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超太っ腹!GoogleがAIエンジンをオープンソース化!

超太っ腹!GoogleがAIエンジンをオープンソース化!

近年私たちは気付かないところでAI(人工知能)の機械学習を活用してます。例えば、スマートフォンに入っている写真の中から愛犬の写真だけを一瞬で検索することができます。友人の写真でも、人ごとに自動でカテゴリー分けをすることが可能で驚かされますよね。

日頃の生活の中で、いろいろなものがとても便利になっていますが、Googleにとっては、まだ始まりに過ぎない段階で、AI(人工知能)搭載で機械学習のためのオープンソースソフトウェアライブラリとして「TensorFlow」を作り出したのです。このAI(人工知能)エンジンをオープンソース化したことによって、様々な研究者や技術者がコードを通じてアイデアを交換できるようになり、さらに研究が加速し機械学習のテクノロジー全般が向上するでしょう。

それでは、Googleが開発したAI(人工知能)搭載のTensorFlow(テンソルフロー)というオープンソースとはどんなもので何ができるのかを詳しく見ていきましょう。

TensorFlow(テンソルフロー)とは

プログラムのイメージ

Googleは2011年に「DistBelief」というディープラーニングのインフラを開発し、音声認識やイメージ検索のサービス向上をさせ、Googleのいろいろなサービスのコア技術となったのですが、汎用性が低く外部へ公開することができませんでした。そこで、汎用性を高くして開発されたのがTensorFlow

TensorFlowの性能はDistBeliefの2倍で、その性能の高さから2015年に全世界に公開されAI(人工知能)をオープンソース化させることとなったのです。

TensorFlowの最大の特徴は、ニューラルネットワークの構築を行うことができること。ニューラルネットワークを使用することにより、機械が人間と同じような論理的思考や学習をできるようになりました。

さらに、データの読み込み、前処理、計算、状態、出力といった処理に対してテンソルが活用されている点も特徴。そして、計算処理を計算グラフとして一度構築してからまとめて計算処理をすることを想定して作られていることも特徴と言えるでしょう。

他にもTensorFlowは、iOSやAndroidなどのどんな環境でも動作するように分散学習が行えます。分散学習とは、計算しなければいけないものを分散して並行処理を行うことで、ビッグデータといった大量のデータでも扱うことが可能です。

それではさらに詳しくTensorFlowでできることは何かみていきましょう。

TensorFlowでできること

医療のイメージ

まず一つ目は、画像認識です。TensorFlowは、画像に載っている情報を解析することが可能で、とても大きな可能性を秘めています。

例えば、画像認識によってぶつかりそうになると自動でブレーキがかかる「自動ブレーキシステム」が身近な例です。インターネットショップでは、ブランドバッグの偽物画像を学習させておくことで、同様の画像が見つかった際には検知して教えてくれるシステムが可能に。監視カメラの画像をもとに顔を認識し、顔の画像が登録されたデータベースと比較して識別を行うことでどういった人物が来店したのかという情報を、人を使わずに取得することもできます。

また、

糖尿病の合併症の一つである糖尿病性網膜症は、非常に速いスピードで進行し失明に至る恐ろしい病気ですが、早期に発見できれば治療することができるので、Googleは2016年にTensorFlowの機械学習を用いた診断方法が活用されていることを発表しました。これは、患者の眼底写真を正確に分析することで、糖尿病性網膜症を早期に発見できるほかにも、さらに進化することで患者の血管疾患のリスクを判断することも可能になると期待されている技術。

高校生がAI(人工知能)のオープンソースとしてTensorFlowを活用した事例では、

農業従事者向けサイトや大学のデータベースにあるデータをAI(人工知能)に学習させ、病気にかかった植物を判別するように訓練してアプリを開発したのですが、この技術を応用して皮膚病の診断用に別のアプリも開発されました。

このようにAI(人工知能)を活用してオープンソース化したTensorFlowは、様々な場面で画像認識に利用されています。

二つ目は、画像検索です。Googleで画像検索を以前から利用している人も多いでしょうが、これにもTensorFlowが活躍しているのです。

元になる画像を学習させておけば、それまで学んできた特徴と照らし合わせ、適切な画像検索が可能で、その性能は1年で2倍以上の速さで進化してる技術。
Googleであれば、近いうちに人間と変わらない性能にまで進化していくでしょう。

三つ目は、音声認識

音声認識と言えばアップルの「Siri」が有名ですが、Googleの音声認識率は高く、トップクラスの性能を持っています。
Googleの研究チームは、近い将来ニューラルネットワークを利用せずにチップだけで音声認識ができるような安価なものを開発中。

ブラジルの熱帯雨林では、不法な伐採を防ぐ警報装置にTensorFlowを活用していて、使われなくなった携帯電話を再利用し熱帯雨林の樹木に設置して、チェーンソーや伐採者のトラックの音を認識し、その地域を警戒しているレンジャーたちに連絡がいくシステムを構築。これによって人間がいなくても熱帯雨林を警戒できるようになりました。

四つ目は、言語翻訳で、もともとGoogle翻訳機能は精度の高いものとは言えませんでした。しかし、TensorFlowのニューラルネットワークを利用することで、音声翻訳の精度が非常に高くなったのです。

精度が上がったことによって、人間の通訳や翻訳と比べて圧倒的に低コストで休まず働いてくれるため、AI(人工知能)のオープンソースを利用した英会話学校も出てきています。

五つ目は、アート作成の世界への活用

写真と画像のデータを学習させて、その二つを重ねたアートを作成したり、絵画を読み込ませて外枠を描いたりといった、アートを生むというよりは学習することで先を予測する作品への活用です。

AIエンジンのオープンソースTensorFlowが使われたスマホのイメージ

以上のように、近年のコンピュータは機械学習によって驚くべき処理が可能となっています。Googleもそういった研究を積極的に行っている企業の一つですが、このTensorFlowのようにAI(人工知能)のオープンソース化を行ったのは、グローバルで技術の進歩を行っていくためでしょう。

機械学習やディーラーニングの技術開発には、個別に行うとかなりのコストが掛かってしまうためAI(人工知能)をオープンソース化して無料で提供することで、誰にでも利用できる環境を作りました。

今後ディープラーニングやAI(人工知能)の開発が進んでいくと、最も重要となってくるのは情報やデータです。ビッグデータを持っているGoogleなどによって、TensorFlowのようにオープンソース化されたAI(人工知能)を使って、映像や音声から生成できることが増えていく可能性は高いですが、AI(人工知能)を利用したビジネスはますます白熱していくことでしょう。

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