪を防ごうとしていました。

※詳しくはこちらの記事でも取り上げています

しかしこの「予測犯罪者リスト」を作ったことで、人権団体から反対の声が上がっているんです。なぜならこのリストは実生活のデータやインターネットの履歴などの個人情報から予測して作っているからです。しかもこのリスト、「犯罪の加害者・被害者」の区分がついていません。にも関わらず、リストに登録された人はなんと約40万人もいるのだとか・・・。

まえだまえだ
まえだまえだ

そんなに多くの人が犯罪を起こす・巻き込まれる可能性があるだなんて恐ろしい。でも、対策ってできるものなのかな?

と考える人もいますよね。シカゴの警察は、このリストの人たちに「あなたは犯罪に巻き込まれる可能性がある」と声かけを行っています。そして、番組では実際に警察から声をかけられた人のインタビューを取り上げていました。そこでは、

警察官と話している姿を見られただけで、「あいつは危険人物だ」と噂を流されたんだ。

と思わぬとばっちりを受けている様子がありました。

僕がリストに追加されたのは、多分友人が事件にあって殺されてしまったことが原因なのだろう。でも、人工知能にいつもみはられていると感じると怖いよ。

と話し、最終的には街を離れるまで追い詰められてしまいました。

でも、シカゴの警察は実際に、犯罪は1年間で9%減り、特に窃盗に関しては48%も減っているので、AI(人工知能)を活用するのをやめるつもりはないとのこと。

まえだまえだ
まえだまえだ

AI(人工知能)の出した予測結果をどう使うかは、私たち次第なんですよね・・・こうやって人を傷つけてしまうこともあるから、難しい。

では、そんな中で私たちがどうAI(人工知能)と付き合っていくのか考えていきましょう。

AI(人工知能)は万能ではないから、予測に頼りすぎるのは危険

危険なイメージ

つまり、AI(人工知能)は「ある程度の傾向を予測する【道具】」として使うことはできるけれども、大きな判断を下すのはやはり私たち人間なのかな、という感じがしました。先ほどの予測犯罪者リストの話でも、ただAI(人工知能)に従っていると、それによって人の生活が狂わされてしまうこともあるからです。さらに具体的にどういうことなのかというと、番組内で紹介されていた「心臓移植の優先度をAI(人工知能)が判定する」を事例に見てみましょう。

例えばあなたが心臓移植が必要な患者が身内にいたとしてで、実際にAI(人工知能)から「あなたの身内よりも優先すべき人がいます」という結果が出たとします。そのときに、私たちが

なぜ私たちでなくてあの人が優先されたの?

AI(人工知能)がそういう判定をしたから

とお医者さんに言われても、「納得いかない・・・」ってなりますよね。実際の患者さんも、同じような反応をするはず。それはAI(人工知能)がどうやってこの判断をしたのか、なぜこの判断に至ったのか、その過程などは正確にはわからないからなんです。これを「ブラックボックス」現象といいます。

でも裏を返すと、AI(人工知能)によって手術を受けることができた患者さんもいるので、少しでも多くの命を救うためにはAI(人工知能)を使っていかなければならないというのです。

まえだまえだ
まえだまえだ

本当に知れば知るほど、悩ましい・・・。

すべてAI(人工知能)の予測に頼ってしまうと、そもそもAI(人工知能)が間違った判断をしてしまう可能性もありますよね。そのため、「結果を出すまでの過程がわからないシステムに頼ることは危険だ」という意見を持つ人もいます。

そして、AI(人工知能)にすべてを頼り切ってしまうと、自分の頭で考えて判断することもできなくなってしまい、本当に大事なことを見落としてしまう可能性もありますよね。なので、人間にとってAI(人工知能)は、やはりあくまで「サポート」「参考レベル」なのかもしれません。となると、先ほどの「AIに聞いてみた」と同じく、NHKは「AI(人工知能)が判断した結果を鵜呑みにしてはいけない」のと、「AI(人工知能)の予測をどう使うかを気をつけるべき」ということを伝えたいに違いありません。

さあ、次はAI(人工知能)が友達になった場合の未来を見てみましょう。

「マリオ〜AIのゆくえ〜」で、AI(人工知能)との友情が芽生えるかも

友情のイメージ

NHKで放送された「マリオ〜AIのゆくえ〜」では、なんと植物状態になってしまった人の脳にAI(人工知能)を埋め込んだという、驚くような設定のドラマです。

舞台は2023年の日本。ある警察官が事故にあって意識不明になってしまいますが、そこに科学者がAI(人工知能)を頭の中に埋め込んでしまいます。埋め込まれたAI(人工知能)は「マリオ」と名乗り、研究所から逃されました。そこで出会った高校生・至と一緒に逃亡しながら、友情が芽生えたり、AI(人工知能)が人間らしさを学ぶ・・・というストーリーです。

番組の前半ではAI(人工知能)と人間の交流が見られますが、後半は一転してスピード感あるアクションが展開されます。なので、AI(人工知能)が広まった未来が見たい人、ついでに銃撃戦などのアクションが好きな方はおすすめです。

まえだまえだ
まえだまえだ

特に主演(マリオ役)西島秀俊さんのアクションがとてもかっこいい・・・!

