最近では機械学習やディープラーニングなどといったAI(人工知能)に関するものはとても人気です。
そのため、それらを学びたい人やすでに学んでいる人もいるかもしれません。しかしその過程ではよくわからない言葉も出てくるはず。「教師データ」もその一つですよね。
なお、この教師データはAI(人工知能)を作成する過程において非常に重要もの。 ですからこの「教師データ」についての基本や活用方法の勉強には多くの時間を費やすことも珍しくはありません。しかし1から自力で教師データについて調べて学ぶののは大変でしょう。
なので今回は「教師データ」の基本やどのように作成していけばよいのかという疑問やその際に注意すべきことをお伝えしましょう。ぜひ、教師データについて正しく理解し、よければ更なるAI(人工知能)に関する理解を深めるための糧にしてください。
教師データってどんなデータ?
それでは、教師データがどのようなものであるのかを説明していきましょう。まず、機械学習は機械に何らかの能力を獲得させる目的で行われますが、その際には大別すると以下のようなアプローチ方法があります。
- 教師あり学習
- 教師なし学習
- 強化学習
そして、この教師データはこれらのアプローチ方法の中でも1の「教師あり学習」という手法で利用されるデータなのです。
イメージとしてこちらはみなさんが学校で先生から勉強を教わる図式と同じです。そのため、機械を訓練していくためのデータでもあるので訓練データなどとも呼ばれています。
ちなみにこの種類の機械学習では教師データの量と質によってAI(人工知能)の優劣が決まるともいわれており、AI(人工知能)開発では大きな時間がこちらの作成に割かれることも珍しくはないです。
これら両者の違いについては以下で詳しく説明していきます。
教師ありと教師なしって何が違うのか
上では教師あり学習とは教師データを利用して学習を行っていくものであると説明しました。ですが、この教師データを利用せずに学習を行っていく教師なし学習というのも機械学習では利用されており、こちらも実際に大きな成果を上げています。
それでは、両者の違いとは何なのでしょうか。実はこちらは以下のような違いがあるのです。
結果に答えがあるものとないものでラベル付けを行うかどうかという違い
なので機械学習を行う際に答えがあるのなら、ラベル付けを行う教師データを利用した機械学習を行うのが普通です。
しかし、明確な答えが存在しない場合も世の中にはあります。
こちらであれば与えられたデータから機械が何らかの傾向や法則をみつけ出すことで、どうしていけば効率化につながるのかを判断できます。
したがって、これらをまとめていくと分析したい事柄に答えがあるのならラベルの付いた教師あり学習、答えがないのであればラベルなしの教師なし学習というような違いがあるのです。
教師ありと教師なし学習の違いは以上です。それでは、話を教師データに戻して以下では教師データの主な活用方法について説明していきます。
教師データの主な活用方法
教師データの活用方法は以下のようなものです。
用途に則した教師データを作成する
詳しくは次の章で説明しますが、ある程度の量と質のよい教師データが必要。
教師データを利用して機械学習を行う
なお、その際には単純に教師データを学習させて正解を理解させていくだけではなく、人間も学習に参加するなどしてより性能を高めていきます。ちなみにこの学習過程では教師データは以下の3つに分けて利用されます。
- 学習データ
- 評価データ
- テストデータ
ただし、これらの比重については機械に理解させることが大切であるのでやはり学習データの割合が最も多くなります。
学習を繰り返して学習モデルを作成する
これらが教師データの主な活用方法です。これを踏まえて次の章では具体的に教師データをどうやって作っていくのかを説明していきましょう。
教師データはどうやって作るのか
根本的な疑問として教師データがどのように作られるのか気になりますよね。ですから、ここではどうやって教師データが作られるのかやその際の作業についても説明していきましょう。
まず、これまで説明してきたように教師データを作るには必要なデータを大量に集める必要があります。画像なら画像データを数字なら数字データなどが大量に必要です。
こちらに関しては以下のような方法でデータを集められます。
自前で用意する
他所から用意する
データセットを利用する
基本的にデータ収集はこれらの方法で行うのがよいでしょう。
なお、このデータクレンジングは教師データづくりでは重要な作業であり、集めたデータの中から不適切なものを取り除いたり、データに偏りが生まれていないかなどを確認していくもの。これによって十分なデータ量と相応の質を伴った教師データにしていくのです。
以上のように必要なデータを大量に集め、それをデータクレンジングしながらラベル付けを行っていくことで教師データは作成されるのです。ただし、その際にはいくつか注意すべき点もあるので、次の章ではそれらについて説明していきましょう。
教師データで注意すること
教師データを扱う際には以下の点について注意してください。
適切な量と質を確保する
例えば、機械学習の勉強として教師データを作成するなどした場合には、ある程度用途を限定することで必要なデータ量と質は抑えられます。
ですが、これがビジネスなど万人向きの目的であるのなら用意するデータの質と量はそれ相応に高くしなければなりません。ちなみにそのような場合では人種間での差異や扱うデータによる特徴の違いなど、理解しておかなくてはいけないポイントがいくつかあります。
ラベル付けは正確に行う
ですから、ラベル付けが完了した際には問題がないのかをチェックするようにしましょう。
教師データが偏らないように注意する
以上が教師データを扱う際に教師データで注意することです。これらを留意しながらみなさんの手で教師データを扱ってみてください。そうすればみなさんの手でAI(人工知能)を開発することも夢ではないでしょう。
最後に、実際にこの教師データを利用してみたい人に向けて、耳寄りな情報についても紹介していきます。これまで教師データに関する以下の点を説明してきました。
- 教師あり学習という手法で利用されるのが教師データ
- 分析結果に答えがあるのなら教師あり学習、答えがないのなら教師なし学習を行う違いがある
- 教師データを作成して機械学習を行うことで学習モデルを形成する
- 必要なデータを集め、それらをクレンジングして教師データは作成される
- 正確にラベル付けを行いながら質と量を確保するなどの注意点がある
これを踏まえてみなさんにお伝えしたいのがデータセットについてです。こちらに関しては上でも触れましたが、公共のデータや研究機関などがリリースしているデータを無料で利用できます。
具体的には「DATA GO JP」では二次利用可能な行政データを集めることが可能です。また、「MNIST」では機械学習を始めた人におすすめの数字画像のデータが利用できます。
この他にも利用可能な有用なデータセットは検索すればすぐにみつけれるので、検索サイトで「データセット フリー」などと入れて探してみてください。なお、その際には法律的な問題を避けるためにも使用の有無についてよく確認してから利用するように。
ぜひ、これを機会に機械学習と教師データを利用してみませんか。きっとこれらはみなさんの明るい将来設計の役に立つでしょう。