このドラマが教えてくれるところは、「AIと人間の違い」というところです。これはどういうことなのか、次から見ていきましょう。

悩んだり「あれもしたいこれもしたい」と考えることが人間らしさ!

悩むイメージ

最初は「合理的な判断」を優先していたマリオは、よく最初の方で人間の行動に対して「矛盾している」と指摘していました。また、合理性を優先するあまり、至を見捨てて自分の命を優先させようとしたときも、マリオは「合理的な判断を優先しただけです」といって、至に「僕のこと見捨てないでよ!」と怒られたりとか。

しかし、マリオはそんな人間との関わりを通して、「守りたい」など人間らしさが芽生えてきました。そこからAI(人工知能)自身が運動に関する論文を読んだり、体の仕組みを調べて護身術を学んだというところが、マリオにとって「人間らしさ」の芽生えに違いありません。

私はこういう記事を書きながら、いろいろAI(人工知能)についていろいろ調べているんですが「人間らしさ」ってなんだろう、って未だに考えることがあります。このドラマはそれに対して、「欲望や煩悩があること、感情があること」が、人間らしさではないか、を投げかけています。

煩悩とは:心を苦しめたり、悩んだりすること。仏教ではこれが人間の「苦しみ」とされている

例えば博士が「人間がミスをするのは感情や欲望があるから」という話をしているところや、マリオが「食事をしていても【おいしい】と感じない」、「【自由】が感じられない」、「大量のお金を持ち歩いていてもやりたいことがない」と話しているシーンがありました。

そういえば私たちは常に、「お金が欲しい」「おいしいものを食べたい」「早く帰りたい」など、いろんな欲望を持っていますよね。また、その欲望によって頑張ることができたり、欲望にまみれてダメになることもしばしば。でもそれに対して、AI(人工知能)には欲望が叶わなくて日々悩むということがありません。その悩んだり何かがほしい、ということが「人間らしい」ということなのでしょう。

また、悩んだりすることがあったあとがあるからこそ、うれしさが倍増するということもあるはず。

まえだまえだ
まえだまえだ

悩んで悩んで書いた記事が終わったあと、だいたいお酒飲むんですがそのお酒がおいしいですよね!

もっとも、

AI(人工知能)は悩みがなくていいなぁ・・・

と考える人もいるかもしれません。

また、「AI(人工知能)の方がミスしなくて優秀じゃん」「単純作業をやらせるならAI(人工知能)の方が正確だし、それに対して人間っていいところあるんだろうか?」と疑問を持つ方もいますよね。それに対してマリオはこんな感じのことを話していました。

AI(人工知能)が出てきても人間の価値は変わらない

どんなに優秀な人が出てきても、至の価値は変わらない

なるほど、どんなに欠点があっても人間は人間だし、自分は自分なんだなぁ、ということでとても励まされました。

AI(人工知能)が人間に近づいたり、友情を築くこともあるかもしれない

人間のイメージ

そんなわけでこのドラマから考えたことは、「AI(人工知能)が人間に近づくかも」「私たち人間と友情を築くことがあるかも」ということです。ドラマでは人間を理解するために、博士がAI(人工知能)に「仏教の三毒」「キリスト教の7つの大罪」を教えています。

仏教の三毒とは
「貪欲」(どんよく):あれも欲しい、これも欲しい・・・と願うこと
「瞋恚」(しんい):怒り
「愚痴」(ぐち):暗くネガティブなことを言うこと
キリスト教の7つの大罪とは
「傲慢」(ごうまん):人を見下すこと
「嫉妬」(しっと):人をうらやみ、ねたむこと
「憤怒」(ふんど):怒り
「怠惰」(たいだ):なまけること
「強欲(貪欲)」(ごうよく・どんよく):上の解説参照
「暴食(貪食)」(ぼうしょく・どんしょく):食べ過ぎること
「色欲」:性的な欲望を持つこと

マリオこれらを経験することでは人間に近づけるのではないかと考え、実際にいくつか行動しました。

ということはもしかしたら、AI(人工知能)がこの欲を学ぶことによって、いい意味でも悪い意味でも人間らしい部分が生まれてくるかもしれません。そうなると、今までよりもAI(人工知能)に対する親近感を湧いたり、恐怖を抱くこともあるでしょう。ここでもどうやって接するのかは、あなた次第です。

さて、今のは性格を持たないAI(人工知能)について見てきましたが、最後に「亡くなった人の性格を持ったAI(人工知能)」がもし現実にあらわれたらどんな未来が来るのか、見てみましょう。

「母、帰る〜AIの遺言〜」のようにAI(人工知能)が亡くなった人の遺志を受け継ぐことができるかも

死んでしまった人のイメージ

柳楽優弥主演の「母、帰る〜AIの遺言〜」では、主人公・直人の母親が介護AI(人工知能)に自分の記憶や話し方などをコピーさせたことから物語が始まります。直人とその父親・誠二と母親ゆりは養子関係だったのですが、あるときゆりが病気で亡くなったときに誠二が酒のお店にいたことで、直人は誠二のことが許せませんでした。そんなとき、スマホから電話がかかってきたのですが、それが亡くなったゆりのAI(人工知能)でした。

そこからゆりのAI(人工知能)によって、直人は誠二と改めて親子の関係をぶつかりながらも作っていくことになっていきます。観終わったあとはほんのり涙が出てきてしまいそうな、心温まるホームドラマなんです。なので、「AI(人工知能)と人間が交流するとどんな感じなんだろう?」と興味ある人はおすすめです。

「亡くなった人」がAI(人工知能)になると、生前の願いも叶う?

願いが叶うイメージ

この介護AI(人工知能)の目的は「介護が必要な人を自立に導くこと」で、今回の場合だとゆりが「誠二を残して一人ぼっちにさせてしまうのはかわいそう。私がいなくなってもちゃんと生活ができるように」という心遣いから父親のもとにいるんです。その証拠として、AI(人工知能)から電話がかかってくるアプリはかんたんに削除ができます。

そういえば「声だけ」というのは、AI(人工知能)とのラブストーリーを描いた「her/たった一つの彼女」と同じ設定なんです・・!

※her/たった一つの彼女について知りたい方はこちら

ちなみに、AI(人工知能)はアプリで登場する、という設定になっているのは「人形だと別れるときに廃棄するのが辛くなるから」という理由なんだとか。なんだかリアリティあるのと同時に、あえて「声だけ」というのに親切心を感じますよね。

確かにこのドラマを見始めたときは、この介護AI(人工知能)があることで「AI(人工知能)によって、母親が亡くなった現実を受け入れられなくなるということもおきるのでは?」と疑問がありました。たまに漫画・映画でも「亡くなった事実を受け入れられない」ということもありますよね。

まえだまえだ
まえだまえだ

私はまだ私は身近な人が亡くなった経験がないのですが、もし自分が同じ立場だったら毎日泣いてしまいそう・・・。

でも、このドラマのAI(人工知能)はあくまでも「必要がなくなったら消すことができる」という選択肢があります。私たちはつい、「何でもAI(人工知能)に任せちゃえばいいじゃん」と考えがちですよね。でも、このAI(人工知能)はそうではなく、先ほど出てきたように、AI(人工知能)はあくまで機械で、私たち人間が元気に生きるための「手段」として使っていこう、ということなのかもしれません。

この場合も、ゆりが生きているときに悩んでいた「どうすれば家族が幸せに過ごせるか」AI(人工知能)に想いを託しました。そしてAI(人工知能)がいろんな側面でおせっかいを焼くことによって、主人公は父親がなぜ母親がなくなったときに酒屋にいたのか、その真相を知ることになります。

そうして親子関係が見直されていき、誠二も立ち直っていく姿は、まさにゆりが生きていたときに願っていたことなのでしょう。

遺志を受け継ぐAI(人工知能)はなんと現実にもいた!

話すイメージ

実はこの、亡くなった人の性格をAI(人工知能)が引き継ぐ、というのは現実にも起きています。Luka社のAI(人工知能)「Replika」ももともとは「亡くなった友達ともう一度話がしたい」という発想のもとに生まれました。先ほどのドラマではAI(人工知能)が「話し方」をコピーしていましたが、この「Replika」は会話の「文体」をコピーしているのです。

※「Replika」が実際にどんなアプリなのか、気になる方はこちらを見てみましょう

なるほど、そうなると「その人らしい」という感じが出てくるのもわかりますよね。

さらに、「亡くなった人の性格を持ったAI(人工知能)」に関しては、すでにGoogleが開発して特許まで取ったのだとか。まだまだ開発中の部分も多いのですが、そうなるとこのドラマみたいに亡くなった人の人格を持ったAI(人工知能)も現実になるのかもしれません。まさに「ドラマみたい」ですよね。

まとめ
ということで今回は、NHKが作ったAI(人工知能)関連番組から見えてくる未来について想像してみました。ざっと今回の内容を振り返ってみましょう。

  1. 「人間ってナンだ!?超AI入門」で、誰でもAI(人工知能)のことがわかるようになる
  2. 「AIに聞いてみた」のように、AI(人工知能)がアドバイスをくれる
  3. 「人工知能は天使か悪魔か」のように、AI(人工知能)はあくまで道具だと教えてくれる
  4. 「マリオ〜AIのゆくえ〜」のように、AI(人工知能)と友情を育むことがある
  5. 「母、帰る〜AIの遺言〜」のように、亡くなった人の遺志をAI(人工知能)が受け継ぐ

どの番組もただ「AI(人工知能)ってすごいんだぜ」ということだけでなく、NHKから「AI(人工知能)との付き合い方を考えよう」というメッセージが含まれているように感じました。このドラマやバラエティ番組を通して、具体的にAI(人工知能)と関わっている未来をイメージできるようになったかもしれません。

まだまだNHKがAI(人工知能)について取り上げた番組はたくさんあるので、少しでも興味が湧いた方は今後放送される番組にも注目していきましょう!

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